夏の高原を代表する紅色の綺麗な花です。
撮影日 2024.8.3: 群馬県
ヤナギラン(柳蘭)
<学名:Chamerion angustifolium (L.) Holub>
アカバナ科 ヤナギラン属 多年草
本州中部以北、北海道の亜高山帯から山地帯の草地や礫地に
分布する。森林の伐採跡地や林道沿いの湿った草地などに
群落をつくっていることが多い。
高さ0.5~1.5 mで、ほとんど枝分れせずまっすぐ上に伸びる。
葉は互生し、長さ5~18㎝の披針形、ヤナギに似た細い葉で
細かな鋸歯がある。
花期は7~9月。茎頂の総状花序に濃紫色の花を下から順に咲かせる。
長さ1-1.5 cmの花弁は4個で、雄しべは8個、
花は下から上に順次咲き、雄しべだけの花が先に開き、
後から雌しべの先が十字に開いて雄しべの花粉を受粉する雄性先熟。
蜂や蝶に人気の花です。
花を横から見ると花柄と花の間に棒状の部分が見られます。
ここが実になる所で子房と呼ばれます。
アカバナ科は花の下に子房が見られる『子房下位』が特徴です。
花が散って棒状の子房だけになってやがて中から綿毛の付いた小さい種が
風に乗って旅立って行きます。
何年か前の秋に撮った実の画像をご覧ください。
果実は細長く、白い綿毛を付けた種子を飛び散らせます。
下の方の実は裂けて綿毛の付いた小さい種が飛び立とうとしています。
和名の由来は、ヤナギ(柳)に似ている細長い葉をしていて花が美しく
ラン(蘭)の花を思わせるのでヤナギランと呼ばれます。
柳の仲間でも蘭の仲間でもなくアカバナ科です。(マツヨイグサの仲間に近いものです。)