これ、科学?#12 宝前みすみの日常〜科学と非科学の境界線 | ひろじの物理ブログ ミオくんとなんでも科学探究隊

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 シカ部な人、キャラ紹介編、今回は「不思議ちゃん」宝前みすみです。

 科学と非科学の境界線にある曖昧な現象が大好きなみすみ。

 オカルト研のメンバーとも仲がよいのですが、立ち位置が違うので、シカ部にいるのです。

 

 科学と非科学(神秘主義やスピリチュアル、疑似科学など)の境界線は、物事をどう捉えるか、どのように事実を認識するかという、概念形成によって引かれます。

 科学を専攻していても、その境界線があいまいな人は、簡単に「向こう側」に行ってしまいます。

 

 その傾向は「科学の時代」といわれた19世紀に顕著でした。

 いわゆる「心霊現象」が科学時代のアンチテーゼとして大流行しました。

 このとき西洋で流行った「テーブルターニング」が、形を変えて日本に輸入され、「こっくりさん」になりました。

 本場のテーブルターニングは、マイケル・ファラデーにより科学的に検証されましたが、日本でも、「妖怪博士」と呼ばれた井上円了により同様な検証がなされています。

 

 ところが、高名な科学者でも、その境界線を踏み越えて「あっち側」に行ってしまう人もいます。

 イギリスのクルックスや、フランスのリシェなんかがそうですね。

 クルックスは陰極線を研究した人で、イギリスの物理学会の会長をしたほどの人。リシェはアナフィラキシーショックを発見してノーベル賞を取った人です。

 

 これらの科学者は19世紀にイギリスとアメリカで誕生した「心霊現象を科学的に解明する会」SPRの活動に参加しますが、霊媒たちの「手品」を見破ることができずに、「あちら側」に行ってしまいました。

 

 科学の方法論は自然を相手にするために生まれたものなので、人間が行うペテンを見破ることができないのです。科学の方法論を過信した科学者は、いくら科学者として有能であっても、簡単に騙されてしまいます。

 

 19世紀に「霊媒狩り」をして、つぎつぎにペテンを見破ったのが、科学者でなく奇術師のフーディニであったことは、その象徴的な例でしょう。

 

 信じる、信じないは、あくまでも人間の心の問題なので、現実にこの宇宙がどうなっているかとは無関係です。

 

 その境界線が曖昧なままだと、自分がどちら側にいるのか、判断することも危うくなりますね。

 

 

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