さき「これね、前に書いたオリキャラ、リメイクしたの」
ひろじ「身体や手足のラインのバランスが自然になってきたね。美術部効果？ クロッキーとかやったんでしょ？」
さき「さあ、わかんないけど、最近は2分で描くのも、わりと余裕がでてきたかな。最初は時間が足りない〜って思っていたけど」
ひろじ「クロッキーやると上達が早くなるんだ。ずいぶん前に、クロッキーやるといいよといってたけど、ついに実現したね。美術部さまさまだ」
さき「美術部がある日は、もう本当に楽しいの。あと、TRPGのシナリオ作るのも。いま、第2作を作ってるよ。今度はもう少し軽いノリのも入れてほしいっていわれてるから、それを取り入れてる。やっぱ、クトゥルフだとSAN値チェックが盛り上がるんだよ」
ひろじ「さきのキーパーとしての喋り、なかなかカッコよかったよ。想像してたよりずっとうまくて、びっくりした」
さき「えへへ〜、川犬さんとか、たくさんの人のTRPG動画見て、研究したからね」
ひろじ「TRPGの生配信とか、長時間なのによく見ていられるなあ・・・」
さき「だって、楽しいんだもん」
ひろじ「そうだなあ。ぼくも＜こっくり倶楽部＞のシナリオやイラスト描いてるとき、たいへんなスケジュールだったけど、楽しかったっけ。数えてみたら、実際に書いたイラストはエンディング後のキャラ・演者紹介も含めて、１７０枚くらいあった。よく、３日で描けたなあ」
さき「それ、１日で５〜６０枚描いたってこと？」
ひろじ「うん。ぼくは当時、絵を描くのだけは早かったからね。ぼくはこの頃、カラーの彩色は得意じゃなくて時間がかかったけど、IZZAO氏はじめ、人海戦術で塗ってもらったから、なんとかなった。だから、イラストごとに彩色の仕方が違うんだけど。アニメの彩色っぽいのがIZZAO氏で、全体の７割くらいは彼が塗ったんじゃないかな。彩色、すごく早くてきれいだったから」
さき「よしっ、じゃあ、イラストの色塗り見て、どれがIZZAOさんのか、当てようかな」
ひろじ「たぶん、一発でわかるのが、N氏の塗ったやつだよ。どういうわけか、N氏が塗ると、どのイラストも妖怪画みたいな雰囲気になったからね。それがわかって、途中から不気味なシーン専門に塗ってもらうことになった」
さき「お父さんが塗ったのもある？」
ひろじ「大判は全部、自分で塗ったよ。今回の5枚目のイラストがそのひとつ。大判で丸まっていたので、広げてスキャンしたら、ちょっと紙のくせの影がついちゃったけど。これはどうしようもないかな。じゃあ、こっくり倶楽部の続きをどうぞ」
【こっくり倶楽部07】
柴田 は？
ハルナ ハルマゲドン、すなわち、最後の審判。菊栗高校の存亡をかけた大事件が、いまや起ころうとしておるのです。この危機に際して頼りになるのは、人知を超えた超感覚。そうです、こっくり倶楽部だけが、菊栗高校を襲い来る魔の手から救うことができるのです！
柴田 ほ、ほう。続けたまえ。
ハルナ 魔の手は、すでに生徒会長、あなたの足下にさえ届こうとしております。
柴田 ふ、ふんっ、ばかな。そんな心当たりはない。
美穂 これを見たまえっ、会長くんっ！
SE／ばさばさっと、新聞紙をひろげる音。
美穂 今しがた発行されたばかりの菊栗新聞！ ぬあんと、一面のトップ記事は「生徒会長と副会長、不倫の恋！ 書記も絡んだいけない三角関係！」
柴田 ななななにーっ！
大西 事実無根ですわっ！
美穂 さらに見よっ！ 二面は「暴露！ 生徒会費使い込み！ 大半は会長と副会長のデート代か？」
柴田 き、きさまら〜〜〜、新聞部を抱き込んだな〜〜っ！
大西 ななななんて卑劣なっ！
ハルナ 勘違いをなさっているようですね。この記事はすべて、わが菊栗高校が突入した、まがまがしい巨大な渦のなせるわざ。この凶事の渦こそ、人類に百万年の歴史を通じ、あるときは戦争を巻き起こし、またあるときは営々と築き上げてきた文明を、一夜にして滅ぼした主犯であったのです！
柴田 恐ろしくスケールのばかでかい話になってきたじゃないか。そんな人類的スケールの巨大な渦とやらが、なんでまたよりによってわが菊栗高校を襲わなきゃならんのだーっ！
美穂 そんな細かいことにこだわっているひまはないと思うんだが、生徒会長。この新聞、どーするね。
柴田 ふふん、誰がそんなデタラメを信じるかっ。
美穂 わかっとらんよーだね、生徒会長くん。真実を伝えるのがマスコミではない。マスコミによって伝えられたことが真実となるのだよ。人の口にはとは立てられぬ。一度失った信用は簡単には回復できんよ。
柴田 お、おのれらあーっ、よ、要求は何だ！
ハルナ わたくしどものささやかな願いなど、とるに足らぬものでございます。ただ、こっくり倶楽部を部に昇格させてくだされば、それ以外多くは望むものではありません。
柴田 ぶぶぶぶぶぶ…
大西 部に昇格ですって！
あきら 損な取引ではないと思うが。
柴田 いいいいい…
大西 いいでしょう！
柴田 大西くんっ！
佐竹 会長、ここは副会長にまかせましょう。
柴田 う、うむっ、まかせたぞっ、大西くんっ。
あきら さすが副会長、話せるじゃありませんか。
大西 この四十年間、わが菊栗高校において新しい部が認められたことはありません。したがって、部昇格の申請用紙も現生徒会室には置いてありません。
あきら そんなの、そこらへんの紙に書きゃいいじゃんか。
大西 申請用紙は絶対なのです！ 正規の申請用紙で申請しない限り、部昇格を認めるわけにはいきません。
つづく。
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