さき「この絵はね、夜空を見上げる天使なの。略して、夜空天使」
さき「これはね〜、わたし、今までツリ目とかジト目が好きで、そういうキャラ描いてきたんだけど、今回は、はかなげにかなしい感じのキャラを描きたくて、いろいろ考えてこういう目にしたんだよ」
ひろじ「へえ、意図的だったんだ」
さき「この子は、前に描いた躍動感堕天使が、堕天使になる前の姿なんだよ」
ひろじ「あー、2つの絵はつながっているんだ」
さき「そうなの。ほら、躍動感堕天使は堕天使だから、天使の輪っかが壊れているけど、天使だったときは天使の輪が途切れてないの」
ひろじ「そういえば、そうだね」
さき「髪のふわーっとしたところで天使の翼を表しているの。髪の毛の先の色、堕天使では悪そうに紫色にしたけど、天使だったときはその反対の色で黄色にしたんだよ」
ひろじ「だから、服とか、全体に黄色を基調にしているんだね。そうすると、夜空の紫色は、この天使が堕天使になる未来を予知している感じ?」
さき「そうなの! ほら、白い髪の毛に天使の黄色があるけど、夜空の色を反射して髪の上の方が紫色になってるでしょ。これが堕天使になる予兆」
ひろじ「なるほど〜、昔、物語を描こうと思ったら、小説かマンガしかなかったけど、今はボカロ曲とかでも物語を表現できるし、さきが描いているように、何枚かのイラストに物語を封じ込めることもできるんだね。ずいぶん表現方法が自由になったんだなあ」
さき「一枚のイラストに、いろんな意味を含ませて描くの、すごく好き。ボカロとかのイラストも、そうなってるから」
ひろじ「じゃあ、昔の絵画みたいになってきてるんだね。古典的な絵画も、絵の中にいろんな意味を隠したり、象徴させたりさせているから」
さき「こういう話できるの、すごくわくわくする!」
ひろじ「おもしろいね」
さき「それから、目の色も反転してるんだよ。堕天使は赤だけど、天使は青」
ひろじ「あ、ホントだ」
さき「赤は怒りとか邪悪とかってイメージで、実際、いろんな画像を見ても、怖いキャラは赤い目をしてるから。青は、赤の反対色ってわけじゃないけど、清純とか清浄とか、優しいイメージがあるから。それに、悲しい感じもある」
ひろじ「うわあ、さきはキカイダーとか、見たことないよね?」
さき「何? それ?」
ひろじ「石森章太郎が作ったアンドロイドのキャラで、特撮番組として放映された。キカイダーは不完全なアンドロイドなので、右半身と左半身が非対称の、独特な姿で、青と赤で菜食されている。主題歌が、<正義と悪との青と赤〜♪>なんだよ」
さき「え〜! じゃあ、わたしが思ったのと同じだね!」
ひろじ「うん。どうも、赤と青には、さきがいうようなイメージが、昔からあるみたいだよ」
さき「なんか、うれしい!」
ひろじ「そういえば、キカイダーはお母さんも、別の意味でよく知っているんだよ」
さき「どういうこと?」
ひろじ「お母さんは聖飢魔IIが好きで、よくライブとか聞いてるだろ? デーモン閣下が、キカイダー好きで、キカイダーに登場する悪の科学者プロフェッサー・ギルが吹く笛の曲を、よくライブでやっていたらしい。昔、お母さんにそのライブを見せてもらって、お父さんもびっくりしたんだ。これ、プロフェッサー・ギルの曲じゃんって!」
さき「そうなんだ・・・」
ひろじ「不思議なつながりだね」
さき「ところで、こっくり倶楽部のこの記者の人、IZZAOさんの色塗りのレベルも違うけど、もともとのキャラデザインの段階で、他のキャラとずいぶんちがうよ。すごい気になる。どうしてなの?」
ひろじ「それはね、このとき、3日で170枚くらいの絵を描いたでしょ? それだけ描いてると、普通に描くのはしんどくなるんだ。なんか、作業とか義務みたいになっちゃって。だから、絵を描きながら、いろいろ遊んだんだよ。水野顧問先生の頭の上の飾りとか、週刊祓串レディの記者のキャラデザインとか。この記者はセリフもほとんどないモブキャラなんだけど、このキャラデザインにしたことで、がぜん絵を描く気力が上がって、関係ないシーンにもさりげなく登場させる遊びをやった。そういう遊びがないと、やってられないよね」
さき「あー、それ、わかる気がする。わたしの好きなユーチューバーの驚天動地倶楽部のイラスト描いてる人が、やっぱり、ストーリーと関係ないところで、イラストを遊んで描いているの。そういうの、大好き」
ひろじ「こっくり倶楽部のイラストの彩色、だいたい見当はついてきた?」
さき「うん、IZZAOさんの彩色したのは、だいたいひと目で分かるよ。すごくうまいから」
ひろじ「だろうねえ。お父さんも、当時、すごいなと思ったから。じゃあ、こっくり倶楽部の続きを載せるね」
【こっくり倶楽部10】
柴田 ななななななににににににををををいいいいいうううううっっっっkああああああーっ!
大西 何をするんですかっ!
佐竹 かかか会長っ、そこに近寄っちゃいけませんっ!
SE/ドアをがたがたさせる音。
柴田 ぼぼぼぼくがっ、封印を解いてやるっ! きさまらあっ、覚悟しておけーっ
大西 やややめてーっ!
佐竹 やめてくださいーっ!
柴田 やってやるーっ!
SE/バリッという、封印の剥がれる音。
大西・佐竹 かっ、会長—っ!
SE/すさまじい音響と吹き荒れる風。超人的な響く笑い声。ドアが開き、バンバンと鳴る。物の裂ける音。
超意識 はーっはーっはーっはーっ!
柴田 どっ、どおーっだあーっ、はははーっ! 初代生徒会長の伝説はまだ生きていたんだーっ!
超意識 はあーっはあーっはあーっはあーっ!
柴田 初代会長っ、こいつらはわが伝統ある菊栗高校の規律を乱す破壊者どもですっ! そっ、それなのにっ、事もあろうかこいつらはっ、自分たちででっちあげたこっくり倶楽部という同好会を、正規の部に昇格しろなどというのですっ! こいつらの魔の手から、部昇格の申請用紙を守ってくださいっ! そして、こいつらを菊栗高校から抹殺しちまってくださいっ!
美穂 やろーっ! いいたいほーだい抜かしやがってえっ!
あきら 申請用紙はいただくぜーっ!
超意識 きききききーりーつーうううう!
SE/豪風。
アナウンサー あーっ、ちょっと到着が遅れてしまったようであります。ここ、菊栗高校の構内では、すでにこっくり倶楽部とあの伝説の初代生徒会長の戦いが繰り広げられております。あの、扉のふっとんでいる部屋が、察するところ、いわゆる開かずの生徒会室でありましょうか。そのおどろおどろしい部屋の一角に、渦巻くように光っているあの塊が、そうすると超意識、超生命体と化したという初代生徒会長なのでありましょう。
美穂 エネルギー電撃波—っ!
ハルナ 火炎放射—っ!
あきら あんぎゃあーっ!
超意識 ふふふううううーきいいいいいい!
SE/建物の崩れる音。悲鳴。
アナウンサー こ、これは大変なことになってまいりました! 初代生徒会長の発する膨大なエネルギーと、こっくり倶楽部の超能力エネルギーが相乗しあい、空前絶後、言語道断の減少が起こりつつありますっ! これは、このまま行くと、校舎が崩壊するぞーっ!
つづく。
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