さき「なに、それ? 考える足?」
ひろじ「葦は植物。17世紀のパスカルが書いた『瞑想録(パンセ)』の一文だよ」
さき「なんで人間が考える葦なの?」
ひろじ「人間は広大な宇宙では葦(あし)のように取るに足らない弱い存在だけど、考えることで宇宙に思いを馳せることができる、みたいなことをいってるんだろうね。思考がどれだけ大切なことかをこの文で示した名文だよ」
さき「わあ、なんかかっこいい。パスカルって、作家なの?」
ひろじ「哲学者だけど、科学者で数学者でもある。科学の世界では、圧力のパスカルの原理で知られている。16才のときに幾何学について論文を書き、19才のときに機械式の計算機を発明しているから、数学の天才だね。でも、本人の興味は神学にあったというから、これもまたすごい。おまけで数学や科学の研究をしたんだからね」
さき「あしって、どんな植物?」
ひろじ「うーん、すすきみたいな感じの草で・・・あ、そうだ、すだれってわかるよね」
さき「日差しをよけるわらみたいなやつ?」
ひろじ「そうそう。よしすだれ」
さき「よしじゃなくて、あしだよ」
ひろじ「よしがあしなんだ」
さき「はあ?」
ひろじ「どっちも同じ漢字。昔の人がね<あし>だと<悪し>つまり悪いって意味で縁起が悪いから、むりやり<良し>つまり<よし>っていい換えたんだそうだよ。辞書で調べると、<あし>でも<よし>でも同じ漢字<葦>になる」
さき「へえ〜、なんかてきとうだね」
ひろじ「こういう縁起担ぎの言葉変えは昔からよくやっているんだ。それも機会があったら、またまとめるよ・・・科学ネタじゃないけど」
ひろじ「ははあ、デジャヴって、最初の回の手ぶくろね。最終回っぽいけど」
さき「最終回は、友だちが持って帰ったの。最後に新聞係で新聞を分けたから。このマンガは、2学期の最後の回」
ひろじ「そっか。最終回も見たかったな。デジャヴって言葉、よく知ってるね」
さき「うーん。気がついたら知ってた。記憶にあるのは『涼宮ハルヒの憂鬱』のアニメだけど、もっと前から、いろんなところで見たかなあ」
ひろじ「へえ。デジャヴなんて言葉、昔は一部の人しか知らなかったけど、今は一般語なんだ」
さき「そうだよ。<ぴえん>とか<ぱおん>とかと同じで」
ひろじ「は? 何それ?」
さき「ええとね、ぴえんはもともとそういう言葉があって、それがホラーゲームになって、それで一時期すごくはやったの。しょんぼりしたときに使うの。<テスト悪かった。ぴえん>とか」
ひろじ「ぱおんは?」
さき「ぴえんの最上級。ぴえんがもっとひどいときにぱおんっていうの」
ひろじ「そんなの流行ってるんだ」
さき「はやってるんじゃなくて、はやったの。今はもう、たまに使うくらい。今は・・・ラインとかで<飯テロ>がはやってるかな」
ひろじ「・・・一応、聞いておこうかな。何それ?」
さき「お腹のすく時間帯に、今こんなの食べてるぞーって、ごちそうの写真をアップすると、<飯テロだ〜>って騒ぐとか・・・」
ひろじ「・・・それも、じきに廃れるんだろうなあ・・・」
子どもの世界の流行の入れ替わりは、予想以上にはやいようです・・・
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