ひろじ「今回は第8話にじの国のアートな話。物理の裏話はもう書いてあるから、そっちを見てね」(二人で見る虹は同じものか〜「にじの国のひみつ」裏話、虹の色〜「にじの国のひみつ」裏話その2)
さき「りゅう、かっこいいね。ちっちゃいりゅうもかわいい」
ひろじ「このチビ竜は、昔書いた『とんでもドラコン』の竜の子供のキャラをつかったんだ。おきにいりのキャラだったから」
さき「にじはどうやってかいたの?」
ひろじ「本当は、七色に分割じゃなくて、本物の虹みたいに連続的に色が変わるようにしたかったんだけど、コミスタの機能じゃ限界があったんだ。それで、思いきって、簡略化した七色の虹にしたんだよ」
さき「たくさんのコマににじがいっぱいかいてあるけど、あれ、ぜんぶひとつひとつかいたの?」
ひろじ「ソフトを使っているから、それはズルしたよ。完全な円形の虹と逆虹の絵を作っておいて、それを必要に応じてコマにコピペして加工したんだ。それはそれで、それなりにめんどうな作業だったけど、1コマ1コマ描くよりははるかに楽だから」
ひろじ「うん。さいきんの異世界もののラノベみたいで、テンション上がるでしょ?」
さき「ゲームっぽいかも」
ひろじ「そんな要素も取り入れてみたよ。4つの竜神像の出す謎を解いて、にじの国の竜を復活させるってお話になっている」
さき「ガリレオ島のひみつみたいに、アドベンチャーゲームにもできるんじゃない? 前にあれを作ったあとに、小学生用のアドベンチャーゲームも作ろうって、そうだんしたよね。ゲーム用に、あたらしいキャラもつくってあげたじゃない」
ひろじ「あ〜・・・そうだったね。ごめん、あれはまだ実現できてないな・・・」
さき「りゅうの子もだけど、この、にじの国の人たちも、かわいいね」
ひろじ「毎回いろんな国が登場するから、前のとかぶらないようにキャラデザインするのは、けっこう大変だったかなあ」
さき「ええと、ニュートンさんも出てたよね」
ひろじ「まあ、光の研究といったら、ニュートンがプリズムで光を七色に分けたのが大きな一歩だからね。でも、ニュートンは光のいろいろな現象を詳しく調べたけど、光を波だとは思わず、粒子だと考えたんだ」
さき「光は波なの?」
ひろじ「うーん・・・波ではあるんだけど、ときとして粒子の性質も示す。でも、それはもっとあとに量子という発想が生まれてから理解できるようになることなんだけどね」
さき「あ、とっぴの話に出てきたね。ええと、怪盗とたたかうやつ」
ひろじ「怪盗クァンタム対科探隊の話だね。『いきいき物理マンガで冒険』の」
さき「そうそう! あれ!」
ひろじ「あれは白黒のマンガだけど、このにじの国の話は、白黒のマンガだとちょっと表現しづらい作品なんだよ。スクリーントーンとかいくら工夫しても、七色を白黒で表すのは難しいからね。図に赤橙・・・とかの説明をいれなくちゃいけない」
さき「そっか・・・カラーマンガでよかったね」
さき「このコマ見たとき思ったんだけど、にじは、水のつぶがあるところにあるんだね。庭で水まきしたときも見えたよ」
ひろじ「にじの国の話にも描いたけど、虹は自分を中心に円形に見えるんだ。一人一人、見ている虹はちがう虹なんだよ」
さき「じゃあ、友だちといっしょににじを見てても、わたしの見てるにじとともだちの見てるにじはちがうにじなの?」
ひろじ「そうなるね。雨粒で光が反射と屈折をして、見ている人の目に入ることで見えるのが虹だから」(二人で見る虹は同じものか〜「にじの国のひみつ」裏話)
さき「光って、どうして七色なの?」
ひろじ「それは、人間の目と脳のしくみがそうなっているからとしか、いえないな」
さき「ええと、どういうこと?」
ひろじ「人間の目は、赤、青、緑の三色の組み合わせで光を見ているからだよ。その配合で、いろいろな色を脳が見ているんだ。光の七色について詳しいことは、にじの国の裏話その2に書いたから、そっちを見てね」(虹の色〜「にじの国のひみつ」裏話その2)
さき「赤青緑の三色っていうのも、ニュートンが見つけたの?」
ひろじ「それがね、光の三原色が発見されたのは、ニュートンよりずっとあとの話なんだ。絵の具を塗るときの三原色は早くから見つかっていたけど、光の色のもとになる三原色は、19世紀になって、ようやく、マクスウェルが見つけたんだ」(マクスウェルと光1〜3原色の実験)
ひろじ「なに?」
さき「このマンガのにじ、七色じゃなくて、六色だよ」
ひろじ「バレたか・・・」
さき「どうして六色にしたの?」
ひろじ「ニュートンは七色っていったけど、じっさいに、虹の七色(赤橙黄緑青藍紫)のうち、青と藍の区別はわかりにくいんだ。だから、欧米の教科書なんかだと、藍を削った六色で教えていることが多いんだよ。そもそも、七色というのも、ニュートンがそう分けただけの話だしね」
さき「へええ」
ひろじ「じつは、このマンガに描いた虹の絵は、模式的に六色で描くとき、それぞれの色の幅を同じに描いているんだ。これは、イラスト的なウソだよ。本当は、人間の目にじっさいに見える色の幅は均等じゃない。たとえば、紫に見える部分は、ほんのちょっぴりしかない。でも、それを忠実に絵にするのは、ぼくの持っているマンガソフトじゃちょっときびしかったんだ」
さき「ほんとうはどんなふうに見えるのかな」
ひろじ「まえにさきと話した色の話をまとめた「色の話」に、実際に見える光のスペクトルを示した物があるよ。これも、写真を少し加工したものだから、本物じゃないけど、より本物に近い絵になっているかな」(色の話〜物理夜話)
さき「光の色のこと、こうしてみると、いろんな記事にかいているのね」
ひろじ「そういえば、そうだね。まだ、光の三原色の実験の記事とか、ほかにもいろいろ書いたなあ。科探隊セレクションで、こんど光の色の特集をしてみようかな」
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