さき「これ、どう？ うさみちゃんのミニキャラ」
ひろじ「まえに描いたオリジナルキャラをミニキャラ化したんだ」
さき「そう。どう？」
ひろじ「こっちの方が好きかな。表情がかわいい。感情の見える表情って、大切だよね」
さき「ジッポたちも、表情ゆたかだね。とくにさんぞくとか」
ひろじ「じゃあ、１２回目」
さき「これ、前にいってたやつね。地面が川みたいに流れてる。『さりと１２のひみつ』のまさつの回で、ブラックミオくんが道路に沈んじゃったやつと同じ？」（※）
ひろじ「そうなんだ。これを描いたときは、ファンタジーとして描いたけど、『さりと１２のひみつ』では、分子間力の結びつきの強弱の話題として、象徴的に描いたんだ」
さき「土の海だから、鉄の船でも浮かぶの？」
ひろじ「水の上でも、鉄の船は浮かぶよ。じっさい、いまの大きな船はみんな鉄でできているだろ？」
さき「そういえば、そうだね」
ひろじ「ただし、このマンガの船くらいの大きさだと、鉄の船は水の中に沈んじゃうね。じゅうぶんな浮力が得られないから」
さき「浮力は、船の大きさできまるの？」
ひろじ「うん。鉄板の厚みはだいたい同じだから、大きく作るほど、鉄にくらべて空気の量が多くなるから、浮きやすくなるんだ。浮力は、おしのけた液体の体積で決まるからね」
さき「ジッポってファンタジーなのに、物理的なのね」
ひろじ「いやいや、そういうのはこのシーンだけだし、その説明もしていないからね。あくまでも、いま説明した話は、こっち側が勝手に設定しているだけだから、マンガとしてはたいした意味がないんだ」
さき「ふりょくのこと聞けて、その分、得して、ラッキーかな」
＜ジッポの道＞
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