『リッツの臨床ノート』、第18回をお届けします。

今回は、腰の張りを訴えて来院された患者さんのケースから、身体のバランスについてのお話です。

テーマ:腰が張るのは、上半身が「頑張りすぎている」からかもしれません。

【患者さんのお悩み 】

60代・女性

「常に腰が張っていて、重だるい」

「健康のために歩くようにしているが、ももの前側が突っ張って足が出にくい」

「肩周りもガチガチに凝っている」

【私の考察 】
腰の張りを訴えていましたが、身体全体を見ると、典型的な「上実下虚(じょうじつかきょ)」の状態になっていました。
これは、「下半身が不安定(虚)で、その分を上半身が過剰に力んで(実)支えている」という、非常にバランスの悪い状態です。

【解説:なぜ腰が張るのか? ✍️】
1️⃣ お腹の縮み: 腰の後ろ側ではなく、前側にある「腸腰筋(お腹の深層筋)」が縮こまっていました。
ここが縮むと、身体を起こすのが辛くなり、腰が常に引っ張られる状態になります。
2️⃣ 足元の不安定さ: さらに、足首が硬く、地面をしっかり蹴れていませんでした。
土台である下半身がグラグラしているため、倒れないように上半身や肩に無意識の力が入り続けていたのです。

【当院でのアプローチ ✅】
腰を揉むのではなく、「サボっている下半身」を働かせることに集中しました。

足首の矯正: まず、硬くなっていた足首を調整し、ふくらはぎがしっかり伸び縮みするようにしました。

骨盤・腸腰筋の調整: 縮こまっていたお腹側の筋肉を緩め、骨盤がスムーズに動くように整えました。

【その後の変化 ✨】
施術後、立っていただくと変化は歴然でした。
「足の親指に力が入って、地面を掴めている感じがします!」
「お腹が伸びて、腰が自然と楽になります」

下半身が安定したことで、上半身の余計な力が抜け、腰の張りがその場で消えたのです。

【まとめ 】
「腰が痛いから腰を揉む」だけでは解決しない理由がここにあります。
目指すべきは、「下実上虚(かじつじょうきょ)」。
下半身はどっしりと安定し、上半身はリラックスしている状態です。

歩いているのに調子が悪い、腰も肩も辛い。
そんな時は、身体のバランスが逆転しているかもしれません。
一度、全身のつながりを見直してみませんか?


『リッツの臨床ノート』、第17回をお届けします。

今回は、病院で「異常なし(ストレスでしょう)」と言われたけれど、痛みが続いて納得がいかない方へ。

当院の「自律神経整体」が、なぜ心だけでなく、身体の構造からアプローチするのか、その理由をお話しします。

【リッツの臨床ノート Vol.17】
テーマ:「ストレスで腰が痛くなる」説。
半分正解で、半分間違い?

【患者さんのお悩み 】

40代・男性・管理職

「慢性的な腰痛と首の痛みで病院に行ったが、レントゲンは異常なし」

「医師から『ストレスが原因かもしれません』と言われたが、痛みは現実にあるし、気のせいと言われたようで納得できない…」

【私の考察 】
「ストレスですね」という言葉は、時に患者さんを傷つけます。
しかし、医学的に見てもストレスが痛みの「引き金」になることは事実です☝️

でも、ここで重要なのは「なぜ、ストレスがかかると”腰”や”首”が痛くなるのか?」ということです。
もしストレスだけが原因なら、身体のどこが痛くなってもおかしくないはずです。

答えはシンプルです。
ストレスがかかった時、あなたの身体の中で、もともと構造的に弱っていた場所(骨格の歪みや筋膜の癒着がある場所)が、耐えきれずに痛みを出しているからです。

【解説:身体の中で何が起きているのか? ✍️】
1️⃣ ストレスの作用: ストレスを感じると、自律神経(交感神経)が働き、全身の筋肉が緊張して血流が悪くなります。
これは誰にでも起こる反応です。
2️⃣ 痛みの発生: 健康な状態なら、この緊張を受け流せます。
しかし、「骨格の歪み」や「筋膜の硬さ」がある場所は、血流不足や圧力に弱いため、ストレスによる緊張が加わることで、限界を超えて「痛み」として現れるのです。

【当院でのアプローチ ✅】
ですから、当院の【自律神経整体】は、単なるリラクゼーションではありません。
「神経(ストレス)」と「構造(骨格)」の両方を整える必要があります。

骨格・筋膜の調整: まず、痛みの原因となっている「骨格の歪み」や「筋膜の癒着」を徹底的に整えます。
構造的な問題を解決することが大前提です。

自律神経のケア: その上で、CBDオイルや特別な手技を用いて、過敏になった神経を鎮め、筋肉の緊張を解きます。

【まとめ 】
「ストレスのせい」と諦める必要はありません。
ストレスがあっても痛くならない人は、身体の「構造」が整っているからです。

ストレスに負けない身体を作るためには、まずは「身体の歪み」を整えることが一番の近道です。
骨格と神経、両面からのアプローチで、あなたの身体を土台から見直してみませんか?

【リッツの臨床ノート Vol.16】
テーマ:「毎日歩いているのに、歩幅が狭くなる?」身体の”ギアチェンジ”の話

【患者さんのお悩み ‍】

60代・男性

「健康のために毎日ウォーキングをしているが、最近、歩幅が狭くなってきた気がする」

「腰に常に鈍痛があり、動き出しの瞬間に『ピキッ』と鋭い痛みが走る」

「歩くのは良いことだと思っているが、自分の歩き方が正しいのか不安」

【私の考察 】
この患者さんはスポーツ経験こそありませんが、ご自身の身体の変化を敏感に感じ取る、素晴らしい「アスリート的な感性」をお持ちでした。

歩き方を拝見すると、原因はすぐに分かりました。
「ローギア(1速)」を使わずに、無理やり「セカンドギア(2速)」発進をしている状態だったのです。

【解説:身体はマニュアル車と同じ? ✍️】
1️⃣ ローギア(1速)=「骨盤(仙腸関節)」 歩き出しや加速の時、最初に動くべきなのは、身体の中心である「骨盤」です。ここが動くことで、強力な推進力が生まれます。
2️⃣ セカンドギア(2速)=「股関節・膝」 骨盤の動きを受けて、脚が動きます。

しかし、彼の骨盤はガチガチに固まっていました(ローギア故障)。
そのため、最初から股関節や膝(2速)だけで無理やり進もうとし、推進力が出ないばかりか、前ももの筋肉(ブレーキ筋)に過剰な負担をかけ、腰痛を引き起こしていたのです。いわゆる「膝歩き」の状態です。

【当院でのアプローチ(リッツ整体) ✅】 痛み止めで散らすのではなく、「ギアを修理」しました。

骨格調整: 固まっていた仙腸関節(ローギア)を調整し、骨盤が振り子のように動く状態を作りました。

動作指導: 「足を前に出す」のではなく、「お尻や裏もも(アクセル筋)で地面を蹴る」意識をお伝えしました。

【その後の変化(患者さんの声) ✨】 2回目の来院時、彼は開口一番、痛みのことではなく、こう仰いました。 「先生、足が勝手に前に出るんです。前ももの疲れが全然違います!」

痛みが減ったこと以上に、「機能が回復したこと」に喜びを感じてくださった。 まさに、身体の使い方が分かっている方の反応でした。

【まとめ 】
ウォーキングは素晴らしい習慣です。 しかし、ローギア(骨盤)が入っていない状態で歩き続けることは、半クラッチで走り続けるようなもの。エンジン(身体)を傷めてしまいます。

「最近、歩くのが遅くなった」「歩き始めが重い」 そう感じたら、それは歳のせいではなく、「ギア」が入っていないだけかもしれません。

一度、身体の整備(メンテナンス)に来ませんか? いつまでも颯爽と歩ける身体を、一緒に作りましょう‍♀️



先日、講師を務めさせていただいた「日本リズムムーヴメント指導者協会(JSRML)」様より、ご丁寧な御礼状と、受講された皆様からのアンケート結果が届きました。

登壇した日は、熱心な皆様の熱気に圧倒されながらも、 「私の伝えたかった”身体の連動性”や”筋膜の話”は、難しくなかっただろうか?」 「明日の現場で役立つものを、持ち帰っていただけただろうか?」 と、終わった後も少しドキドキしていました。

ですが、届いたお声を拝見して、ホッと胸をなでおろしました。

いただいたご感想の一部

「とてもわかり易く、腰が痛かったのが少し改善されました」

「痛みをとるだけでなく、正しい体の軸に整えるところまで、患者さんに寄り添っておられるのだなと思いました」

「専門的な内容もスッとインプットされました」

「調子が良くなったみたいです」

…など、本当に温かいお言葉を数多くいただきました。

特に、私が治療家として大切にしている「痛みを取るその先(動きの改善・軸の調整)」という想いが、指導者の皆様にしっかりと届いていたことが、何より嬉しかったです。

皆様から頂いたこの言葉を”通知表”として真摯に受け止め、慢心することなく、明日からの臨床も、お一人おひとりと丁寧に向き合っていきたいと思います。

日本リズムムーヴメント指導者協会の皆様、本当にありがとうございました!

『リッツの臨床ノート』、第15回をお届けします。

今回は、ある女子大生アスリートとの、今後を見据えた取り組みについて。

【リッツの臨床ノート Vol.15】
テーマ:高校時代の古傷と決別。
今こそ「走り方」を変える時!

【患者さんのお悩み ‍♀️】

女子大生・陸上競技(短距離・ハードル)

「高校時代から、ふくらはぎの筋挫傷(肉離れ)を何度も繰り返してきました」

「最近ようやく痛みが出にくくなってきたので、もう二度と繰り返さない身体になりたい」

【私の考察 】
痛みがあるうちは「治療」が最優先ですが、症状が落ち着いてきた「今」こそが、競技者としてターニングポイントです‍♀️
ここで何もしなければ、また同じ箇所を痛めることが心配です

なぜなら、彼女の走りには、「ふくらはぎを過剰に使ってしまう癖」が染み付いていたからです。
本来、地面を蹴るメインエンジンは「お尻」や「太もも裏」であるべきですが、彼女は無意識に、小さなエンジンである「ふくらはぎ」をフル回転させていました。これが、高校時代からの怪我の原因です。

【当院でのアプローチ(再発防止フェーズ) ✅】
そこで今回は、痛みのケアを超えて、「身体の使い方の改造」に着手しました。

骨格矯正: まず、長年の負担で固まった仙腸関節(いわゆる骨盤の関節)を均整化させるようソフトに矯正します️

動作再教育(テーピング): ここがポイントです。
あえて足首が伸びすぎないようにテーピングで制限をかけました。
これは保護のためだけではありません。
「ふくらはぎを使えない状態」を強制的に作ることで、脳に「お尻を使うしかない!」と気づかせるためのドリルです☝️

【その後の変化(検証中) ✨】
院内で少し動いてもらうと、「ふくらはぎは楽! その代わり、お尻がすごく疲れます!」と、狙い通り、使う筋肉のスイッチが切り替わったことを体感してくれました。

あとは、この感覚を実際の練習でどこまで落とし込めるか。
次回の来院で、その成果を聞かせてもらうのが、今から楽しみでなりません。

【まとめ 】
アスリート整体のゴールは、痛みの消失ではありません。
痛みの原因となった「動き」を修正し、「怪我をする前より強い選手」になってフィールドに戻すことです。

古傷に怯えながらプレーしている選手の皆さん。
その不安、身体の使い方を変えることで、自信に変えられるかもしれませんよ☺️


『リッツの臨床ノート』、第14回をお届けします。

今回は、当院の整体コースの一つである「アスリート整体」から。
痛みを取るだけでなく、”眠っている能力”を引き出すお話です。

【リッツの臨床ノート Vol.14】
テーマ:シュートが枠に入らない…。その原因、”コントロール”ではなく「肩甲骨」でした。

【患者さんのお悩み ‍♀️】

高校生・女子・ハンドボール部

「最近、シュートがどうしても枠に入らないんです」

「狙えば狙うほど外れるし、ボールに力が乗らなくて…」

【私の考察(アスリート視点) 】 一見、技術的なスランプに見えますが、彼女のフォームを見ると典型的な「手投げ」になっていました。
「手投げ」とは、肩甲骨という土台が固定されたまま、腕や手先の力だけで投げてしまう状態です。

これでは、いくら練習してもコントロールは安定しません。
彼女に必要なのは、練習量ではなく、「肩甲骨から腕を使う」という身体操作のアップデートでした。

【解説:なぜ「手投げ」は入らないのか? ✍️】
1️⃣ 軌道がブレる: 土台(肩甲骨)を使わず、末端(手先)だけでコントロールしようとすると、リリースのポイントが毎回ズレてしまいます。これが「枠に入らない」正体です。
2️⃣ パワーロス: 本来、投げる力は体幹から生まれます。肩甲骨が動かないと、その力が腕に伝わらず、ボールの威力が半減します。

【当院でのアプローチ(パフォーマンスアップ施術) ✅】
今回は、「可動域の解放」と「連動性の入力」をセットで行いました。

施術(解放): まず、ガチガチに固まっていた肩甲骨周りの深層筋をリリースし、肩甲骨が背中の上を滑るように動ける状態を作りました。

動作指導(入力): 次に、その広がった可動域を使いこなすための「連動エクササイズ」を指導。

頭の後ろと腰に手を当て、身体を最大限ひねった状態で「グーッ」と全身に力を入れる。

これにより、肩甲骨周りの筋肉を一気に目覚めさせ、体幹と腕を一本化させました。

【その後の変化 ✨】
感覚を掴んだ彼女は、「あ、腕が勝手に振られる!」と驚いていました。
その後のシュートは、重く、速く、そしてコントロールもビシッと安定しました。

【まとめ 】
当院の「アスリート整体」は、ただ整体施術をするだけではありません。
解剖学に基づき、「なぜその動きができないのか」を分析し、施術とトレーニングで「できる身体」へと書き換えていきます。

「手投げ」の悩みは、野球、バレー、テニスなど、すべての競技に共通します。 伸び悩んでいる選手、もっと上を目指したいアスリートの皆さん。
あなたの身体には、まだ使われていない”伸び代”がありますよ。

…理屈はわかっているのに、私のテニス上達の遅いこと。。悩ましいです

『リッツの臨床ノート』、第13回をお届けします。

今回は、病院で「狭窄症」と診断され、手術の二文字が頭をよぎっている方へ。
少し専門的ですが、「身体の構造」について、お話しします。

【リッツの臨床ノート Vol.13】
テーマ:「脊柱管は意外とスカスカ?」画像診断と痛みのギャップ

【患者さんのお悩み 】

70代・男性

「片足に強い痺れがあり、病院で『脊柱管狭窄症』と診断された」

「画像を見せられ『神経の通り道が狭くなっているから、手術も検討しましょう』と言われ、怖くて相談に来た」

【私の考察(検査) 】
病院では画像(MRI等)が全て?ですが、私はまず「神経が本当に機能しているか」を確認します。

そこで、打鍵槌(ハンマー)を使って、膝や足首の神経反射をテストしました
もし、画像通りに神経がギリギリまで圧迫され、ダメージを受けているなら、反射は消失したり、異常な反応が出るはずです

しかし、彼の反射は「正常」でした。

【解説:神経はそんなに太くない ✍️】
1️⃣ 構造の真実: 腰椎の中を通る「馬尾神経(ばびしんけい)」は、実は一本一本が素麺のように細く、パラパラとしています。
2️⃣ 意外と広い空間: そして、その神経が通る「脊柱管」の中は、本来かなりスカスカ(空間に余裕がある)なんです。
3️⃣ 結論: つまり、画像で多少骨が変形して狭く見えても、よほどの重症でない限り、スカスカの空間にある細い神経が、逃げ場を失って圧迫されることは稀なのです。

【当院でのアプローチ ✅】
「画像では狭く見えても、神経は生きていますよ」とお伝えし、痺れの”真犯人”へのアプローチを開始しました。

背骨の中ではなく、お尻の筋肉(梨状筋など)の硬さや、骨盤の歪みが、神経を外側から引っ張って痺れを出していると判断し、手技で丁寧にリリースしました。

【その後の変化 ✨】
施術後、立ち上がった患者さんは「あれ? 痺れが半分以下になっている…」と驚かれました。
「手術しなきゃ治らない」という思い込みが、すっと消えた瞬間でした。

【まとめ 】
レントゲンやMRIに写る「変形」は、顔のシワと同じで、年齢と共にある程度は誰にでも起こります。 「狭くなっている(形)」=「痛みの原因」とは限りません。
もちろん、画像診断は大切なので否定するものではありません。

画像だけでなく、ハンマーで叩いて、手で触れて、身体の「機能」をしっかり診てくれる場所。
手術を決断する前に、そんな”セカンドオピニオン”を求めてみませんか?

『リッツの臨床ノート』、第12回です。

今回は、スポーツを楽しむすべての方、特に「運動後の交流」が大好きな方へ

テーマ:テニス後の楽しいランチ。その「座りっぱなし」が腰痛を招く理由

【患者さんのお悩み 】

70代・女性・テニス愛好家

「テニスの後、仲間とランチをするのが一番の楽しみなんです」

「でも先日、お喋りが弾んで3時間座りっぱなしで…。帰ろうと立ち上がったら、腰とお尻に激痛が走って動けなくなりました」

【私の考察 】
「運動したから痛めた」と思われがちですが、実は逆です。
運動直後の「動かない時間」が、痛みの引き金になっていました☝️

テニスで熱を持った筋肉が、クールダウンもしないまま長時間座り続けることで、急激に冷えて固まってしまったのです。
特に、座り姿勢で骨盤の関節(仙腸関節)が「ロック」された状態になり、その状態で急に立とうとしたため、関節に無理な力がかかりました

【当院での提案(ながらケア) ✅】 「ランチを我慢して」とは言いません(笑)。
楽しい時間は心の栄養ですから。
その代わり、「おしゃべりしながら座ってできる、骨盤の油切れを防ぐ体操」をお伝えしました。

▼【座ったまま!骨盤ズリズリ体操】

椅子に座ったまま、上半身は正面を向いて動かさないようにします。
(会話は続けてOK!)

その状態で、お尻で歩くように、左右の膝を交互に「ズリ、ズリ」と前後に動かします。

これだけです。
上半身を固定して膝だけ動かすことで、骨盤周りのインナーマッスルが動き、固まるのを防げます。

【その後の変化 ✨】
「これならテーブルの下で、誰にもバレずにできるわね!」と喜んでいただけました。 実践してからは、立ち上がりの怖さがなくなったそうです。

【まとめ 】
スポーツ後の身体は、熱を持ったエンジンのようなもの。
急に冷やすと不調の原因になります。

楽しいランチタイムの合間に、こっそり「ズリズリ」。
その小さな動きが、腰痛知らずで趣味を長く楽しむ秘訣です

【リッツの臨床ノート Vol.11】
テーマ:「足が組める」のは、座り方が間違っている証拠?

【患者さんのお悩み 】

40代・男性・デスクワーク

「座っているだけなのに、夕方になると肩も腰もパンパンになる」

「気づくといつも足を組んでしまって、姿勢が悪いのは分かっているんですが…」

【私の考察 】
長時間のデスクワークで疲れる最大の原因。それは、「筋肉で座っている」からです。
本来、座るという動作は、「骨(骨盤)」で支えれば、筋肉はリラックスできるはずです。

しかし、彼の場合、骨盤が後ろに倒れ、背中や腰の筋肉を常に緊張させて身体を支えていました。
「足を組みたくなる」のは、その不安定な骨盤をロックして、楽をしようとする身体の防御反応だったのです。

【解説:骨で座るとは? ✍️】
1️⃣ 坐骨(ざこつ)という、お尻の下にある硬い骨。
ここで座面を捉えるのが正解です。
2️⃣ 坐骨で正しく座れると、背骨が積み木のように自然に積み上がり、上半身の力は抜けます。
3️⃣ 結果、仕事や作業に集中するための筋肉だけを使えるようになり、「座っていること自体」では疲れなくなります。

【当院での提案(実践) ✅】
「坐骨で座る」感覚を一発で掴む、簡単な方法を指導しました。

▼【正しい座り方】

椅子に座る際、まず「太ももの裏」を座面に当てます。

その太ももの裏を座面に押し付けるようにしながら、ゆっくり身体を起こします。

すると、お尻のお肉が逃げて、ゴリッとした骨(坐骨)が座面に突き刺さる感覚がありませんか? これが「骨盤が立った状態」です。

【その後の変化(セルフチェック) ✨】
この状態で、患者さんに「足を組んでみてください」と言うと…
「あれ? 組みにくい!?」と驚かれました。

そうなんです。
骨盤が正しく立っていると、構造上、足は組みにくくなるのです。
逆に言えば、「楽に足を組める」ということは、骨盤が倒れている証拠なのです。

【まとめ 】
良い姿勢とは、頑張って背筋を伸ばすことではありません。 「骨に乗っかって、筋肉を休ませること」です。

仕事中、ふと足を組みたくなったら、それは「骨盤が倒れてるよ!」というサイン。
一度立ち上がり、太もも裏から座り直して、坐骨のスイッチを入れ直してみてください。



【患者さんのお悩み 】

中学生・剣道部

「冬の試合、待ち時間が長くて身体が冷え切ってしまう」

「出番がきても身体がガチガチで、思うように動けない」

「狭い場所だから、走り回ってアップするわけにもいかないし…」

【私の考察 】
冬のスポーツ現場、特に剣道のような屋内競技では「寒さ」が大敵です。
多くの選手が、じっとうずくまって寒さに耐えていますが、これはパフォーマンスにおいて最悪の過ごし方です。

必要なのは、カイロや上着で外から温めること以上に、「身体の内側から、爆発的に熱を生み出す(自家発電)」技術です。
そのための”発火装置”は、手足ではなく【肩甲骨】にあります。

【解説:なぜ肩甲骨なのか? ✍️】
1️⃣ 筋肉の密集地帯: 肩甲骨には、なんと17個もの筋肉が付着しています。
ここを動かすだけで、背中の大きな筋肉(広背筋など)を含め、上半身の主要な筋肉を一気に総動員できます。
2️⃣ 熱効率が良い: 大きな筋肉を動かすことは、小さな筋肉を動かすよりも遥かに効率よく、短時間で体温(熱量)を上げることができます。

【当院での提案(指導) ✅】
場所がなくても大丈夫。
「50cm四方のスペース」があればできる、最強の『ダイナミックストレッチ』を、お話しさせていただきました。

▼【瞬間・発熱ストレッチ】

❶立ったまま、頭上と背中方向(後方)に腕を思いっきり伸ばす。
※両手がそれぞれ逆方向で動きます。

❷限界まで伸びたところで、拳を「グー」っと握り込む。

❸同時に全身に力を入れ、「ギューッ」と一瞬だけ収縮させてから、パッと脱力する。

これを数回繰り返すだけです。

【その後の変化 ✨】
「身体の中からボッと熱くなるのが分かる!」「肩周りが軽くなって、竹刀の届く距離(間合い)が伸びた気がする」と、驚きの声を上げていました。

【まとめ 】
待機時間は、ただ待つ時間ではありません。
次の瞬間にトップスピードで動けるよう、アイドリングをしておく時間です。

肩甲骨という”エンジン”を回せば、身体は一瞬で温まります。
冬のスポーツ、観戦、あるいは寒い朝のスタートダッシュに。
ぜひ、この「自家発電」を試してみてください