
【患者さんのお悩み 】
中学生・剣道部
「冬の試合、待ち時間が長くて身体が冷え切ってしまう」
「出番がきても身体がガチガチで、思うように動けない」
「狭い場所だから、走り回ってアップするわけにもいかないし…」
【私の考察 】
冬のスポーツ現場、特に剣道のような屋内競技では「寒さ」が大敵です。
多くの選手が、じっとうずくまって寒さに耐えていますが、これはパフォーマンスにおいて最悪の過ごし方です。
必要なのは、カイロや上着で外から温めること以上に、「身体の内側から、爆発的に熱を生み出す(自家発電)」技術です。
そのための”発火装置”は、手足ではなく【肩甲骨】にあります。
【解説:なぜ肩甲骨なのか? ✍️】
1️⃣ 筋肉の密集地帯: 肩甲骨には、なんと17個もの筋肉が付着しています。
ここを動かすだけで、背中の大きな筋肉(広背筋など)を含め、上半身の主要な筋肉を一気に総動員できます。
2️⃣ 熱効率が良い: 大きな筋肉を動かすことは、小さな筋肉を動かすよりも遥かに効率よく、短時間で体温(熱量)を上げることができます。
【当院での提案(指導) ✅】
場所がなくても大丈夫。
「50cm四方のスペース」があればできる、最強の『ダイナミックストレッチ』を、お話しさせていただきました。
▼【瞬間・発熱ストレッチ】
❶立ったまま、頭上と背中方向(後方)に腕を思いっきり伸ばす。
※両手がそれぞれ逆方向で動きます。
❷限界まで伸びたところで、拳を「グー」っと握り込む。
❸同時に全身に力を入れ、「ギューッ」と一瞬だけ収縮させてから、パッと脱力する。
これを数回繰り返すだけです。
【その後の変化 ✨】
「身体の中からボッと熱くなるのが分かる!」「肩周りが軽くなって、竹刀の届く距離(間合い)が伸びた気がする」と、驚きの声を上げていました。
【まとめ 】
待機時間は、ただ待つ時間ではありません。
次の瞬間にトップスピードで動けるよう、アイドリングをしておく時間です。
肩甲骨という”エンジン”を回せば、身体は一瞬で温まります。
冬のスポーツ、観戦、あるいは寒い朝のスタートダッシュに。
ぜひ、この「自家発電」を試してみてください