(ネタバレは一切ありません)

去年役所広司さんが最優秀男優賞を受けた時のカンヌ映画祭でパルムドール ( Palme d’Or ) を受賞した「落下の解剖学( 仏Anatomie d’une chute 英Anatomy of a Fall ) 」が今週金曜日2月23日から、いよいよ日本でも公開されます。

英国では去年11月に公開されていたのですが

2時間半という長さがキツそうに感じられ

私は、つい先日Amazon Primeでレンタル鑑賞し

結果、これは劇場で観るべきだったと感じました。

(どの映画も、そうではあるのですが…)

音響にせよ、法廷場面にせよ、

フランス・アルプス地方の雪雪雪にせよ、

TV画面でも十分に魅力は堪能できるのですが、

より、劇場鑑賞に相応しいと感じました。

ぜひ映画館へ…と、お勧めいたします!


さて、一応

法廷劇・ミステリーと位置付けされた作品ですが

むしろ、夫婦、国際結婚、親子、大人達と子ども…

を描いた作品に感じられました。

そして、何よりも重要なのが

主人公の息子で視覚障害のあるダニエル君を支える

ボーダー・コリー犬のSnoopスヌープ!!!

カンヌで堂々パルムドッグ(Palm Dog)賞を獲得したメッシ君( Messi )が熱演しています!!!

映画最後のクレジットタイトルでは

Snoopではなく「Le Chien 犬」

むしろ、それが清々しく目立っていました。


犬に始まり犬に終わり

法廷以外のかなりのシーンが犬目線で描かれ

主人公はメッシ君と言っても過言ではありません。

いや、私的には完全に主人公はメッシ君です。

ネタバレにならぬ様、触れられないのですが

映画の後半というか最後の1/4くらいの所で

この映画の最大の転換点と呼べる重要なシーンも

メッシ君がいなければ成立していませんでした。

心臓が止まりそうになった一番記憶に刺さったシーンです。


ただ、この映画には

一部の法廷劇やミステリーに見られる

イヤ〜な感じやトラウマ要素は一切ありません。

やりきれなさが伝わってくる面はあるものの

それさえ一種の若さを懐かしむ様な諦めや

溢れる暖かい愛情に包まれていて

悲劇や残酷さがトラウマになる私の様な

メンタル弱め、メンよわな方も

安心してご覧になれるはずです。


メッシ君だけでなくダニエル君も

可愛い純粋な瞳に引き込まれる演技が素晴らしく

メッシ君とのやり取りだけでなく

特に裁判官に息をのませる証言シーンは圧巻です。

2時間半、あっという間でした。

ぜひ ぜひ劇場へどうぞ!!!

 


 予告編

この予告編だと全編が英語の様な印象を与えますが

実際には

主人公のドイツ人作家と彼女のフランス人夫と

若い頃彼女に惚れていたフランス人弁護士が

プライベートで英語を話すだけで

後は(過半数は)フランス語です。




メッシ君、2023カンヌでパルムドッグ受賞!

メッシ君の受賞は

メッシ君を育てた親で

映画や劇に出演する犬を指導するトレーナー

Laura Martin Continiさんの受賞でもあります!!

上で言及した衝撃的なシーンをどう指導したか

についても語られています。

映画をご覧になった後に、ぜひどうぞ!

メッシ君

CMや短い作品には出ているのですが

外見がキャスティングされにくかったそうで、

実は映画出演はこれが初めて。

でも受賞後、他のフランス映画から声がかかっているそうです。

Instagramも、ぜひどうぞ!


@ lauramartin



それから、

映画を通して強烈な力を加えてくるこの

50 cent の p.i.m.p のカバー instrumental版

元々監督は

ドリー・パートンの「ジョリーン」を

使用したかったそうなのですが

それが叶わなかったので、こちらにしたそうです。

結果的に、大成功でした。

また、

映画内でも言及されていますが

ミソジニー的な歌詞や外見(笑)がイラっとする

50 centのオリジナルではなく

Bacao Rhythm & Steel Bandの

カバーだったのも良かったと思います。

 

こちらも、ぜひ

 

映画とモフモフへの愛に溢れ、しかも

どちらにも非常に詳しいエッセイ

お勧めです!電子書籍版もあります。



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