『ドリームプラン』(2021年) #イオンシネマ京都桂川 #ウィル・スミス #ウィリアムズ姉妹 | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

この作品は、今年の2月23日(水・祝)に日本公開された作品でしたが、私の父親の眼に出来た悪性リンパ腫の放射線治療のため、2月17日(木)から約1ヶ月間、連日の病院への送迎などが続いた兼ね合いもあり、私も映画館で映画を観る機会がなかなか取れなかったのですが、久し振りに、イオンシネマのアプリで上映スケジュールを調べてみますと、イオンシネマ京都桂川では、3月24日(木)が上映終了日である事を知り、慌てて、その終映の時間に機会を作り滑り込みセーフで、貯まっていたイオンシネマのワタシアター会員ポイントの6ミタ無料鑑賞クーポンを使用して、鑑賞に出向いて来た作品でした。

 

公開日から、もうかれこれ約2ヶ月近く経過していますので、今作品も、映画館では既に上映を終了している事かとも思われますが、今更ながらになりますが、あくまでも私自身の備忘録的に、当該ブログに感想を記録に残しておきたいと思います。

 

 

今年度の13本目の劇場鑑賞作品。

(※今年度のイオンシネマ京都桂川での2本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

 

「破天荒な父親による姉妹英才教育法(22.3/24・2D字幕版)」

ジャンル:人間ドラマ/スポーツ

原題:King Richard

製作年/国:2021年/アメリカ

配給:ワーナー・ブラザース映画

公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/dreamplan/

上映時間:144分

上映区分:一般(G)

公開日:2022年2月23日(水・祝)

製作総指揮:イーシャ・プライス / ビーナス・ウィリアムズ / セリーナ・ウィリアムズ / ジェイダ・ピンケット・スミス

製作:ティム・ホワイト / トレバー・ホワイト / ウィル・スミス

脚本:ザック・ベイリン

監督:レイナルド・マーカス・グリーン

キャスト(配役名):

ウィル・スミス(リチャード・ウィリアムズ) / アーンジャニュー・エリス(オラシーン・ウィリアムズ) / サナイヤ・シドニー(ビーナス・ウィリアムズ) / デミ・シングルトン(セリーナ・ウィリアムズ) / ジョン・バーンサル(リック・メイシー) / トニー・ゴールドウィン(ポール・コーエン) / ミケイラ・ラシャ・バーソロミュー(タンディ・プライス) / ダニエル・ローソン(イーシャ・プライス) / レイラ・クロフォード(リンドリア・プライス) / ディラン・マクダ-モット(ジョージ・マッカーサー)  他

 

 

【解説】

ウィル・スミスが主演・製作を務め、世界最強のテニスプレイヤーと称されるビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹を世界チャンピオンに育てあげたテニス未経験の父親の実話を基に描いたドラマ。

リチャード・ウィリアムズは優勝したテニスプレイヤーが4万ドルの小切手を受け取る姿をテレビで見て、自分の子どもをテニスプレイヤーに育てることを決意する。

テニスの経験がない彼は独学でテニスの教育法を研究して78ページにも及ぶ計画書を作成し、常識破りの計画を実行に移す。

ギャングがはびこるカリフォルニア州コンプトンの公営テニスコートで、周囲からの批判や数々の問題に立ち向かいながら奮闘する父のもと、姉妹はその才能を開花させていく。

 

2022年・第94回アカデミー賞では作品賞、主演男優賞、助演女優賞ほか計6部門にノミネートされ、主演男優賞を受賞。

ウィル・スミスが3度目のアカデミー賞ノミネートで初のオスカー像を手にした。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

  型破りな父親の英才教育法。

 

女子テニス界の歴史に燦然とその名を刻まれる偉大な選手、ビーナス・ウィリアムズ、セリーナ・ウィリアムズ姉妹を育て上げた型破りな父親とその家族の物語。

子供の才能を伸ばすために親が粉骨砕身した、というのはスポーツ選手の定番のエピソードですが、この親の場合には様々な意味合いで破格と言って良いでしょう。

 

 

父親の名前はリチャード・ウィリアムズ(ウィル・スミス)。

或る日、テレビを見ていてテニス大会での優勝賞金の額の大きさを知り、まだ生まれる前から自分の子供をテニス選手にしようと決意するのでした。

 

 

しかしながら、テニスは全くの未経験のために、独学で指導法を研究し、計画書を作成し、ビーナス(サナイヤ・シドニー)、セリーナ(デミ・シングルトン)に英才教育を施すのでした。

日本公開向けの邦題タイトルは、その計画書に由来します。

困難を乗り越えて、夢を叶える感動的なストーリーを予想させますが、確かにその通りでもあるのですが、実際には、話は少々複雑でした。

 

 

  原題は『キング・リチャード』。

 

原題は「キング・リチャード」。

あたかも王のように我が物顔に振る舞う男を巡る、悲劇すれすれの物語でもあるからでした。

 

 

  姉妹の実力と、父のハッタリの才能。

 

金もコネもなく、あるのは、大きな可能性を秘めた姉妹というカードの切り札と、謂わばハッタリの才能。

あたかも山師の様でもあり、あまりにも独善的で、関わる人を次第に不快にさせていくのでした。

観客は、最終的には、リチャードの選択が正しかった事を誰もが知っていますが、一歩間違えれば、子供の将来を潰した最低の父親にもなっていたはずでした。

このあたりは、ウィリアムズ姉妹自身や彼女たちの異父姉のイーシャ・プライスも製作総指揮に関わっていることからすれば、あながち間違いでもないのでしょう。

 

 

  ウィル・スミス念願のオスカー獲得!

 

そんなあまり共感できない人柄の主人公を苦笑しつつ見ていられるのは、何よりも人の良さそうなウィル・スミスが演じているからでしょうね。

これまで培ったイメージが観客をスクリーンにつなぎとめていました。

そして、大方の予想通り、授賞式の最中に要らぬ平手打ち騒動はあったものの、結局は、ウィル・スミスが3度目の正直で念願の主演男優賞のオスカー獲得も叶えましたから。

 

※尚、平手打ち騒動のために、結果、ウィル・スミスは米国アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーから今後10年間出禁扱いの処遇を受けることになりましたが、今回のオスカー獲得についての剥奪や今後その10年間ノミネートの権利まで奪われることはないようなので事なきを得た形になったのが何よりでした(汗)

 

 

  脇を固める各配役の素晴らしさ。

 

 

この好き放題に振る舞うリチャードに振り回される名門テニスアカデミーのコーチのリック・メイシー役を演じたジョン・バーンサルのコミカルな演技も、映画に親しみやすさを与えており、脇を固める配役の素晴らしさも実感しました。

 

 

  家族を支えた妻の内助の功。

 

またドラマの中でこんなにも強引で独りよがりなリチャードよりも、そんな彼と再婚して、ウィリアムズ姉妹と自分の連れ子との計5人の姉妹たちを育て上げた立派な妻であり母親だったオラシーン・ウィリアムズ(アーンジャニュー・エリス)が、自分勝手なリチャードをここぞというところで諫めながら、彼には見えないところできちんと娘たちの心をケアしてがっちりと心を掴んでいるところなど、素晴らしい内助の功でした。

 

 

ドラマの終盤でリチャードとオラシーンの夫婦が激しく言い争う場面があり、この家族が経済的な面のみならず精神的な面でも空中分解せずに最後までやってこられたのはこのオラシーンの献身的な働きに負うところが大きかったという印象を持ちました。

 

 

正直、彼女が独善的なリチャード王とその家族を支えた本作における影の主人公なのかも知れないとも思われました。

 

 

実際、コーチ陣が姉のビーナス・ウィリアムズにかかりきりな指導にある中、妹のセリーナ・ウィリアムズにも独自の指導をしていたのも母親のオラシーンその人だったようでしたから。

 

 

  クライマックスは白熱の試合シーン。

 

クライマックスシーンは、ビーナスと当時のスペインのトップ選手との白熱の試合模様。

終盤までの展開はコート外での駆け引きが多く、スポーツ映画としては、やや物足りなさもありましたが、ここで上手く帳尻を合わせてくるところは流石ハリウッド映画。

予想とは違う結末である点は、この映画が現実に基づいていることを保証していましたね。

 

  リチャードの教育方針に感銘。

 

またそれ以上に今作で特に心に響いたのが、動機はともかく、古くは、かの『巨人の星』の”星一徹”のような単なるスパルタ教育ではなく、ウィリアムズ姉妹に対して、選手としての成功よりも、先ずは信仰心や道徳心の醸成、家族の絆の大切さ、4カ国語の語学の習得をはじめ教育を優先した、リチャードの文武両道の教育方針には感銘を受けました。

 

 

また、若くしての成功と引き換えに、バーンアウト(燃え尽き症候群)のように心身を壊し、日向の道から逸れていく選手の実例を示しながら、この映画では、子供たちを1日も早くプロ選手にして自社製品の広告塔として利用しようというスポーツ関連企業をはじめ巨大ビジネスとなったプロスポーツのあり方そのものをも批判するのでした。

 

 

そして、映画はビーナス・ウィリアムズとセリーナ・ウィリアムズ姉妹が華々しくプロの世界で活躍する手前のところで終了します。

 

リチャードが「ゲットーのシンデレラ」を実現させて、1990年代後半からアフリカ系アメリカ人の女子テニスプレイヤーとしてパワーテニスで圧倒的な力を見せつけた2人の活躍ぶりは、特段のテニス好きでなくても、よく知られるところですが、そこには父親リチャードの姿はもはやなかったのかも知れないですね。

 

  私的評価:★★★★(80点)。

 

私的な評価としましては、

先ずは、良い映画だとは思いました。父親リチャードが2人の娘ビーナスとセリーナと二人三脚で苦難を乗り越え女子プロテニス界にデビューを果たし、世界から注目を得るまでの実話を基にした映画で、飽きることなく約2時間半を観終えました。

競技としてのテニスについて特段に詳しくなくてもお話しの展開が良いので多くの方もお話し自体には共感できるかと思いました。

 

 

私的には、当初は、あまりにも独善的で、関わる人を次第に不快にさせるような人柄のリチャード・ウィリアムズのその山師のようなハッタリを噛ますようなやり方には共感し難かったのですが、ただ、その指導方針は、決して、テニス一辺倒ではなく、信仰心や道徳心の醸成や家族の絆、最低限の教育といった人間として大事な事を優先させた娘たちへの文武両道の教育方針の点にはすごく感銘を受けました。

 

従いまして、五つ星評価的には★★★★(80点)の四つ星評価の高評価も相応しい映画かと思いました。

 

※尚、本作品の字幕担当:松浦美奈さん、字幕監修:伊達公子さんという二段構えの字幕翻訳の布陣には「安心」の二文字しかないですね。

 

○映画『ドリームプラン』日本版予告 2022年2月23日(水・祝)公開

 

 

 

  ビヨンセのエンディング曲:Be Alive

 

○Be Alive (Original Song from the Motion Picture "King Richard") (94th Academy Awards Performance)

 

 

 

 

MOVIEテニスのスポーツ伝記映画

 

○『ボルグ/マッケンロー 氷の男炎の男』(2017年)

 

 

 

○『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(2017年)

 

 

 

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今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。