『ボルグ/マッケンロー 氷の男炎の男』(2017年) #大津アレックスシネマ #2度目鑑賞 | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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今更ながらですが、先月の9/11(火)に、朝早くから母親を病院に送迎に行った際に、京都市内のTOHOシネマズ二条で鑑賞した映画でしたが、この月の9/9(日)に、丁度、大坂なおみ選手が全米OPテニス女子シングルスを初制覇したタイミングで観たタイムリーな作品であり、あまりにも感動した作品だったので、是非とももう一度観たかったのですが、今回、滋賀県大津市の大津アレックスシネマにて「GAGA★祭」と題して、GAGA★配給作品を数多く上映される機会を作って下さっていることを知り、更に、ギャガ配給の映画である本作品についても、同館にてセカンド上映して下さる運びとなっていたため、今月の10/19(金)に、また今回も朝イチから母親のガン検診の為に病院に送っていった後に、本作品の再度2回目の鑑賞に出向いて来ました次第です。

 

 

 

「決勝戦の再現度合い臨場感が半端ない!(18.9/11・10/19字幕)」

ジャンル:人間ドラマ/伝記/スポーツ

原題:BORG McENROE

製作年/国:2017年/スウェーデン=デンマーク=フィンランド

配給:ギャガ

公式サイト:https://gaga.ne.jp/borg-mcenroe/

上映時間:108分

公開開始日:2018年8月31日(金)

監督:ヤヌス・メッツ

キャスト:

スベリル・グドナソン、シャイア・ラブーフ、ステラン・ステルスガルド、ツヴァ・ノヴォルトー、イアン・ブラックマン、レオ・ボルグ、ジャクソン・ガン 

 

▲1回目鑑賞:TOHOシネマズ二条(18.9/11)

 

 

▲2回目鑑賞:大津アレックスシネマ(18.10/19)

 

 

▲浜大津港にて、ミシガン号とビアンカ号の寄港の揃い踏み!!!

 

 

【解説】

1980年、テニス界で世界的な人気を誇ったビヨン・ボルグとジョン・マッケンローが繰り広げたウィンブルドン決勝戦での世紀の対決を、実話をもとに映画化。

端正なマスクと、コート上での冷静沈着なプレイから「氷の男」と呼ばれたビヨン・ボルグは、20歳でウィンブルドン選手権で初優勝し、4連覇の偉業を成し遂げた。

絶対王者として君臨するボルグの前に現れたのが、宿敵ジョン・マッケンローだった。天才的な才能を持ちながらも、不利な判定には怒りをあらわにして審判に猛烈に噛み付いていくマッケンローは「悪童」と揶揄された。

1980年ウィンブルドン選手権決勝戦のコートで、そんな真逆の個性を持つ2人の天才が対峙する。

 

ボルグ役を「ストックホルムでワルツを」「蜘蛛の巣を払う女」のスベリル・グドナソン、マッケンロー役を「トランスフォーマー」シリーズのシャイア・ラブーフがそれぞれ演じる。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

率直な感想と致しましては、!

何もかもが懐かしく感じてしまうし、2度目の鑑賞でも、緊迫感・臨場感が半端なくて、やっぱり面白かったーーー!!!

 

冒頭、アンドレ・アガシ選手の格言から始まる辺りが嬉しかったですね。

 

 

1970年代後半~1980年代を象徴する名選手だった二人『ビヨン・ボルグ対ジョン・マッケンロー』で最初から最後まで描いた作品でした。

ただ、主役はほぼボルグであって、比較対象としての存在のマッケンローでした。

また、幼少期からのエピソードも交えて、ボルグの内面性を深く掘り下げていくスタイルで映画が進行していく形でした。

 

欲を申せば、ジョン・マッケンローの子供時代などの背景ももっと掘り下げて欲しかったところでしたが、これは、やはり、アメリカ映画ではなく、スウェーデン=デンマーク=フィンランドの合作映画だからなんでしょうね。

 

 

全英OPテニス(ウィンブルドン選手権)の5連覇を賭けた世紀の一戦がクライマックス。

王者・スウェーデン人の皇帝ボルグとアメリカ人の悪童マッケンローとによる3時間55分にも及ぶ決勝戦の再現は見もの。

 

 

もう50歳を越えるオジサンの私は、決してテニスには明るくはない方ですが、それでも、当時の時代を彩った名選手にまつわる伝説の試合のお話しでしたので、当然、試合結果も知っていましたし、二人を役者の人が演じて再現しているとは分かっていても、決勝戦のシーンにはついつい力が入ってしまうほどの出来栄えでした。

 

また1970年のウィンブルドン選手権から導入されたタイブレーク方式による緊張感が半端なくて、もう観ているのが緊迫感でしんどくなってきそうなくらいでした。

 

 

現代のネット社会では、Googleなどの検索エンジンで調べると簡単に勝敗の結果などの資料は出て来るので、結果を知りたい人は直ぐにネットででも調べれば良いのかも知れないですが、もしも試合展開や結果を全く知らないのでしたらば、是非この映画を観てその結果のほどを知って欲しい位に、どちらが勝っても良いと両方の選手を応援したくなった、あの名勝負の興奮、臨場感、緊張感など再現度合いが凄くて半端なかったので、ぜひぜひ未見の人にはオススメ致しますね!

 

 

 

でも、この世紀の一戦を、ただ再現するだけならば、その当時のビデオを見直せば良いだけのことで能が無いのは当然のこと。

 

私が思わず感情移入してしまったのは、そこに至るまでの二人の意外とも思える軌跡が描かれていた点でした。

 

F1レースを舞台にした、ロン・ハワード監督作品の『ラッシュ/プライドと友情』を思わせるようでもありますが、今作の邦題のサブタイトルにもある様に、あたかも「氷と炎」、「水と油」、「沈着冷静な皇帝と礼儀知らずの悪童」などと対比されることが多い、こと正反対のように思われていた好敵手同士の二人の孤独な戦い。

 

 

しかしながら、単に私が知らなかっただけなのかも知れないですが、パブリックイメージとは、あまりにもかけ離れた二人の実像には驚かされました。

 

その実、ボルグも瞬間湯沸かし器の様にいつ沸騰し爆発するか分からない位に、表面上で冷静を装っているだけであって、子供時代のボルグは、あのマッケンローと大差ない悪童であり、闘争心のアピールの手法が違うだけで、勝利への執着心は、ディフェンディングチャンピオンであろうと、挑戦者であろうとその根っこのところは、あの悪童とも同じだった点が意外でしたし面白かったでしたね。

 

 

 

テニスはメンタルなスポーツと言われることもしばしばですが、まさに、宗教儀式のような数々のルーティンワークに基づきながら日々を送り、

神経をすり減らす様な戦いぶりには胃がキリキリしてしまいそうなくらいでしたが、試合結果や展開を知っていても、アングルや編集の巧みさでスリリングに魅せる手腕はさすがでしたね!

 

 

試合が終わった後の表彰式のシーンでは、実際の試合とは違うにも拘わらず、思わず拍手を送りたくなったほどでしたね!

 

 

ボルグ役のスベリル・グドナソンは、本当に当時のビヨン・ボルグにソックリな端正な顔立ちでビックリするほどでした。

 

いくら同じスウェーデン出身者といえども、あそこまで顔付きが似てるのは凄いですね!

 

 

一方の、ジョン・マッケンロー役のシャイア・ラブーフは、子役から活躍し、その演技力から21歳のときに『トランスフォーマー』(2007年)の主演に大抜擢され、映画は世界的大ヒットを記録し、スターダムへと駆け上がると、翌年には『インディ・ジョーンズ4/クリスタル・スカルの王国』でインディ・ジョーンズの息子役を演じるという大役をゲット。

この時は、誰もがシャイア・ラブーフこそ次世代のハリウッドを背負っていく存在だと確信していましたが、反面、激情型な性格からトラブルや奇行が絶えず、2007年から不法侵入や喧嘩などで繰り返し逮捕されたり、お酒での騒動も多く、特に2008年の酒気帯び運転事故では自身の左指2本を失い義指になる出来事も。

それ以降、更に、自暴自棄な行動が増え続け、今ではすっかりお騒がせ男として定着してしまっていました。

(ですので、シャイア・ラブーフが、そういった義指であることもあり、マッケンロー役のサウスポーのサーブの際のフォームが今作品では若干似ていない部分もあるのも致し方ないと思って大目に見て欲しいですね。)

 

 

が、しかし、本作の役柄は、そんなシャイア・ラブーフにはうってつけの役柄だったでしょう。なぜなら判定に怒り、激しく噛みつく悪童ジョン・マッケンロー役なのですから。

感情をコントロールできない様子は、似通ったところがあるのか流石の迫力。

しかしながら、印象に残るのは静の演技。

特に父親に褒められたい一心の胸中がわかる場面は、切なさのある名演技を披露していました。

 

 

 

最近のインタビューでは、これまでを改心し、リハビリ施設に入所したことも告白している。これだけの演技力があるのだから、改心が本物ならば、ハリウッドのニュースター誕生の期待をさせてくれた頃の輝きを取り戻す日も近いかもしれないですね。

 

 

それに致しましても、1980年代は当然の様に街中でテニスのポロシャツを着ている人々で溢れていた時代を懐かしく想い出しましたし、記録映像ではロゴが映っていましたが、衣装では、FILA(ビヨン・ボルグが使用)と、セルジオ・タッキーニ(ジョン・マッケンローが使用)のロゴが使用許諾が得られなかったのかも知れないみたいですが、映画の製作時に両メーカーにタイアップを持ちかけたら良かったのにとも思いました。

 

 

実話ベースと言う事から、淡々と二人の名プレイヤーの生い立ちやプライベートを描いていくのですが、子供時代のボルグの壁打ちが凄く上手くて感心していたら、ビヨン・ボルグの実の息子さん(レオ・ボルグ)で今年の夏もU16で優勝など好成績を残しているみたいですね。

 

 

また、ジョン・マッケンローの子供時代の子役(ジャクソン・ガン)はあまり似ていなかったですが、なかなかキュートで良かったでした。

 

 

ボルグ/マッケンローが活躍をしていた時代には、その当時、週刊少年ジャンプに『テニスボーイ』という漫画が連載されており、その付録として、ボルグやマッケンローなどの当時の名プレイヤーの繊細なカラー写真のチープなポストカードがついていたりしていたので、私にとっては、非常に懐かしくて仕方がなかったですね!

 

 

私的な評価と致しましては、

同じテニスを扱った映画でも、『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(2017年)の様な、<男女平等の時代を切り開く世紀の一戦>のような社会的意義を有する試合の映画でもないので、もしや1980年代に興味が無い人からすれば、イマイチと感じる向きもあるかも知れないですが、試合の緊迫感や重圧感などビヨン・ボルグのウィンブルドン選手権5連覇がかかった決勝戦に至るまで、そしてクライマックスの決勝戦の再現度合いが、かなり凄くて、観ながらもついつい私も感動していましたので、あくまでも私見ですが、五つ星評価的には、文句なしの★★★★★(100点)の満点評価が相応しい映画だと思いましたし、今年の映画ランキングのベスト10圏内には入る映画だとも思いました次第です。

 

※『カメラを止めるな!』もそうですが、2度目の鑑賞でも面白いと感じられる映画は本物かと思います。

 

●『ボルグ/マッケンロー氷の男炎の男』8/31公開・本予告

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。