HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

相変わらず、今年に映画館で鑑賞済みで未だ感想をブログ記事化出来ていない作品が、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』、『カミング・ホーム』、『ハムネット』と3作品分が残ったままなのですが、それらの作品よりも先に、今年の春の大型連休が明けた、先日の5月13日(水)に時間が作れたので、京都市南区にあるイオンシネマ京都桂川まで、5月1日(金)から公開されていた本作を観に行って来ました。

私的には、本作を観終えた直後にはややモヤッとした感じ方をしていましたが、時間が経つにつれて改めて感動的に思えて来ました事や、また、ちょうど、先日の5月15日(金)のNHKの「あさイチ」の「特選!エンタ」映画紹介コーナーでも視聴者の方々へオススメの映画として採り上げられていた作品でもありましたので、是非とも多くの方々にもオススメ致したく思い、私の鑑賞した作品の順序とは前後しますが、拙ブログでも、先ずは本作品を、先にご紹介したいと思います。

 

 

今年度の10本目の劇場鑑賞作品。

(今年度のイオンシネマ京都桂川での3本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

サンキュー、チャック映画ポスター:トム・ヒドルストン

 

「平凡な会計士チャールズ・“チャック”・クランツの人生を、3章構成で描くヒューマン・ミステリー(26.5/13・2D字幕版)」

ジャンル:ファンタジー/ヒューマン・ミステリー

原題または英題:The Life of Chuck

製作年/国:2024年/アメリカ

製作会社:イントレピッド・ピクチャーズ / フィルムネイション・エンターテインメント

配給:ネオン / ギャガ=松竹

公式サイト:https://gaga.ne.jp/thankyou_chuck/

上映時間:111分

上映区分:一般(G)

劇場公開日:2026年5月1日(金)

 

【スタッフ】

原作:スティーヴン・キング(短編小説『チャックの数奇な人生 イフ・イット・プリーズ』より)

製作:トレバー・メイシー / マイク・フラナガン

製作総指揮:スティーヴン・キング / メリンダ・ニシオカ / D・スコット・ランプキン / モーリー・C・クイン / マシュー・M・ウェルティ / エラン・ゲイル / ダン・ウィリアムズ / アマンダ・ウィリアムズ / ケヴィン・パーク

音楽:ザ・ニュートン・ブラザーズ

音楽監修:ジャスティン・フォン・ウィンターフェルト

ダンス振付:マンディ・ムーア

撮影:エベン・ボルター

美術:スティーブ・アーノルド

衣装:テリー・アンダーソン

脚本・編集・監督:マイク・フラナガン

 

【キャスト(配役名)】

トム・ヒドルストン(チャールズ・”チャック”・クランツ) / ジェイコブ・トレンブレイ(17歳のチャック) / ベンジャミン・パジャック(11歳のチャック) / コーディ・フラナガン(7歳のチャック) / キウェテル・イジョフォー(マーティー・アンダーソン:高校教師) / カレン・ギラン(フェリシア・ゴードン:看護師、マーティーの元妻) / マーク・ハミル(アルビー・クランツ:チャックの祖父) / ミア・サラ(サラ・クランツ:チャックの祖母) / ザ・ポケットクィーン(テイラー・フランク:大道芸人の女性ドラマー) / アナリース・バッソ(ジャニス・ハリデイ:チャックの街角でのダンス相手) / ケイト・シーゲル(ミス・リチャーズ:小学校の教師、チャックたちにホイットマンの詩を教える) / サマンサ・スローヤン(ミス・ロアバーカー:中学校のダンス部顧問・保健体育教師)/ カール・ランブリー(葬儀会社社長) / マシュー・リラード / ラウル・コーリ / ヴァイオレット・マッグロウ / ヘザー・ランゲンカンプ / デヴィッド・ダストマルチャン / クオリアンカ・キルヒャー / モーリー・C・クイン / マイケル・トルッコ / カーラ・グギノ / ニック・オファーマン(ナレーター)

 

(以上、映画.comおよび劇場パンフレットより引用抜粋。Wikipediaからも一部加筆。)

 

 

チャックの数奇な人生 ポスター

 

【解説・あらすじ】

作家スティーブン・キングが2020年に発表した短編小説「チャックの数奇な人生 イフ・イット・ブリーズ」を、「ドクター・スリープ」のマイク・フラナガン監督が映画化したヒューマンミステリー。

大規模な自然災害と人災が次々と地球を襲い、世界は終わりを迎えつつあった。インターネットもSNSもつながらないなか、街頭やテレビ、ラジオに突如として、「チャールズ・クランツに感謝します。素晴らしい39年間に、ありがとう、チャック」という謎の広告が大量に現れる。高校教師マーティーが元妻フェリシアに会うため家を飛び出すと、誰もいない街はチャックの広告で埋め尽くされていた。無事に出会えたマーティーとフェリシアが星々を眺めながら終末の到来を感じ、手を握り合っていると、場面は一転して広告の人物・チャックの視点に切り替わり、彼の人生をさかのぼる物語が美しい映像で紡がれていく。

「アベンジャーズ」シリーズのトム・ヒドルストンが主人公チャックを演じ、「それでも夜は明ける」のキウェテル・イジョフォー、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのカレン・ギラン、「ワンダー/君は太陽」のジェイコブ・トレンブレイ、「スター・ウォーズ」シリーズのマーク・ハミルが共演。

「ラ・ラ・ランド」の振付師マンディ・ムーアがダンスシーンの振り付けを担当。

2024年・第49回トロント国際映画祭で最高賞にあたる観客賞を受賞。

 

(以上、映画.comより引用抜粋。)

 

サンキュー、チャック 映画ポスターと上映情報

 

  イントロダクション

 

本作は全3章の構成ですが、いきなり第3章から始まります。

その後、第2章→第1章という順に過去に遡って進みます。

 

その最初の第3章は、滅亡が間近に差し迫った終末期の地球。

 

チャック・クランツの感謝広告「39 Great Years!」

 

人類による環境破壊のせいなのか、それともこの星自体の寿命なのか?未曾有の自然災害が多発的に地球を襲い、ネット、SNS、携帯電話さえも繋がらなくなり、世界中のみんなが地球は滅んでしまうんだと虚無感に覆われている時に、街頭やTV、ラジオに突如現れたのは、「チャールズ・クランツに感謝します。素晴らしい39年間に、ありがとう、チャック」という謎の広告。カメラに向かって微笑む一見すごく実直そうな男、このチャックとは、一体何者なのか?死神?救世主?この感謝の意味とは何なのか?

その答えを知る者は誰もいないのでした。

 

果たして地球は滅亡するのか、この広告の男・チャックとは一体何者なのか?

 

といったイントロダクションの映画でした。

 

  第3章:ありがとう、チャック

 

マーティー・アンダーソン(キウェテル・イジョフォー)がいつものように高校で授業をしていると、カリフォルニアで大地震が発生したというニュースが入る。それ以降、未曾有の自然災害が次々と地球を襲い、ネット、SNS、電話などすべての通信手段がダウン。ついに世界が終わろうとしているようでした。

 

キウェテル・イジョフォー演じるマーティー・アンダーソン

 

そんな或る日、街頭やTV、ラジオに突如現れた「チャールズ・クランツに感謝します。素晴らしい39年間に、ありがとう、チャック」という謎の広告。カメラに向かって微笑む一見すごく実直そうな男性・チャックとは一体何者なのか?感謝の意味とは何なのか?誰も答えが分からない中、マーティーは世界の終わりが来るのならば、愛した人と一緒に終末を迎えたいと思うようになり、別れてしまって久しい元妻で看護師のフェリシア・ゴードン(カレン・ギラン)に会いに行くのでした。

 

カレン・ギラン演じるフェリシア・ゴードン

 

誰もいない街はチャックの広告で埋め尽くされていました。

 

チャックと少女、夜の住宅街

 

無事に出会えたマーティーとフェリシアが星々を眺めながら終末の到来を感じ、絶望の淵に落とされる中、手を握り合っていると、スクリーンが暗転する。

 

チャックとフェリシア、終末に抱擁

 

マーティと窓に映るチャックの広告

 

暗転後、場面は一転して第2章へと移り、広告の謎の人物・チャックの視点に切り替わり、彼の人生をさかのぼる物語が美しい映像で紡がれていくのでした。

 

  第2章:大道芸人サイコー

 

大道芸人テイラー・フランクのドラム演奏

 

或る晴れた木曜日、テイラー・フランク(ザ・ポケットクィーン)は、ストリートにドラムをセットし、演奏を始めるのでした。

 

トム・ヒドルストン演じるチャック、ベンチで読書

 

突然メールで彼氏にフラれたばかりのジャニス・ハリデイ(アナリース・バッソ)は、仕事を終えて帰宅途中でした。

 

そして会議のために街にやって来た会計士のチャールズ・クランツ(トム・ヒドルストン)。

この短い第2章で、ナレーションにより、彼の身元が明らかに。

平凡な39歳の会計士で、脳腫瘍のために余命9か月だと判明。

 

その彼が、ドラムでビートを刻むテイラーの前をちょうど通りかかったのですが、そのまま通り過ぎるだろうと思いきや、彼はビートに体を乗せ始めるのでした。

 

トム・ヒドルストンとカレン・ギラン、サンキュー・チャック

 

チャックとジャニスのダンスシーン

 

そして彼は観客の一人・ジャニスに、「さぁ、お嬢さん、踊ろう!」と声を掛け、二人で踊り始めるのでした。

 

チャックとジャニスが街で踊る

 

観客から沢山のチップを稼ぐことが出来た御礼としてテイラーから分け前を提示され、当初チャックは受け取りを断るのですが、結局受領し、今晩の宿泊地に向かうのでした。

 

トム・ヒドルストン主演『サンキュー、チャック』より

 

そして、再び暗転後、一番長い第1章はチャックの幼少期から少年・青年時代が活写される事になります。

 

  第1章:私の中には無数の人が存在する。

 

サンキュー、チャック:子供と祖父母、鉄道模型

 

チャックことチャールズ・クランツ(ベンジャミン・パジャック)は7歳で両親を交通事故で失い、祖父アルビー・クランツ(マーク・ハミル)と祖母サラ・クランツ(ミア・サラ)によって、ヴィクトリア建築の古い家で育てられるのでした。

 

マーク・ハミル演じるアルビー・クランツ、パイプをくわえ読書

 

何事にも寛大な祖父でしたが、何故かチャックが丸屋根の開かずの部屋に近寄ることだけは固く禁じていたのでした。

 

チャックと祖母のダンスシーン

 

チャックは小学校でミス・リチャーズ(ケイト・シーゲル)からホイットマンの詩を教わり、また、祖母の影響でミュージカルやダンスの楽しさを知り、中学ではダンス部のスターになるのでした。

 

チャックの数奇な人生、ダンスシーン

 

チャックとジャニスがダンスするシーン

 

やがて祖父母が亡くなり、青年になったチャック(ジェイコブ・トレンブレイ)は、例の丸屋根の部屋に足を踏み入れてしまうのでしたが・・・。

 

17歳のチャック、メガネ着用

 

 

※以下、ネタバレしていますので以降は自己責任にてお読み下さい。

 

  S・キング原作らしい”奇をてらったような仕掛け”が少々難があったかも(汗)💦

 

冒頭の第3章での終末期の地球では、人々にパニックまでは起きていない案外平静な感じでしたが、自殺者が凄い勢いで増えている状況はマーティの元妻で看護師のフェリシアが伝えていましたね。

案外と人々が落ち着いて見えたのは、やはり第3章は、チャックことチャールズ・クランツの脳腫瘍で蝕まれた脳内小宇宙が崩壊しつつあるといった状況を、終末期の地球に見立てて「脳内にいる無数の人々の行動」として描写していたのでしょうね。

 

あと象徴的だったのは、宇宙カレンダーが示す人類の歴史が宇宙創世の歴史の中では大晦日の最終盤でようやく登場するといった事も、チャックの人生は儚くとも、最後の輝きは、宇宙の歴史から観ればほんの一瞬の出来事で微々たることといった事を提示してはいますが、一個人の人生にとってはその輝きは重要な意味を持つかと思われます。

先日の5月15日(金)のNHK「あさイチ」の「特選エンタ!」の映画紹介コーナーでも、本作品をネタバレのないように第3章のみの映像を採り上げて紹介していましたが、要は、人生の終焉を迎えたときに、自分の人生を振り返り、その素晴らしさ、儚さ、輝きといった人間賛歌を謳った映画だったのでしょうね。

映画の構成と原作の短編小説の構成はほぼ同じ設定らしいと訊きましたが、よく映像化出来たものですね。

 

少年チャック、壁にもたれる

「丸屋根の開かずの部屋」の存在が、やや奇をてらったようなエピソードで、如何にもスティーヴン・キングの原作の作品らしい仕掛けですけど、人間賛歌を謳ったファンタジーにしては少々難があったかもしれないですね(汗)💦

 

トム・ヒドルストンとアナリース・バッソが踊るサンキュー、チャック

『アベンジャーズ』シリーズの「ロキ」役でも有名な、あのトム・ヒドルストンも意外にもダンスが上手くてビックリさせられました。特訓の成果があったみたいですね!

また、少年時代のチャックのダンスシーンもすごく良かったでした!

 

サンキュー、チャック ダンスシーン

 

ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』(2017年)のダンス振付師のマンディ・ムーアがダンスシーンの振り付けを担当しているだけあって、この5分以上に亘るダンスシーンは必見でしょうね。

私が観に行った日は、平日のお昼の上映回でしたが、それでもかなり混み合っていました。
オマケに、この『サンキュー、チャック』のパンフレットが完売状態だったほどでした。
※尚、私は、イオンシネマ京都桂川で鑑賞後、Tジョイ京都までクルマで移動しパンフを買い求めに行きました。

 

  私的評価:★★★★☆(90点)

 

私的な評価と致しましては、鑑賞直後は、本作品の独特な凝った仕掛けのために、ややモヤッとした感想を抱きましたが、先ずは、人生の終焉を迎えた際に振り返った人間賛歌として観れば、人生の輝きに富んだ、実に多幸感溢れる映画で、ジワジワと感動的な気持ちにもなり、かなり良い作品かとは思いました。

ただ、如何にもスティーヴン・キング原作の映像化作品らしい「丸屋根の開かずの部屋」の逸話など、”奇をてらったような仕掛け”が人間賛歌を謳ったファンタジーにしては、やや難があったかと思いましたので、その点を若干減点対象とし、五ツ星評価的には、ほぼ満点の★★★★☆(90点)の評価も相応しい作品かと思いました次第です。

 

 

〇映画『サンキュー、チャック』本予告【5月1日(金)全国ロードショー】

 

 

 

〇映画『サンキュー、チャック』Dance特別映像【5月1日(金)全国ロードショー】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

大型連休中は、どこへ出掛けても激混み状態かと思いましたので、連休直前の4月27日(月)からNetflix独占配信が開始された、六星占術や、「大殺界」「地獄に堕ちるわよ」といった強烈なワードを駆使して、一世を風靡し成功を収めた、占い師・細木数子の波乱に満ちた半生に着想を得て描いた、Netflixドラマ『地獄に堕ちるわよ』(全9話)が、あまりにも面白かったので、1話当たり約55分前後×全9話分を、家族揃って、5月3日・4日の2日間でイッキ見鑑賞してしまいました(汗)💦

 

Netflixドラマ『地獄に堕ちるわよ』 ポスター

 

「細木数子の半生を通して【事実に基づいた虚構】を描いた怪作」

ジャンル:人間ドラマ/伝記ドラマ

英題:Straight to Hell

製作年/国:2026年/日本

制作プロダクション:ジャンゴフィルム

企画・製作・著作:Netflix

配信プラットフォーム:Netflix(全世界独占配信)

公式サイト:https://www.netflix.com/browse

配信開始日:2026年4月27日(月)

 

【スタッフ】

音楽:稲本響

撮影監督:河津太郎(JSC)

美術監督:原田満生

録音:高野泰雄

装飾:石上淳一

編集:高橋信之 / 岡崎正弥

スタイリスト:纐纈春樹
VFXスーパーバイザー:牧野由典
エグゼクティブプロデューサー:岡野真紀子(Netflix)
プロデューサー:坂野達哉 / 深津智男
ラインプロデューサー:原田耕治

脚本:真中もなか

監督:滝本智行 / 大庭功睦

 

【キャスト(配役名)】

戸田恵梨香(細木数子) / 伊藤沙莉(魚澄美乃里) / 三浦透子(島倉千代子) / 奥野瑛太(キャバレーのオーナー:落合元) / 田村健太郎(三田麻呂彦:静岡の大地主の息子) / 中島歩(須藤豊:不動産会社の社長) / 富田靖子(細木みね:数子の母) / 細川岳(細木久雄:数子の弟) / 周本絵梨香(細木明子:数子の姉) / 金澤美穂(細木幸子:数子の妹) / 高橋和也(中園榮一:投資家) / 生田斗真(堀田雅也:江戸川一家総長) / 杉本哲太(滝口宗次郎:滝口組組長) / 石橋蓮司(安永正隆:昭和最大の思想家・政界の黒幕) / 市川実和子(加藤十和子:安永の娘) / 余貴美子(三田キヨ:麻呂彦の母) / 笠松将(魚澄美乃里の元夫) / 中村優子(占い師:細木数子の占いの師匠) / 永岡佑 /細田善彦 / ヒコロヒー / レイザーラモンHG その他

 

(以上、映画.comより引用抜粋し一部加筆。)

 

Netflixドラマ『地獄に堕ちるわよ』ポスター

 

【解説・あらすじ】

占い師・細木数子の波乱に満ちた人生を、戸田恵梨香主演で描くNetflixオリジナルシリーズ。独自に編み出した六星占術と、「大殺界」「地獄に堕ちるわよ!」などの強烈ワードで占いブームを巻き起こし、レギュラー番組を多数抱え、著書は「世界で最も売れた占い本」としてギネス世界記録を樹立するなど、テレビ界・出版業界を席巻した細木数子。昭和から平成にかけての60年にわたる時代を背景に、虚々実々のドラマを描く。2026年4月27日からNetflixで世界独占配信。

 

(以上、映画.comより引用抜粋。)

 

Netflixドラマ「地獄に堕ちるわよ」登場人物相関図

 

 

  闇の部分にもスポットを当てた「事実に基づいた虚構」として見事にドラマ化!

 

本作を制作するに当たって、滝本智行監督は、細木数子氏の自伝『女の履歴書』に加えて、裏社会との繋がりなど彼女のダークな一面を暴いたノンフィクション作家の溝口敦氏による著書『細木数子 魔女の履歴書』も大いに参考にしたそうです。

 

戸田恵梨香主演 Netflixドラマ『地獄に堕ちるわよ』キャスト

 

細木数子氏は数々のTV出演や、独自で編み出した六星占術の「占い本の売れた冊数」がギネス世界認定記録を誇るほどの発行部数にて出版界を席巻する一方で、霊感商法や裏社会との深い関係も囁かれていた人物でした。

このドラマでは、そんな彼女の表向きの顔のみならず、闇の部分にも真正面からスポットを当てていました。

 

つまり、このドラマが扱っているのは、単なる「有名占い師の一代記」ではなく、戦後日本の大衆メディアが、いったいどの様にして強烈なカリスマ的女帝を創り上げ、消費し、やがて距離を置くようになっていったのかという物語でもありました。

 

  戸田恵梨香さんが挑む細木数子の役作り。

 

当初、戸田恵梨香さんがあの細木数子役を演じたドラマと知った時には、正直、かなり違和感がありました。それはあまりにも私たちの知る晩年の細木数子氏の外見的な印象とはかけ離れていたからでした。

 

細木数子ドラマ、戸田恵梨香が熱演

 

無論、俳優が演じる以上、その人物の内面的な部分を再現出来れば良いのであって、見た目を特殊メイクなどで全くのソックリさんにする必要はないのは重々承知はしていましたが、戸田恵梨香さんのこれまで演じてきた多くのキャラクターは無垢な印象の配役が多く、また身体の線も華奢でか細かったので、その印象からすると、一時期テレビの世界でも女帝のように君臨していた、あの見た目からふくよかだった細木数子氏に結び付けて脳内変換するのは相当難しいとも思われました。

 

ましてや、その戸田恵梨香さんは17歳から66歳の細木数子役を演じるというのだから、そのハードルは格段に上がるのではないかと。

 

戸田恵梨香が燃える紙幣を持つ『地獄に堕ちるわよ』

 

ですが、実際にNetflixドラマ『地獄に堕ちるわよ』を観てみますと、戸田恵梨香さんの身体を媒介として、細木数子氏があたかも憑依したかのようでした。

これは、(細木氏には失礼ながらも)ふくよかでブサイクな女性ではなく、あえて美麗な戸田恵梨香さんを起用して、10代半ばの女子高生の制服姿までも披露して演じた事も、むしろ奏功していたのではないかとも思えて来ました。

 

戸田恵梨香演じる細木数子、制服姿で革鞄を持つ

 

劇中の細木数子氏は、終戦直後、貧しい幼少期を過ごしていました。

この幼少期こそ戸田恵梨香さんではなく子役が演じてはいましたが、飢えをしのぐために、泥の付いたままのミミズを食べるシーンが衝撃的でした。

 

幼少期の細木数子、貧しい時代を描く

 

この”貧困による飢え”というのが、その後の細木数子氏にとってのトラウマであり、また極めて重要な行動原理となっていくのでした。

 

  環境と時代が育んだ貪欲な嗅覚の凄さ。

 

10代半ばを迎えると、細木数子氏は金を稼ぐために、キャバレーで働き始めるのでした。先輩ホステスたちの客を巧みな方法で自分の贔屓顧客にし、トントン拍子で店のNo.1に。

 

生田斗真、江戸川一家総長 堀田雅也

 

その後、初恋相手だったキャバレーのオーナー・落合(奥野瑛太さん)に騙されて、自殺未遂を図るほど傷付いたのでしたが、闇市時代に染みこんだ「騙されるのは、騙される方が悪い」という考えに至った細木数子氏は、戦後間もなく母親が営んだガード下のおでん屋の贔屓客の中園榮一(高橋和也さん)に共同出資して貰い、新橋の猫の額ほどの土地にサラリーマン相手の小さな喫茶店をオープンするやこれが大盛況。

 

細木数子 ドラマ 登場人物

 

その後、当初のそこで得た莫大な利益を元手に、20代そこそこで、銀座で店を構えるクラブのママとなり、あれよあれよという間に商売を大きくしていったのでした。

 

細木数子氏が欲しいものを思いのままに手に入れられたのは、その時その場所でいったい何が求められているかを見極める嗅覚を経験則で学び、それを提供することが出来たからに他ならないと言える。

 

人の欲望を見抜き、それを満たす方法を心得ていたからでした。

これは、母のお店とキャバレーでの接客が活きたからであり、何よりも自分が自分自身の欲に対して忠実だったからとも言えるでしょう。

 

尚、劇中では母親・細木みね(富田靖子さん)が切り盛りするお店は、おでん屋となっていましたが、実際には、表向きはおでん屋でも、その実態は、「娘茶屋」という屋号の若い少女たちの売春を斡旋する置屋だったらしいですね。

そういった家庭環境からも、細木数子氏が高校を中退して、若くして夜の世界で働くのも自然の成り行きだったのでしょうね。

 

戸田恵梨香演じる細木数子、NETFLIXドラマ

 

その後も驚くほどのお金を稼ぎながら、全身全霊で恋をし、裏社会とも深い繋がりを持たざるを得なかったにせよ、騙し、騙され、ついには当代きっての占い師として世間にその名を轟かせることとなるのでした。

 

細木数子ドラマ、登場人物たちの食事シーン

 

杉本哲太演じる滝口組組長、地獄に堕ちるわよ

 

戸田恵梨香と伊藤沙莉が演じる細木数子ドラマ

 

安永正隆役の石橋蓮司

 

といったイントロダクションのドラマでした。

 

  一人称では見えない”もう一つの顔”

 

ここで話しは前後しますが、本作は細木数子氏の自伝小説の執筆を依頼された駆け出しの売れない小説家・魚澄美乃里(伊藤沙莉さん)の視点を通して描かれていきます。

シングルマザーで過去に出版した小説は1冊だけという魚澄は、世の中に対して多少卑屈になっているところはあれども、一般的な常識を兼ね備えた人物という設定になっていました。

 

なので、ちょうど視聴者の視点とも上手く合致するような作りとなっています。

 

戸田恵梨香演じる細木数子、Netflixドラマ『地獄に堕ちるわよ』

 

そのため、細木数子自身の語りをベースに展開していく回顧録的な前半から、もっときちんとした細木数子像を掴もうとライターの魚澄が独自取材をはじめていく第7話あたりから、一気に物語の性質が変わってくるのでした。

 

劇中、戸田恵梨香さん演じる細木数子氏からも直々に指摘される通り、魚澄は細木数子氏が嫌いでした。そして、そんな魚澄が取材をして話を聞いた、かつて細木数子氏の周りにいた人たちの証言、例えば、細木の実弟・細木久雄(細川岳さん)などの言葉で明らかになる細木数子像は、それまでよりも、実にワガママで邪悪な人柄だったのでした。

 

奥野瑛太演じるキャバレーオーナー

 

といったように、細木数子氏の波瀾万丈の半生を描くに当たって、物語前半部分は何度騙されても、その都度立ち上がって来て、更に大きくなっていくそのバイタリティ溢れる精神力や行動力には、素直に凄い人物だったんだなと感心さえしました。

 

戸田恵梨香、伊藤沙莉が記者会見に臨む

 

しかしながら、第6話から登場する、稀代の昭和の演歌歌手・島倉千代子(三浦透子さん)を借金苦による自殺未遂から救ったといった美談が、実は、借金は早くに完済していたにも拘わらず、長年に亘って奴隷の如くこき使い多額のギャランティをピンハネして搾取していた逸話などが明らかになると、観ていても相当腹立たしくなり仕方がなかったですね!

 

このドラマを観てから、島倉千代子さんのヒット曲『人生いろいろ』を聴くと、その歌詞にも余計にやるせない思いに駆られますね!

 

ただ、腹立たしい反面、この先いったいどうなるのかと、ついつい画面から眼が離せなくなり、私たち家族も、思わず、このNetflixドラマ『地獄に堕ちるわよ』の続きををイッキ見鑑賞してしまった次第でした。

 

三浦透子、島倉千代子、地獄に堕ちるわよ

 

  当時をリアルに再現した映像美に感嘆!

 

昭和の終戦直後の闇市から平成のバブル期に至るまで、各年代の街並みや空気感を丁寧に再現し、新橋、1960年~1970年頃当時の東京オリンピック前後の銀座・赤坂の街並みの再現度合いも凄くて、流石のNetflixオリジナルドラマのクオリティの高さで、いったいどこまでがセットでどこからがVFX描写によるものか分からなかったくらいに見応えのある映像美でした。

 

  私的評価:★★★★★(100点満点)。

 

既に、ノンフィクション作家の溝口敦氏による著書『細木数子 魔女の履歴書』を読んでいた人にとっては、「細木数子氏の闇社会との深い繋がりや霊感商法などの描き方がまだまだ甘い」と仰る向きの視聴者の感想も少なからず目にしましたが、あくまでも細木数子氏の半生そのもの全てを描いた訳ではないので、要は、筋書きの着想を得た「事実を基にした虚構」という立場からのドラマなので、その点では私的には非常に良く出来たドラマになっていたと痛く感銘を受けました。

 

戸田恵梨香と伊藤沙莉、Netflixドラマ『地獄に堕ちるわよ』で共演

 

しかしながら、あくまでも、本作が描こうとしたのは、細木数子氏の波瀾万丈の半生の成功譚そのものでは決してなく、あの戦後復興期という”貧困による飢えた時代”からの脱却という国民すべてが抱いていた上昇志向が生んだ、欲望と権威勾配に支配され、それに適応した人間の変化・変容そのものの一例を描いたドラマに過ぎないとして観れば、とても良く出来たドラマかと思いましたので、五ツ星評価的にも★★★★★(100点満点)の評価も相応しいオススメのドラマかと思いました次第です。

 

〇『地獄に堕ちるわよ』予告編|Netflix

 

 

 

 

〇戸田恵梨香が明かす「地獄に堕ちるわよ」舞台裏 | Netflix

 

 

 

〇島倉千代子 - 人生いろいろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

今年に映画館で鑑賞済みで未だ感想をブログ記事化出来ていない作品が、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』、『カミング・ホーム』、『ハムネット』と3作品分残っているのですが、それらの作品よりも先に、あの”名探偵のアニメ映画”などで、大型連休中も映画館は、ひと際、ちびっ子達などで混み合うことかとも思いましたので、大型連休に入る前に、私も1本くらいは劇場鑑賞しておこうと、先日の4月28日(火)に滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで本作を観に行って来ましたが、評判通りの感動作で、是非とも多くの方々にもオススメしたく思い、私の鑑賞順序とは前後しますが、拙ブログでも、先ずは本作品を、先にご紹介したいと思います。

 

 

本作を鑑賞するにあたり、4月17日(金)公開日当日の深夜に、お笑い芸人・こがけんさん司会進行による日テレ系の『人はなぜラブレターを書くのか』のTV特番を視聴した事もありますが、Amebaブロガー・なおさん感想レビュー記事を拝読し、その記事に背中を押された部分も大きかったので、なおさんには感謝しております。

この度も本当に有り難うございました。

 

 

今年度の9本目の劇場鑑賞作品。

(今年度のイオンシネマ草津での7本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

 

「人はなぜ ラブレターを書くのか」映画ポスター

 

「24年振りに明らかになった青年の【生きていた証】と淡い恋(26.4/28・劇場鑑賞)」

ジャンル:人間ドラマ/青春ドラマ

製作年/国:2026年/日本

制作プロダクション:フィルムメーカーズ

製作:「人はなぜラブレターを書くのか」製作委員会

製作幹事:日本テレビ放送網

配給:東宝

公式サイト:https://loveletter.toho-movie.jp/

上映時間:122分

上映区分:一般(G)

劇場公開日:2026年4月17日(金)

 

【スタッフ】

音楽:岩代太郎

主題歌: Official髭男dism「エルダーフラワー」(IRORI Records / PONY CANYON)

(作詞・作曲 - 藤原聡、編曲 - Official髭男dism)

企画・プロデューサー:北島直明

プロデューサー:菊地美世志 / 宮崎慎也

製作:桑原勇蔵 / 菅井敦 / 市川南 / 柿本幸一 / 植田泰生 / 高橋紀行 / 菊地美世志 / 芦田拓真

製作統括:江成真二

エグゼクティブプロデューサー:飯沼伸之

撮影:鎌苅洋一

照明:永田ひでのり

録音:小松将人

美術:渡辺大智

装飾:林杏奈 / 大和昌樹

特機:石塚新

衣装:立花文乃

ヘアメイク:豊川京子

ヘアメイク(綾瀬はるか):栗原里美

VFXプロデューサー:赤羽智史

音響効果:大塚智子

ボクシング指導:松浦慎一郎

助監督:成瀬朋一

制作担当:宮下直也

協力:大橋ボクシングジム

編集:早野亮

監督・脚本・編集:石井裕也

 

【キャスト(配役名)】

綾瀬はるか(寺田ナズナ:現代) / 當真あみ(小野ナズナ:高校時代・17歳) / 細田佳央太(富久信介:麻生高校・17歳)

●ナズナの家族・関係者

妻夫木聡(寺田良一:ナズナの夫) / 西川愛莉(寺田舞:ナズナと良一の1人娘) / 富田望生(木崎加代:ナズナが営む食堂「アホウドリ」の大学生アルバイト) / 村井美和(小野和子:ナズナの母) / 仲吉玲亜(紗理奈:高校時代のナズナの親友)

●富久信介の家族・関係者

菅田将暉(川嶋勝重:信介が通う大橋ボクシングジムの先輩ボクサー) / 佐藤浩市(富久隆治:信介の父) / 原日出子(富久晴子:信介の母) / 音尾琢真(大橋ボクシングジム会長)

●その他

笠原秀幸(大学病院の医師) / 津田寛治(営団地下鉄の本部長) / 渡辺光(徳山昌守:川嶋勝重と対戦する元WBCスーパーフライ級チャンピオン)

 

(以上、映画.comおよび劇場パンフレットより引用抜粋し一部加筆。)

 

 

人はなぜラブレターを書くのか 映画ポスター

 

映画「人はなぜラブレターを書くのか」キャスト紹介

 

【解説・あらすじ】

「舟を編む」の石井裕也監督が綾瀬はるかを主演に迎え、2000年3月8日に発生した営団地下鉄日比谷線脱線事故にまつわる奇跡のような実話をもとに描いたドラマ。

2024年、定食屋「アホウドリ」を営む寺田ナズナは、ある青年に宛てて手紙を書く。24年前、17歳の小野ナズナは、いつも同じ電車で見かける高校生・富久信介にひそかな恋心を抱いていた。

一方、信介は進学校・麻布高校に通いながらプロボクサーを目指し、学校帰りにボクシングの練習に打ち込み文武両道に勤しむ日々を送っていた。

そんな彼らに、運命の日である2000年3月8日が訪れる。

 

そして2024年、信介の家族の元にナズナからの手紙が届く。父・隆治は手紙の中に亡き息子の生きた証を確かに感じ、息子の知られざる青春の断片と成長を知る。やがて隆治は、ナズナに宛てて手紙をつづりはじめる。

学生時代のナズナを「ストロベリームーン/余命半年の恋」の當真あみ、信介を「町田くんの世界」の細田佳央太、信介が通うボクシングジムの先輩で後に第17代WBC世界スーパーフライ級チャンピオンとなる川嶋勝重を菅田将暉、綾瀬演じるナズナの夫・良一を妻夫木聡、信介の父・隆治を佐藤浩市が、信介の母・晴子を原日出子が演じた。

 

(以上、映画.comより引用抜粋し一部加筆。)

 

人はなぜラブレターを書くのか 映画ポスター

 

  日比谷線脱線事故の犠牲者の青春模様。

 

2000年3月8日、東京を走る地下鉄、日比谷線で脱線衝突事故が発生。

死者5名、負傷者64名の大勢の犠牲者を出した事故だったのでしたが、17歳で亡くなった富久信介さんもその一人でした。

 

それから20年。ある女性が過去を振り返り、富久さんに抱いていた思いを綴ったメッセージが、故人が通っていた大橋ボクシングジムの会長の元に届く。

 

その事実を石井裕也監督がスポーツ新聞の報道で知り、この実話を基にして映画化を目指すようになったらしいとのこと。

 

映画「人はなぜラブレターを書くのか」の場面写真

 

本作のリアルな印象は、石井裕也監督がこの事実の重みを受け止め、当事者たちの感情に誠実に向き合ったことによるからでしょう。

 

電車で本を読む高校生、富久信介

 

女子高生、富久信介への恋心

 

それは、冒頭の場面を観ただけでも分かります。

女子高生(當真あみさん)は、通学で使う電車で見かける青年(細田佳央太さん)のことが気になっている。毎朝、同じ時刻の同じ電車。

内気な彼女は彼と目が合わせられないでいるのでした。

彼女は、主人公のナズナ(綾瀬はるかさん)の24年前の姿でした。

青年は当時進学校で有名な麻布高校に通いながら、ボクシングにも夢中になって文武両道に励んでいた富久信介。

 

ボクシング練習、細田佳央太、菅田将暉

 

雨の中、二人の男性が格闘するシーン

 

ボクシング練習をする二人

 

ナズナは一人娘で中学生の舞(西川愛莉さん)が同じ電車に乗る男子生徒に恋をしていると話すのを聞き、自分の17歳の頃のことを思い出したのでした。

 

といったイントロダクションの映画でした。

 

  24年振りの一通の手紙が奇跡を起こす。

 

通学時の恋模様については、現実にも、さもありそうな設定で、私も高校生時代の電車通学時にそんな経験もありましたし、恋愛ドラマのワンシーンにしては如何にも凡庸にもなりかねないにも拘わらず、二人の場合には、そんな浮ついたところが一切なく、むしろ自制的でストイックにも見えて初々しい。

 

人はなぜラブレターを書くのか、高校生の恋

 

石井裕也監督は、これまで手掛けられた過去の作品でも、不器用だけれども、もがき苦しみながら生きる若者たちにエールを送ってきましたが、今作でも自分の気持ちを口に出してストレートに伝えられない若者たちに共感の眼差しを向けるのでした。

 

女子高生がラブレターを手に持つ

 

  映画タイトルの問いの2つの答え。

 

當真あみ、高校時代のナズナ

 

この淡い恋模様からも『人はなぜラブレターを書くのか』というタイトルの問いの答えは、この場面を目にするだけで明らかでしたが、石井裕也監督はそこにもう一つの答えを用意するのでした。

 

では、何故に大人になった現代のナズナが、改めて死んだ人に向けて手紙を送ろうとしたのか。

それは、小寺良一(妻夫木聡さん)と結婚し、一人娘・舞を育ててきたナズナの現在までの暮らしぶりから分かるようになっていました。

 

カップルが夕暮れの浜辺を歩く

 

この映画のベースこそ実話ながらも、ナズナが辿ってきた人生は、あくまでも石井裕也監督が映画用に創造した物語であって、そこには監督自身の家族への思いも込められているとのこと。

 

人はなぜラブレターを書くのか、カップル

 

だからなのか、ナズナが、あまりにも孤独に過ぎて、物思いにふけて寝ることも出来ずに朝を迎える日々を過ごしている描写を観るにつけ、「一体いつ寝てるの??」と心配させるほどで、やや虚構色も感じさせてはいましたが、それこそ、事実に即した部分も虚構の部分も、石井裕也監督の映像作家としての資質と個性が色濃く反映されているといっても良いのでしょうね。

 

綾瀬はるかがマグカップで飲み物を飲む

 

本作が単なるラブストーリーと一線を画しているのはそのせいでしょうし、富久信介さんが「生きていた証」に加えて、あえてナズナの後半生についても描くことで対をなすストーリー展開としていたのでしょうね。

 

  菅田将暉さんの迫真の演技に圧倒されっ放しでした。

 

菅田将暉、ボクサー役で熱演

 

演者の皆さん。若手・中堅ともに、すごく好演されていましたが、當真あみさん、細田佳央太さん、西川愛莉さんたちが演じる若者たちの一途な思いに胸を打たれましたし、また、演者の中でも特に、信介のよき理解者である先輩ボクサーの川嶋勝重選手役を演じた菅田将暉さんが、今作のTV特番でウラ話として話してられたのですが、「実は、ボクシングジムの裏側でやり場のない無念さを大橋ボクシングジムの会長にぶつけるシーンで、思わずその最後の台詞が関西弁のイントネーションになっていた」らしいのですが、あえて、その1回目のテイクを映画公開用に使用された石井裕也監督も粋ですが、菅田将暉さんの演技に熱が入っていたことがよく分かるエピソードでもあり、本当に迫真の演技には圧倒されっ放しでした。

 

富久信介と川嶋勝重のボクシングシーン

 

また、信介の父・隆治役の佐藤浩市さん、信介の母・晴子役の原日出子さんも、控え目ながら存在感のある演技が良かったです。

 

『人はなぜラブレターを書くのか』:佐藤浩市と原日出子が手紙を読む

 

  風化させてはいけない事故の記憶。

 

2000年の営団地下鉄日比谷線脱線事故については、ついつい首都圏にて起きた事故という気持ちから、どちらかというと関西ではJR西日本の福知山線脱線事故という大事故の記憶の方が鮮明に脳裏に焼き付いていますので、どこか他人事のようにも思っていましたが、日比谷線脱線事故で、特に、亡くなられた犠牲者の5名の関係者の方々は、今でも苦しんでられるのかも知れないと思うと本当にやるせないですね(汗)💦

生きている者の使命としては、こういった哀しい事故の記憶を風化させてはいけないでしょうね。

 

  私的評価:★★★★☆(90点)。

 

私的な評価と致しましては、単なるお涙頂戴的映画とは異なる、誰にでもお勧め出来る群像劇としても非常に良く出来た映画かと思いました。

ただ、お話しの展開が、やや散漫とも思える部分も有りもしましたのですが、その点を若干差し引きましても、五ツ星評価的には四ツ星半の★★★★☆(90点)のほぼ満点に近い高評価も相応しい作品かと思いました次第です。

 

私も本作品を観てついつい涙目になってしまいましたが、今回も米寿になった父親と一緒に観に行って来ましたが、今まで泣いた顔を見たこともなかった父親も本作品を観て、シクシクと泣きながら鑑賞していたのにビックリさせられました。

私事ですが、いつまで父親と一緒に映画を観に行けるか分からないですが、父親がすごく期待して観に行きたがっている時代劇映画の『黒牢城』の公開までは観に連れて行ってあげたいです(汗)💦

 

綾瀬はるか、ラブレターを持つ女性

 

〇『人はなぜラブレターを書くのか』予告90秒 主題歌バージョン|主題歌:Official髭男dism「エルダーフラワー」【4月17日(金)公開】

 

 

 

 

〇『人はなぜラブレターを書くのか』ロングトレーラー|主題歌「エルダーフラワー」Official髭男dism【4月17日(金)公開】

 

 

 


※因みに、綾瀬はるかさんの次回作ですが、
是枝裕和監督の脚本・編集・監督による映画『箱の中の羊』で、お笑いコンビ「千鳥」の大悟さんと共に7歳の息子を早世した夫婦役で、亡くなった息子の代わりにヒューマノイドと暮らす母親役を演じられるみたいですね。
本年度のカンヌ国際映画祭にもコンペティション部門正式出品作品らしいのですが、来たる5月29日(金)の日本公開日が今から楽しみです。

 

箱の中の羊 映画ポスター

 

〇カンヌ国際映画祭コンペ部門出品!『箱の中の羊』予告編90秒

 

 

 

 

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昨晩の5月2日(土)の東京ドームで開催された、ビッグバン中谷潤人選手VS.モンスター井上尚弥選手の「世紀の一戦」。

日本人全勝対決による世界スーパーバンタム級4団体世界統一王座戦は、判定で僅差ながら、下馬評通りに井上尚弥選手が3-0の判定勝ち!!!

 

個人的には母親の故郷でもある三重県出身の中谷潤人選手を応援し番狂わせを期待していたのですが、今回は勝利を掴めず残念でしたが、近いうちに是非とも再戦の機会を作って欲しいですね!

 

井上尚弥、中谷潤人と対戦

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。