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HALUの映画鑑賞ライフのBlog

~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

3月は、第3週目も、3連休前の3月19日(木)に映画を劇場まで観に行ける機会が出来たので、ちょうど約1週間前の3月13日(金)から公開していた、ティモシー・シャラメが6年かけて卓球選手の役作りに特訓したというオスカーノミネート作品の映画であるという情報以外には、『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』 について、特段に事前の予備知識も無しに、滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで劇場鑑賞に足を運んで来ました。

 

今作も記事にするのが劇場鑑賞から早1か月遅れとなり、今更ながらにはなりますが、備忘録的に拙ブログにも、あくまでも記録として感想記事を残しておきたいと思います。

 

 

※因みに、京都のミニシアター・出町座では、本作品を、来たるゴールデンウィークの5月1日(金)~5月14日(木)の2週間限定でセカンド上映される予定とのことです。

 

 

今年度の5本目の劇場鑑賞作品。

(今年度のイオンシネマ草津での5本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

マーティ・シュプリーム 世界をつかめ ポスター

 

「稀代のゲス男な天才卓球選手を演じるティモシー・シャラメの新境地的作品(26.3/19・2D字幕版)」

ジャンル:人間ドラマ

原題または英題::Marty Supreme

製作年/国:2025年/アメリカ

製作会社:Central Pictures

配給:ハピネットファントム・スタジオ(米国配給:A24)

公式サイト:https://happinet-phantom.com/martysupreme/

上映期間:149分

上映区分:一般(G)

劇場公開日:2026年3月13日(金)

 

【スタッフ】

製作:イーライ・ブッシュ / ロナルド・ブロンスタイン / ジョシュ・サフディ / アンソニー・カタガス / ティモシー・シャラメ

製作総指揮:ティモ・アルジランダー / アンドレア・スカルソ / サラ・ロセイン / ジョー・ゲスト 

撮影:ダリウス・コンジ

美術:ジャック・フィスク

衣装:ミヤコ・ベリッツィ

編集:ロナルド・ブロンスタイン / ジョシュ・サフディ

音楽:ダニエル・ロパティン

キャスティング:ジェニファー・ベンディッティ

脚本:ロナルド・ブロンスタイン / ジョシュ・サフディ

監督:ジョシュ・サフディ

 

【キャスト(配役名)】

ティモシー・シャラメ(マーティ・マウザー) / グウィネス・パルトロウ(引退した元女優ケイ・ストーン) / オデッサ・アザイオン(レイチェル・マイズラー:マーティの不倫相手) / ケヴィン・オライリー(ミルトン・ロックウェル:ケイの夫で、ペンのインク大手メーカー、ロックウェル社の社長) / タイラー・ザ・クリエイター(ウォーリー:マーティの友人のタクシー運転手) / アベル・フェラーラ(エズラ・ミシュキン:マーティに飼い犬を預けたギャングの老人) / フラン・ドレシャー(レベッカ・マウザー:マーティの母親) / ルーク・マンリー(ディオン・ガラニス:スポーツ用品会社の御曹司) / エモリー・コーエン(アイラ・マイズラー:レイチェルの夫) / ラリー・スローマン(マレー・ノーキン:マーティの叔父で靴屋の経営者) / ラルフ・コルッチ(ロイド:マレーの靴店で働く、マーティの同僚) / ルーリグ・ゲーザ(ベラ・クレツキ:ハンガリーの卓球選手) / 川口功人(エンドウ・コウト:日本人の卓球選手) / ピコ・アイヤー(ラム・セシ:国際卓球協会の会長) / ジョン・カツィマティディス(クリストファー・ガラニス:ディオンの父親) / サンドラ・バーンハード(ジュディ) / ジョージ・ガービン(ローレンス:賭け卓球場のオーナー) / テッド・ウィリアムズ(テッド) / ペン・ジレット(ホフ:マーティが逃がしたエズラの飼い犬を拾った農家の男) / アイザック・ミズラヒ(マール) / デヴィッド・マメット(グレン・ノルドマン) / フレッド・ヘッキンジャー(トロイ) / スペンサー・グラネーゼ(クラーク) / レヴォン・ホーク(クリスチャン:ボウリング場でマーティと賭け卓球をした男) / アイザック・サイモン(ロジャー) / ヘイリー・ゲイツ(トリッシュ) / ミッチェル・ウェニグ(ミッチ:エズラのギャング仲間) / マリアン・テペディーノ(マリアン) / フィリップ・プティ(ブリュッセルの司会者) / トレイシー・マグレディ、ケンバ・ウォーカー(グローブトロッターズ) / ナオミ・フライ(ケイ・ストーンの助手) / レイ・ティントリ(ウェンブリーのカメラマン) / ポール・グリムスタッド(劇場の制作進行マネージャー) / 鈴木やす(ロックウェル社取締役) / ロバート・パティンソン(イギリス人審判:声の出演※ノンクレジット) その他

 

(以上、映画.comより引用抜粋およびWikipediaから一部加筆。)

 

マーティ・シュプリーム 卓球選手ティモシー・シャラメ

 

【解説・あらすじ】

ティモシー・シャラメが主演を務め、1950年代のニューヨークを舞台に、実在の卓球選手マーティ・リーズマンの人生に着想を得て描いたドラマ。

卓球人気の低いアメリカで世界一の卓球選手になることを夢見るマーティ・マウザーは、親戚の靴屋で働きながら世界選手権に参加するための資金を工面する。ロンドンで開催された世界選手権で日本の選手エンドウに敗れたマーティは、次回の日本での世界選手権への出場を目指す。不倫相手のレイチェルが妊娠し、卓球協会から選手資格を剥奪され、資金が底をつくなか、あらゆる方法で遠征費用を集めようとするマーティだったが……。

引退した有名女優ケイ役でグウィネス・パルトロウ、マーティの友人役でグラミー賞受賞アーティストのタイラー・ザ・クリエイターことタイラー・オコンマ、マーティの恋人役でオデッサ・アザイオン、ケイの夫でインク会社社長のミルトン役でケビン・オレアリー、日本人選手エンドウ役で東京2025デフリンピックの卓球日本代表・川口功人選手が共演。

 

「アンカット・ダイヤモンド」「グッド・タイム」のジョシュ・サフディ監督がメガホンをとり、第98回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞など主要部門を含む計9部門にノミネートされた。

 

(以上、映画.comより引用抜粋。)

 

 

マーティ・シュプリーム 世界をつかめ ティモシー・シャラメ主演

 

ティモシー・シャラメ主演 卓球映画『マーティ・シュプリーム』ポスター

 

  ティモシー・シャラメの更なる新境地。

 

人気、演技力を兼ね備えた若き千両役者、ティモシー・シャラメが主演している映画ならば、出来れば観に行きたいと思う映画ファンは多いことでしょう。

昨年日本公開の『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』でボブ・ディランの青年時代を演じ、その演技力も高く評価されましたが、今作でも更なる新境地を見せてくれました。

 

演じるのは、実在した卓球選手のマーティ・リーズマンに着想を得た天才的な卓球選手。その名もマーティ・マウザー。

自分の才能に心酔し、人を騙したりコケにしたりすることもいとわない自己中なゲス男。自分がナンバーワンであることを何が何でも証明しようとすると言った、正直、いけ好かない。まさにアンチヒーローとも呼べる役どころです。

 

マーティ・シュプリーム ティモシー・シャラメ

 

  イントロダクション

 

幼馴染でセックスフレンドのレイチェル・マイズラー(オデッサ・アザイオン)の卵子に、マーティ・マウザー(ティモシー・シャラメ)の精子が着床し合体した途端、その卵子がピンポン球に変わり、次の瞬間にドン!と出るタイトルもインパクト爆裂でした!

 

ティモシー・シャラメが卓球ラケットを持つマーティ

 

1952年、ニューヨーク。ユダヤ系の青年マーティ・マウザー(ティモシー・シャラメ)は卓球の世界チャンピオンになるため、イギリスで開催される世界選手権に出場する為、その足代を稼ぐべく、靴の販売員として働いていた、叔父の経営する靴店の金庫から強奪する流れから始まります。

 

ケイ・ストーン役グウィネス・パルトロウ

 

イギリスでの卓球の世界選手権の期間中、ロンドンで選手宿舎が気に入らず、高級ホテルのリッツカールトンに行き、そこで偶然に出会った引退した元女優のケイ・ストーン(グウィネス・パルトロウ)を口八丁手八丁で言葉巧みに籠絡し、男女の関係を持つのでした。

 

マーティ・シュプリーム 世界をつかめ 映画シーン

 

またリッツカールトンにて、ケイ・ストーンの夫で、「インク王」ことロックウェル社の社長、ミルトン・ロックウェル(ケヴィン・オライリー)とも出会うのでした。

 

マーティ・シュプリーム ティモシー・シャラメ 電話

 

世界選手権大会を圧倒的な技術で順調に勝ち進んだマーティでしたが、決勝戦で新型グリップのラケットを手にした聴覚障碍を持つ日本人選手エンドウ・コウト(川口功人さん)に惨敗を喫してしまうのでした。

 

映画『マーティ・シュプリーム』の卓球選手、川口功人

 

エンドウ・コウト役には、実際に昨年の東京デフリンピック2025にも出場されたアスリートでもあるデフ卓球選手・川口功人さんが好演。

(※尚、劇中では東京大空襲のせいで耳が聞こえなくなった設定となっています。)

 

ティモシー・シャラメ、卓球選手役で試合に臨む

 

新型グリップのラケットを理由に「イカサマだ!」と激高しても後の祭り。

 

その後、世界中をフライパンで卓球するような卓球曲芸で回ってみせ、エジプトではピラミッドの一角を破壊して手土産にして帰国するのでした。

 

ティモシー・シャラメが電話をするバスローブ姿

 

ケイ・ストーンが電話で話すシーン

 

それこそ、健全なスポーツ選手ならば「次回があるさ」と卓球にだけ専念して前向きにもなれるところが、マーティは靴店の売上げをかすめた上に、「世界卓球協会の名を借りて高級ホテルに泊まった1,500ドルを返せ!、さもないと次回の日本での世界選手権の参加資格は剥奪だ!」と通達され、幼馴染のセフレからは意図せぬ妊娠を告げられるなど、すべてが「身から出た錆」とは言え、様々なトラブルが襲いかかるのでした。

 

マーティ・シュプリーム 浴室のシーン

 

マーティ・シュプリーム 卓球シーン 観客

 

シャラメとタイラー・ザ・クリエイター、車内での会話

 

困ったマーティは、ニューヨークの卓球界にも顔が利く親友のウォーリー(ラッパーのタイラー・ザ・クリエイターことタイラー・オコンマ)に相談し、何とか必要な金を作ろうとあがきまくるのでした。

 

といったイントロダクションの映画でした。

 

  2時間29分の映画とは思えない体感時間!

 

アップダウンの激しい展開の物語の上映時間は2時間29分。

ちょっと長いと思うでしょう?それが意外にも体感時間的にはそうでもなかったのです。

ジョシュ・サフディ監督の物語は息もつかせぬスピード感なのでした。

マーティはマシンガンのような早口トークで、思い立ったら即、行動に移すといった、これまでティモシー・シャラメが演じてきたどんな役柄とも違う。撮影カメラはその姿をひたすらアップで追う。そんな彼に釘付けになっているうちに、気が付けば時間が過ぎてしまうという展開の早さで飽きさせない。

まさに、卓球のラリーを見るかのようでもありました。

 

マーティ・マウザー、卓球選手役のティモシー・シャラメ

 

  6年の特訓の成果が実る卓球の試合のシーンも存分に魅せてくれます!🏓

 

無論、実際の卓球の試合のシーンもたっぷりと魅せてくれます。

マーティとエンドウ・コウトとが火花を散らす日本での決戦のロケ地には、東京の上野恩賜公園が選ばれています。

 

マーティ・シュプリーム 卓球大会の様子

 

卓球選手マーティ・マウザーの試合シーン

 

複数のカメラを同時に使い、映画随一の迫力充分な見せ場となっていました。

 

何よりも、ティモシー・シャラメ本人の火を噴くかの如き卓球シーンをはじめとした演技の数々が要と言って良いでしょうね。

 

ティモシー・シャラメ 卓球シーン

 

このハイレベルな演技派俳優に「熱演」と言うのはかえって失礼なのかも知れませんが、それでも本作で発散するエネルギーの量たるや、この厄介ともいえる役柄にどれほどの思いを入魂しているかがビリビリと伝わって来て、実に胸が熱くなる演技でした。

 

ティモシー・シャラメ主演 卓球映画のワンシーン

 

  自己中なゲス男ながらも、心底憎めない主人公像。

 

あまりにもぶっ飛んだ青春物語ですが、冒頭に述べた通り、マーティは実在した1950年代に活躍したアメリカの卓球選手マーティ・リーズマンをモデルにしており、また、日本人選手エンドウ・コウトにも、実在の日本の卓球選手佐藤博治というモデルがいるそうです。

 

マーティ・シュプリーム 飛行機から降りるティモシー・シャラメ

 

主人公のマーティのあまりにもの自己中なゲス男ぶりには全く共感のしようもないのですが、心底どこか憎めないのは、そもそもの彼の行動原理が卓球での世界一の座そのものにあって、金儲けが主たる目的ではないからだったのかも知れないですね。

また、稀代の性悪な設定の役柄にも拘わらず、憎みきれないのにも、ティモシー・シャラメのどこか愛嬌のある演技の賜物だったのかも知れないかとも思いました。

 

そうそう、それとオレンジのピンポン球でひと儲け出来るとスポーツ用品会社の御曹司である友人のディオン・ガラニス(ルーク・マンリー)を騙すといったエピソードもありますが、このオレンジのボールは、本当に後日談として大会使用球として使われるようになりますよね。

卓球のラリーの際に球が見易いようにと採用されるようになったそうですが、マーティには先見の明があったということなんでしょうね。

しかしながらも、現在では再び白いピンポン球が主流になっているようですね。

 

ティモシー・シャラメ主演『マーティ・シュプリーム』米国応援団

 

  私的評価:★★★★(80点)。

 

従いまして、私的な評価と致しましては、2時間29分といった長尺な映画でありながらも、ジョシュ・サフディ監督の脚本・編集・演出ぶりが素晴らしかったこともあり、お話しの展開の早さから体感時間はあっと言う間に観終える事が出来たのも好印象。

 

1950年代の曲だけで無く、1980年代の曲が要所要所で使用されているので、時代を懐かしむような不思議な感覚にも陥ってしまう点も良かった。

最初の方に、「ForeverYoung」、最後にTears For Fearsの「Everybody Wants To Rule The World」が流れる。まさにそんな歌詞内容の作品。 

 

主人公のマーティ役に共感し辛い点から多少の減点要素もありはしますが、五ツ星評価的には、四ツ星評価の★★★★(80点)の高評価も相応しい作品かと思いました次第です。

 

 

 

 

〇映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』本予告|3/13全国ロードショー|ムビチケ発売中

 

 

 

 

 

〇映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』マーティVS元世界チャンピオン 本編映像|3/13全国ロードショー|ムビチケ発売中

 

 

 

 

〇Alphaville - Forever Young (Official Video HD)

 

 

 

 

〇Tears For Fears - Everybody Wants To Rule The World (Official Archive Video)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

今年の2月27日(金)の公開初日に観に行きたかった作品でしたが、3月第2週、3月12日(木)に観に行ける機会が出来たので、商業用長編映画デビュー作の『37セカンズ』(2019年)がすごく好印象の作品だったことから予てから気になっていた、大阪出身で米国を拠点にする日本人女性のHIKARI監督の長編作品の第2弾で、且つ、オスカー俳優のブレンダン・フレイザー主演による100%日本ロケの作品ということで、念願だった映画『レンタル・ファミリー』を滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで足を運んで来ました。

 

記事にするのが劇場鑑賞から早1か月遅れとなり、今更ながらにはなりますが、備忘録的に拙ブログにも、あくまでも記録として感想記事を残しておきたいと思います。

 

※因みに、京都のミニシアター・出町座では、本作品を、来たる5月15日(金)~5月28日(木)の約2週間上映される予定とのことです。

 

 

今年度の4本目の劇場鑑賞作品。

(今年度のイオンシネマ草津での4本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

 

レンタル・ファミリー ポスター ブレンダン・フレイザー

 

「”仮”の役割を演じて見付けた意義や生きる喜びを、米国人の視点から描いた感動作(26.3/12・2D字幕版)」

 

ジャンル:人間ドラマ/コメディ

原題または英題:Rental Family

製作年/国:2025年/アメリカ・日本の国際共同製作

製作会社:サイト・アンシーン・プロダクション / ドーモ・アリガト・プロダクション

配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ(サーチライト・ピクチャーズ)

公式サイト:https://www.searchlightpictures.jp/movies/rentalfamily

上映時間:110分

上映区分:一般(G)

劇場公開日:2026年2月27日(金)

 

【スタッフ】

製作:エディ・ベイスマン / ジュリア・レベデフ / HIKARI / 山口晋

製作総指揮:ジェニファー・セムラー / 小泉朋 / スティーブン・ブレイハット / レオニード・レベデフ / ブレンダン・フレイザー / オーレン・ムーバーマン

撮影:石坂拓郎

美術:磯田典宏 / 高山雅子

衣装:望月恵

ヘアメイク:百瀬広美

編集:アラン・ボームガーテン / トーマス・A・クルーガー

音楽:ヨンシー / アレックス・ソマーズ

キャスティング:川村恵 / 高田ゆみ

脚本:HIKARI / スティーブン・ブレイハット

監督:HIKARI

 

【キャスト(配役名)】

ブレンダン・フレイザー(フィリップ・ヴァンダープルーグ) / 平岳大(多田信二:レンタルファミリー社のオーナー) / 山本真理(中島愛子:レンタルファミリー社の所属スタッフ) / ゴーマン・シャノン眞陽(川崎美亜) / 柄本明(長谷川喜久雄:かつて人気を博していた有名老俳優) / 篠崎しの(川崎瞳:美亜の母親) /  木村文(寺田光太:レンタルファミリー社の最年少スタッフ) / 真飛聖(長谷川雅美:喜久雄の娘) / 森田望智(新婦の佳恵) / 菅原大吉・原日出子(新婦・佳恵の両親) / 安藤玉恵(LOLA:風俗嬢) / 神野三鈴(美亜がお受験した学校の面接官) / 宇野祥平(レンタルファミリー社に生前葬を依頼した客) / 梅沢昌代(長谷川家の女中) / 板谷由夏(多田の妻)  その他

 

レンタル・ファミリー ブレンダン・フレイザー感動作

 

【解説・あらすじ】

「ザ・ホエール」で第95回アカデミー主演男優賞に輝いたブレンダン・フレイザーが主演を務め、全編日本で撮影を敢行したヒューマンドラマ。長編デビュー作「37セカンズ」やドラマ「BEEF ビーフ」などで注目された日本人監督・HIKARIがメガホンをとり、東京で暮らす落ちぶれた俳優が、レンタル・ファミリーの仕事を通して自分自身を見つめ直していく姿を描く。

かつて歯磨き粉のCMで一世を風靡したものの、近頃は世間から忘れ去られつつあるアメリカ人俳優フィリップ。俳優業を細々と続けながら東京で暮らし、すっかり街になじんでいた。そんなある日、フィリップはレンタル・ファミリー会社を経営する多田から仕事を依頼される。レンタル・ファミリーとは、依頼人にとって大切な「家族」のような役割を演じることで報酬を得る仕事。最初のうちは、他人の人生に深く関わることに戸惑うフィリップだったが、仕事を通して出会った人々と交流していくうちに、いつしか彼自身の心にも変化が起こりはじめる。

レンタル・ファミリー会社を営む多田役で平岳大、レンタル・ファミリー会社の俳優として働く愛子役で山本真理、老優・喜久雄役で柄本明が共演。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

映画『レンタル・ファミリー』ポスター ブレンダン・フレイザー出演

 

映画『レンタル・ファミリー』ポスターと上映情報

 

〇映画『レンタル・ファミリー』ロケ地マップ

 

ブレンダン・フレイザー主演『レンタル・ファミリー』ポスター

 

映画『レンタル・ファミリー』ロケ地マップ

 

 

  レンタル派遣ビジネスの世界に足を踏み入れた米国人の視点を通して描く人間賛歌。

 

お金を支払って、家族や恋人、親友などの役割を演じてもらう「レンタル〇〇」は、特に日本で盛んなビジネスモデルのようです。しかし、それは一体どうしてなのでしょうか。

大阪出身で米国を拠点にされている日本人女性のHIKARI監督が、本作で、日本のレンタル人材派遣ビジネスの世界に足を踏み入れた米国人の視点を通して、そんな人と人とが繋がる煩雑さと尊さを描きだしてくれました。

 

  イントロダクション

 

歯磨き粉CM俳優がレンタルファミリーで活躍

 

かつて歯磨き粉のCMで一世風靡し、それを機に7年前に東京に移住をしたが今や落ち目の俳優フィリップ・ヴァンダープルーグ(ブレンダン・フレイザー)の元に葬儀の弔問客を演じる仕事が舞い込むのでした。

 

ブレンダン・フレイザーと平岳大、葬儀の場面

 

フィリップは現場で、依頼に応じて俳優を貸し出す「レンタル・ファミリー社」と出会うのでした。

実際のレンタル派遣ビジネスの世界でも、白人男性の需要があるらしいですね。

 

レンタルファミリーのキャスト3人

 

レンタル・ファミリー社の経営者の多田(平岳大さん)にスカウトにされたフィリップの初仕事は、なんと「偽りの結婚式」。

新婦(森田望智さん)の両親や親族なども上手く騙したことにより、未だ同性婚が認められていない日本では、ちゃんと世間体も保つことが出来て、結果的には、皆が幸せになったのでした。

 

ブレンダン・フレイザーと少女、バスで移動

 

でも、母子家庭で育った美亜(ゴーマン・シャノン眞陽ちゃん)のお受験の面接の為だけの父親役には、今回は、流石に子供を騙すので彼も躊躇ってしまいます。

 

レンタルファミリー:ブレンドン・フレイザーと子供、女性

 

いくら美亜の将来を考えての母親からの依頼とは言え、私も映画を観ていながら、幼い子供の清らかな心を嘘で固めて騙すのはどうなのかなぁ?と思ってはいました(汗)💦

 

ブレンダン・フレイザーと少女の会話

 

ブレンダン・フレイザーと山本真理『レンタル・ファミリー』

 

そして、彼らは、ひとつの仕事をずっと行なっている訳ではなく、色んな役柄のレンタル派遣サービスをあちこち掛け持ちをしているようでした。

 

それこそ年配女性のカラオケの遊び相手から、引き籠もり気味の青年のテレビゲームの対戦相手、不倫男性の謝罪の代行業までもと引き受けるレンタル派遣サービスの内容も枚挙にいとまがないのでした。

 

レンタルファミリーのステージで歌う二人

 

ブレンダン・フレイザーと仲間たちの楽しいひととき

 

次第にレンタル・ファミリー社の他の2人の派遣スタッフ(山本真理さん、木村文さん)とも打ち解けて行き、少しずつフィリップとの信頼関係も醸成されていきます。

 

レンタルファミリー:平岳大と山本真理

 

ブレンダン・フレイザーと日本人女性、バーで会話

 

でも美亜の父親役として面接に臨むまでの間、心ふれあう時間を大切に一緒に費やすにつれて、フィリップは思うのでした。

この仕事は、果たして「優しい嘘」で人を助ける仕事では無く、傷付ける仕事なのでは?と思い悩んでしまうのでした。

 

ブレンダン・フレイザーと子供、コスプレ姿

 

そのように、当初は心を痛めながら困惑していたフィリップでしたが、徐々に「優しい嘘」の依頼者たちの根底にある本意に気付いていくことで、人一倍その役柄に成り切ろうと思ってしまうのでした。

 

ブレンダン・フレイザーと柄本明が食事をするレンタル・ファミリー

 

特に、かつて日本映画界で大活躍していた有名俳優だった長谷川喜久雄(柄本明さん)に取材をする記者役の依頼に際しては、認知症気味の喜久雄との間で友情が芽生えて来たこともあり、ついついお人好しのフィリップは、この仕事の依頼人である喜久雄の娘・雅美(真飛聖さん)にとっては、大きなお世話なことをしてしまった事により、遂には警察沙汰になってしまいます。

 

ブレンダン・フレイザーと柄本明が歩く映画『レンタル・ファミリー』のワンシーン

 

ブレンダン・フレイザーが軽トラックに座る『レンタル・ファミリー』

 

しかしながらも、かえってこの出来事により、レンタル・ファミリー社の所属スタッフたちの仕事への思いを変えることになり、スタッフ間の絆も更に固くなるのでした。

 

柄本明とブレンダン・フレイザー、映画『レンタル・ファミリー』の2人

 

喜久雄の里帰りは少々感慨深くなりましたが、日本独自の自然界のどこにもかしこににも神々が宿る、所謂、【八百万の神】といった風習・信仰も紹介してくれているところが、日本人女性監督のHIKARI監督らしい脚本・演出で良かったです。

 

映画『レンタル・ファミリー』でブレンダン・フレイザーと柄本明が歩く

 

長崎県の天草地方でのロケの風景が実に綺麗でした。

 

ブレンダン・フレイザーと柄本明の映画『レンタル・ファミリー』スチール

 

そういえば、多田社長の愛妻とひとり息子までもが・・・。といった設定にはハッと驚かさせられました。

 

平岳大、レンタルファミリー社オーナー役で電話

 

といったようなイントロダクションの映画でした。

 

  日本女性のHIKARI監督の演出が好印象。

 

流石に日本人女性のHIKARI監督の作品だけあって、従前からの固定的で画一的なイメージを当てはめた、所謂、ステレオタイプな日本描写や、或いは「なんちゃって日本」のような文化の違いを面白可笑しく描くような、ありがちで安直な演出手法は採っていないあたりが非常に好感が持てて良かったでした。

 

ブレンドン・フレイザー主演『レンタル・ファミリー』、街を歩くシーン

 

仕事の意義を実感するにつれて、オスカー俳優のブレンダン・フレイザー演じるフィリップの表情は徐々に生き生きと明るくなり、大きな体躯も次第に日本の日常風景に溶け込んでいくようでした。

 

よくあるお仕事ドラマの体裁の作りで、異文化に身を置くことや「郷に入れば郷に従え」のことわざの如く、関わりを持つ他者の中に馴染んでいくことの本質を浮かび上がらせているあたりにスポットを当てたのが実にお見事でした。

 

ブレンダン・フレイザー、映画『レンタル・ファミリー』撮影

 

日本語とも何ら変わらない、柄本明さんの英語での達者なお芝居にも脱帽でしたし、ブレンダン・フレイザーの発する日本語にも、心情がのっていて違和感なかった点も素晴らしかったですね。

 

柄本明演じる長谷川喜久雄、映画『レンタル・ファミリー』より

 

  私的評価:★★★★★(100点満点)。

 

ブレンダン・フレイザー、レンタル・ファミリー

 

私的な評価と致しましては、妻や恋人への謝罪の代行を依頼した不倫男性たち以外には、特段、腹立たしいような嫌な配役も出てこなかったですし、終始ほんわかと優しい気持ちに浸れる感動作品で、実に私好みの映画であり、映画本編の尺も1時間50分と非常に観易い点もすごく好印象でしたので、五ツ星評価的にも★★★★★(100点)の満点評価が相応しい作品かと思いました次第です。

 

 

ブレンダン・フレイザーと少女、桜並木

 

 

▲HIKARI監督の商業用長編デビュー作品の『37セカンズ』(2019年)を劇場鑑賞した際の私の感想記事です。クリックの上、ご一読下されば幸甚に存じます。

 

 

 

 

〇『レンタル・ファミリー』ティーザー予告映像<2026年2月27日(金)公開>

 

 

 

〇『レンタル・ファミリー』特別映像<Building A New Family>│2026年2月27日(金)公開

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

2026年2月13日(金)から公開の作品でしたが、人気が今ひとつだったからか、3月に入ってから、1日当たりの上映回数が1回になる前に、上映スケジュールが切り替わる金曜日までにと、3月5日(木)に、慌てて、第98回アカデミー賞ノミネート作品だったこともあり、イオンシネマ草津まで1人で観に行った作品です。

 

今更ながらにはなりますが、備忘録的に拙ブログにも、あくまでも記録として感想記事を残しておきたいと思います。

 

※尚、予想外に血飛沫ドバーッ系の描写もあったりと、グロテスクな暴力的表現や拷問シーンなど、必要以上に、所謂、残虐なゴア描写もあったので、残虐なシーンが苦手な方々は、今後、お家鑑賞する際には少々要注意かもしれないですね。

 

 

今年度の3本目の劇場鑑賞作品。

(今年度のイオンシネマ草津での3本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

ブゴニア ポスター エマ・ストーン ジェシー・プレモンス

 

「陰謀論による混乱を社会風刺的に描くハリウッドリメイクの怪作(26.3/5・2D字幕版)」

ジャンル:ブラックコメディー/スリラー

原題または英題:Bugonia

製作年/国:2025年/アイルランド・イギリス・カナダ・韓国・アメリカ合作

製作会社:エレメント・ピクチャーズ / スクエアペグ / CJ ENM / ピス / フルーツツリー・エンタープライズ

配給:ギャガ

公式サイト:https://gaga.ne.jp/bugonia/

上映時間:118分

上映区分:PG12

劇場公開日:2026年2月13日(金)

 

【スタッフ】

原作:韓国映画『地球を救え!』(2003年/チャン・ジュナン監督)

製作:エド・ギニー / アンドリュー・ロウ / ヨルゴス・ランティモス / エマ・ストーン / アリ・アスター / ラース・クヌードセン / マイキー・リー / ジェリー・キョンボム・コー

撮影:ロビー・ライアン

美術:ジェームズ・プライス

衣装:ジェニファー・ジョンソン

編集:ヨルゴス・モブロプサリディス

音楽:イェルスキン・フェンドリックス

キャスティング:ジェニファー・ベンディッティ

オリジナル脚本:チャン・ジュナン

脚本:ウィル・トレイシー

監督:ヨルゴス・ランティモス

 

【主なキャスト(配役)】

エマ・ストーン(大手製薬会社のCEOミシェル・フラー) / ジェシー・プレモンス(テディ・ギャッツ) / エイダン・デルビス(テディの従弟・ドン) / スタブロス・ハルキアス(副保安官ケイシー)/ アリシア・シルバー・ストーン(テディの母親サンディ・ギャッツ) その他

 

 

ブゴニア:陰謀論者CEO誘拐サスペンス

 

【解説・あらすじ】

「哀れなるものたち」「女王陛下のお気に入り」などで知られる鬼才ヨルゴス・ランティモス監督が、これで5度目のタッグとなるエマ・ストーンを主演に迎えて描いた誘拐サスペンス。

「エディントンへようこそ」「ミッドサマー」の監督アリ・アスターがプロデューサーに名を連ね、2003年の韓国映画「地球を守れ!」をリメイクした。

世界的に知られた製薬会社のカリスマ経営者ミシェルが、何者かに誘拐される。犯人は、ミシェルが地球を侵略する宇宙人だと固く信じる陰謀論者のテディと、彼を慕う従弟のドン。2人は彼女を自宅の地下室に監禁し、地球から手を引くよう要求してくる。ミシェルは彼らの馬鹿げた要望を一蹴し、なんとか言いくるめようとするが、互いに一歩も引かない駆け引きは二転三転する。やがてテディの隠された過去が明らかになることで、荒唐無稽な誘拐劇は予想外の方向へと転じていく。

エマ・ストーンが髪を剃った丸坊主姿も披露し、陰謀論者に囚われたミシェル役を熱演。彼女を宇宙人だと信じてやまない誘拐犯2人組を、「憐れみの3章」「シビル・ウォー/アメリカ最後の日」のジェシー・プレモンスと、オーディションで抜てきされた新星エイダン・デルビスが演じる。

2025年・第82回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。第98回アカデミー賞では作品賞、主演女優賞ほか計4部門にノミネートされた。

 

(以上、映画.comより引用抜粋。)

 

映画「ブゴニア」のポスターと上映情報

 

 

  ブゴニアとは・・・。

 

そもそも「ブゴニア(Bugonia)」とは、古代ギリシャ・ローマで信じられていた「牛の死骸からミツバチが生まれる」という再生の儀式を指す言葉だそうです。

 

【語源と歴史的背景】

「ブゴニア」はギリシャ語の bous(牛) と gone(出生・子孫) に由来し、「牛から生まれたもの」を意味します。古代ギリシャやローマでは、太らせた牛を殺し、その死骸を閉鎖された場所に置くと、腐敗した肉からミツバチが自然発生すると信じられていました。この儀式は、死(腐敗)から新しい生命(ミツバチ)が生まれる再生の象徴として扱われ、文学や農耕詩にも記録されています。 

 

【映画『ブゴニア』における象徴】

映画『ブゴニア』では、この古代の信仰がタイトルの由来となっています。物語では、主人公テディが愛するミツバチの大量死や、腐敗した現代社会を背景に、死からの再生や新しい秩序の象徴として「ブゴニア」の概念が描かれています。ラストシーンでは、地球や生命全体の視点から見た「調和」や「救済」として、古代の儀式の象徴的意味が反映されていると解釈されているとのこと。 

 

つまり、「ブゴニア」とは単なる映画のタイトルではなく、死と再生、崩壊からの新しい生命の誕生を象徴する古代の儀式を指す言葉であり、映画のテーマやラストシーンの象徴性を理解する上で重要なキーワードとも言えるでしょう。 

 

  イントロダクション。

 

生活格差と分断が深刻化する世界の黙示録とでも言うべきなのか。

『女王陛下のお気に入り』『哀れなるものたち』の鬼才ヨルゴス・ランティモス監督が主演女優にエマ・ストーンを迎え5度目のタッグを組んで、毒っ気とユーモアたっぷりに描く誘拐劇。徐々にあぶり出される人間の愚かさが実に滑稽でもあり、少々悲しくもあり、じわじわと恐ろしくもある作品でした。

 

エマ・ストーン、ブゴニアでCEO役

 

或る日、大手製薬会社オークソリスのCEOミシェル・フラー(エマ・ストーン)は、帰宅し車を降りたところを、茂みから覆面をした男2人に襲いかかられます。

 

エマ・ストーン、誘拐されるシーン

 

ミシェルも日頃に鍛錬している護身術を駆使して応戦するのですが、麻酔薬を打たれてしまうや誘拐されてしまいます。

 

ブゴニア 芝生で倒れる女性と追う人物

 

その誘拐犯は、ミシェルを地球を滅ぼす「アンドロメダ星人」だと信じ込む養蜂家で陰謀論者のテディ・ギャッツ(ジェシー・プレモンス)と自閉症気味の従弟のドン(エイダン・デルビス)。

 

養蜂家が蜜蜂の巣箱を点検している

 

以前、テディの母親サンディ・ギャッツがオークソリス社の薬の臨床試験に参加するも、それにより昏睡状態に陥ってしまったのでした。

その母親のこともあり、テディはミシェルが地球侵略に来た「アンドロメダ星人」だと信じており、地球のミツバチを殺し、コミュニティを破壊し、人間を自分の母親のように麻痺した従属に追い込んでいくという思考に凝り固まってしまっているのでした。

 

ブゴニア、テディとドンの食卓シーン

 

ミシェルを自分の家の地下室に閉じ込めたテディは、彼女の麻酔薬から醒めるまでの間に、宇宙船に彼女が救難信号の送信が出来ないようにと髪の毛を丸坊主に剃り落とし、抗ヒスタミンクリームを全身にくまなく塗りまくるのでした。

 

ブゴニア、誘拐犯と囚われのCEO

 

映画『ブゴニア』エマ・ストーンの丸坊主姿

 

そして麻酔薬から目を醒ました彼女に、4日後の月食までにアンドロメダの皇帝と会談をさせ、地球の支配から手を引くように要求するように迫るのですが、ミシェルは何の事やら意味不明で唐突な要求に答えることが出来ません。怒ったテディはミシェルの頭に高圧の電流を流す電気ショックの拷問をし、遂には気絶させてしまいます。

 

エマ・ストーン、坊主頭で花柄ドレス着用

 

目を覚ますとミシェルは何故か地下室から解放され食卓に着いているのでした。

テディは高圧の電流の拷問でも我慢出来たミシェルの高い生理的耐性から彼女はアンドロメダ星人の中でも王家の特に高位のメンバーの証拠だと判断し、「以後は大切に扱う」と話します。

 

ランティモス監督作『ブゴニア』、エマ・ストーンら出演

 

何だか訳は分からないが状況が良くなったと感じたミシェルは何とかその場所から逃げ出そうと陰謀論に凝り固まったテディと彼を慕う自閉症気味のドンに交渉を試みるのですが・・・。

 

といった強烈なイントロダクションで始まる映画でした。

 

  韓国映画『地球を守れ!』のリメイク。

 

私は今回の作品については全く何の予備知識もなく劇場鑑賞に臨みましたが、鑑賞後にWikipediaにて調べてみますと、韓国のカルト映画『地球を守れ!』(2003年)というSFブラックコメディ作品の舞台設定を今作ではアメリカ中心部に変え、また誘拐されるCEO役を男性から女性に性別の配役設定の変更するなど脚色した上でリメイクを施した作品とのこと。

 

地球を守れ!ポスター、宇宙船と地球

▲『地球を守れ!』(原題:SAVE THE GREEN PLANET/2003年)

 

  誘拐犯との噛み合わない遣り取りは今日世界の分断と不理解を可視化したかのよう。

 

秘密裏に地球を支配しつつある宇宙人を地球から撤退させるという妄想に取り憑かれたテディと、ひたすらその考えに付き従うドン。

監禁されても毅然とした態度で犯人たちに自分の身の解放の説得を試みるミシェル。

しかしながらも、全く噛み合わない遣り取りは、あたかも今日の世界に蔓延る分断と不理解を可視化したかのようでもありました。

 

エマ・ストーン主演「ブゴニア」のオフィスシーン

 

陰謀論がもたらす混乱は、今日のアメリカ合衆国をはじめとした各国の状況を見渡すにすごくホットなテーマなのかもしれないですね。

今作『ブゴニア』の製作にも名を連ねるアリ・アスター監督の近作『エディントンへようこそ』(2025年)でも形は異なるようですが、新型コロナウイルス禍のニューメキシコ州を舞台にした陰謀論が描かれているらしいのですが、ただ単に陰謀論に囚われた人々を終始冷笑でもするのではなく、この『ブゴニア』の場合には、多少同情的な眼差しものぞく部分もあるようです。

 

ジェシー・プレモンス、映画『ブゴニア』のワンシーン

 

テディの過去が断片的に明かされるにつれて、陰謀論にハマってしまうのは必ずしも決して個人の責任ばかりとは言えないのかもと思えてきます。

あたかも社会の底辺とも言えるテディの側に立ってこの状況を鑑みますと、決して罪を犯した訳でもないのに生活は苦しく、また誰にも頼る事が出来ない。そんな厳しい状況下では、荒唐無稽な陰謀論であってもこの現状を打破できるかも知れない言説に心を揺り動かされ希望を見出したテディを、誰がいったい責められるでしょうかと、現代社会の有りようにこそ、その責任が問われるべきかとも思えて来ます。

 

ジェシー・プレモンス、陰謀論者テディ役

 

今や人気俳優のジェシー・プレモンスが、まるで頓珍漢にも思える虚勢を張った中に見え隠れするテディのそんな孤独感を繊細に演じてみせてもいました。

 

  新たな複雑化した支配構造にみるブラックコメディ。

 

鬼才ヨルゴス・ランティモス監督がこれまで過去作で繰り返し描いてきた支配・被支配の関係性は、今作では決して人間同士の権威勾配にとどまらないといえるでしょう。

自分の意思で行動していると思っていても、特定の閉ざされたコミュニティの中では、極端に偏り、過激化した思想に言動を左右されがちとなってしまう恐れがあります。

 

男性がバックパックを背負い自転車に乗る

 

  フィルターバブル現象の危険性について。

 

そういった、昨今のインターネット社会の到来により、例えばSNSなどで、所謂、【アルゴリズムによるフィルターバブル現象】といった、或るユーザーの興味関心に基づいた情報ばかりを拾い上げ表示し、全く異なる意見や価値観には触れにくくし、自分の見たい情報しか見えなくしてしまう事で、視野が狭まり、思考の偏りや孤立を招く危険性や可能性があるなど、更に新たな複雑化した支配構造を浮かび上がらせました。

 

  格差と分断が深刻化した現代社会を風刺。

 

強烈な皮肉を利かせながらも希望を残し、ある意味爽やかにも観えて終えた『哀れなるものたち』(2023年)に対し、今作の結末はかなりの意外性こそあれ、ブラックユーモアを利かせた皮肉なハッピーエンドとみる人もいるかもしれないですね。

 

 

▲『哀れなるものたち』(2023年)の私の感想をまとめた過去記事です。ご興味が惹かれましたらばクリックの上ご一読下されば幸甚です。

 

 

BioBrief誌、医療イノベーション特集

 

いずれにせよ、生活格差と分断が深刻化した現代社会が、インターネット社会の中で、更に複雑化した支配構造の有りようを社会風刺的に描いた作品とも言えるので、荒唐無稽な作風ながらも、現実社会に照らして考え、鑑賞後に深く語り合いたくなる作品になるかもしれないですね。

 

  私的評価:★★★★☆(90点)。

 

荒唐無稽な陰謀論に翻弄させながらも、最後まで観終えると、その展開の意外性が実に面白い作品であり、インターネット社会の中にある現代社会の複雑化した支配構造の有りようについても、深く考えさせられるブラックユーモアに満ちたホラー映画でした。

ですが、私的には過度なゴア描写にやや不快感を感じざるを得なかったので、その点で☆半分の10点減点対象とさせて頂きました。

私の様にゴア描写が苦手と思われる観客など、好き嫌いが大きく分かれる作風の映画かも知れないですね。

 

エマ・ストーン、映画「ブゴニア」で笑顔

 

従いまして、五ツ星評価的には四ツ星半評価の★★★★☆(90点)。ほぼ満点の評価が相応しい作品かと思いました次第です。

 

 

〇映画『ブゴニア』本予告 | 2026年2月13日(金)全国公開

 

 

 

  感想投稿キャンペーンに見事当選!

 

 

 

 

 

 

映画「ブゴニア」のポスター画像

▲今回当選した映画『ブゴニア』海外版ポスターと同種の画像。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。