NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』を観終えて。#カムカム #カムカムエヴリバディ #朝ドラ | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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『カムカムエヴリバディ』を観終えて。

 

ここしばらく朝ドラでは『あまちゃん』以来に、この『カムカムエヴリバディ』にて、最初から最終回まで全話通して完走して観終えました。

 

最終週の木曜日は、生き別れになっていた母・安子(森山良子さん)と、娘・るい(深津絵里さん)とが再会を果たすといった感動回で、この回で最終回を待たずして、ほぼ伏線は回収されたかとも思っていましたが、金曜日の最終回には、未回収だった伏線の回収と、劇中映画の『サムライベースボール』の公開される2004年からその後の2025年までへといった今から未来にも繋がるお話しまでもが綴られていて、細部にまで凝っていて面白かったですね。

 

 

 

  3世代のヒロインがバトンを繋ぐ百年の物語。

 

ドラマが放送開始して早々は、私も、史上初の試みの3世代のヒロインがバトンを繋いでいく【朝ドラ】って一体どんな感じの話しになるのかなと思って観続けていましたが、最終的には、ひなた(川栄李奈さん)が自分の家族の100年に亘るお話しを、自分が講師になるラジオ英語講座のテキストの教材の内容にしていたのですね。

 

 

だからだったのか、いま振り返りますと、大月ひなたと、五十嵐文四郎(本郷奏多さん)との恋バナのくだりについては、あえて、ウィリアム・ローレンスこと、ビリー(城田優さん)の英語でのナレーションが少なくしてあったのかも知れないですね(笑)

 

 

  日向の道を歩けば、きっと人生は輝くよ!

 

このドラマの良さは、最終的には、るい(深津絵里さん)は少女のとき言えなかった言葉「I love you」を安子(森山良子さん)に言えた。そして、ひなたや安子のように、言えなかった言葉を言うことが出来る。大月錠一郎(オダギリジョーさん)や伴虚無蔵(松重豊さん)や五十嵐文四郎(本郷奏多さん)や、ひなたの弟の大月桃太郎(青木柚さん)のように、「挫折しかかったことが後々になって叶うこともある。人はもう一度やり直すことができる。それはどんなに時間がかかっても。」と言うことを、説教臭くなく、さり気なく物語っているところが良かったですね。

 

 

時間は一本道ではなく、立体ジャンクションのようになっていて、運命や縁はぐるぐると回って、歩き続ければ一度離れてもまたいつか戻ってくることがあるのかも知れない。

 

この考え方は、いま流行りの【マルチバース理論(多元宇宙論)】等とは全く違って、【因果応報】や【臥薪嘗胆】といった言葉の意味合いの方が案外しっくりくるかも知れないですね。

 

 

 

たとえば、戦後、安子の父の金太(甲本雅裕さん)が作っていたおはぎを闇市で盗んだ少年は金太の味を引き継いで、新生「たちばな」として和菓子屋となり、まわりまわって運命のクリスマス・ジャズ・フェスティバルに協賛していたりと。

 

 

  
バトンを繋ぐのは血縁のみに非ず。

 

また、この因果は、別に次の世代にバトンを繋ぐのも決して血縁である必要もなく、直接に血のつながりのない人を通してバトンを繋いで行くのもひとつの運命の巡り合わせと見る事が出来るでしょう。

 

 

「大阪のお父さん・お母さん」こと竹村クリーニング店の竹村夫妻(村田雄浩さん・濱田マリさん)と、るい(深津絵里さん)との仲もそういったものだったのでしょうね。

 

 

  最終回の怒濤の伏線の回収祭り!

 

それにしても、最終回での伏線の回収はすさまじく(笑)、岡山県伝承の桃太郎伝説ともうまくリンクするように、大月桃太郎が京都西陣高校の、今度は野球部の監督として、雉(キジ)真繊維製のユニフォームを着て、のちの息子の剣(犬)と、(おさるの)ジョージをコーチに引き連れて、甲子園に出場するといった、やや強引な伏線の回収も見られましたが、TwitterなどSNSで朝ドラのファンの話題を掻っさらったのは、ベリーこと、茶道の家元の野田一子(市川実日子さん)の夫役の「夫の田中」。

 

  徳井優さん。「夫の田中」で再々登場(笑)

 

▲「こわもての田中」

 

▲「アフロの田中」

 

▲野田一子の「夫の田中」

 

これまで「こわもての田中」として竹村クリーニング店に登場したり、「およげ!たい焼きくん」の曲が流行った頃には「アフロの田中」として登場していた、徳井優さんが、野田一子の夫の田中役として再々登場するといった遊び心に注目が集まりましたね。

  藤本有紀脚本&安達もじり演出作品。

 

 

私も、かねがね、これまで観てきた朝ドラの中では藤本有紀さん脚本の『ちりとてちん』(2007年~2008年放送)が最高傑作だと思っていましたので、その藤本有紀さんが脚本を担当された今回の『カムカムエヴリバディ』が面白くない訳がないと期待して観ていましたが、さすがによく脚本が練られていて、本当に、最後の最後まで、気が抜けずに面白かったです。

 

  タランティーノ監督を彷彿させる凝った作り。

 

 

NHKドラマ担当ディレクターのチーフ演出の安達もじりさんによる演出も、押しつけがましくなく、実にさり気なく、劇中時代劇の『破天荒将軍』や『棗黍之丞』シリーズなど、『暴れん坊将軍』や『桃太郎侍』をもじったようで、あたかもクエンティン・タランティーノ監督の作品を彷彿させるようなマニアックな世界観を再現していて、かなり面白かったですね。

 

 

また、伴虚無蔵(松重豊さん)については、東映で斬られ役ひと筋だった故・福本清三さん。そして、劇中映画の『サムライベースボール』についても、2003年12月公開のトム・クルーズ主演の時代劇映画『ラストサムライ』を意識して扱っているのは、特段な映画ファンでなくても明白でしたよね。

 

 

 

 

 

  安子役には宮崎美子さんを予想するが・・・。

 

 

 

個人的には、上白石萌音さんが演じた安子が年老いた役柄には、実際の若い頃の容姿が上白石萌音さんとソックリだった宮崎美子さんが演じればピッタリくるかと密かに思っていましたが、最後までアニー・ヒラカワの正体を謎めかせるのには、似ても似つかない(苦笑)と言っては失礼ながらも、キャスティング通りに、森山良子さんが演じるのが怪しげで適任だったのかも知れないですね。

 

 

  算太役の濱田岳さんの演技力。

 

また、安子の兄・算太役をほぼ1人で一生分を演じきった濱田岳さんの演技力。

 

 

  るい役は深津絵里さんで本当に良かった!

 

るい役を実年齢48歳の深津絵里さんが18歳から演じるという点で少々当初は違和感もありましたが、歳を経る度に髪の毛が短くなっていきながら、その違和感も少なくなっていく不思議な演出や、その逆に髪の毛が長くなって行く事で年齢を重ねて行くようにも見える大月錠一郎役のオダギリジョーさんの安定した演技力が実に素晴らしかったですね。

 

 

 

 

▲るいと錠一郎が引き継いだ岡山のジャズ喫茶には、「お支払いは現金のみ」という注意書きの札がある点など、オダギリジョーさん出演のAirPAYのCMで、「じゃっ、いいですうっ!」と言ってお客さんが帰っていってしまうシーンを彷彿させる洒落の効いた設定にも笑えてきます。

 

 

  ひなた役の英会話&京都弁習得に脱帽!

 

それに致しましても、京都弁の方言指導に、英会話の台詞まで違和感なくマスターして演技された、大月ひなた役の川栄李奈さん。

これまで天然お馬鹿キャラで売ってられたような節も見受けられていたのに、約1年間の猶予があったとは言え見違えるような役者魂が感じられて、あたかも「ドラえもん」の暗記パンでも使用したかのような素晴らしい演技には脱帽でした。

 

 

 

ひなたも、Around60のアラ還になって、ようやく、ウィリアム・ローレンスことビリー(城田優さん)に「回転焼きを一緒に食べませんか?!」と英会話で誘えるようになり、50年越しに、初恋の相手ビリーを誘うことが出来たのも、「江戸の敵を長崎で討つ」のことわざではないですが、ひなたも、ようやくこれで本当の侍になれたみたいですね。

 

 

EPISODE.112「Let's enjoy kaitenyaki together」

 

 

 

  Mr.アシストのトミー北沢が男前過ぎた!

 

すべての配役が上手くて面白かったのですが、私のお気に入りは、「ミスター・アシスト」と言って良いくらいに、大月錠一郎(オダギリジョーさん)&るい(深津絵里さん)の力添えになってくれたトミー北沢(早乙女太一さん)の役柄が本当に素晴らしかったですね!

 

 

  端役の豪華さ・遊び心も見どころの一つ。

 

最後に、藤本有紀さん脚本の朝ドラの『ちりとてちん』以来のお付き合いからだと思うのですが、青木崇高さんが、こういったところで、棗黍之丞シリーズのテレビリメイク版の主演俳優の武藤蘭丸役といった役柄でわずか数秒のみの出演をなされているのも、ちょっとした遊び心にも義理堅くて素敵だと思いました。

 

 

ここまで良く出来た朝ドラだと、来週から朝ドラの『カムカム』ロス状態になるかとも思っていましたが、あまりにも完成度が見事すぎて、逆にロス状態には陥らずに済むかもとも思って来ました(^^)v

 

 

 

  是非ともスピンオフドラマの製作希望!

 

でも、出来ますれば、『カムカムエヴリバディ』のスピンオフドラマの放送を期待したいですね!

 

予算的にもかなり難しいとは思いますが、私的には、可能であれば、劇中映画『サムライベースボール』を製作して放送して下されば嬉しい限りです(汗)

 

○AI - アルデバラン Live from 20周年記念TOUR“IT’S ALL ME” FINAL ~AI Birthday Special~

 

 

○AI - 「アルデバラン」Official Audio (Radio Edit)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 
 
 

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