カナディアン・ロッキー・・・山荘のバグパイプ
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カナディアン・ロッキーの北端の懐に、バンフという小さな町がある。その町に、北欧の王城をそのまま運んで建てたというバンフ・スプリングス・ホテルがあり、カルガリーからロッキーに入ったその日にとった宿である。背景はノーケイ山、3000メートル超級が連なるカナディアン・ロッキーの主峰の一つだ。
チェックインして驚いたのは、どの部屋にも窓があり、このノーケイ山頂が望めることである。窓枠も含めて、まるでロッキー山脈の絵画でも見ている様な雰囲気だった。
スティームのベント口にある弁がチンチンと鳴って、旅の疲れからか、ソファーにコートを着たまま眠ってしまった。
けたたましいバグパイプの音に飛び起き、吹き抜けになっている階下中央ロビーを見ると、あのスコティッシュのパレードが始まっていた。カナダ西岸地方とバグパイプ、ちょっとピンとこなかったが、スコットランドの風が吹き抜ける様で、それもまた旅のめぐりあわせだろうと、しばらく聞き入った。コンサージュがやって来て、夕食の準備ができたと告げた。
客数が少なかったのか、食事中、ずっとそのコンサージュは翌日からの散歩コースの紹介をしてくれて、一人の滞在者を飽きさせない心づくしには感激した。さあ、いよいよ、世界一の透明度を誇るルイーズ湖を経て、コロンビア氷河への冒険ツアーが待っている。少年時代の様に心が躍った。
I left my heart in San Francisco (part 6)
その昔はこの様なビーチがあり、時にはトップレス美女が甲羅干しをしていたものである。この写真はトップレス美女にはカメラを向けてはいけないことになっているので、少しアングルを変えて撮った覚えがある。今はビーチがなくなり、そんなのどかな風景は見られなくなってしまった。男にはまっこと残念な話しである。観光地の整備とは時として旅の想い出を遠くしてしまうのかもしれない。
海軍(USS)の基地だけは変わっていない様だ。後ろはビジネス街、ダウンタウンで、観光地と海軍の艦船が奇妙に同居するのもアメリカらしい。
他のブログで書いた覚えがあるのだが、この写真を見て、ふっと思い出す映画のシーンがある。グレゴリー・ペックの「渚にて」だ。ただ、この写真の様に、サンフランシスコ港には人の影は映ってはいなかった。それでもオーストラリアのメルボルンから母港のサンフランシスコに最期の航海で帰還しようとしたグレゴリー・ペック艦長の故郷を慈しむ心がよく描かれた名画だった記憶がある。最近、ビデオ屋さんで探したら、もう置いてないそうだ。時の流れとは静止画の連続の如く、人々の記憶の断片をゆがめてしまうのではないかと危惧する爺一人、霧の去ったこの摩天楼の街を眺める。