この子は邪悪 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

結構このコミュニティでも取り上げられていたので、

Amazon Prime で鑑賞してみました。

 

何の予備知識もなく見始めたのですが、

導入部から前半にかけての、

良く知っている人が怪しいかもしれないという展開は、

ヒッチコック監督の『疑惑の影』みたいでなかなか面白かったですね。

 

 

 

交通事故で一家四人の生活がめちゃくちゃになってしまった心療内科の男が、

一家の幸せを取り戻そうとする物語。

この男がちょっとマッドなのがポイント。

事故で死んでいたかもしれない次女の扱いが、
『犬神家の一族』の助清みたいな感じも面白いね。

 

イイ感じで進んでいくのですが、

心療内科と催眠療法を一緒にしてはいけない。

熱が一気に覚める。

心療内科医は魔法使いじゃないんだから。

 

この手の物語は、

真実と虚構の狭間に揺れ動く主人公の心の動きが面白くなるポイントなのですけど、

意外と早めにタネ明しがされてしまうのが惜しいですよね。

少女に接近する少年の扱いが雑になってしまったのも惜しい。

 

でも編集のセンスとかはなかなかいいものがあるので、

悪い批評をする気になれない。

ラストの赤ん坊の描写なんて、

思わず『オーメン』(1976)のラストでダミアン少年が浮かべる微笑みを彷彿とさせてくれたしね。

 

 

主人公の女の子にもっと儚げな可愛さが欲しかったかも。

そうすればもっと悪夢のファンタジィとして受け入れやすくなったかもしれない。

監督・片岡翔。

次作に期待!