疑惑の影 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

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疑惑の影』原題:Shadow of a Doubt
1943年度(米)アルフレッド・ヒッチコック監督作品

さて快調に飛ばしている一人アルフレッド・ヒッチコック大会。
お付き合いくださいましてありがとうございます。
サイコ」「逃走迷路」「見知らぬ乗客」に続いての第4弾は、
これまた傑作の誉れ高い「疑惑の影」です。

すごい作品ですよ、やっぱり。
直接的なショック描写を極力避けてのサスペンスムードの醸成。
ピシッと決まったカット。
無駄のない編集。
指輪や新聞などといった相変わらずの小道具の妙。
静かな湖面に石を投げた時の波状のような感じかな。
静かに綺麗に不気味に広がっていく・・・みたいな。

カリフォルニアの田舎町サンタ・ローザ。
この駅にひとりの男が降りてくる。
男の名前はチャーリー・オークリー。
未亡人連続殺害事件の容疑者として、彼は警察にマークされていた。

この街には妹の嫁ぎ先ニュートン家があり、体調を崩していた彼は、
ここを頼ってやってきた。

この家の長女で、叔父と同じ名前のチャーリーは、
この田舎暮らしに嫌気がさしており、そんな時現れた叔父は、
洗練され、裕福なあこがれの紳士だった。

男は、ニュートン家の家族にそれぞれプレゼントを用意していた。
チャーリーがもらったのは高価なエメラルドの指輪。
しかし、その指輪には見知らぬ人物のイニシャルが彫られていた。

ニュートン家でくつろぐ男。
ふと手にした新聞を見て表情が変わる。

何か不穏なムードを姪のチャーリーだけが感じ取る。
家族には何も言わない。
家に訪ねてくる二人の政府の調査員。

意味ありげなミステリーマニアの隣人。
会話する父親。
ゴミ箱。
過ぎていく時間。
こまっしゃれたチビの弟と妹。
兄を敬愛する母親。
交通整理の警察官。
そして、図書館。
すべて拾っていくんだもんなあ、ヒッチコック。

当初歓迎したものの次第に不審な点がつきまとっていく男。
わあ、すごい!
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パッと見正義の味方のような男を演じるジョセフ・コットンがいい。
彼の挙動がすべて恐怖に見えてくる。
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物語は後半からサスペンスのスピードを上げ始める。
モヤモヤしたままエンディングを迎えるのかなと思いきや、
急転直下のエンディング。

映像こそ雄弁に物語を語るのだよ。
そう、ヒッチコックが言っているような傑作です。

ブログにレビューするにあたって、今回久しぶりにDVDで再見したんですけど、
やっぱりすごい。
これまたオススメです。


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