本作の続編が米国で話題を呼んでいるというので観てみました。
感想は、
昔、はじめて『悪魔のいけにえ』を観た時と同じような感覚かな。
『悪魔の~』のレザーフェイスが、
本作では“アート”と呼ばれる不気味なピエロ。
このアートが、酔っぱらいの二人の女の子を手始めに片っ端に殺しまくる。
殺し方も実に残虐。
文章にするのも躊躇ってしまうくらいの凄惨な描写の連続で、
その殺しの瞬間を見せるための作品となっています。
こういう作品はあまり細かいところを突っ込むのは無粋だとはわかっているのですが、
被害者たちが逃げまわる建物の構造がわかりにくくて、
今、どこを逃げてるのという疑問が終始頭の中を駆け巡る。
この手の作品は殺人鬼が不死身なのはお約束ですが、
本作では被害者も不死身です。
絶対「おいっ!」と突っ込みたくなるはず。
ちょっとだけ粋なラストシーンが、
続編にどう繋がるのか少しだけ興味がありますが、
続編の方の前評判は煽りますねぇ。
失神者続出だとか嘔吐した観客がいただとか(笑)
久々の煽り評判でなんだか懐かしいです。
記憶をたどると、
『エクソシスト』(1973)なんかも全米で失神者が続出なんて言ってましたね。
怖かったけど、僕の周りに失神者はいなかった。
(余談ですが、パンフレットで郷ひろみがビビりまくってます(笑))
『悪魔の棲む家』(1979)なんかもそうとう煽っていたけど、
なんてことなかった。
昔はイタリア製ホラーに煽りが多かったですね。
『サスペリア』(1977)なんかがそうでしたし、
残酷ドキュメントシリーズの『グレート・ハンティング』(1975)なんかは予告編で相当煽っておいて、
本編ではそれ以上のシーンがなかったなんてことも。
煽りが悪いことだとは言いませんが、
観た後に観客をがっかりさせてそれから映画館から足が遠のくことだけは避けるようにしてほしいです。
本作の話題に戻ります。
この作品、描写は相当グロいのでそのような作品に免疫のない方は避けた方がいいと思います。
夜の静寂の中で突然大きな雷鳴が響くようなショック演出もありますので、
心臓の弱い方も避けた方がいいかも。
「いい大人たちが鬼ごっこ頑張ってるなあ」とか、
「特殊技術頑張ってるなあ、特殊メイク凄いなあ」なんて冷静な視線で観ることができれば興味深いかもしれません。
(面白いかどうかは別ですが)
ラスト・クレジットで、
ジョージ・A・ロメロやトビー・フーパーの名前が出てくるところに、
先人に対するリスペクトが感じられ、
本作の出来不出来や好き嫌いとは別にして映画を撮る姿勢には好感が持てました。
オープニングのショック演出はなかなか見せていると思います。
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『テリファー』Terrifier
2016(米) デイビアン・レオーネ監督・脚本
84分
デイミアン・レオーネ |