儚月の詩  -5ページ目

儚月遺作 闇の花 Ⅴ

あなたの言うことは
いつも正しい

正しいからこそ
やりたくない
出来ない

たまには

蒼い闇の中

白銀の花を探しに行かないか



(故儚月のノートより)

儚月遺作 闇の花 Ⅳ

たとえ暗闇の中でも

咲く花はある

春に咲けず
秋に咲けなくても

金色の花が

そっと開きはじめる



(故儚月のノートより)

儚月遺作 闇の花 Ⅲ

人は美しく
汚い

正しくも
悪い

誰もみな

闇の中に
大輪の花が咲く時

別の顔を見せる



(故儚月のノートより)

儚月遺作 闇の花 Ⅱ

暗闇の中

銀色に光る花を探す

たとえ迷っても

人に何と言われても



(故儚月のノートより)

儚月遺作 闇の花 Ⅰ

闇に咲く花に問う

子供の頃は
何でもなかったことが
今では幸せに思う

昔は
辛抱できたことが
今はこらえられない

大人になって

病んだからか

知らなくていいことを
知ってしまったからか

僕は僕なのだから

変われないのだから

闇の花でも
良いのだね



(故儚月のノートより)