儚月の詩  -6ページ目

儚月遺作 白い花 Ⅴ

白い花びらが
はらりと落ちる

僕は
あなたにとって
大切なのか

大切なら
何番目なのか

そんなことばかり
考えていた

この胸の中に
白い花が
芽吹かなかったから

土に帰った花びらが

この心に来てくれるように

祈る



(故儚月のノートより)



儚月遺作 白い花 Ⅳ

ずっと会っていないけれど

あなたに
白い花束を贈ろう

僕を励まし
支えてくれた


おたがい
失っているのもを

白い花が
語ってくれるだろう



(故儚月のノートより)

儚月遺作 白い花 Ⅲ

名も知られず

目に留まることもなく

野に咲く
白い花達

時に
仲間達で

くすくす笑い
悩み励まして

ひっそり
生きているのだろう

見習いたいと思い

そうありたいと願う



(故儚月のノートより)

儚月遺作 白い花 Ⅱ

雨に打たれ
耐える白い花

うつむいて
ひたすらに

君はまだ
耐えているのか

日差しが挿せば
白い花も

顔を上げて
微笑むというのに




(故儚月のノートより)

儚月遺作 白い花 Ⅰ

部屋にいるのが
なんとなく嫌で
外に出る

小さな花屋さんで
白い花束を買う

コップに挿した
白い花達は
何も言わない

あの時の

僕のように
君のように

傷つけあうだけだったから

大切な心を
失くすだけだったから




(故儚月のノートより)