儚月の詩  -3ページ目

儚月遺作 昨日 Ⅳ

その日
僕はとても気分が良かった
うきうきしていた

恋をして
多分
愛した

その日から
あなたは
どん底だった

怒り泣き
無口になった

最後に姿を消した

悔やんではいない

憎んでもいない

昔のことになった

ずっと
ずっと
昔の話だ



(故儚月のノートより)

儚月遺作 昨日 Ⅳ

名も呼ばれず
閉じ込められた日々

自分の中で
悪が勝ってしまった日

夢に見て
はっとする

自分がわからず
恐い

もう一人の僕が
背中に滑り落ちて来た
遠い昨日

帰ってはいけない昨日




(故儚月のノートより)

儚月遺作 昨日 Ⅲ

昨日
洋服に六万円も使った

よくあること

昨日
甘い物ばかり食べて
体が重い

きっと気のせい

やはり
自分が可愛い

いくら
いじめても

好きなことは
やめられなかった

僕も君も
彼も彼女も

それでいいさ



(故儚月のノートより)

儚月遺作 昨日 Ⅱ

恨む時もあった

悔しい思いもした

君も僕も

誰とも
何にも
うまくいかなかった

昨日が繰り返すことが
無いならば

わずかばかりの
慈悲と希望を探す




(故儚月のノートより)

儚月遺作 昨日 Ⅰ

振り向かない
昨日には

精一杯の優しさで

進めなくても
前だけ見る

ほんの少しの力強さで




(故儚月のノートより)