三度目に
秋子に出逢ったのは
瀬戸内海に面した
風光明媚な町
安芸津だった ✨
東京に帰る前に
最後の取材先を
訪ねた帰りだったが - - -
その取材は
不発に終わった
被爆者であることを
隠して生きる者もいる
そんな人々の口は
皆 一様に重い - - -
一人
桟橋に佇み
瀬戸内海の
静かな海を見つめながら
不意に
煙草が吸いたくなって
ポケットから取り出した
一本のPeace ✨
潮風に吹かれて - - -
煙草の先に火がつかない
その時
見覚えのある
白い日傘が肩に触れた
愛らしい
笑顔を浮かべる女性
秋子だった - - - ✨
彼女は - - -
そっと 日傘で風を遮ってくれる
どうもありがとう
お影で - - -
上手い煙草が吸えましたよ
以前に
A B C C で知り会った
この安芸津にある
置屋の女将の所で
週末を過ごすのが日課だという ✨
また逢えて嬉しい - - - ✨
辛く重苦しい取材と
暑さで疲れ切った
俺の渇いた心に - - -
秋子の - - -
甘い微笑みは
柔らかな光りと
静かな安らぎを与えてくれる ✨
何も
知らない人が見たら - - -
白い日傘の下で
若い男女が
接吻を交わしている
そんな光景に見えたかもしれない ✨
安芸津の
古い街並みに
浴衣姿の秋子は
しっくりと馴染んでいた ✨
ここなんですのよ
どうぞ中に入って下さいな
福住
大正時代に建てられたという
日本家屋の畳の間では
将来の芸者を目指す
少女たちが
小唄の練習をしていた
今 扇風機を入れましたからね
暑いでしょう?
上着を
お脱ぎになったら?
まぁ〜 酷い汗
ワイシャツも一緒に
お脱ぎになって下さいな
縁側で乾かしますから
彼女は
優しくそう言って - - -
俺の脱いだ
ワイシャツを
縁側にある
簾に掛けてくれる
何て
優しい心遣いのできる
女なのだ - - - ✨
煙草は
ピースでしたわね
はい どうぞ
秋子はそう言って
煙草を勧めて
更に
冷えた手拭いで
汗までも
拭ってくれる
甲斐甲斐しく
俺の世話を焼いてくれる
艶やかで
笑顔の美しい
優しい女 ✨
こんな - - - 女性と - - - ✨
一緒になりたい - - - ✨
秋子を見つめながら
そんなことを - - -
考えていた - - - ✨
私の大好きな
日本的情緒に溢れた
白い日傘のシーンのご紹介でした ✨
日傘で風を遮って
好きなひとの煙草に
火をつけてあげる
上手い演出ですよね
小道具の使い方も洒落ています ✨
いつか - - - 静かな漁村の桟橋で
和服姿の私と
愛する男性と二人で
白い日傘の下で
こんなラブシーンを
再現してみたい 💕
お姫さまです - - - ✨
次回へと - - -
続きますね - - - ✨