自宅に戻って
夫から贈られた
ロジェ・ヴィヴィエの靴を眺めていると
急な来客があった
こんな時間に誰かしら?
マルセルだった
久しぶりだな 随分と探したぜ
立派な家だ
旦那も金持ちでいい男だし
何故 ? 娼婦になんかなったんだ?
帰って
もうすぐ夫が帰宅するの
明日の夜に逢おう
ホテル・デュボワで待っている
逢いに来い
泊まりがけでな
それは無理よ お願いだから帰って
それじゃ ここで待たせてもらおう
旦那と話をつける
いいえ 私から話すわ
夫にすべてを打ち明ける
何かあるって疑っているの
友人にも見つかったし
いずれ夫の耳にも入る
覚悟を決めたわ
分かって頂戴
あなたとは - - - もう終わったのよ
これ以上は続けられないの
お前とは別れない
邪魔者はこいつだ
こいつさえ居なくなれば
全て解決する
また逢おうぜ セヴリーヌ・セリジー
必ず逢いに来いよ
マルセルに本名を言われて
事の重大さに恐れを成した
あの男は凶暴な男だ
どうすれば
縁を切ることができるのだろう?
その時だった
通りから銃声の音が
聴こえてきたのは - - -
自宅の建物の前で
銃弾に倒れる夫
警官に射殺される
マルセル
夫はすぐさま病院に担ぎ込まれた
勤務する大学病院へ - - -
恩師のアンリ教授から
夫の容態を聞かされた
夫は背後から撃たれた
銃弾により
脊髄を損傷していた
全身に
麻痺が残るかもしれない - - -
そんなことって - - -
時が経った
夫はアンリ教授が宣告したように
全身に麻痺が残る
不自由な身体になった
口も聞けない
視力も回復しない
手は微かに動かせるが
腰から下は完全に麻痺して
夫との性生活は絶望的だった
あの時
夫が見つめていた あの車椅子
その同じ車椅子に
今 - - - 夫が座る
あの時の車椅子が
夫の生活に
欠かせないものになってしまった
何て - - -
皮肉なことなんだろう - - -
やっと夫に抱かれる日が
巡って来るはずだったのに - - -
子供を作ろうって
約束したはずだったのに - - -
すべて私が犯した
罪深い過ちのせい
あなたに告白をして 赦しを乞うべきなのに
その勇気がない弱い妻
ユッソンが訪ねて来た
彼の目的はわかっている
私の代わりに
ピエールに伝えてくれるのだ
何もかも - - - 全てを - - -
貞淑な妻に戻った君に
友情以上のものを感じる
君のピエールへの愛情はとても深い
君は罪の意識を背負いながら
全身麻痺で苦しむ夫を
献身的に支えている
その姿に心を打たれた
だがピエールも苦しんでいる
君が若さや女の幸せを捨てて
夫の介護に捧げる
その献身的な姿に - - -
彼は負い目を感じているんだ
だから - - - 全てを話そうと思った
大丈夫だよ
初めは苦しんでも真実を知ることで
彼は楽になれる
今のままじゃ可哀想じゃないか
何故 ? あんな酷い目に遭ったのか?
誰に 何の目的で撃たれたのか?
何も知らないなんて - - -
彼には感情が残っているんだよ
それじゃ 今から行くよ - - -
話を終えたユッソンが
屋敷を出て行く
終わった - - -
ピエールは - - - すべてを知ったのだ
夫は涙を流していた
御免なさい あなた
何て愚かな女なの - - -
何て罪深い女なの - - -
こんなに あなたに愛されているのに✨
もう夫の声を
聴くことはできない
あなたを裏切って
暗闇の世界へと追いやってしまった
私を赦して - - -
何処からともなく
あの鈴の音が - - -
聴こえてくる
何年ぶりだろう
またこの夢を見るなんて
夫の - - - あの優しい笑顔✨
罪深い私を - - -
私の罪を赦してくれたのね
何を考えているんだい?
セヴリーヌ
あなたのことよ
もうすぐ迎えの馬車が来る
君の好きな
あの森へ行こう
それまで 一緒に飲もうじゃないか
夫は昔のように
元気良く立ち上がって
デカンタを手に取り グラスに注ぐ
二人で乾杯をした✨
永遠の - - -
愛を - - - 誓って - - - ✨
昼顔
原題 : Belle de Jour
出演
セヴリーヌ : カトリーヌ・ドヌーヴ
ピエール : ジャン・ソレル
ユッソン : ミシェル・ピッコリ
マルセル : ピエール・クレメンティ
ルネ : マーシャ・メリル
マダム・アナイス : ジュヌヴィエーブ・パージュ
シャルロット : フランソワーズ・ファヴィアン
マチルド : マリア・ラトゥール
アンリ教授 : マルセル・アルヴェー
監督 : ルイス・ブニュエル
脚本 : ルイス・ブニュエル
ジャン・クロード・カリエール
原作 : ジョゼフ・ケッセル
製作年度 : 1967年
日本公開日 : 1967年9月30日
製作国 : フランス・イタリア
第28回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作品
窓から - - - 馬車が見える
これからの長い道のりを
生きて行くのね - - -
あなたと - - -
二人で - - - ✨
昼顔 如何でしたか?
この作品は
製作から50年以上経っても
私の中で - - - 全く色褪せていません
もう - - - 大好きな作品ですね✨
こんな不自由な身体になっても
真実を知っても
君への愛は変わらない
愛情深い男性ですよね - - - ✨
本当にいいひと
夢のようで夢ではなくて
また夢でもあって
不思議なシュールなシーンですが
二人の心の中を描いているんですね
口がきけなくなり視力も失った夫
その夫に唯一残された
聴力と感情を通して
心で会話をする
永遠の愛を誓うエンディング
もう - - - 泣かせるでしょう?
私も夫には我儘ばっかり言う
お姫さまなので
この映画を観て反省しなくちゃぁ〜
いつも御免ね - - - 🙏
この場面のユッソンの台詞は
私が大幅に書き加えました
ストーリーの流れに沿って - - -
実際の映画では
極端に台詞が少なくて
映像ならそれでも伝わっても
ブログでは難しいので
私は原作よりも
映画版の脚本の方が好きですね✨
ブニュエル監督らしく
シュールで耽美的で
鈴とか馬車とかの
小道具の使い方が上手いんですよ✨
ヒロインの心情を
鈴の音という
心理的なメタファーを通して
象徴的に描いている✨
この鮮烈なシーンは
厳冬に撮影されたんですね
薄いドレス一枚で凍えるほど
寒かったでしょうね - - -
美人女優がここまでするって
本当〜 女優魂
日本の美人女優さんは
ここまでしないですよね🙏
次回は - - - この映画を観た
私の感想を書いてみたいと思います
また お立ち寄り下さいねっ (^_−)−☆ ✨
by 映美🧚♀️🧚