UNDRESS ME! -14ページ目

Darkest dreaming - 世界遺産

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            この声を聴いてください。
            寡黙に語る、低く、甘美で、慈愛を含んだ声。


      Darkest dreaming
       

毎週、見るともなく見ている『世界遺産』。いつも他の用事をしながらチラ見程度に流しているのだが、やはりどうしても耳に入ってくるのはBGM。あの番組ではけっこうボーカルものが使われていますね。私は常日頃、自然の風景にボーカル曲は合わないな、人間の声は邪魔だな、と思っているのですが、世界遺産の場合はまぁ建造物やらなにやら人間とのかかわりの中にあるものが多いので、ぎりぎりオッケー? くらいに感じつつも、あまりにも思いっきりなボーカル曲が使われると、私の許容範囲内におさまるかどうかいちいち判定をくださなければならず、神経がピリピリしてきます。

そんなふうに先週も神経ピリピリがクライマックスに達した頃・・・。
私の聴覚、というより無意識下にいきなり飛び込んできた声、一瞬にして世界が変わる声、その声の持ち主はデヴィッド・シルヴィアン。
予想していなかったタイミングでのその声との遭遇に、もう、映像なんて吹き飛んでしまって、合うも合わないもありません。現実の世界も映像の世界も、全てが境目を無くして私の魂が自由に解放されたかのような悦楽感に浸りきった数秒でした。凄い声を持つ人がいたものだ・・、あらためてそう思いました。


もう1曲、" September "  儚く短く美しい曲。
もうすぐ9月がやってきますね。

      September
       



私がもっともよく聴くアルバムに『Gone To Earth』というのがある。そのアルバムでは、全編を通して幽玄で美しい音楽が奏でられている。だがしかし、それはファンタジーとかメルヘンのレベルではない、そこは此岸ではなく彼岸。身体はここに在るけれど、魂だけあちら側へ行ってしまうのだ。浄土でも地獄でもないあちら側。これをどう表現するべきか・・、たとえるとしたら、能の世界に近いかもしれない。旅人の前に今は亡き者の霊が現れ、かつての出来事を物語る夢幻能。このアルバムを聴いている時、私は黄金色に輝く深い深い秋の森を彷徨っている。そして幻想的な音と魂の声に出逢うのである。

デヴィッド・シルヴィアンはボーカリストというより、語り部かもしれない。言葉のひとつひとつが聴き手の心にゆったりと刻まれていきます。




サンヒローのオリアス

8月とは思えない気温と静けさのこんな夜は、壮大なる神話の世界に心遊ばせてみませんか?
けっして物語の先を急がずに・・・。


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                Olias of Sunhillow

その物語はこんなふうに始まるのです。
フワ~・・と、あてども無く漂い続ける大気のような空間的シンセサウンド。その美しいざわめきに誘われるかのように、自分の中のイマジネーションの扉が開いてゆきます。


      - Track1~3 -
       
Ocean Song / オーシャン・ソング
Meeting (Garden Of Geda) / ミーティング(ゲダの庭)
 Sound Out The Galleon / サウンド・アウト・ザ・ガレオン
Dance Of Ranyart / ランヤートの踊り


『高エネルギー100万年の時を超え、3人の若者がサンヒローの地に降り立った。オリアスが歌うと荒野に木が生えだして
ムアグレード・ムーバーという帆船になり、そして宇宙の彼方へと旅立っていく・・』

YESのジョン・アンダーソンがヴァンゲリスと共に創り上げた壮大でファンタジックな神話の世界。シンセ、シタール、ハープ、民族調のパーカッション等で彩られた宇宙と古代文明(未来文明?)、そこにジョンのベルベットボイスが美しく響き渡ります。



      - Track4~5 -
       
QoQuaQ Ën Transic / コクアク・エン・トランジック
 Naon / ナオン
 Transic Tö / トランジック
Flight Of The Moorglade / ムアグレードの飛行


静寂な空間に突如入ってくるトライバルで躍動的なリズムと共に、幾えにも重ねられたジョンのコーラスが、この文明に息づく人々の祈りと歓喜を思わせて胸が高鳴ります。



      - Track7 -
       
Moon Ra / ムーン・ラ
 Chords / コード



子供の頃からファンタジーを喰って生きていた私。あの頃は時間がたっぷりあったから、ジョン・アンダーソンが創り上げたこの一大叙事詩にひたすらトリップできたなぁ。オリアス、ランヤート、コクアクと一緒に私もムアグレードに乗船して宇宙をあおいでいたもん。
このアルバムはレコードで聴くのがいいのかもしれない。時間的にせせこましい大人がパソで聴くと、どうしてもちょこちょこはしょって盛り上がりの部分のみ聴いてしまったりする。いかんなぁ。
今は解説もなにもついていない洋盤CDしか手元にないのでストーリーがよくわからないのですが、確かムアグレードは歌のエネルギーによって飛行する船だったような記憶があります。

実際はTrack1から8まで、トータルで44分強のアルバムです。
YESの音楽のような手に汗握るスリリング感を期待して聴くとかなり退屈だと思いますが、子供の頃の冒険心を思い出してこの世界に浸りきると、それは素晴らしく幻想的な世界にトリップできる稀なアルバムです。


<Julian Cope>

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かつてのバンド仲間で、9月のライブではPeteがサポートをするジュリアン・コープとはどんな方なのでしょう? 実は、私はまったく知らないのです。でも願わくば、

最近薄れゆく一方のPeteの音楽魂に ツン! と一撃をくらわしてくれる存在であってほしい!

という想いとともにちょっと調べてみました。

ジュリアン・コープとは、ミュージシャン、詩人、作家、音楽評論家、古代遺跡研究家、コズミックシャーマン、・・・え???


彼に関する記事を読めば読むほど、その "トンデモなさ" に圧倒されるばかり。
しかも彼は実は日本人ではないか?! という憶測まで飛び出す始末。
そして90年以降はまるで新興宗教の教祖か仙人ですって?!

掴めません。
その上、かつての経歴を見てみますと、

「キリスト教批判及びオカルト礼讃でレコード会社から追い出され、移籍後せっかくポップなアルバムを作ったのにプロモーションを拒否してレーベルから解雇され、」

・・・・・・・う~ん、不安が。

気を取り直して、ジュリアン・コープの音楽に目を向けてみます。

「80sポスト・パンクのカルト・ロック・スター」
「リバプール・ネオ・サイケ・サウンド」

等と書かれていまして、何曲か試聴してみましたが、音楽的にかなり振り幅の大きい人、という印象でした。プログレッシプロックを彷彿とさせるサウンドかと思いきや、次作ではやけに耳触りの良いポップロックになっていたり、かと思えばビートルズ調であってみたり、良質な大人の歌モノ曲といった趣きであったり。そしてなにしろブリティッシュ! アルバムを全て集めれば、まるでブリティッシュロックのオムニバス集かと思うような曲揃えです。歌う声は、デヴィッド・ボウイとピーター・ガブリエルとホリー・ジョンソンがミックスされた感じ。あー、すべてがブリティッシュ。

そんな中、私が最も好きな曲はこれだぁ!

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Charlotte Anne ~ アルバム『My Nation Underground』より
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出だしのメロディーといい、歌詞の語呂の絡みといい、気の利いた短めのギターソロといい、しびれちゃうなっ。音とテンポに雰囲気があって、真剣味のないピーターガブリエルって感じで良いです。


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Eve's Volcano ~ アルバム『Saint Julian』より
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こちらはまた爽やかな聴きやすい音、気持ちいいです。架空のロック・スターSaint Julianに扮したアルバムらしいです。彼の本質からは遠い音なのかもしれませんが、たとえパロディとして作られたものでも、これ、いいですよね! あぁ "才能" とはこういうものなのか、と思わずにはいられません。


じゃ、亀いきます。

Laughing Boy ~ アルバム『Fried』より
Fried

この中で一番古い曲。自閉モード入ってる音、YESふうコード進行、哀愁を帯びたオーボエ、鬱々とした透明感、、美のツボが多すぎます。私がプログレッシブロックにどっぷり浸っていた鬱な時代を嫌でも思い出してしまいました。
彼はシド・バレットに傾倒しているようですが、ここでその話題は避けておきます。


syd Syd Barrettはこんな人



で、最近のジュリアンは?

叫び
(↑クリック!! 埋め込み無効なので別窓開きます)

ぇ~、大丈夫なのぉ~? でもウマイっ! アボリジニの楽器真似ですよね、ディジュリドゥ?
9月のライブはPeteとふたりでこれやる? Peteの声帯使えばド迫力!

そんなこんなで、9月のステージはどんなものになるやら、私には見当もつきません。もし見当ついてる方がいらっしゃったら助言お願いしたいです。でも、今までのものとは明らかに異なりそうな予感、楽しみです!


あと、気がかりはマイケル氏ですか・・。
私のキモチとしては、マイケル氏はPeteの歌う舞台上には上がってほしくないな。一緒にテレビ出演しても一緒に写真におさまってもいいけど、Peteの舞台に上がってはイケナイ!いかんのだよ!
ステージ上で衣装変えのサポートをしたり、なにかとコマコマ下っ働きをしているけど、ちょっと目障りよっ。Peteはそうしてもらうのが嬉しいのかもしれないけど、私は断固反対でぇっす!
これって私の日本人的発想か、ファン的心理かわかんないけど、あれ見てるとがっかりしてしまう。

それ以外の映像から入ってくるマイケル氏の印象は別に悪くありません。特に、あの気合いの入った掃除姿は感心するばかり。ハウスキーピングとはこうやってするのだよ、と私に教えてくれたお掃除先生でもあります。あれ見て「ほぅほぅほぅ~」とばかり、掃除嫌いの私がさっそくハンディークリーナーを購入してしまいましたから!
そして人への気配り。私が最も「あ、この人いいな」と思ったのは、結婚式の最後にみんなで記念撮影(?)をする場面。パーティーの功労者であるニッキーさんがいないことにちゃんと気付き、こっちにおいでと呼ぶところ。いいなぁと思いました。私はあのシーンを見て初めて彼をPeteの夫として認めたのでした。(すっかり花嫁の父の心境)
それ以外の文章で入ってくる情報については、よくわからないので何も思わないことにしていようと。でも、今回別れるのかと思いきや、よりを戻したときいて何故かちょっとがっかりした私・・、やっぱファン心理かな。しかも「I don’t know what I’d do without Michael.」ですってぇ~。



話を戻しまして、先程書きましたJulian Cope日本人説なんですが、なんと彼はこんな本を出していたのです!

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ジュリアン・コープ著 / ジャップ・ロック・サンプラー
全世界初の「日本ロック研究序説」ともいえる「JAPROCKSAMPLER」。第2次世界大戦後、西洋の音楽が日本に上陸する過程と、そこから生じたなんとも美しい騒乱状態をつづった1冊である。(説明文より)

50~70年代のフーテン文化、学生運動、グループサウンズ、ロック・・。タイガースや内田裕也は言うに及ばず、なんと笠置シズコや黛敏郎にまで言及しているそうです。そんな、私達だって殆ど情報持ってないのにっ。

じゃ、せめてこのバンドは知っておきましょうか。
この本でジュリアンコープが評価のトップに挙げているらしい曲、
Flower Travellin' Bandの『SATORI』
戦慄が走るようなジョー山中のボーカル、日本人なら知っておきましょう!

         ~ SATORI
          

はうぅっ、カッコよすぎなのダぁっ!
この映像は古いものなのか、最近のものなのか。ジョーさんは容貌も声もまったく変わらないのでさっぱりわかりません。
(ジョー山中さんは映画 "人間の証明" の方ですね。)



<ディオレラ>

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           そんなに見つめないでください、
           私の命が一瞬にして燃え尽きてしまいそうです。


素のPeteに勝てるもの、なしっっ!

これ、いつ頃の写真かな、NUDE時代? この頃もディオレラの香りが好きだったのかな?
Peteがディオレラを好きだって、かなり意外に感じました。(古いインタビュー記事より)
もっと甘く濃厚な香りを好んでいるものと。でも、このPeteを見ていると、あの繊細でみずみずしい香りが少しもブレずにしっくりと溶け込んでいくようです。

1972年に発表されたクリスチャンディオールの名香ディオレラ(日本未発売)。調香はエドモン・ルドニッカ、ボトルデザインはセルジュ・マンソー。この香りについて誰もが口にするのが「人に媚びることのない美しい香り」、まさにそのとおり、この香りは手強いです、つける人を選びます。
オークモス(苔)の香りに柑橘系が加わったシプレーフレッシュ系。一般的にシプレーは落ち着いた深みのある印象、そして着こなすのは少し難しい。

ディオレラの説明にはよく「シトラス フローラル ムスキー」と書かれています。「雨上がりの草原をイメージした香り」とも言われますが、う~ん、だいたい近いけど、もう少し木々におおわれている風景を想像します。
私がまだ香水を知らない少女だった頃、初めてディオレラに出会った印象は「あ、メロン・・、」 そして、クラシカルだけどモダンな少し苦みのある透明感、優しい香りへと移行していきます。
第一印象はとっつきやすそうに感じるけど、さて肌にのせようとなると躊躇してしまう。「爽やか」という言葉では置き換えられない、知的な翳りのある複雑な香りです。「これがヨーロッパの品格か・・」と子供ながらに感じたものです。私はいつもボトルのふたを開けてそっと香りを楽しむだけ、肌につけることはしませんでした。この香りに選ばれなかった人間なの。

そして私はもう片方のボトル、ディオリッシモにて香水の洗礼を受けたのでした。ディオレラと同じ調香師によるもの。幸福の花、すずらんをイメージしたお馴染みの香りですね。多くの女性が洗礼を受けたであろう香り。

今、ディオレラは手元にないけど、Peteの写真を見つめながら香りの記憶を手繰り寄せてみる・・。ディオレラを持っていた頃、私は夢中でクラシックピアノの勉強をしていたので、ちょうどこんなモノクロの風景が浮かびます。また欲しくなっちゃったな。

香水の香り立ちは人によって違うもの。
幻の名香ディオレラは、彼の肌の上でどんな香気を放っていたのでしょう。



  diorella1リニューアル前    diorella2リニューアル後

生産中止となっていたDiorella、パッケージをリニューアルして復刻したようですが、やはり入手は困難なようです。




<極寒の世界はいかが?>


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             猛暑お見舞い申し上げます。
             この映像で涼んでください!


     ~ Lithium
      
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悪夢と死の匂いがまとわりつく音楽。と言ってもあくまで娯楽の範疇。
このVの何が凄いって、凍てつく湖に沈んでもまだ、もがきつつ歌ってるところ!女の執念か?!
メイキング映像もありますよ、エイミーちゃんのがんばりを見て見てーっ。


     ~ Making of Lithium
      

エイミーさん私のタイプだーっ、この顔立ちと雰囲気は大好き、好き好き♪
でもPVで見る印象よりかなり太いんですよね。ライブ映像だとむ~っちり。美しくて清潔感があって上品なデブ、エイミーさんのようなそんなデブは珍しい。

ちょっと寒くなりすぎたので、炎編もいっとく? こちらも迫力の映像です。

     ~ Sweet Sacrifice
      

アメリカのゴシックメタルバンド、エヴァネッセンスのエイミー・リー。
ちょっとウタダっぽい声質でノンビブラート、吐きそうなくらい喉に力の入った歌い方。好きだけど長く聴いているとちょっと疲れるね。私は上の2曲が入った『The Open Door』というアルバムを持っていますが、14曲聴き通すのは辛いです。メロディーの作りも似通っているし、捨て曲とまでは言わないけど、音やアレンジに頼って雰囲気作っている曲も有りで、もういいやって気分になってきます。無理しないで10曲くらいに絞ればよかったのに、、そういうワケにはいかないのかな。

オフィシャルサイトも雰囲気がありますよ。
熱帯夜で眠れないなら、ちょっと覗いてみては?

詳しいバンドプロフィールはwikiで、


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