UNDRESS ME! -13ページ目

Seascape

今夜はちょっとクールダウン。
去り行く夏を惜しみつつ(むしろとっとと去って欲しいですが)聴きたい曲です。
ただただ美しい、ひたすら美しいピアノ演奏です。

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Seascape・・・・ビル・エヴァンスのピアノ演奏で私が最も好きな曲。エヴァンス晩年のアルバム『I Will Say Goodbye』に収録されているものですが、意外と知らない人も多いかもしれません。ジャズピアノを勉強する際に必ず聴くワルツフォーデビーだとか、枯葉だとか、そのあたりのエヴァンスのプレイには興味ないのですが、Seascapeが入っているこのアルバムだけは別格です。他のものとは全く違った表情と煌めきを持っています。


      ~ Seascape_Bill Evans ~
        


耽美でゆったりと流れる美しいピアノですが、シーーン・・と張り詰めた空気感、どこまでも研ぎ澄まされ、息をすることも忘れてしまうような緊迫感があります。
少し感傷的なテーマに続くアドリブもきっぱりと明確な旋律を持っていて、手慣れで弾くJazzのアドリブといった印象が全くありません。寡黙だけど、何かを越えて行く決意みたいなものを感じます。
私はこの演奏を聴いて初めて、ピアノで " 語る " ということを知りました。この演奏の影響で自分で音楽を作る時も " 語る " がずっとテーマになっています。


冒頭で、去り行く夏を・・と書いたのにはワケがありまして。
もう随分と過去の話ですが、当時私が片思いをしていた彼の家でこの曲を聴いたことが忘れられません。晩夏の、そろそろ陽も傾き始める午後、私は彼にどうしてもこのピアノを聴いて欲しいと家から持っていったアルバムをかけてもらって。嬉しいことに彼はこの曲をとても気に入ってくれて、私はそれを恋の成就とし、想いを断ち切ったのでした。
ハタチくらいだったと思うけど、今思えば我ながら粋な諦め方をしたものだ、と感心します。エヴァンスに救われたってワケね。その時このピアノと一緒に響いていた蝉の声は、いまだに脳裏に焼き付いています。




I Will Say Goodbye・・、このタイトル曲の演奏もとても美しいです。この言葉、私にはエヴァンスが自分の最期を予感して言っているように感じてなりません。(この3年後、51歳で没)
このアルバムは音楽というものの、そして人間の精神の「到達点」とさえ言えるのではないかと思うからです。


iwill I Will Say Goodbye


Tarkus_ピアノアレンジ

だ、誰ですか?!
タルカスをピアノ1台で軽々と弾きこなしていらっしゃるこの男性はっ!



      ~ ELP- Tarkus- performed by Mauro Mulas ~
       

しかも、左手を高音域に交差させる小技も使って見せ場を作っているし。これべつに右手で弾こうと思えば弾けるもんね。さらに演奏に情感もこもっています。リズミカルな部分と力を抜く部分と、うまく弾きわけていらっしゃいます。普通この曲弾こうとしたら、ひたすらガチガチに弾いてしまいそうですが、余裕があります。そして余分な音を一切入れていないところにセンスの良さを感じます。他にもいくつかこの曲にチャレンジしている人の動画があったのですが、余分なアルペジオ入れちゃったりとか、いかにも「私はピアノがうまいのです」と言わんばかりの嫌みのあるアレンジでした。
この男性はエンディングもかっこよくキメてますね、アレンジ力も相当なものとみたっ。

Mauro Mulasさん
年齢: 31
国: イタリア共和国


だそうで、
わたくし、この方を賞賛いたします!


なにしろエマーソンの曲は左手がきついきつい。タルカスも私は何度もトライしたけど、4小節も弾けば左手がレロレロになってしまい、それより先へ進めません。しかもMauroさん、オルガンじゃなくてピアノで弾いてますよ、鍵盤重いのにね。

世界にはいろいろ素敵な人がいるものですね、嬉しくなっちゃう。
そう言えば、しばらく前に Dead Or Alive の Come Inside をどこかの男性がピアノで弾く動画を見つけました。曲の良さを再認識できる素敵な演奏だったのですが、アレンジ的にちょっと詰めが甘いな、という私の判定により記事にはしませんでした。ファンの耳はキビシイのじゃっ! もっとビシッとキメてくれなきゃ合格点はあげられないのよっ!


参考までに、本物のタルカスはこんな音です。あ、ボリューム小さくないですよ、どんどんデカくなるので御注意あれ。

      ~ Emerson Lake&Palmer Tarkus ~
       


エマーソンのどこに一番魅力を感じるかと言うと、その類い稀なハーモニー感覚。あとは、ダサめなフレーズでも迷うこと無く思いっきり弾くところ。弾いちゃったもん勝ちだよ~ん、てな天真爛漫なノリが好きです。
注;このダサめ、というのはリック・ウエイクマンのイモダサとは格が違うのです。リックのはちょっと痛いです。


で、ここ最近の記事でEL&Pを聴き直しているけど、
私は今まで、エマーソンのプレイと、グレッグの声と伸びやかなEギターとここぞのベースと胸毛でEL&Pが好きなんだと思っていたけど、今聴くとなぜかドラムばかりに耳がいってしまう。しかも細部の音まで正確に記憶している自分にびっくり。私はなによりカールのドラミングが好きだったのかな、意外な発見でした。
カールはいつも、下手だのリズム音痴だのパーだのバカだの白痴美だの、いつもいつも叩かれ放題なんだけど、私はやっぱりカールのドラミングが大好きです。ドカドカパシパシ、暴れてなんぼのカールのドラムは小気味いいし、わくわくします。



悪の教典#9

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昨日の記事でEL&Pがリハっていたのはこの曲です。とおしで聴いてみたい方は是非どうぞ。
リアルタイムというにはちょっとずれていましたが、私はこの音を聴きながらオトナになりました。

      ~ Karn Evil 9 (2nd Impression) ~
       

エマーソン独特のJazzy感覚と、息もつかせぬスリリングなピアノプレイが満喫できます。
ガムランふうのけたたましいソロの途中でバカ殿様が何か言ってますよ~!



      ~ Karn Evil 9 (3rd Impression) ~
       

アルバムのラストを締める曲で、テーマ部分は威風堂々とした趣きがあります。後半曲がめまぐるしく展開していきますが、ドラム細かいですね、キィボードと完璧にシンクロしているようです。
ラストのエフェクト音、ステレオでしかもヘッドホンで聴くとタイヘンなことになります。頭の中を音が高速で回転、脳みそがすり切れるうぅ! 私は果敢にも挑戦し続けたのですが、毎回発狂しそうになってヘッドホン投げ捨ててました。


久しぶりに試してみたら、あれれ?
子供の耳には辛かったけど、いろいろな音に毒された大人の耳には楽勝でした。

ドクロ←(クリック!!)こんなカンジ、聴いてみる? ヘッドホン推奨。





男声No.2は・・

私がPete Burnsに出会うまで、男声のナンバーワンだったのがこのお方。

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Greg Lake
70年代のプログレッシブロックを代表するスーパートリオ、Emerson, Lake & Palmer(EL&P)のボーカリスト兼ギター、ベーシスト。
男声はあくまで低く男らしく、女声はあくまで高く女らしく、がモットーの私。グレッグ・レイクは声質、声の重量感ともにパーフェクトな男声!


      ~ 賢人 ~
       

カール・パーマーの愛らしい横顔から始まるこの映像。いえ、主役はグレッグ・レイクです。まだ細身で見目麗しかった頃の貴重なお姿。
アコースティックギター1本の弾き語りによる " The Sage(賢人)" は、クラシカルで哀愁を帯びた曲調ですが、とてもポップな名曲。『展覧会の絵』というぎりぎりまでテンションの高い長編アルバムの中において、唯一 " 静 " の空間を作り出しています。静かだけどピーンと張りつめた響きとグレッグの叙情的なボーカルが、聴き手を曲の世界へ深く引き込みます。
で、このギターソロ。アコースティックなギターソロってこうだよね、と言わんばかりのオーソドックスなフレーズの連続で、これ調度いいんです! 何に調度いいかと言うと、シンセとか音源を選ぶ時の試し弾きにバッチリ使えます。私はアコギの音色を選ぶ時はいつもこのギターソロの部分を ペン ペケペケ ペンペンペン・・、とキーボードで弾いてみています。そんな人は他にもけっこういそうな気がしますが、どうでしょう。


      ~ Still You Turn Me On ~
       

うわぁ、これもライブ映像! 生でこれだけ歌うのは凄いな、しかもガム噛みながら・・。
この曲はグレッグのバラード曲の中でもピカイチに好きな曲です。アルバムだと12弦ギターの音がバララン、バララン、とエキゾチックに響いて、とても優美な世界を作り出しています。私の弦楽器への強い憧れは、たぶんこの音のせい。私の中でずっと鳴り続けている音です。


      ~ Karn Evil 9 スタジオリハーサル ~
       

スタジオでのリハーサル風景、こんな映像があったなんて!
いきなりEL&Pモード全開で驚きますが、この曲はアルバム『恐怖の頭脳改革』の中の " 悪の教典#9 " という曲です。第1印象、第2印象、第3印象とあります。
このハモンドオルガンのリバーブは内蔵のものでしょうか、いい響きです。

もうひとつリハーサル映像ありました。

      ~ Karn Evil 9 (2) スタジオリハーサル ~
       
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ca2 gr1 gr2

エマーソン先生にしごかれるカール青年。茶目っ気たっぷりにヤケをおこす姿も微笑ましいです。(と言うか、ふたりのあいだに挟まれて、なんとか場を和ませようとしているようにも・・)
プログレと言えば変拍子は頻発するわ曲は長いわ、メンバーが息を合わせるのは至難でしょうね。見ているほうも思わず タリラ タリラ タラタラ・・、首をタテに振ってしまいます。がんばれカール!
髪を切って精悍な印象になったカール・パーマー、いいわいいわ~。きびきびと若さはじける身のこなし、久々にイキのいい若者を見たような気がするゎ。

はっ、グレッグの胸毛っ。そう言えば私、「大人になったらぜったい胸毛のあるオトコと結婚する!」って心に誓っていたっけ。なんでか理由は忘れたが、つまらん誓いをたてていたものだ・・・グレッグの影響だったのかな。なんだか噂と違って、とっても優しそうな男性に見えますね、この笑顔は。

おっ、長丁場の最後の最後(5:30~)、いきなりカールの顔つきが変わってからが鳥肌全開ですよ!




では最後にカールのドラムソロの映像をば!

      ~ Carl Palmer drum solo from "Tank" ~
       

背後には巨大なふたつのドラ、頭上には鐘、身体を囲むように並べられた多数のタム、見た目にも絢爛豪華なドラムセットを操り、前へ前へと圧倒的なスピート感でエネルギッシュなリズムを叩き出す、まだあどけない顔の美青年。忘れもしない中学1年の時、EL&Pの曲中で初めてカール・パーマーのドラムを聴いた私は、腰も抜かさんばかりに驚きました。ドラムってこんなに派手やかに音数多く叩くものなのかっ! それまでの私は、ドンタカ ドンタカ しか知りませんでしたからそりゃびっくりでした。むしろ彼はそのドンタカ(8Beat)がうまく叩けないらしいですけど。後のソロアルバムも、3人のうちカール・パーマーのが1番面白かったです。



Roger Dean のイラスト

何年先かわからないけど、私がこの土地と人のしがらみから抜け出て自由になる日は必ずやって来る。

さて、どこへ行こうか?

東京~神奈川~静岡~・・・このまま南下を続けて沖縄まで流れるか。沖縄民謡は大好きだし、沖縄の風景にはデジャブを感じる。そしてその先は台湾へ渡り、終の住処とするも良し。な~んて随分前から計画していたけど、

もうダメ~、蒸し暑すぎっ、すでに静岡が南下の限界ですっ!

じゃ、いっそのこと北に進路を取ろうかな。私のカオはどちらかと言うと北方に起源がありそうだし、利尻コンブが私を呼んでいるような気もしてくる。
と、それについてはまたゆっくり考えるとして、とりあえずMacのデスクトップを涼しげな壁紙に変えました。まったく9月だというのにいつまでも暑いですね。

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         *WALLFLOWERS SOCIETYさんの壁紙を使用しています。
          私のデスクトップに配置した状態なので左右が若干切れています。


左上には、海の底の宙に浮かぶほぼ裸のPeteちゃま♪
ちょっと無理があるけど、やはりここにいてくださらないと困りますから。

このイラストはYESファンにはお馴染みのロジャー・ディーンによるもの。『海洋地形学の物語』のアルバムジャケです。
新宿紀伊国屋でこのアルバムと衝撃の出会いをし、人生初のジャケ買いをした12歳。いったいどんな音楽が奏でられているものやら想像もつかぬまま耳を澄ますと、それはまさにこの絵の示すところ。「神の啓示/追憶/古代文明/儀式」の四部作による音楽は、私がそれまで聴いたこともない不思議な不思議な、それは気の遠くなるような美しい音楽でした。
「よしっ、私もいつか自分で音楽を創るぞっ!」この絵が私の音楽活動の原点であり、人生の目的を決定づけてくれたのです。

ロジャー・ディーンの絵はどう見ても現実には有り得ない世界なのに、なぜかとても現実味をおびて見えます。その形、空間に遊んでみたくなる、なにか人間の憧れとか本能をくすぐる造形なのでしょうか。そしてそこにいる異界の者たちは、少し恐ろしくもあるけれどなんだか楽しそうに戯れている。まるで、ちょっとした恐怖と残酷を楽しんでいるかのように。


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rdclose WALLFLOWERS SOCIETYさんの画像を使用しています。

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rdpho こんなおうちが実在?!




       

おおおおおーーーっ、ロジャー・ディーンの絵が動いている!
ささいなことだけど、えらく感動。どこのどなたか存じませんが、動かしてくださってありがとうございます!

Roger Dean公式サイトはこちらです。