<ディオレラ> | UNDRESS ME!

<ディオレラ>

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           そんなに見つめないでください、
           私の命が一瞬にして燃え尽きてしまいそうです。


素のPeteに勝てるもの、なしっっ!

これ、いつ頃の写真かな、NUDE時代? この頃もディオレラの香りが好きだったのかな?
Peteがディオレラを好きだって、かなり意外に感じました。(古いインタビュー記事より)
もっと甘く濃厚な香りを好んでいるものと。でも、このPeteを見ていると、あの繊細でみずみずしい香りが少しもブレずにしっくりと溶け込んでいくようです。

1972年に発表されたクリスチャンディオールの名香ディオレラ(日本未発売)。調香はエドモン・ルドニッカ、ボトルデザインはセルジュ・マンソー。この香りについて誰もが口にするのが「人に媚びることのない美しい香り」、まさにそのとおり、この香りは手強いです、つける人を選びます。
オークモス(苔)の香りに柑橘系が加わったシプレーフレッシュ系。一般的にシプレーは落ち着いた深みのある印象、そして着こなすのは少し難しい。

ディオレラの説明にはよく「シトラス フローラル ムスキー」と書かれています。「雨上がりの草原をイメージした香り」とも言われますが、う~ん、だいたい近いけど、もう少し木々におおわれている風景を想像します。
私がまだ香水を知らない少女だった頃、初めてディオレラに出会った印象は「あ、メロン・・、」 そして、クラシカルだけどモダンな少し苦みのある透明感、優しい香りへと移行していきます。
第一印象はとっつきやすそうに感じるけど、さて肌にのせようとなると躊躇してしまう。「爽やか」という言葉では置き換えられない、知的な翳りのある複雑な香りです。「これがヨーロッパの品格か・・」と子供ながらに感じたものです。私はいつもボトルのふたを開けてそっと香りを楽しむだけ、肌につけることはしませんでした。この香りに選ばれなかった人間なの。

そして私はもう片方のボトル、ディオリッシモにて香水の洗礼を受けたのでした。ディオレラと同じ調香師によるもの。幸福の花、すずらんをイメージしたお馴染みの香りですね。多くの女性が洗礼を受けたであろう香り。

今、ディオレラは手元にないけど、Peteの写真を見つめながら香りの記憶を手繰り寄せてみる・・。ディオレラを持っていた頃、私は夢中でクラシックピアノの勉強をしていたので、ちょうどこんなモノクロの風景が浮かびます。また欲しくなっちゃったな。

香水の香り立ちは人によって違うもの。
幻の名香ディオレラは、彼の肌の上でどんな香気を放っていたのでしょう。



  diorella1リニューアル前    diorella2リニューアル後

生産中止となっていたDiorella、パッケージをリニューアルして復刻したようですが、やはり入手は困難なようです。