銀河旋風ブライガー その84(第23話「ヌビアは笑う」(その3)) | 無敵動画堂高田のブログ

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無敵動画堂 というサークルで、アマチュアアニメを製作している者が、アニメや特撮について語ります。

 

 

 先日ブログに載せたブライガーの顔、折角描いたので、清書して色を着けました。
 ブログの見た目を派手にするため、貼っておきます。
 
 
(続き)
 宿敵:カーメン・カーメン 。
 彼の登場は、ヒーロー物、ロボット物にかなり見慣れた目にも、新鮮だった。 
 しかし、前回(22話)では、強敵登場編としては欠けていた要素がある。J9の苦戦 だ。
 ここで、割と重要なことなのだと思うのだけれど、
 描かれなければいけないのは
J9の苦戦であって、ブライガーの苦戦ではない
であろうこと。
 もちろん、ブライガーも、(ロボットアニメ的な盛り上がりとしては)どんどん苦戦してくれてよいのだが、やっぱり、それって、この番組で求められている展開じゃないと思うんですよね。
 宇宙戦士バルディオスでも、マリンが追い詰められ、苦しむ展開は盛り上がるけれど、バルディオスが苦戦する展開なんて、たいして盛り上がらなかったでしょう? ……って、みんな、知らんか。
 
 
 今回の依頼人は、アフリカで第1の勢力を誇るサフラ共和国の大統領の娘パトラと、その執事アセル。
 依頼内容は、父=大統領オラトを、アステロイドに亡命させてほしい、というもの。
 実はパトラの執事アセルは、ヌビア・コネクションの構成員であり、亡命計画は、敵に筒抜けであった。
 さらに、大統領オラトが、ヌビアに負けぬ、という意思を国内外に示す為に行っている軍事パレードこそ、大統領殺害のまたとない舞台と考えたカーメンの魔手が迫る。
 出動したJ9は、何とかパトラを救い出す。
 そして、今まさに、パレードはそのクライマックスを迎えんとしていた……。
 
 ずらりとそろった最新兵器の数々。
 その軍事力を持って、決してコネクションの悪には屈せぬ、勇気を持て、と国民に語り掛けるオラト大統領。
 が、それらの兵器は、演説中の大統領への攻撃態勢に入ったではないか。
 響き渡る、カーメン・カーメンの笑い声!
カーメン「君達の正義の人形をとくと見るがよい。
 今できるのは、恥ずかしさで舌を噛み切ることくらいだ。
 私はヌビア・コネクションの王、カーメン・カーメン。
 アフリカの民よ、全地球、いや太陽系の民よ、汝らはいずれ、私のもとに跪く奴隷となるであろう」
 アフリカ最大の国家が、犯罪組織であるヌビアに滅ぼされた瞬間であった。
 いや、現実的には、とっくに国家は乗っ取られていた。
 それが、今、全世界の人々の前に、現実としてさらけ出されたのだ。
 
 一瞬で最期を迎えるオラト大統領……と思いきや、爆炎の中から、大統領を無事救出した者たちがいた。
 J9だ。
 とはいえ多勢に無勢。
 ここは逃げの一手しかない。
 が、アセルの指揮するキラー衛星がJ9の行く手を阻む。
 ブライガーといえど、かなう相手ではない。
 唯一の希望は、ブライカノン……!
 ブライカノンが無ければ、生き残れる可能性は1/1000だ。
 間一髪、ポンチョのブライキャリアーが間に合い、ブライカノンを装着したブライガーは大逆転。
 無事、生還するのであった。
 
 だから……
 描かれなければいけないのは
J9の苦戦であって、ブライガーの苦戦ではない
と思うんですよね。
 が、結局、描かれたのは「ブライガーの苦戦という展開であった。
 そう、展開だけなんです。
 ブライカノンがなければだめだ! というセリフがあって、そこから苦戦描写がほんの数秒あって、
 ブライカノン到着~たった1発で大逆転勝利 という流れなので、苦戦感はほぼゼロ。
 いや、ほとんど苦戦らしい苦戦を、これまでしてきていないブライガーが、いきなりセリフだけで「敵の方が比較にならぬほど強い」と説明されても実感できない上、わずか一撃でその強いはずの敵を粉砕してしまうので(笑)。
 ……スタッフ、正統派ロボット物をやる気は、ゼロですな。
 
 ただ、J9が、ひたすら逃げの一手だった、というところで、
 スタッフがJ9の苦戦を描く1編を創る意識であった、というのは、分かる。
 
 個人的には、オラト大統領は救えず(つまり、依頼果たせず、失敗)
依頼人であるパトラのみ、救出に成功する、位、J9を追い詰めてもよかったのでは? と思っています。