山のぐろぶ -47ページ目

地図のこと

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余市岳の地形図がヘビーローテーションでボロボロになってしまいました。
約1年で新たに購入です。
かなりいろいろ書き込みをしているので整理と修正しながら書き写さねば。

図版の大きくなった地図は畳みにくいのでここ最近は余白を切り落としています。凡例は普段見ないしね。偏角はGSIのホームページから調べられるし。

石狩湾小低気圧

メソスケールの天気を調べるとよくでてくるのが「石狩湾小低気圧」
石狩湾沿岸と東側の地域に短時間いどか雪をもたらすものとして有名だが、際立って大きな気圧変化はなくせいぜい4hPAといわれています。また発生から消滅までの時間が短いので気象庁の総観天気図に描かれることはまずありません。また強い冬型が収まるときに発生するとされています。
原因はいまだよくわからないらしいというので、ちょっとびっくりした。
これからいろいろな事例をもとに専門の方が調べてくれることと思います。

現在の時点で言われているのが、
積丹半島から増毛までの地勢、とくに方向。石狩湾に吹き込んだ風が手稲などの山で向きを反時計回りに変えられると低気圧とおなじ向きを作り出すこと、さらに強い風の場がないときは石狩低地で南から北に吹く風にさらに向きを変えられることがひとつ
海氷できると海氷によって向きを変えられた冷たい空気が海上の下層を流れてトラップのようになった石狩湾で湿った季節風とぶつかることがひとつ
沿海州からアムール川沿いに流れでた地上・下層寒気が沿海州で山を越えて日本海に入るときに谷地を通るのでこの谷地から出る寒気の束が直撃するというもの
昨年あったように北海道の内陸が夜間放射冷却で冷えたときに石狩川に沿って流れでたものが石狩河口で季節風とぶつかるというもの

総観天気図だけでは物事は判断付きません。
いまはこうした状況がエコーや風予報、ひまわり画像などを見ながら少しはわかるようになっています。是非皆様もチェックを!

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《IMOCより転載》
石狩湾に吹き込んだ風は地勢によって反時計回りに向きをかえる 
画像では石狩低地を北上してきた風とぶつかり合う

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《気象庁・海氷情報》
海氷の影響を指摘する論文もあるということです

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《衛星画像より都市名をプロット・原図IMOCより》
冬型が決まったときの筋状の雲は出処が沿海州の地勢によってきまる
長白山を回りこんだ風が再び収束するJPCZは有名だが、北海道に影響するのはウラジオストクより北になると思われます。西から風が吹いたほうが吹送距離が長く温暖な海上を進むため空気の持つ熱量は大きくなる。

今日のチェック

おはようございます。

今朝6時の札幌の気温は真駒内マイナス9℃。気象台のアメダスはマイナス7.9℃。
真駒内は晴れていますが、高速道路が小樽から札幌南まで吹雪で通行止めになっているので市内も北部東部は未だ降っているものと思います。札幌国際スキー場のライブカメラでは晴れている様子。昨日と同じパターンでしょうか。
なかなか寒いままですね。そして今日も冬型。
中空知の岩見沢・栗山・新篠津など連日の大雪で農業用のハウスの倒壊などの大きな被害が出ているようです。もともと豪雪地帯でも珍しいくらいの降りかたのようで、お住まいの方はご苦労されていることと思います。ここ数年岩見沢では雪が降らないと聞いていましたが、冬型が長く続くとこのように降るのですね。
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《韓国・KMAより解析天気図》
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《IMOCより日本付近の衛星画像》
一昨日南岸を通過した温帯低気圧は温帯低気圧の性格の部分は東に抜け、一方で寒冷低気圧の要素を持った部分がオホーツク海で発達し再び樺太に向けて西に進んでいます。この冬のパターンとしてこの付近に低気圧がとどまることが多くなっています。進路を大きな高気圧で塞がれる形になっているのが原因のようですが偏西風などの高層の気流に大きな変化がないと変わらないので、長いスパンでこの形になりそうです。
北海道付近はこの低気圧から放射状に北風・北西の風を受けて道東では強い風に見舞われれいます。また海氷が動いている様子が観測されています。
札幌を含む道南はこの低気圧からの北風と大陸に1068hPAまで発達した高気圧からの寒気の吹き出しの影響で雪のパターンですが、1500m付近の850Tはマイナス18℃・5000m付近の500Tはマイナス40℃となかなかの寒さで、空気の湿度との組み合わせでは全く滑らない重い雪になることもありますね。


昨夜はラッセルの疲れからかソファで寝てしまい、その後ブログをアップしたものの半分スリープ状態。
今朝は快調かと思ったら、昨日の砂のような雪のように体が重たいです。
歳には勝てません。

朝里・白井 砂のようなパウダー

今年の初仕事にいってきました。
b.c.map札幌のイベントで朝里岳と白井岳のツアーでした。

札幌はきれいな青空、札幌国際スキー場は石狩湾の低い雪雲と晴れの境目で時折海から雪雲が上がってくるような天候。スタート前にパトロールの人に雪が重くてダウンヒルの朝一巡回でターンできなかったという話。昨夜ドバドバ降った雪がとても重いらしい。
ラッセルするとそれが現実のものになったが、これに今日一日悩まされた。
朝里の東斜面にいく前に足慣らしをと思って朝里のボウルに高度を上げるも、全く滑らない。
沢の合わさるところまで落とそうと思ったけど予定変更で東斜面へ。昨日のトレースも皆無。
雪を掘って昨日との差をチェック。50センチ以上も嵩が上がってしまった積雪。オープンよりやや南の樹林帯の広い尾根を一本滑る。重い雪に板が詰まらないようにヌケヌケで滑る。こういう日はトップの柔らかい板でなくてしっかりした板がよく走っていた。アスペクトでなくてハボックにしておくんだったと後悔。
斜度が落ちれば下りもラッセル。後続がスムーズに滑れるようにパーティを尺取虫のように伸ばしたり縮めたりしながらの前進。もちろんガイドはフルラッセル。
予定時間の倍の時間がかかって渡渉ポイントでご飯。この後のラッセルにそなえる。
白井に登るが池まで出て時間が遅くなると判断して下山。
まだ沢が埋まっていないところがあり尺取虫の下りも倍の時間がかかった。

乾いた砂のように重たく沈む雪。昨日降っていた雪は粒の細かい一見0℃前後の雪のような雪でした。降りかたもふわふわではなく、地面いむかって真っ直ぐ落ちるような感じです。
上空の寒気の影響で(850hPA面の気温がマイナス20℃を下回る)結晶が六角ではなくなったものと思われます。
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フェイスショット
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今日のアサイチチェック

おはようございます。

札幌真駒内は天気は曇り雲量9・降水はいまのところありません。気温はマイナス9℃
札幌気象台アメダスでなマイナス7.1℃。

昨日は南岸を低気圧が通過といいましたが、太平洋岸ぎりぎりのところを低気圧の中心が移動したようで、昼過ぎから道南~道央を中心にまとまった雪が降りました。
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《札幌お天気ネットより》

北海道付近は冬型で海上の風は北西。石狩湾岸沿いに雲がかかり一部強く降っているところがあります。
この雲は沿海州の一点から出た筋状の雲で途中大きく屈曲して積丹半島をかすめて石狩湾に入ってきています。少し前は積丹半島の西側から羊蹄山麓に入っていましたが東にずれています。
札幌国際のライブカメラでは降雪が確認できないので低い雲なのかもしれません。
いずれにしても雲の動向をちょっとチェックですね。
連日JRダイヤや高速の通行止めなどが続いています。時間に余裕をもってうごきましょう。

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《IMOCより転載》

朝里やら白井やら

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10日に東斜面に入れなかったので、下見に。その後の様子も気になるところ。
かなり出遅れ気味のスタートで、入山届の「ほとんど身内の先行パーティー」と一時間近い遅れで出発。
5分で「ほ身P」のトレースを外れてトラバース。ラッセルは足場が決まらず踏み込むとムスムス沈むような変な雪。特に西向いた部分がそんな感じ。
朝里の北斜面でシールを外し、小尾根の上をのんびり滑りながら東側に登れる斜面を探す。登るといつもの1117に到着。「ほ身P」が着ているはずだがノートラック。簡易でテストをすると嫌な深さに弱い層があって、上下が締まってきている。さらに10日にどこでも出てきた55センチ層は今日も55センチに健在で未だに弱い。この弱さと持続性は霜系ですね。上載は重く締まってきている。
「極寒だったときの重いパウダーが締まってきているので55センチまで影響するかどうか。ファーストを滑るより上のスラブをズタズタにしてからの方がおっかないパターンかも」
なんて頭の中で逡巡するが、迷っても仕方がないと美味しそうなオープン斜面を後にして樹林帯に逃げこむ。地形のウネウネを楽しみながら「休憩の木陰」でシールをつけて、白井に登り返し。こちらは風がクロスしていて相変わらずムスムス沈む感じでしかもラッセルが重い。
まだブッシュが埋まりきらない白井の北斜面に途中からエントリーしてトラバース気味に滑っていく。
「いつもの集合地点の樹」だと思ったところからデルタにトラバースするが地形がおかしい。
と思ったらだいぶ下に出てしまった。
そのままデルタアヴァンダンコースに入ったつもりが、こちらも一つ手前の尾根に出る誤算。
長白陵の西向きは全体的に強烈なナナカマドがおがっていて、足元は風によるウネウネが段々になっていておまけに雪面が見えないという今日一番のテクニカルバーンだった。高速プルークでクイックターン。
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雪庇は南側より東に発達 けっこう出っ張っている

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白井の北斜面の中尾根の西側 ブッシュを避けながら滑れないことはない

今日のアサイチチェック

おはようございます。

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《分析天気図・KMAより転載》
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《AMEDAS気温データ・IMOCより転載》
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《12時下層雲量予想・IMOCよりより転載》

札幌真駒内は全天雲ですが風がなく穏やかな朝です。気温はマイナス9℃。気象台AMEDASデータでもマイナス8.6℃です。同じ札幌市でも厚別や清田はもう少し寒いようです。
今日は東北を温帯低気圧が通過し北海道の南岸を通過していく予報ですが、南から雪を溶かすような暖かい風が入って気温が上昇するのは渡島半島まで。札幌付近は低気圧に吹き込む風ですが、昼過ぎから吹き返しの強い風がはじまります。海上で15~18m/sの北または北西風の予報が出ています。石狩湾沖は北西からの風と北からの風がぶつかる予想です。また太平洋上は低気圧に引き込む力が強いようです。風の通り道(樽前のような)は強い風が吹くと思われます。それ以外でも山の高いところはこの影響を強く受けますし、地形によってはさらに強いところも出てくると思います。山の中では現在の平穏な風の状況が変わり始めたら天気が大きく崩れるということを頭においておいたほうが良いと思います。
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《週間アンサンブル天気図・IMOCより転載》

14日~15日はこの低気圧が寒気を呼び込むため850hPA面での気温(1500m付近)がマイナス24℃~30℃の核を持つ舌状の寒気がきます。(上空5000m付近はマイナス42~45℃)
また14日~15日にもう一つ低気圧の通過があった後日本の東の太平洋で発達します。この低気圧の影響で18日くらいまでかなり強い冬型になります。
この先もとても寒いので体調管理をしっかりしましょう。山に行くと寒い中にいるので体力がかなり消耗します。顔や手の凍傷に気をつけて、カロリーのコントロールや下山後の温泉などでの加温、十分な睡眠で回復させて下さい。
この時期防寒用品の忘れ物は致命的です。

今日のばんけいナイター

山のぐろぶ-CA3A3530.JPG

夕方から2時間ばんけいナイター。

冷えてよく締まったばんけい特有の落雁のような雪質。
細板と革靴で修行のような練習でした。落雁雪の上でエッジがビビり何度もしりもちをつきましたが、試行錯誤をして吸収と加重のバランスのとれた流れができるようになり会心の一本でイメージができたところで終了。

今日のチェック

おはようございます。
今日は簡易で。

気圧配置ゆるみました。
石狩市はまだ降っているようですが、概ね晴れているところが多いようです。

気温は低め。
今日の日射の影響が出るところと出ないところがありそうです。

明日からは低気圧の影響を受けそうです。

実験調査

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北海道雪崩研究会のフィールド調査に行ってきました。