償うべき罪は「こんなもんかなぁ」
飲みに誘われた時、遊びに誘われた時、同僚達が残業を強いられている時、そんな時に見たいテレビがあるから帰るというのは罪なのだろうか。
「今日は集まりがあるから」というのをよく聞くが、いったい何の集まりなのか、どこに集まるのか、何時に集まるのか、誰が集まるのか、それは人の集まりなのか、何だか気持ち悪い生き物の集まりだったりする事はないのだろうか。
そんな不明瞭な「今日は集まりがあるから」という理由に比べれば、「見たいテレビがあるから」、こっちの方がよっぽどマシだと思うのだが、どういうワケか受け入れてもらえない。
むしろ蔑まれたりするから笑える。逆境になると燃えるなどという事はまず無いが、蔑まれると意地になったりする。意地になって無理に帰り、見たかったテレビを見る。
そんな時に限って番組が面白くなかったりするから面白い。いくら面白くなくても意地で帰ってきた手前、最後まで我慢しなければいけない。やっと終わったテレビを背に布団にもぐりこむ。
布団を頭までかぶり「こんなもんかなぁ」などと呟いてみたりする。こんなもんじゃないと分かってはいるけれど。
今はただ履くだけ。
午後7時。
仕事を終え待ち合わせ場所へと車を飛ばす。仕事が押したせいで少々遅れ気味な事もあり、車中で着替えをする。赤信号に捕まる度に、靴下を履き替えたり、シャツを取り換えたりしながら少しでも時間を稼ぐ事に努める。
T字路を左に曲がると、30mほど前方に赤信号が見える。変わったばかりなのか、それとも青に変わる寸前だろうか? 迷った。迷いはしたが時間にあおられるままにズボンをイッキに脱ぐ。
脱いだズボンがブレーキペダルに引っ掛かりなかなか取れない。モタモタしながらやっとズボンを取り上げた頃にはすっかり信号は青に。仕方がないので次の赤信号までとパンツのままアクセルを踏み込む。
すると赤信号よりも先に検問が現れた。予想外の展開にしばしボー然とする。ハッと我に返ると急激に変な汗が出てきた。さすがにあせる、あたりを見回す、回避不可能と悟る、思わず笑ってしまったりする。
促されるまま車を止め窓をあける。白いヘルメットの警官は「こんばんわー」と声を掛けながら、その視線は確実にパンツ一点に集中しているのがわかる。視線をそらすことなく警官が言葉を続ける。
「どうしました?」と。「飲んでませんか?」でも「どちらへ?」でもなく「どうしました?」、パンツを凝視しながら「どうしました?」だ。どうしたかと問われても、どうもしていないので「どうもしません」としか言いようがない。
次は何を言われるものかと緊張していると、「じゃ、気をつけて」とあっさり解放される。どうしてだろう? 怪しいと思わないのだろうか? それ以上に何か感じるものでもあったのだろうか?
赤信号で止まり、小さくなった警官をバックミラー越しに見ながら、とりあえずズボンをはいた。
ハリウッドからの来訪者。
仕事をしていると、誰かが事務所のドアをノックした。
「はーい」 声をかけたが返事がない。入ってくるものとドアを見ていると、「コンコン」再びノックの音が鳴り響く。「はーい、どーぞ」 さっきよりも大きな声を出してみるが、返事があるわけでも、ドアを開け中に入ってくるでもない。
なんとも引込み思案な来客だなとドアを開けてみると、黒の上下を着て、ニコニコと笑顔の女性が立っていた。目が合うなり「ハリウッドから来た化粧品です。いかがですかっ!」と、女性が言ったように聞こえたが、突然の事だったので聞き洩らしたかもしれない。
確認の為に「NASAからですか?」と聞き返してみる。すると再び「ハリウッドからですっ」と聞こえた。間違いないハリウッドから来たと言っているようだ。「わざわざハリウッドから御苦労さまです」と労ってみる。「いえいえ、それよりもどうですか?化粧品」とすかさず商品を売り込んでくる。
さすがハリウッドからきただけあって貪欲だ。出来る限り機械的に「結構です」と断る。「奥様か彼女にどうですか?」とまだまだハリウッド魂は衰えをみせない。「妻も彼女もいないので」と切り返してみる。すると「たまには化粧もいいものですよ。ご自分用にいかがですか?」などという発言。
まさにアクター&アクトレスの都市ハリウッドから来た化粧品。性別や年齢、全ての障害を乗り越え誰が使ってもOKの化粧品という事だろう。その時ふとある事に気付いた。さっきから「ハリウッドから来た化粧品」と言っているなと。念の為に化粧品がどこから来たのか再度確認してみる。
やはりハリウッドからだそうだ。「化粧品を売っているあなたはどこから来たのですか?」と聞いてみる。埼玉からだそうだ。その言葉を聞き、妙に納得したので丁重にお断りし、静かに静かにドアを閉めた。
日本語が難しいのか、人の話をちゃんと聞いていないだけなのか。またひとつ悩みが増えた月曜の昼下がりだった。
7月8日
手帳に予定を書き込んでいると、今年の7月8日の欄に「ヘモグロビン、ウコン」と書かれている。書いた覚えは全くないが、間違いなく自分の字だ。
いつ書いたのだろうか? 一体7月8日に何が待ち受けているというのか? なにか言い知れぬ不安が胸をよぎる。
どうしよう7月8日。早くきて欲しいような来て欲しくないような7月8日。
継続は力也
なんとなく自分のブログを読み返してみた。
初めてブログを書いたのは、2005年10月23日の事だった。2年と半年前か。殆ど更新していないとはいえよく続いているもんだと感心などしてみる。
更に感心するのは、その文章の長さだ。今では死ぬ気で頑張っても10行がいいとこだと いうのに。当時はよほど暇だったのか?
それとも、人間が堕落するメカニズムを体現しているのだろうか?鏡を覗き込んでみる。これが暇な上に堕落しきった人間の顔か・・・。
カサカサしてるな。今夜はニベアでも塗ってみるか。
時期を制せよ。
190円の本を買った。
すでに書店にはなく仕方なしにネットで購入した。送料やら代引き手数料やらで最終的に1000円をこえる金額を支払うはめに。ほんの少しタイミングを逃しただけで5倍以上に膨れ上がる本の価格。
幸運の女神には前髪しかないというように、適正価格という良心も期間限定ということだろう。ほんの僅かに生じた歪は、女神を邪神に変身さえ、良き心さえ邪なものに変えてしまう。
時期とは何と大切なものか。190円が1000円に、190円が1000円に。時期さえあっていれば190円だったものが1000円。
ああ、190円が1000円。
ああ。
復讐鬼。
車で移動中オシッコがしたくなった。
近くの公園にトイレがある事を思い出し、公園目指しクルクルとハンドルを回す。車が一台も止っていない駐車場に入り、トイレへダッシュする。えてして公園のトイレというものは汚いものだが、ここのトイレはピカピカだ。
気分よくようを足していると、勢いよく誰かが入ってきた。振り返ってみると掃除のオバさんが「うわっ」みたいな顔でたっていた。出て行くのかと思いきや、ツカツカと中へ入ってくる掃除のオバさん。
何か一人でブツブツ呟いている。耳を澄ましてみると「掃除したばっかりなのに・・・」とか、「チッ」とか、「何でここでするのかなぁ」とか、全てここでよようを足している自分への苦情ばかりだ。
オシッコが止った。まだ全部出切っていないのにピタッととまってしまった。どうしたというのか。いでよオシッコ、出ろ、出るんだ。しかし「ピト」っと一適の雫が落ちただけだった。
オバさんの言葉攻めにすっかり気持ちが折れてしまった事に気付く。病は気からというように、萎えた心はオシッコも止めてしまうものらしい。まさに全てを出し切らずに負けた試合のようで口惜しさが残る。
オバさんは相変わらずブツブツと苦情をいいながら外へ出ていった。自分も、もうトイレから出ようと考えると、このまま出てしまっていいのかという思いが湧き上がってくる。オバさんに一矢報いなければという気持ちが。
そう思うと何か仕返しせずにはいられない。復讐鬼と化した自分を止める事などどこの誰にも出来やしない。我を忘れ、人の心を忘れ、そしてやってやった。とうとうやってやった。水を流さないでやった。
これでいいのか自分?これでいいのだ自分。
照明を消せ、ライトをつけよ。
昨日、もの凄く明るいLEDライトを買った。
目が眩んで直視出来ない。説明書には通常のLEDの50倍の明るさと書いてあるから凄い。しかし、通常のLEDがどの程度明るいのか分からないので、どう凄いのかは説明出来ない。
さっそくライトを点灯してみるが昼間なので明るさを感じない。暗いところを探すが見当たらない。仕方がないので夜まで待つ。部屋を暗くしてライトを点灯してみると、なるほど相当明るい。
なぜかとても嬉しい気持ちに なった。昨夜は部屋の照明を一切つけず、ライトだけで過ごした。そして朝が来て今に至る。
すっかりライトに飽きた今、なぜあんな事をしたのか首をかしげるばかりだ。
想像力で生き残れ。
大規模災害が発生した夢をみた
。
灰燼と帰した町を成す術なく彷徨い、疲れ果て力なく瓦礫の上に横たわる。そこで夢から醒めた。夢とはいえ本当に恐かった。もし実際にそんな状況になったなら、今の自分のスキルから考えて夢の通りになる事は間違いない。
一体どうすれば生き延びる事が出来るのか考えてみた。やはり一番大事なのは水だろう。町が瓦礫に変わるほどの災害のなか、どれだけ清廉な水が確保出来るだろうか。もし出来なかったらドブの水だって飲まなければいけない。
そこで必要なのは濾過だ。ドブの水だって濾過出来れば飲めるのだから。濾過器などない状況下、どんな道具を使えば水は濾過出来るだろうか。瓦礫の中からでも拾い出す事が出来るほど日常にあるものとは・・・。その先は突っ込んで考えていないので気が向いたら調べてみよう。
次は火だ。マッチ、ライター、チャッカマン、火種がないところから火を作る技とは何だ。やはりアレか?テレビでよく見るような棒を両手でギリギリ回すあの方法だろうか。あれで本当に火がつくのだろうか。簡単にコツをつかむ事ができるのだろうか。
練習してみるか。でもどこで練習したらいいんだろう。アパートに庭なんてないし、そのへんで火おこしして間違って成功してしまったら放火魔と間違われるかも知れないし、火がつかなかったとしても今の時代だ、変質者がいるなんて事で通報されかねない。
こういうのってイメージトレーニングで何とかなるもんだろうか。