隣 人 ノ 憂 鬱 -7ページ目

こんな日があってもいい。

ダムへ行った。

着くと同時に雨が降ってきたので何もしないで帰ってきた。それで終わりだ。

時にはこんな日があってもいい。

旧道に惹かれて ~ その2 ~

ツーバウンド後。

しばらく先に進むと、道に水が流れてきた。だんだんと水量が増え、ちょろちょろとちょっとした小川なみに流れている。「そろそろ潮時かな」ちょっと弱気になる。

しかしそれも束の間で、急に水の流れがなくなり、道も軽がらくらく通れるほどの幅に変わり、バンピーさがなりを潜め何気に走りやすくなった。

法面には苔生した石積みが現れ、その上には何かの石碑まで出現。「何か雰囲気変わったな」などと考えながら大きなカーブを曲がると、ソレは唐突に現れた。

この山道に、あまりにも似つかわしくない構造物、真っ黒な口をぽっかりと開けたトンネル。レンガで積まれた入り口が、最近のものではない事を教えている。

人の往来などないのであろう、ヘッドライトが届く限りには崩れ落ちたコンクリート塊が路面にバラバラと落ちている。顔を上げると遠くに小さい陽の光が漏れている。

どうやら閉塞はしていないらしい。「入ろうかな、やめようかな」迷った。ライト一つないトンネルに踏み入るには、どうにも勇気が出てこない。とりあえず入り口まで行ってみる。

すると驚いた事に、まだ新しいタイヤの後がトンネルの中へと続いている。いやー、世の中変人ているもんだなぁ。自分など足元にも及ばない、上には上がいると痛感した瞬間だった。

しばし迷ったが、やはり引き返す事にした。だっていろんな意味で怖いもの。それにこれは廃道である事は明白で、トンネルの中を見ても分かるとおり、いつ落盤にあうかも分からない。

何度も振り返り、何枚も写真撮影をしながら、タイムマシンのようなトンネルを後にした。もし、あのトンネルを通り抜けていたならば、今とは違う時代を垣間見る事ができたのかも知れない。

それだけがちょっと心残りだ。

旧道に惹かれて ~ その1 ~

実は地図を見るのが趣味だ。

世界地図から地域の住宅地図まで、何を見ても面白い。今日は道路地図を見ていた。いつも通る国道をずっと北へ向かって追いかけていると、国道名の他に、薄い水色の文字で別の街道名が記されているのに気付いた。

聞いたことのないその名になんともいえない違和感を覚え、いろいろと調べていると、それは今の国道が出来る以前の国道、つまり旧道の名前だという事が分かった。

しかも途中で国道を外れ、深い山中へ延々と延びている。その分岐遅延を思い出してみる。いくら考えても分岐道など思いつかない。いてもたってもいられず、1時間かけて現場へ急行する。

ようやく到着し、地図の示すほうに目をやると・・・。確かに道がある。しかし、それは本当の山道、獣道に毛が生えた程度の無舗装道で砂利すら敷いていない。旧道とはいえ、ここが国道だったとは。思わず絶句する。

よくよく見てみると、車一台ならなんとか通れそうな道幅がある。が、左側には沢があり、急な斜面になっている。当然ガードレールなどなく路肩も弱そうだ。

どうする。行くべきか、いかざるべきか。などと悩む事無く行く事にした。廃車寸前の軽自動車で来てよかった。これなら腹をすろうが倒木にぶつけようが全然へっちゃらだ。

いざ突入。川底のような九十九折れを登り、巨大な落石を横目にみながらローギアで軽は進む。軽めの土砂崩れを乗り越え、スタック寸前の泥濘を強引に突破する。

強引すぎて車がツーバウンドしたのには笑った。しかしここで車が故障してはシャレにならないので大事に扱うよう気を引き締める。

あ、急に眠くなってきた。続きは明日書こうっと。

カリスマと押し売り。

最近カリスマという言葉をよく見聞きする。

カリスマ美容師にカリスマ弁護士、カリスマモデルにカリスマ魚河岸なんてものまで出現している。右を見ても左を見てもカリスマばかりの世の中だ。

まさにカリスマ国家、カリスマしか居ないのかもしれない。全員が惹きつける側で、惹きつけられる側がいない世界。供給ばかりで需要がないみたいな感じだろうか。

まるで押し売りのようだ。

ワープロではないと言い切れない。

PCを見に専門店へ行った。

値段を見た瞬間、買えない事を再確認出来たので有意義な時間だったと思う。せっかくきたので店内をフラフラと見てまわっていると、フラッシュメモリ8Gという文字が目にとまった。

何かの間違いかと手にとって近くで見ても、やはり8Gと書いてある。本当にビックリだ。しゃっくりしていたら確実にとまるほど驚いた。ついこないだまで1Gのフラッシュメモリを見て驚いていたのに。

いまでは8Gときたもんだ。しかも1Gとほとんど同じ値段。世の中どうなっちゃっているんだろう。そういえば、一番最初に買ったノートのハードは2Gだったっけ。フラッシュメモリの1/4の容量だったのか。

今にして思えば、あのノート本当にPCだったのだろうか。もしかしてワープロだったのではないだろうか。何だかPCだったという自信がなくなってきた。

緑の所有者。

車で田舎道を走っている。

時計を見ると、既にお昼を20分過ぎていた。どうりでお腹が減る訳だ。車を止められる場所を探しながらなおも走り続けていると、少し先にわりと広い草むらがあった。別に側溝があるでもなく、道路との境界がなにもないまま、ごく自然にグリーンゾーンが広がっている。

ここぞとばかりに車を乗り入れ、さっきコンビニで買ったカラアゲ弁当を取り出す。500mlのお茶をドリンクホルダーに立て、早速食べ始める。カラアゲにガッつきながらふと顔を上げてみると、4,5歳くらいの男の子が車のすぐわきに立ち、こちらを覗き込もうとしていた。

ちょっと驚いた。突然の登場だったので、あやうくカラアゲを取りこぼすところだった。それにしても何だろう、ハラぺこだろうか。カラアゲ欲しさに覗いているのだろうか。もしそうなら半分あげようかとドアを開けよとした時、今度は急にバアちゃんが登場した。

子供に気を取られて、近づくバアちゃんに気が付かなかったので、これまたビックリした。子供はバアちゃんのもとへ走り出し、腕にからまりながら少し離れた場所からこちらを見ている。何なんだ、気持ちが悪い。そう思いながら2人の様子を窺っていると、ある事に気が付いた。

2人の足元を見ると、雑草だと思っていたものが少しあしの長い芝生であるという事。芝生の奥には家が一軒建っているという事。緑生い茂る空き地だと思っていたこの場所がその家の庭だという事。「なるほど、そりゃ見るよな」と納得した。自宅の庭に急に車が停車して、運転手が弁当をバリバリ食べ始めたら誰だって困惑するに決まっている。

さてどうしたものか。苦しいフリでもしてみようか。そうすれば急に苦しくなって、仕方なしにここへ車を止めたのだと理解してくれるだろうか。しかし弁当をモリモリ食べていたこの状況を考えれば、カラアゲをノドに詰まらせたと思われるに違いない。さすがにそれはマヌケすぎやしないか。

ここは素直に謝るか。それともさっさと立ち去るべきだろうか。これは問題だ。いくら考えても答えが出ないので中間をとる事にした。キーを回しエンジンをかけ、おもむろにアクセルを踏みつつウインドガラスを開ける。車が走り出すと同時に「スミマセーン」と声をかけ、ボー然とする2人に笑顔をふりまきつつ庭を後にした。

その後、逃亡中の車中で反省してみる。最後に笑顔で詫びたのは上出来だった。ただ歯の間にゴマは挟まっていなかっただろうか。その確認をしなかった事だけが悔やまれてならない。

忘れられた光景。

電線に凧が引っ掛かっている。

子供の頃は、正月明けともなればこんな光景を当り前のように見た記憶があるが、最近では皆無といっても過言ではないほど見ない。そんな中、電線に絡まりながらプラプラ揺れる凧は、何か珍しいモノのを見たようで、新鮮な気分がする。

凧はまだ引っ掛かったばかりなのか、褪せる事もなく色鮮やかに大空に円を描いている。今はもう6月、なぜなんだ。なぜ今頃真新しい凧が電線に絡まっているんだ。

こんな電子の世の中で、凧揚げしている人と語らってみたい。

初めての経験。

初めて歯間ブラシを使ってみた。

すると信じられないほどの大量出血に見舞われた。普通に口を閉じていても、わきっちょから血が出てくる有様に、ちょっと驚いている。出血はそのうち止まると思っていていいのだろうか。

このまま放置していると、出血多量で生命の危機なんて事になりはしないだろうか。こういう場合どうしたらいいのか。塩でも擦り込めば血は止まるのか?絆創膏でも貼ってみようか。

思い切って病院に行くべきだろうか。歯間ブラシで歯を磨いたら血が止まらなくなりましたなんて言ったら笑われたりしないだろうか。いや、確実に笑われるだろう。何しに来たのとか言われかねない。

とりあえず出血している歯ぐきをつまみながら念じよう。血よ止まれ、血よ止まれ。

森の住人。

史跡を探して山の中を歩いていた。

クマが出るという話なので、腰にラジオを括りボリュームを目一杯あげて歩いて行く。こんな場所に史跡などあるのだろうかと思うほど深い森、まるで獣道のような細い細い道。

草や小枝を踏みしめる足を止めると、しんしんと静けさの音以外何も聞こえてこない。そんな静けさはのど真ん中に居ると、何か恐怖すら感じる。「さあ歩こう」そう思った瞬間「がさがさっ」背後から音がした。

たった今までうたた寝していた心臓が競走馬の如く走り出し、冷たい唇に、それ以上に冷たい汗が流れ落ちてくる。「走るか」一瞬そう考えた。しかし相手の正体も知らないまま闇雲に走り出すのは愚者の蛮行というものだろう。

「ゆっくりだ、とにかくゆっくり振り返るんだ」心の中で何度も自分に言い聞かせながら、長針が進む速度ほどゆっくり振り返る。完全に首が後ろを向き終え、瞬きせずに全体を凝視する。

あ、ネコだ。ネコさんがいる。何でネコがいるんだろうと見ていると、ふいにネコと目があった。ネコは「びぐっ!!何でそんなトコいんのっ!?」みたいな顔でこっちを見ている。

それはお互い様だと言いたいところだがネコに言葉は通じない。仕方がないのでテレパシーを送ってみる。するとネコは走って逃げていった。それにしてもネコでよかった。クマじゃなくて本当によかった。

考えてみれば、これだけラジオをガンガンに鳴らしているのだからクマも近づいてはこないか。それほど大音量だというのにあのネコは気付かなかったのだろうか。相当ビックリしてたもんなぁ。考え事か?

気になる。あのネコ、こんなところで本当に何をしてたんだろう。

カタカナの実力。

画像の編集ソフトをもらった。

そういった類のものはわりと好きなので何気に嬉しい。さっそくインストールして編集作業に取り掛かる。ところが操作方法が全く分からない。新しいアプリケーションを操作する場合は、いつもカンが頼りなのだが今日は全く歯がたたない。

仕方がないのでヘルプで操作方法を見てみる。説明は事細かに出ているのだが、今度は言葉が分からない。専門的過ぎて意味がさっぱりだ。なぜ噛み砕いた日本語で書いてくれないのだろうか。それ以前に何語なのだろうか。

どんな外来語であってもカタカナで書いてしまえば、それなり見えるので困ったものだ。取扱説明書は今後カタカナ禁止にするべきではないだろうか。全て日本語のみでお願い出来ないだろうか。

かといって漢字ばかりだと、なお困るけれど。