GTBコンサルティング 平賀 正志(中小企業診断士) -6ページ目

暑中お見舞い申し上げます。
酷暑も困るけれど、冷房で身体が冷えるのもダメだよなあ・・・と思うこの頃です。


今月は、まず2択問題から行きます。
これを読んでくださる皆様は、

1、明日に締切のモノが仕上がっていない
2、ここ3年毎日コツコツ続けてきたことがある

という2つのことが目の前にある時、どうなさいますでしょうか?

A)明日締切のものを、他のことはさて置いてやるしかない
B)明日締切のものは、何がどうなったって明日までに仕上げるのだから、3年積み上げてきたことを今更ストップするわけにもいくまい

選択は、Aですか?Bですか?

・・・どちらが正解とも間違いとも言えないと思います。
でも、Aを選択なさる方が多いのではないだろうか、とも思います。
どうしてそう思うかと申し上げますと、日本の社長・店長と呼ばれる方々のマインドセットからそうではないかと、予想をするからです…あくまでも予想です。

但し、私が現在一緒に経営改善に取り組ませていただいている社長の方々は、間違いなくAを選択なさっています。どういうことかと申しますと、

「とにかく目先の作業には熱心だけれども、長期的視点での行動が苦手」

である方が多いからです。
そのマインドセット…マネジャーではなく、一技術者になっているのです。
(なってしまっている、と申し上げるべきでしょうか)

先程「どちらが正解とも間違いとも言えない」と申し上げましたけれども、もし社長・店長のように「長」が付くなら(=マネジメントに携わるなら)、目先の作業はもちろん気を付けないといけないわけですけれども、同時に、先々のことも、周囲のことも見ておかなくてはならないのです。

しかし、少々遠い先のことを論理立てて考える、尻に火がついていなくても自律的に行動を重ねていく、ということはなかなかに難しいですね。かつ、技術者として腕に覚えがあるなら、尚のこと、自分が得意なことをやろうとなさる。そりゃ得意ですから、上手に出来もするし、楽しい。そちらに心が向くのは自然の摂理でもありましょう。

ですが私が見る限り、やはり上記のBを選択なさっている社長・店長の方々のほうが、最終的には良い成果を挙げてらっしゃると思います。少なくとも私がお手伝いさせていただいた案件に関しては確実にそうです。

目先のことはそれとして、「会社の先」も見ながら、日々の活動もなさっている。
そうなれば、方向性にブレが出にくいです。
また目先のことは従業員の方々に上手に振り分けてこなされていまして、きちんと「社長業・店長業」をなさっています。本来「長」の付く方はそうあるべきではないでしょうか。


手前味噌の話をしますと・・・

明日までに仕上げなくてはならない提案書があり、その進行状況が芳しくない。
(今もそうです!苦笑)
となれば大抵はそれに掛かり切りになってしまうところですが、私はそうはしません。
そんな状況でも、必ず1時間捻出して運動をします。

なぜなら、提案書は「明日のため」の行動ですが、
それに対し、運動は「自分自身の将来のため」の行動だからです。

将来、健康な身体を維持できていなければ、仕事がこなせなくなるのです。
健康維持は私のように一人きりで仕事をする者にとっては、理論や知識を詰め込むのと全く同等に重要なことです。だって私の代わりはいないのですから。

しかも健康維持は一朝一夕に出来るものではありません。今日運動したから、明日効果があるなどということは有り得ません。日々コツコツとしつこく続けてようやく成果が出ます。しかし、一度効果が現れ出すと、それはある一定の期間継続できます。
(仮に経営コンサルタントをしていなくて、一会社員として働くとしたって、健康でなければ、採用すらしてはもらえないのではないでしょうか)

もし「将来のための行動」を疎かにしてしまったら?
明日は凌げても、3年後にはボロが出ます。
その時になってから嘆いても遅い、ということはご理解いただけるものと思います。
(会社やお店、ないしは組織だって同じことでしょう)


会社なりお店というものは、今日明日だけ存在すれば良いものでもなく、自分の目先の満足のためだけにあるのではありません。ご自身がオーナーとしてお始めになった会社・お店であったとしても、従業員の方々をお雇いになっていたり、多くの取引先や会社・お店を頼りになさっている大勢の市井の方々がいらっしゃる以上、その社会的役割…良いモノを・良いサービスを維持継続して世に送り出すこと・・・がそれらの方々のために必要なのです。
ひいては、そのことが、社長・店長としての評価、会社全体の評価ともなります。

ですから、目先のことに逃げ込まず、そこは周囲の方の助けも借りつつこなしていただき(もちろん目先の約束も守らないといけませんから!)、先々のことを…不透明感の高いこのご時世では、先のことなんて予測は難しいに決まっていますが・・・考えて、きちんと3年後・5年後・10年後に生き残れる会社・お店となれるように、そのための準備をしておく時間も毎日の中からきちんと捻出していただきたいのです。

このことは、なかなかコンサルティングをしていても理解していただきにくい部分ではあるのですが、私はお手伝いさせていただく企業やお店には、今苦しくても、3年後には勝っていただきたいのです。それを切に願っていますし、お手伝いの効果が出るにもそのくらいは掛かるのではないかと思っています。
だから敢えて面倒なことをお願いもします。面倒なお願いをしてしまいますと、嫌われもします。でも、それでも言うべきことは言わなくてはなりません。それと引き換えにフィーをいただくのですから。そして言った以上、中長期的に市場で勝てる企業やお店になっていただきたいですから、さらにプッシュ(=背中を押す)もします。

目先も将来も両立させるのはしんどい、でもそのしんどいことに向き合った方だけが、勝ち残れるのだと思います。
どうせなら、勝ち残りたいと思いませんか?私はそうありたいです。

そうお思いになる方のお手伝いをもっともっとさせていただけることを楽しみにしております。ぜひご一緒させていただきたいものです。

長くなりましたが、皆様冷たいものの飲み過ぎ(=ビール?!)で胃腸こわされませんように。


ペタしてね




梅雨空の下、ジメジメ→カンカン照り→うすら寒さ…と、私にとっては、身体的に最も厳しい季節がやって来ております。この時季はとにかく体調管理が大変ですが、皆様におかれましても、心身のご健康第一で日々のお仕事に取り組んでいただきたいと思います。


「インバウンド」という言葉があちらこちらにて氾濫するようになりました。
観光立国を目指す日本ではありますが、特に外国人の方々への対応は、ひいき目に見ても、まだまだだと言わざるを得ません。

そういうことを目の前で見ましたので、書き連ねてみたいと思います。
(但し、これは統計情報でもなんでもなく、私の一次情報であることをまずお断りしておきます)

「目の前で見た」というのは…私のタイ人の友人夫妻(タイ在住)とその夫妻の姪(大阪在住)が観光で京都に遊びに来てくれ、2日間だけではあったのですが(6月15日と17日)、ベッタリと市内観光に同行して、彼らの行動とその彼らに対応する人々の様子をつぶさに観察した、ということであります。

1、驚いたこと
インバウンド観光について良く言われることの一つに「イスラムの方々は寺社にあまり興味を持たない」というものがあります。建物としては興味はなくはないとのことですが、イスラム教では偶像崇拝が禁じられているため、お寺の本堂(ご本尊がある)や神社の本殿(神様が祀られている)ところへは彼らは基本的には近付かないらしいのです。
そして、私はそのことが「イスラムの方々だけだ」と思っていたのですが、なんとそのタイ人の夫妻も「日本のお寺に興味がない」と言うのです!京都へ来てお寺に行かなくてどうする?ってところではあるのですが。彼ら曰く「お寺の建物や本尊だったら、タイのもののほうが大きいし、豪華だから」とのこと。
タイの方々皆さんがそのように考えはしないでしょうけれど、京都には著名仏教寺院があるからと胡坐をかいていてはいけない、という解釈をしておきたいです。つまりそれ以外に観光のお客様に楽しんでもらえるものをたくさん発掘しておく必要があるということです。

2、免税対応
消費増税に苦しむ昨今ではありますが、それでも欧米諸国のVAT掛け率に比べれば低めの日本ではあります。しかし市中でのショッピングで免税措置が受けられれば、海外からの観光の方には有難い話のはずです。それで多くの大型小売店舗(百貨店など)では、きちんと免税書類作成サービスのカウンターを設置して対応しているところが増えてきています。
ですが、百貨店や大型家電店以外での対応はほとんどしてくれるところがありません。
京都市中心部にあります商店街の中の著名大手チェーンの靴小売店でも、外国居住者向けの免税販売対応は、全くやっていないそうです。その小売店は、ラインの幅もアイテムの深さも相当しっかりした品ぞろえの良い店で、かつ価格も非常に良心的です。ですから免税販売対応がないのは、非常に惜しい。
実は免税店になるのはそこまで難しいものではありません。次のリンクをご覧ください。
http://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/howto.html
ここに書かれていることをクリアするだけです。少し意欲のあるお店なら対応することで差別化もできると思うのですが。ご興味ある小売店の方は是非トライなさってみてください。
とはいえ、日本の場合、元々百貨店の小売価格は高いですから、免税販売対応をしていないディスカウント店で税込で買うほうが安い、ということも免税対応が進まない要因なのだろうか、とも思いました。

3、日本の化粧品・スキンケア商品
外国人女性には日本の化粧品、スキンケア商品は抜群の人気があるようです。かつ日本で買えば輸出入コストが掛からない分、多少なりとも割安になるので、たくさん買って帰ろうとするようです。爆買いなさる観光客の方々のお気持ちが少しわかった気がしました。
そのタイ人の奥さんと姪っ子も、新京極(京都市内中心部のショッピングストリート)のディスカウントドラッグストアで、お気に入りの日本製の洗顔フォームを見つけるやいなや、「一人2個まで」の限定商品だったので、彼女のご主人ばかりか私にまで現金を手渡して、「買ってきて!」という始末。しかし、その商品にはタイ語はおろか、英語の表記すらないのに、です。
全く同じものがタイで売られているらしく(タイで売られているものには、きちんとタイ語で説明書きがなされているとのこと)、日本語でしか書いてなくても問題ない!らしいです。
日本の工業製品への信頼度の高さが窺えました。

4、雨対応の小物
雨季のある東南アジアの女性達は、カラフルな傘が大好き。お土産にもちょうど良い価格らしく、折り畳み傘をこれまた何本もお買い上げ。こんな感じのものです。

かさ

私自身は、傘に非常に無頓着です(イギリスに住んでいたせいか、少々の雨では傘を差しませんし、仮に傘を差す場合でもその傘はとても古くて、誰かが間違って持っていっても怒りもしないような代物です)。ですので、女性方がどういう傘に興味を持つものなのか、よくわかっておりませんでしたが、良い勉強になりました。



たった2日間ではあったのですが、いろいろと気付くことがありました。
自分達だけであれこれ想像したり、判断したりするよりも、こうやって一緒にくっついて行動して観察すれば、例え限定的なシチュエーションであっても、理解できることが多くあるのです。
私はたまたま外国在住経験があり、今でも海外の方と仕事をさせていただく機会があります。そしてその仕事の機会を個人的な友人関係にまで昇華できている幸運にも恵まれていまして、そのことに非常に感謝しております。
皆様の場合はそうはいかないのかもしれませんが、日本も「内なる国際化」も結構進んでいます。留学生や日本人伴侶を持つ外国の方々の存在です。そういった方とのコンタクトは各地の国際交流団体や自治体の国際関係部署を通じてイベント等にて取ることは可能だと思われます。あとは皆様に飛び込んでいく勇気があるかどうか。そういう関係からインバウンド対応に役立つヒントを得られるというようなことはきっとたくさんあるのではないでしょうか。


今月は四方山話的で少々取り留めのない感じになりました。
こういうインバウンド対応へのお手伝いも大変得意としておりますので、ぜひお声いただけましたらと思います。



ペタしてね

もう既に夏の気配、というか完全に夏がやって来たかのような日々です。
春の過ごしやすい時季がどんどん短くなってしまっているように思われます。
ですが、私達のライフスタイルがシンプルなものになっていかない限りは地球温暖化とともに、この傾向も改善はしないのでしょうね。


さて、これを読んで下さる皆様は、きっと日々のビジネス活動の中で、いろんな計画を立て、予定を決めて行動をなさっていると思います。

その立てた計画、決めた予定、その通りになさっていますでしょうか?
例えば、どなたかと面談をする予定を立てたとしましょう。必要な準備をし、遅刻せず、きちんと予定通りに面談が行なえたでしょうか?相手の方も同じようになさったでしょうか?

「そんなこと、当たり前のようにやっているよ」

ということであれば、結構です。
ですが、案外これが疎かになっている経営者の方が多いのです。
上述の「計画」や「予定」、要は「約束事」ということになるのでしょうけれど、これを守る守らないは、些細なことかもしれませんが、長い目で見れば、すごく大きな差になると思います。


過日こんなことがありました。
とあるドナー様(=支援機関)からのご依頼で、とある企業様の経営支援に伺いました。経営者の方と面談し、最後に次回のミーティングの日程を決めて、その日までにお互いにこなしておく宿題(課題や調査など)を設定しました。

それで、その約束した当日。
私は自分の課題を資料にまとめ、手に携えて、5分前に企業様へ伺いました。
しかし、オフィスには鍵が掛かっていて、どなたもいらっしゃいません。近隣に数ヵ所事務所や倉庫のある企業様ですので、それらのどこかにはいらっしゃるのかもしれません。ですが、オフィスで決めた日時に面談をする、と約束していますから、そこへ来ていただかないと困りますし、下手に動いて入れ違いになるのは避けたいというのもあります。

で、オフィスの前で待てど暮らせど、経営者の方はみえません。
仕方なく、作業場へ伺いました。すると、

「あれっ、先生(=私のこと)、今日は何の御用で?」

と、その経営者の方。今日は約束していた面談の日だと申し上げましたら、

「あれっ、今日って○日でしたっけ?勘違いしてるなァ」

とおっしゃいます。拍子抜けしました(苦笑)。やっていただくことにしていた宿題ももちろん「忙しくて出来ていない」とのこと。
日頃お忙しくされていることは百も承知していますから、仕方ないか、とも思いもするのですが、こういう状態(=約束をきちんと果たせていない)では、私に対してばかりか、通常のお取り引き先に対しても、取り決めたことをやっていただけていないのではないかと心配してしまいます。

その日のミーティングは、そういう状態(私がこなした調査だけが机上にあって、その部分の話しか進まない。経営者の方の宿題部分は次回へ繰越)でしたから、成果は半分です。ドナー様の費用対効果も半分しかない、ということになってしまったと言って過言ではないでしょう。

この例(実例です!)が、企業様・事業者様のビジネスの本流や大筋にどの程度影響を与えるのかは正確な測定はできません。何故なら、看板の力や技術的能力の大きさでカバーできてしまうこともあるからです。

ですが、大きな目で見て、経営の結果が出るかどうかは、やろうと決めたこと(それが他社への約束であっても、自身への約束であっても)を、如何に忠実にこなすか、なのではないかと私は思います。

例え高度な技術を持っていたとしても、決められた納期に製品として出荷できなければ、利益にはつながりません。納期を守らないことによる「信用を失うこと」が、何よりも問題です。
取引先を見下せるような立場の強い企業なら、そういう失礼があってもやっていけるのかもしれませんが、通常はそういうことは通用しないはずです。

ですので、

「いついつまでに、これをやる」
「今年いっぱいには、この実験を成功に導く」
「○日▲時に、A社と面談。その時に必要なものはZ資料とY図だ」

ということであれば、絶対にその約束を守っていただきたいと思います。どんな小さなことであっても。
私自身、厳しくそれを守るようにしています。
もちろん過去に100%守れて来たわけでありません。失敗もしております。その時は誠実に先方に謝罪し、何ヵ月(場合によっては何年)も掛けて信頼を取り戻せるよう努力します。加えて、「出来ない約束をしない」ようにもします。

そうやって、当たり前のことが当たり前に出来て初めて、世間に判断していただける対象となれるのではないでしょうか。そして、それは事業を続けていく以上、事業を辞めるその日まで、不断にやり続けなければならないのだと思います。


皆様のところでは如何でしょうか?
もし、思い当たる節があれば、ぜひ改善していただけたらと心から祈念致します。



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