只今シンガポールへ来ております。今日の午後には香港経由でマカオへ行きます。
仕事ではありません。1週間休み(今年の夏は、休みらしい休みがなかったので、今頃夏休みです。笑)を取って、以前から行ってみたいと思っていた両地を訪れています。
ですが純粋に観光しているわけではありません。と言いますか、頭が完全には「休暇モード」にならないのですが。
もちろんシンガポールに来たのですから、マーライオン像も見ましたし、摩天楼のてっぺんにも登って、ダイナミックな風景も楽しみはしました。
でも、街を歩いているとどうしてもそこに住む人々の生活ぶりが気になります。そしてこんな風に思うのです。
「○○をそういう使い方をするのか」
「今の流行りは△△色のようだ」
「日本だと、こういうやり方はしないな」
「◇◇社(私の経営支援先の企業様)の製品はこういう場面なら使えるかも」
とか、もういろいろと気が付くことが出て来るんですね。ある種の職業病でしょうか(苦笑)。
しかし、そうやって街を歩いてキョロキョロして得た情報こそ、次のビジネスへのネタになると私は信じて疑いません。
観光業界において「インバウンド」なる言葉が日常的に用いられるようになりました。そして多くの企業-事業者の方々が来日観光客の人々をご自身の事業に取り込もうとなさっています。ですが皆様は、海外へ自分たちの商品を売る、もしくは来日する外国人観光客向けに何か事業をしたいと思われたとして、その外国に住んでいる人たちが普段どういう暮らし向きなのかご存じでしょうか?
それを全く知らずしてより正確な顧客の嗜好は掴めないはずです(そもそも彼らの全てを知ることは不可能ですし、かつ100%正確なものはないと思いますが)。
それを知るには、我々自身が彼らの国に乗り込んでいって、直接に生の情報を見聞きして来るのが一番早いのです。私のようなコンサルタントや商社の方々、外交官や行政官から話を聞いていただくのもそれなりに効果はあると思います。しかし、やはりそれはあくまでも「二次情報」(=誰かの目やフィルタを通して、ある目的のために加工されたデータや文章など)でしかありません。その「二次情報」を皆様向けに噛み砕いて利用しやすい情報に加工することは可能です。ですがご自身の目で、目の前で起こったことをご覧になった場合と、どちらがより信じられるでしょうか。
ですから、私は皆様にも海外視察なさることをお勧めいたします。仮に「日本国内の顧客しか相手にしない」という事業をなさっていたとしても、何らかの参考になるはずです。例えば、製品自体やパッケージの色に悩んでいらっしゃったとしましょう。
外国では、日本の方々では全く思いも寄らない色の使い方をしているビルがあったり、スーパーに並ぶ商品も私達が普段目にするものとは異なる色使いや形状のものがあったり、大きさ(量)も全然違ったり、という光景を目にするでしょう。
それを見たら、何も思わないではいられないはずです。
そうやって日常の思考回路から抜け出すことで、これまでにないものを創造することもできると思います。反対に「なぜ日本ではそうしているのか」ということを再確認させられることもたくさんあるでしょう。
そういう刺激こそが事業への血肉となり、そしてそれが多ければ多いほど(たくさんの経験を積めば積むほど)、様々な事象から自分なりの答えを導く能力を高めます。
とは言っても、「簡単に外国なんて行けるか」「そんな暇はない」という方のほうが普通だとは思います。けれども日本国内での消費が増えないことが明らかとなっていますし、人口が大きく減少していく今後において、事業を伸ばそうとしたら、海外の方々との接触は避けられないのです。ましてや海外の方相手に直接ビジネスなさる場合は、前述した通りです。
この先、生き残りたいとしたら(私は、私自身の事業=経営コンサルティングはもちろん、それ以外のことをするにしても、絶対に生き残りたいと思っています)、周囲と同じことをしていてはいけません。「時間がない」「お金がない」のではなく、作り出してでも、外に目を向けるべきです。簡単でないことにトライしてこそ、他者を上回れるのですから。
来年は私自身が個人的に視察に海外へ行くだけではく、事業者様のお伴として行くこともありそうな情勢です。そういったリクエスト(一緒に見に行って欲しい、など)も可能な限り受けたいと思っております。ぜひお声かけください。