早いもので、2016年が始まってもう1か月過ぎてしまいました。
さすがに正月気分は抜けていると思いますが、いかがでしょうか?(笑)
よく「ものづくり」という言葉を耳にされると思います。
自動化された大きな製造ラインを使って大量生産をするのも、手仕事でコツコツ作るのも、どちらもものづくりですが、今回は後者のほうに焦点を絞ってお話しします。
日本は「○○一筋ウン十年」という言葉が幅を利かせる社会であり、マーケットもそれに反応するのが通常であると言えます。それ自体は結構なことかと思います。
ですが、そのものづくりを生業とされる事業者の方々の多くは、「経営」ということをお忘れになっている場合を非常に多く目の当たりにしますし、また「売れてナンボ」ということが本当に理解されているのかどうかわからないことが多いのです。
要は「ものを作るだけでは、何も起こらない」ということです。
どこかから委託されて、職人が一人きりで「(指示書に従って作って、納品して、終わり」だったら作るだけでも良いのですが、実際にはそんな単純なものではありません。
事業所や会社としてものづくりをする以上は、作ること以外に
その組織全体として、
・どう存続させるのか
・何を目的に運営するのか
人材管理として、
・誰が作り、誰が売り、誰がその勘定をするのか
・存続させるために、次の担当者をどう育てるのか
・それぞれの構成者は、適切な待遇を受けているのか
作り終えたものの出口として
・どう見せるのか
・どう売るのか
など非常にたくさんの要素があります。
そこまでセットになって初めて「ものづくり」だと私は考えます。
ですが、目先の「作るもの」にしか焦点の合っていない経営者の方・中間管理職の方が非常に多い。本当に「ものづくり」を大切にしたいのなら、その周縁部も同じように時間を掛けて考えて、そして対応していないといけないのに。
上記の「作り終えたものの出口として」の部分だけをもう少し掘り下げて考えてみましょう。
(本当は全てのポイントについて解説できれば良いのですが)
まず「ものを作る」ことの原点を考えていただきたいのです。
やはりそれは「それを使うこと」が視野に入らざるを得ません。ということは、「使う人」のことを最大限に気遣われたものでなくてはならないはずです。
しかし、よくある「作り手がこだわりぬいたもの」というのは、私の目には、単にその作った方の自己満足的なもの、にしか映らないことが多いです。
それで売れるのでしょうか?全く売れないということはないでしょうけれど、作った方が思うほどにはまず売れないはずです。
なぜか?
それは世間を見ていない、作り手が「自分の世界」以外のことに思いを馳せていないからです。
「作られたもの」は、
・どんな場面で使われるのでしょうか
・どんな場面で使われると、よりその性能を発揮できるのでしょうか
・それを買う人は、どんな思いでそれを手にするのでしょうか
・そもそも買った人が、自分で使うのでしょうか
・どこで売られるのが良いのでしょうか
…考えるべきことは山ほどあります。そういったことまで考えて、ものは作られるべきでしょうし、そこまで考えることが「商品(製品)企画」に他なりません。
もちろん、ものづくりの技術力の高さは必要ですし、そこにこだわりがあって初めて、差別化が可能だということもまた事実です。しかしそうであっても、きっと全体を構成する要素の半分にも満たないでしょう。多めに見積もってもせいぜい半分です。
料理でも同じです。
自分で美味しいと思って作ったって、それはその作り手の味覚によってでしかないのです。それを勘違いしているレストランのオーナーシェフの多いこと。そして、それをどうやって多くの方に店に来てもらい、食べてもらえばよいのかを分かっていない方の多いこと。
本当にこういう方に多くお目に掛かります。
一生懸命にものは作っているけれど、イマイチ売れないな、会社が伸びていかないな、ともし思われることがありましたら、ここまで書き連ねてきたようなことを、一度見直されてみてはいかがでしょうか。
きっと突破口が見つかると思いますし、それを見つけるお手伝いがご入用なら、ぜひお声掛けください。一緒に見つけていきましょう。
