GTBコンサルティング 平賀 正志(中小企業診断士) -3ページ目

大雨が続いている地域の方、まずはお見舞い申し上げます。
今年は梅雨らしい梅雨と言いますか、京都でもほとんど晴れ間がなく、本降り→小降りを繰り返しているといった感じです。
とにかく、不測の事態に備えておきたいものです。


さて、京都市内を歩いておりましたら、こんなお店を見つけました。

160625


この場所を私が通る時、
(週末=土曜日・日曜日の午後がほとんど、先週の土曜日もほぼ同時刻に通った)
営業中であるのを見たことがないですし、この開店祝いの胡蝶蘭もずっと置きっぱなしのようです。


実は、この入口の右側にも胡蝶蘭が3鉢あって、そちらのうちの1鉢は、きっと皆様もよくご存じの俳優の方からのものです。


それはまあどうでもいい話ですが、普通、お知り合いからいただいた開店祝いの胡蝶蘭、こんなふうに雨ざらしにしておくものなのでしょうか?
そして倒れてしまっているのに、放ったらかし?


どなたが、このお店のオーナーか存じませんし、そもそも営業中であるのを見たこともありませんから、どんな方が出入りなさっているのかもわかりません。


しかし、こんな状態になっているのを開店祝いをお贈りになった方がご覧になったら、どんな思いをなさるのでしょうか?


そもそもお店をやる気があるのか、ないのか。


そういうことを問わなくてはならないのでは、と思いました。
こういうお店が長続きするとは思えません。


皆様はどのようにご覧になりますか?
お祝いや季節のごあいさつをお受けされることも多いかと思いますが、取扱いには十分に気を付けていただきますようにお願いします。


いろんな方があなたのお店を見ていますよ。


ペタしてね


本日が会計年度終わりという会社の方も多くいらしたものと思います。
今年度はいかがでしたでしょうか。

この季節、私の周りでは、一緒にお仕事させていただいた支援機関のご担当の方が異動されることが多く、
「ああ、またイチから関係構築していかないといけないのか・・・」
とやや憂鬱になることも(苦笑)。でも仕方ありません。私のような商売は、それを所与のものとしてやっていくしかないのですから。


さて、前回のコラムの続きです。

事例研究にどこまで意味があるのか、というお話しをしたわけですが、私はその時間があるなら、もっと自社・自店の製品・商品・サービスについて実験をしていただきたいと思うのです。

例えば、

①今の製品を何グラムか軽くしたら(重くしたら)、どうなるか。
→機能として優れたものになるのかどうか、逆に強度を失ってしまうのか。

②仕入を別のところから、まとめ買いしたら、どうなるか。
→まとめて購入する分、単価が安くなるのか
→まとめて買うと在庫管理が面倒になるので、やらないほうが良いのか
→まとめて買うとロットが大きくなるため、仕入先も品質を上げて作ってくれたりするのか

③従業員の方が包丁を使ってキャベツをみじん切りにするとどうなるか。
→フードプロセッサーを使ってみじん切りにするのでは、どう食感が変わるのか
→時間が経っても鮮度が維持されやすいのはどちらか

④会計ソフトを買って、自分で記帳業務をするとどうなるか。
→税理士事務所に記帳を依頼するよりも安くできるのか
→記録を経営に反映させやすい(日々見直しができる)のか

というようなことです。

つまり、「誰かがやって上手くいったことだから、それをやる」というのではなく、日々自分達がやっていることを、見直したり、少し変えてみて効果を測定したり、というようなことをやったほうが、直接的に自分達のためになる、ということです。

さらに踏み込んで申し上げるなら、
「他人のこと気にするより、まず自分達が合理的なことをやれているか検証しよう」
ということでもあります。
(もちろん、マーケットや世相という意味では、他人のことも気にすべきですが、ここでは、他人=同業他社とお考えください)

そうすることで、無駄やムラが省けたり、思わぬところに落とし穴があることに気づいたりします。
事実、私のクライアントの方でも、こういった見直しを徹底してやり、会社の利益にならないことを改めた結果、売上は全く維持したまま、経費を大幅に削減できた上に、従業員の方の工数も劇的に減ったということがありました。最終的にその会社は、前年度決算では営業赤字を出していたのに、今年度は最終黒字を出すまでになられました。
そのクライアントの属する業界は、全体として、機械化や別の機能に置き換えられることがトレンドで、非常に厳しい業界なのですが、それでも利益創造はできたわけです。今後はそこでできた余力を以ってして、異分野へ進出しようとしています。


そして、お手伝いをする我々のような立場の人間は、事業者の方々に対し、そういう良い意味での懐疑の視線・視点を投げかけ、

「本当に、今のやり方でいいのでしょうか?」

と一緒に検証すべきだと思うのです。
事業者の方々は、ご自身が主役なので、なかなか客観的な視点を持てません。そこを一歩離れたところから、純真な気持ちで、

「なぜ、そうなっているのだろうか?」

と見て差し上げるのが良いと思いますし、それこそが役割なのではないでしょうか。


もちろん事例を研究することの利点もあります。しかしそれが全てではないし、それ以前にもっと足元を見直したい、見直していただきたい、と思いまして、2回に分けて書いて参りました。

明日から平成28年度、世相が何であれ、自分達だけはしっかりと大地に足を付けて、逆風の中でも踏ん張って歩み続けたいと思います。皆様もぜひそうであっていただきたいです。


ペタしてね

年度末が近付き、それを見据えた仕事をしながら、かつ確定申告もしなくてならず、結構頭の痛い日々を私は過ごしておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
(ついでに言いますと、毎年3月に人間ドックを受けていまして、日頃の不摂生の結果が露わになると日が近付いている思うと、結構ブルーな気分にもなったりするのです・・・笑)


さて、この仕事(=診断士)をしておりますと、非常に頻繁に「事例を紹介してください」と事業者の方々からお願いされることがあります(ちなみに支援機関や金融機関の方々もよくそうおっしゃいます)。

しかし、私はこの「事例紹介」、嫌いです。
ハッキリ申し上げておきます。

何故か…理由はいろいろあるのですが、いくつかお話しします。

理由①
そもそもコンサルタントが、自分の支援した企業の例を紹介するというのは、その企業の了解がない場合は、完全なる守秘義務違反であるから。

理由②(①をクリアしたという仮定において、もしくは自治体や支援機関の作成した事例集の中から紹介をした場合)
その事例というのは、少し前の話であって、今のビジネス環境や、目の前のクライアント事業者様の置かれている環境とは似ても似付かず、ほとんど参考にならないから。

理由③
仮に事例紹介したとして、それを聞いただけで勉強した気になって満足してしまい、それ以上のことを何もしない事業者の方が多いから。
(これは私がそういう経験をしているだけですから、他のコンサルタント・診断士には当てはまらないかも知れませんが)

まだまだあるのですが、この辺にしておきます。
では上記の理由①~③のように考える私の意図や経験を説明して参ります。

①について・・・これは、我々が仕事を受ける際には確実に守らなければならないことのはずです。にも関わらず、安易に求め過ぎですし、紹介を頼み過ぎですし、簡単にバラし過ぎ、だからです。
「求め過ぎ」=事業者の方が、です。人のことを聞きたい気持ちはわからないではないですけれど、逆の立場になって、もし自分の会社のこと(=成功の秘訣)を簡単にバラされたら、どう思われますか?嫌でしょう?
「頼み過ぎ」=支援機関の方が、です。仕事をコンサルタントに依頼する時に「守秘義務を守れよ」と書面にまで記名押印させておきながら、「それ以外の企業の話であればバラせ」というのは道義に反するのではないでしょうか。考えが安直過ぎです。
「バラし過ぎ」=同業者(=私と同じコンサルタントや診断士)が、です。お客様の情報はちゃんと守るべきです。なのに、口の軽いコンサルタントの多いこと。私は、お客様から了解をいただかない限りは絶対にお話ししません。

②について・・・事例紹介を受けて、その通りにやってみたとしても、もうそれはマネでしかありません。先行者利益も無いです。かつその事例に登場している成功なさった事業者の方々が努力されたのと全く同じか、それ以上の努力をできるのでしょうか?不可能でしょう。それ以上のことをしないと先行者には絶対に勝てません。加えて、事例として認知されている事業者の方は既にその事例によって、ブランドイメージを形成し、かつ方々のメディアにも登場なさっていて、知名度もあります。普通にマネしたって勝てっこありません。だったら別の道を模索したほうが、勝てると思います。「急がば回れ」ということです。

③・・・この理由のようなケースの場合、紹介を依頼なさる事業者の方々に、「どうして紹介して欲しいとお思いになるのですか?」と尋ねましたら、大抵は「参考になるから」とおっしゃいます。そうお思いになること自体は一向に構いません。しかし「参考にする」のなら、それを徹底的に会社・事業所内で研究したり、会社全体・お店全体で勉強会を行ったりなさるのでしょうか?そうやって事例企業のことを丸裸にするくらいに研究なさるなら、私は喜んで事例を探して来て、ご紹介します。しかし、そこまでのことをなさった事業者様は私の知る限り全くいらっしゃいません(・・・と思ったのですが、お一人だけいらっしゃいました。誰だとは言えません。守秘義務がありますから!笑)。そこまで徹底しないなら、時間の無駄なだけです。


と、まあいろいろと毒づいてみましたが、長くなってきましたので、次回コラムに続きを書きたいと思います。




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