GTBコンサルティング 平賀 正志(中小企業診断士) -2ページ目

 

ゴールデンウィークに突入しておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

しばらくコラムをサボってしまっており、申し訳ございませんでした。

また折を見て書いて参りますので、引き続き宜しくお願い致します。

 

 

近ごろ「計画書」なるものを大量に読んだり、作成のお手伝いをする機会が多くありました。

一般的に「計画書」というのは、

 

1、何かを始めるために作成するもの

2、何かを進めるために作成するもの

 

を指しており、大まかに言えば、

 

「これから何かをやるよ!」

 

というのを公にするために策定するというのが、通常の解釈であると思われます。

 

 

しかし、仏教用語の「諸行無常」という言葉にある通り、

万物には始まりがあるのと同様に、必ず終わりもあります。

 

よって「何かを終わらせるための計画」だって本当はあるべきなのではないかと思います。

ですが、

 

・それがうやむやになっている(自然に消滅してくれるとでもいうのでしょうか?)

・一旦始めたものは長く続けるのが当然というスタンスになっている(始めた何かは、全て上手くいくことばかりなのでしょうか?)

 

ことが多いのではないかと思って見ております。

皆様のところではどうでしょうか。

 

3年計画で何かを始めたなら、3年目には、それを

 

・4年目以上続けるのか

・3年きっかりでやめるのか

 

を決めて、

 

・続ける場合は、3年を一旦総括して成果を検証し、3年目から4年目へどう引き継ぐのか、その手法・担当者の配置or再配置・成果物をどう収めどう再配置するのか、等々を決める

・やめる場合は、関わった人々をどこへ戻すのか、使用した物品をどこへ再配置するのか、資産在庫をどう処分するのか、黒字だったら成果はどこへ編入するのか、赤字だったら損失はどう処理するのか、等々を考えて後始末する

 

ことが不可欠でしょう。

 

しかし、こと日本ではこれがなされていない。

とにかくうやむや、そして何でも長く続けるのが良いと思ってらっしゃる方が多いようです。

(上手く行っていないことを無理に長く続けて傷を余計に深くしている例も、よく拝見しますし、その予備軍的な案件にもよく遭遇します)

 

もう辞めてしまうこと、上手くいっていないことに力を注ぐのは面倒だ!というのは人間の心理としてよく理解できます。しかしきちんと後始末しないと、いつまでもそれが溜まってしまって次の行動を邪魔してしまうのではないでしょうか。

(パソコンだって、削除したファイルの断片がハードディスク上に残ってしまって、動きを遅くしているでしょう?我々の身体だって消化しきれなければ、それが脂肪となって溜まり、肝機能に問題を来したり、動脈硬化になったりしますよね?)

 

ということで、ある程度時間が経って、どうもうまく行かないと思ったら、きちんと撤退計画(出口戦略と格好良く言うのも良いと思います)を考えてみてはいかがでしょうか。

(ハードディスクの容量に限界があるのと同じように、人間自体も身体はひとつ、かつ1日24時間しか持っていないのです、不要なものはしっかりとクローズして、処理しておかないと!)

 

 

 

実は、私自身、結構しょっちゅう自分自身の「撤退計画」を考えております。

 

明日で診断士として開業後、丸8年経ちます。

全てが順調どころか、どちらかと言えばうまく行かなかった時間のほうが長かったと思います。それでもご相談いただく事業者様のお役に立てるよう、頑張ってきてはおります。

(その成果=事例は守秘義務に抵触しますので、申し上げられませんが)

 

しかし、今のような仕事のやり方もいずれ限界が来ます。

・・・いや、かなりそれに近付いているかも?!

 

体力は年々落ちて来て、体調を崩して病院に行くことも増えましたから、無為な、きちんと換金性を担保できない長時間労働は避けたいです。

(実際、ストレス性の疾患にかかることも多いんです)

 

そして、新進気鋭の同業者もどんどん参入して来ていることでしょう。

また自分自身の想いとは裏腹に社会の側が別の方向へ猛進もしていきます。

 

そういうことを日々感じ取っておりまして、早い段階で次の行動を起こさなくてはならないなと思い(完全にうまく行かなくなってからコトを起こしたのでは遅いですから!)、遅くとも開業ちょうど10年を迎える辺りまでに行動に移れるようにいろいろと仕掛けをしているところです。

 

私自身も「個人事業者」で、しかも一人きり。立派な「超零細事業者」です(笑)。

そして「仕事≒自分自身の暮らしぶり」でもあります。

 

自分の暮らしぶりについて人に口出しされたくない、というのも自分自身の開業の動機の一つでしたから、そこは全てに優先して大切にしております。

(会社勤め時代は、それはもう「プライバシーの侵害されまくり!」状態でしたからね!日本の企業はそういうところが時代錯誤なまでに遅れていますが、未だ変わりませんね・・・。まあ現在でも他人である私自身の人格的なことや個人的なことに口を出して来られる経営者の方もありますが)

 

 

・・・少々話が逸れましたが、何かを終わらせる計画や準備も、スタートさせる計画と併せて立てていただけると良いのではないでしょうか、というお話しでございました。

最後までお読みいただきまして有難うございました。良いGWをお過ごしくださいますように。

 

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暑中お見舞い申し上げます。
梅雨が明け、夏本番ですが、世間の夏休み気分とは裏腹に、「この時季だからこそ、普段やれないことを頑張らなくてはならない」という経営者の方も割といらっしゃいますね。私もそういうお声に結構お付き合いさせていただいていて、お盆もそういった経営者の方々とのミーティングがたくさんあります。


今日は「数字」の話を致します。
と言っても、難しい計算式の話でもなければ、決算書の話でもありません。
どちらかと言えば、「人間の感覚と数字」ってところの話です。

結論を先に述べますと、
「数字というのは、条件が全く同じであれば比較の対象として有効だが、そうでない場合は、それに捉われ過ぎるといろんなところに歪みを生むから、気を付けたい」
というところでしょうか。

なぜこういう話をするかと言いますと・・・
金融機関の方々や支援機関の方々、そして私のような「士業」の者は、

「売上を○○○万円伸ばさないと」
「経費を△割削減しましょう」

などと、すぐに(短絡的に、と言い換えても良いかも知れません)、アドバイスしてしまう傾向にあると思います(・・・実際そんなふうに言われてしまって、悲嘆にくれている方を多く見かけます!)。
しかし、

「それが簡単にできるんだったら苦労しないよ!」

というのが皆様の本音であることは間違いないですし、また我々の側でも無神経なまでに失礼なモノの言い方をしてしまっているのが実際のところのように思います。

なぜなら、それぞれなさっている業種業態によって、難易度が違うからです。
それを十把一絡げに「いくら」「何割」と言ってしまうのは、やはり乱暴だと言わざるを得ません。たとえそれが正論であっても。

例えば、ある一定の期間内で、売上を200万円伸ばさないといけないとしましょう。
客単価が10万円のビジネスであれば、20人(もしくは20回)に対して販売すれば良いわけですが、もし客単価が5千円の事業であったら?
400人(400回)必要なわけです。
販売機会が多い場合はそれでも何とかなるのでしょうけれど、販売機会のそこまで多くない事業の場合は、400人はあまりに高すぎるハードルです。

もちろん、最初から皆様がなさっている事業の特徴があるのだから、それを所与のものとして、どうやって売上を伸ばすか考えなくてはならないのは言うまでもありません。
しかし、経済規模がもう成長しなくなっているこの日本のマーケット、とりわけ東京圏以外では、なかなか売上伸長とはいきません。誰かを押しのけない限り、自分達が生き残ることは難しいですし、まして自然増なんて有り得ない話です。

となると、我々の側では、そういった「機会がどれくらいあるのが普通なのか」「客単価は今後どうなるのか」などを細かく検査した上で、事業者様のやる気を上手く引き出せるようにしなくてはいけませんし、事業者様側も諸々の支援があったとしても一夜にして業績挽回ができるのではない、粘り強く取り組まなければならない、と思っていただきたいものです。

まして、お隣のどなたか(それは同業者であっても、異業種の方であっても)がちょっと売上を伸ばすようなことが仮にあったとしても、それがすべからく他の方々全員に起こるなどと思っていただいてはいけません。但し、悲観したり慌てたりする必要もありません。

よって、

「数字は数字として、自分達のペースを優先」

と思って取り組んでいただきたいですし、金融機関・支援機関・士業の側は、それぞれの取引先を一つ一つ個別の案件として丁寧に実情を見ながら支援をしていく必要があると思います。
私はそうしてきておりますし、今後もそうしていきたいと思います。


暑さに負けず、粘り強く取り組んでいきましょう!



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