そして、世間はゴールデンウイークで浮かれているのかもしれませんが、私のような一人自営業者にはほとんど関係がなく、仮にどなたかと面談の予定が無くとも、仕事は次から次へとやって来て、ゆっくりは出来なさそうです。
さて、今回のタイトルにあります「仮想敵」、なかなか物騒な言葉です。
東西冷戦時代、そしてその崩壊後の世界で大国がその防衛ないしは軍事戦略として設定していた対抗軸となる国々のことなのですが、これはビジネスの世界でも必要な考え方と思っております。実際に、明確な言葉にはされていませんが、大企業の経営方針にはこの「仮想敵」が明らかに設定されているな、と思わされるものが結構あります。
要は、「我々は、A社の顧客を奪い取りに行くぞ」ということですね。
ですが、この「仮想敵」というもの、中小企業の方々、とりわけ小規模事業者の方にこそ考えていただきたいことなのです。
何故か・・・規模が小さくなればなるほど、一般的には広告宣伝にお金も時間も手数も掛けにくいです。知名度も限られていることでしょう。
だとすると、やみくもに広報活動を行うのではなく、もっと直接的にあなたの会社やお店の対象となるお客様に働きかける必要が生じます。そしてそのお客様は、既にモノやサービスをどこかから手に入れてらっしゃることでしょう。
その上で、あなたの会社やお店も、売上を伸ばさないといけないとしたら、どうしますか?
お客様をどこかから連れてこないといけない、そしてそのお客様は既にいる方とは別の方でなくてはならない(=そうでなくては、売上アップにはなりませんから)、つまり今その方々を顧客としている他の会社や店から奪い取ってこなくてはなりません。
(ほら、大企業だけの話ではないでしょ!)
その「他の会社やお店」が、皆様にとっての「仮想敵」なのです。
そして、この「仮想敵」が誰なのか、これを正確に見極める必要があります。
と言いますのは、これを間違うと、あなたの会社やお店が普段相手になさっているお客様とは違う種類のお客様に目を付けてしまうことになるからです。
例えば、あなたの会社は30代の既婚女性が主なお客様なのに、「仮想敵」の会社(仮にB社とします)のお客様は20代の独身女性を普段は主なお客様になさっている。当然、提供するモノもサービスも違うはずで、重なることは一般的には考えにくいです。
ということは、あなたの会社やお店にて、B社のお客様を相手にしたとしても、それは売上を伸ばしたい分野にはあてはまらないわけです。
そうであるのに、仮に強行してしまうと、提供するモノやサービスがミスマッチを起こすか、その分野の違う人々を相手にするために、仕入を増やしたり、別のものも用意しなくてはならなくなったりします。それだけで済むなら良いのですが、そのために在庫が膨らんで資金繰りが苦しくなったり、今抱えているお客様へのサービスが疎かになるようであると、もうこれは本末転倒です。
で、話を戻しまして、的確に「仮想敵」を設定できるとどんな良いことがあるのか。
まず、その「仮想敵」の会社やお店の提供しているモノやサービスへの研究がしやすくなります。つまり自分達と相手を比較しやすくなります。比較してみて、劣っているところがあれば、それをどう補えば良いのか見つけやすくなります。比較してみて、優れているところがあれば、そこは相手にマネさせないように、さらに磨いていく。
そういう「具体的に何をすれば良いのか」という対策が取れるのです。
それを持たないと、世間全体の大きな傾向や大きな波を素手で相手に戦うことになります。それはさすがに小規模事業者様には厳しいはずです。景気が悪くなれば(このところ日本はずっと景気が悪いと言っても言い過ぎではないないでしょうけれど)、大きな波に飲まれてしまい・・・あとはどうなるかは明白ですね。
これを読んで下さる皆様にはそういう状況に陥っていただきたくはありません。
この「仮想敵」の設定も、当方でお手伝いできることの一つです。ぜひ一緒に考えて、日々何をしていくのかを具体的に、明瞭にしませんか?
遠慮なくお声かけください。
