2015年も、早1ヵ月が過ぎていきます。
年明け後、皆様のところのビジネスの具合は如何でしょうか。
「忙しくて、厳しい」という方もいらっしゃるでしょうし、
「忙しくて、嬉しい」という方もきっといらっしゃる。
そして「いや、例年に比べてヒマだな」という方もいらっしゃるはずです。
答えは千差万別だと思います。
要は、きちんと利益が出ているかどうか(≠売上がある)です。
忙しくしていたって、利益につながっていなければ、何もなりません。
特に会合やお付き合いで忙しい、というのは非常に危険です。
また、急に仕事が増えた(・・・特にマスメディアに取り上げられ、問い合わせが増えて、というパターン)にもかかわらず、人繰りが付かず、経営者自ら駆けずり回っている、というのも危険な兆候です。
この双方に共通することは「安請け合い」と言ってよいかもしれませんね。
ですが、何でもかんでも安請け合いしていたのでは、一つ一つの仕事のクオリティを落としてしまう可能性を孕みます。願ってもない機会だから、ということで飛び込んで来た話は何でも対応したい、というお気持ちはわかるのですが、それにその都度場当たり的に対応することが、本当に「良い仕事」と言えるのかどうか。そして、
従業員の方に無理な残業を強いていないか?
経営者ご自身の管理能力の限界を越えてしまわないか?
今まで大切にしてきた他のお客さんを疎かにしてしまわないか?
などは十分に検討されなくてはなりません。
また目一杯に目先の業務を行うことによる将来に対するリスクがあることも考える必要があります。例えば、
従業員の方や今まで大切にしてきた他のお客さんというのは、会社やお店にとって「「強み」であったり、「屋台骨」だったりするはずです。それを一時的な流行のために疎かにするようなことがあると、その流行の間に今まで通りの関係が維持できなくなって去ってしまうことだって起こり得ます。
また経営者の方は、日常業務だけでなく、先々の見通しを考える時間が要るのです。それによって、新製品のアイディアが浮かんだり、同業他社の動向を調べたり、世の中の動きを察知したり、できるからです。
でも、目先のことでいっぱいいっぱいだったら?
きっとそういう「経営者」としての時間は持てません。
持てなかったら、確実に世間から取り残されます。また経営者自身の能力向上の時間や機会も失います。
そうなってしまったら、業務はクルクルと回っていて、仕事はしている気分になってはいても、それはあくまでも「作業」であり、「経営」ではありません。
ここを勘違いなさらないことを願います。
経営とは、目先の作業のことではありません。
人繰り、仕入、財務、税務、調査、企画・・・会社の隅から隅までを全部網羅し、それぞれについて整合性を取って、なりたい姿へと向かわせる。
それが経営です。そしてそれをするのは、経営者であるあなた以外のどなたでもありません。誰も代わりをやってなどくれません。
ですから、経営者というのは、ヒマな存在ではありませんが、
「全体のことを考える時間が持てる程度にはヒマ」
でなくてはならないのです。
ここを履き違えて、「忙しいことは良いことだ」と喜んでいる経営者の多いこと!忙しいのは「そういう全体のことを仔細に考えるために忙しい」というのでなくては、いけません。
ですから「仕事を断る勇気も時には必要」なのです。
(・・・タイトルからこの結論に至るまで長ったらしくて失礼しました)
売れっ子であることは勲章でも何でもありません。見立て通りに売れ、利益が生み出されること(=それが、コントロールされている、ということでしょう)が肝心要なのです。
地に足をつけつつ、飛躍を狙い、そしてここぞという時には大きく舞い上がる。しかし、自分が元々いたところも忘れることはない。
そんな経営を皆さまがなさることを期待しますし、私もそういうお手伝いをしたいと思っております。ぜひお声掛けください。
しばらくは寒い日が続きそうです。
皆様まずはご自愛くださいますように。
