GTBコンサルティング 平賀 正志(中小企業診断士) -8ページ目

2015年も、早1ヵ月が過ぎていきます。
年明け後、皆様のところのビジネスの具合は如何でしょうか。

「忙しくて、厳しい」という方もいらっしゃるでしょうし、
「忙しくて、嬉しい」という方もきっといらっしゃる。
そして「いや、例年に比べてヒマだな」という方もいらっしゃるはずです。

答えは千差万別だと思います。
要は、きちんと利益が出ているかどうか(≠売上がある)です。

忙しくしていたって、利益につながっていなければ、何もなりません。
特に会合やお付き合いで忙しい、というのは非常に危険です。
また、急に仕事が増えた(・・・特にマスメディアに取り上げられ、問い合わせが増えて、というパターン)にもかかわらず、人繰りが付かず、経営者自ら駆けずり回っている、というのも危険な兆候です。


この双方に共通することは「安請け合い」と言ってよいかもしれませんね。
ですが、何でもかんでも安請け合いしていたのでは、一つ一つの仕事のクオリティを落としてしまう可能性を孕みます。願ってもない機会だから、ということで飛び込んで来た話は何でも対応したい、というお気持ちはわかるのですが、それにその都度場当たり的に対応することが、本当に「良い仕事」と言えるのかどうか。そして、

従業員の方に無理な残業を強いていないか?
経営者ご自身の管理能力の限界を越えてしまわないか?
今まで大切にしてきた他のお客さんを疎かにしてしまわないか?

などは十分に検討されなくてはなりません。
また目一杯に目先の業務を行うことによる将来に対するリスクがあることも考える必要があります。例えば、

従業員の方や今まで大切にしてきた他のお客さんというのは、会社やお店にとって「「強み」であったり、「屋台骨」だったりするはずです。それを一時的な流行のために疎かにするようなことがあると、その流行の間に今まで通りの関係が維持できなくなって去ってしまうことだって起こり得ます。

また経営者の方は、日常業務だけでなく、先々の見通しを考える時間が要るのです。それによって、新製品のアイディアが浮かんだり、同業他社の動向を調べたり、世の中の動きを察知したり、できるからです。

でも、目先のことでいっぱいいっぱいだったら?
きっとそういう「経営者」としての時間は持てません。
持てなかったら、確実に世間から取り残されます。また経営者自身の能力向上の時間や機会も失います。

そうなってしまったら、業務はクルクルと回っていて、仕事はしている気分になってはいても、それはあくまでも「作業」であり、「経営」ではありません。
ここを勘違いなさらないことを願います。


経営とは、目先の作業のことではありません。
人繰り、仕入、財務、税務、調査、企画・・・会社の隅から隅までを全部網羅し、それぞれについて整合性を取って、なりたい姿へと向かわせる。
それが経営です。そしてそれをするのは、経営者であるあなた以外のどなたでもありません。誰も代わりをやってなどくれません。

ですから、経営者というのは、ヒマな存在ではありませんが、
「全体のことを考える時間が持てる程度にはヒマ」
でなくてはならないのです。

ここを履き違えて、「忙しいことは良いことだ」と喜んでいる経営者の多いこと!忙しいのは「そういう全体のことを仔細に考えるために忙しい」というのでなくては、いけません。

ですから「仕事を断る勇気も時には必要」なのです。
(・・・タイトルからこの結論に至るまで長ったらしくて失礼しました)

売れっ子であることは勲章でも何でもありません。見立て通りに売れ、利益が生み出されること(=それが、コントロールされている、ということでしょう)が肝心要なのです。


地に足をつけつつ、飛躍を狙い、そしてここぞという時には大きく舞い上がる。しかし、自分が元々いたところも忘れることはない。
そんな経営を皆さまがなさることを期待しますし、私もそういうお手伝いをしたいと思っております。ぜひお声掛けください。

しばらくは寒い日が続きそうです。
皆様まずはご自愛くださいますように。

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2014年も残り2時間を切りました。
皆様にとって今年はどんな年でしたでしょうか。

私は、今年も多くの中小事業者様とお仕事をさせていただきました。
たくさんの機会を与えてくださった事業者の皆様、そしてドナー(各種の支援機関)の各位に厚くお礼申し上げます。

その中には、

・改善につながった案件
・改善に向かいそうな案件
・予断を許さない案件

のどれもありました。
また見方を当事者に変えますと、

・事業者の方、ドナーの方、私自身の3者いずれも満足のできた案件
・事業者の方、ドナーの方には喜んでもらえたが、私自身が満足いかない案件
・事業者の方にイマイチ喜んでいただけなかった案件

のどれもありました。

ともかくも、私の立場としては、最終的なお客様である事業者の方に(ないしは企業・組織に)

「改善・向上・回復という結果に結びつけてもらうこと」

が何よりも大事です。私自身の満足度など、取るに足りないことです。
ですから、気を引き締めるとかそんな甘い話ではなく、自分自身を追い込んでいきたいと思います。皆様どうぞ宜しくお願い申し上げます。


ですが、世相としましては、中小事業者の皆様には

「厳しくなることはあれど、その逆は全くない」

というのが、正しい捉え方なのではないかと思います。

政府の中小企業対策もまるで役に立たない。
法人税減税は大企業にこそ効果はあれど、中小の事業者様にはどうでしょうか。それよりも、原価が安くなる円高のほうが良いのではないでしょうか。財・サービスを買ってくれる人も国内に住んでいる方のほうがはるかに多いと推測しますので、物価安になるほうが、結果として消費が高まるはずです。
にもかかわらず、逆行していることばかり。

地方自治体の公的支援策も、それなりに知名度のある中堅企業やベンチャー企業、財務体質の既に良いところには手厚い。しかし、本当に支援の必要な企業にはなかなか手を貸さない。
地方税を納めても相応のものはなかなか無い様子。

金融機関はお金の面倒は見てくれるけれど、税理士の先生は書類の面倒は見てくれるけれど、それ以外のことは助けてくれないし、それでいてしっかりとフィー(利息・税務顧問料)は取っていく。

とにかく、中小企業の皆様にとって、大きな目で見て良いことは起こっていないと言って過言ではない状態です。だとするとどこに突破口を見出すのか。
それぞれの企業やお店が、個別に適切な顧客をきっちりと見つけ、モノにしていくより他ありません。

「何をどうやれば、お客様の幸せに自分達が貢献できるのか」

を徹底的に考え、実施していくことが肝要です。

プラス、金銭の多寡(多い少ない)を物差しとせず(無為に他者と金銭の多寡=売上高の多い少ない、を比較対象とする、またそれ自体を目的とする・・・ことをしない!)、

「自分に、自社に、自分の仲間たちにとって何が本当の幸せなのか」
(お金は手段であり、目的ではありません!)


を追求し、それに沿った事業計画を立て、そこへ目指して邁進する。
利益ばかりか売上すら確保が大変なご時勢、夢を語ってもなかなか受け入れてもらうのは難しいですが、

「貧すれば鈍する」

ではいけません。そうなったら、もうおしまいです。

どんなにしんどくても、頭を使って(=知恵を使って)考えに考え、手足を動かしてこの厳しい時期を耐え、

「よそのことはわからないけれど、ウチは堅実にやっているよ」

と自慢しようではありませんか!

私自身、そう考えて日々生活しておりますし(故に、私自身の事業成績は非常に堅実であると申し上げておきます。但し大きく成長をすることもありませんが)、
同じようにお考え、ないしはそういう方向へ舵を切りたい方々のためにお手伝いをさせていただきたいですし、それが私自身がこの業界にいたいと思う動機なのです。


来たる2015年が、皆様にとって良い年となりますよう心から祈念致します。
どんなことでもご相談ください、お力になります。

では良いお年をお迎えください。
来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


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もう早くもあと1ヵ月で2014年も終わりというところまで来ております。
今年は何だか時間が過ぎるのがやたらと速いように思いますが、皆さまは如何でしょうか?


9月末のコラムの続き
です。
(赤い文字をクリックしていただきますと、そのページが開きます)

「自転車にまつわること」という予告をしておりました。

私は、車を運転しません。車を持っていないのです。
免許はもちろん持っておりますし、買うお金がないわけでもありません。
では、なぜ持たないのか・・・不要だから。

皆さまも経営に不要なものは会社やお店に置かないと思いますし、買わないでしょう。
同じことなんです、私のとっての「車」も。

仕事で会社訪問する時に、もし車を運転していて事故にあったら?と思うと便利さを捨ててでも、公共交通機関を利用するほうが良いのです。
私は仕事上主役ではありません、主役は中小事業者の皆さまであり、私はその皆さまのお手伝いをするために存在します。その私が事故を起こして、ミーティングに遅れたり、行けなくなったらどうでしょうか?ダメですよね。コンサルタント失格です。

そういうことを考えると、仕事、特にどなたかと会う約束のある時に自分で運転して何処かへ向かうのは、私にはできない相談です。

「だったら、プライベートで車に乗るでしょ?」とお尋ねになるかもしれませんが、プライベートでほんの少し乗るだけのために、高い車を買って、とても高い維持費を払うなんて、私にはムリです。そんな非効率的なことはできない性質です。


前置きが長くなりましたが、仕事でも人に会うのでない場合があります。
自分で市場調査をするとか、図書館で調べモノをするとか。
そういう時は、自転車に乗ります。しかもほぼ毎日のように乗るんです。ついでに申し上げますと、趣味も自転車なくらいでして(笑)。要はサイクリングですね。時間が取れれば1時間くらいサイクリングしてエクササイズしております。おかげさまで体型だけは学生のころと全く変わりません。


しかし、9月のとある日、大失敗をやらかしてしまいました。
ここからが本題です。


そのくらい頻繁に乗る自転車。
その日は、朝に近くの鉄道駅の自転車置き場に止めて、そこから電車に乗って仕事に参りました。
(とある場所のとある店舗を見学に行ったのです)

夜にその駅に戻ってきて、自転車のカギを探すべくカバンのポケットに手を突っ込みつつ歩いて自転車置き場へ向かいます。ですが・・・あれ、カギがない。上着のポケットに移したのかな、と思って手を突っ込みますが、これまたありません。

そうです、どこかで落としてしまったのです。
ですが、確実に朝にはカギをカバンに入れました。そしてその入れたポケットはずっと開けていません。ということは、夜に駅に着いて、電車から降りて自転車置き場に向かう間に歩きながらカバンのポケットをまさぐっている間に落としてしまったようです。歩いてきた道を戻りながら、暗闇の中でカギを探すのですが、全く見当たりませんませんでした。仕方なくそのカギはあきらめを得ませんでした。


問題はカギのスペア(予備)を全く持っていないことでした。身に着けていないばかりか、自宅にもスペアは置いていませんでした。スペアを作っておりませんでしたから。

駅から自宅までは4キロほどあります。もしスペアが自宅にあるなら、とりあえずその日は何等か手段で自宅に戻り、次の日にでも取りに行けば良いのですが、スペアはありません。仮に自宅に帰ったところで、自転車はどうにもなりません。

仕方なく、ガッチリ施錠されている後輪を浮かしつつ、夜道を4キロ、汗だくになりながら自転車を抱え歩いて帰りました。もちろん擦れ違う人達からは白い目で見られます(苦笑)。

その自転車を結局どうしたかと言いますと、施錠されているロッキング胴体部分を解体して(実はそういうメカをいじるのが得意だったりします)、チェーンキーだけで施錠することにしました。もちろんチェーンキーのカギのスペアはあります。

自転車がなくては、仕事にも生活にも不自由しますから、きちんとスペアキーを作っておくべきでした。ちょっとしたことをサボったがために、多大なる時間と労力をムダにしました。
人様にあれこれ助言する人間が、これじゃダメだ、と反省した次第です。


この私のマヌケな実話から、皆さまに申し上げたいのは、

「周りにある、どうしても必要なものが無くなってしまった時、どうするのか」
ということを、きちんと考え、対処方法を用意していただきたい

ということであります。

モノであれば、どうスペアを準備するのか。
普段から2つ持っておくのか、そこまではしないがすぐに調達できるように取引先にお願いするのか。

無くなって困るのが人の場合、
その代わりの仕事をするのは誰なのか、ないしは数日間はその対処をしなくても良いように待てるのか。

そういうことを、綿密に考え、準備していただきたいのです。


「BCP」言いましても、すごく難しい対処への準備のことばかりではありません。
ちょっとしたことでも日常とは違うことが起こるとアタフタしてしまうのが、人間というものです。その準備を少ししておくだけで、少々困ったことが起こっても、すぐに元のところへ戻れます。ですが、その少しをサボるとなかなか元へ戻れません。元に戻すのに多大なお金を投じる、心身を擦り減らすことになってしまいます。

可能な限り毎日のビジネスに集中するために、そういう「転ばぬ先の杖」をきちんと用意しておきたいものです。これは経営の中では、とても些細な部分かもしれません。でもそういう少しの差が、大きな違いになりもします。


こういった非常事対応についても、一緒に考えてお手伝いできますので、ぜひお声掛けください。

日に日に寒くなってきています。皆さままずはご自愛くださり、慌ただしい年末を元気に乗り切りましょう!




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