あすぱら農家のしげさん
今回は香川県特産のアスパラガス「 さぬきのめざめ 」を生産する農家の『しげさん』こと鈴木茂昌さんのもとに私たち食材班が訪れたときのお話です!!(全部で4つの班があります)「さぬきのめざめ 」写真のものは若い芽ですが、大きくなるとサイズは通常のアスパラの2倍(約50cm!!!!)105g以上のものだけが出荷されます。とれたてをいただきましたが、みずみずしくて柔らかく生でもとても甘くて美味しかったです!!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜しげさんについてまずは、しげさんの会社である「あすぱら屋しげ」さんについてご紹介します。アスパラ屋しげさんは、食料自給率を上げることを目的としている『フード・アクション・ニッポン』を農家として初めて受賞されております!!その受賞に大きく関わっていたのは「 土 」を変えるというしげさんのアプローチであり、農業は土が大事だからと、土にこだわるしげさんの考え方が評価されて受賞に至ったと伺いました。しげさんの農場で使われている土は、堆肥や腐葉土を用いて作り込まれており、しげさんは、そういったいい土がいい作物を作ると考えられています。飯野山のふもと辺りにしげさんの農場があります!−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−Q,アスパラの生産や販売へのこだわりを教えてください→農業は土が大事なので、土にこだわっています。野菜に合わせて土質を変えるなどしており、土を作り込むことによって、いい作物が作れるようになると考えています。フード・アクション・ニッポン・アワードという表彰も、この土によって受賞しました。しかし、屋号が「アスパラ屋」だからといってアスパラのみにこだっているわけではなく、今では路地野菜なども増やしています。何をやっても良いんです。農家ですが、テストの試験官などもやったりします。なんでもありです。Q,どうして路地野菜も栽培されるようになったのですか?→昔はアスパラも露地栽培だったんです。でも、近年の異常気象や酸性雨などで路地での栽培が難しくなり、今ではほとんどがハウス栽培になっています。ハウス栽培だと、建設費などの初期投資がかなり必要なのに加えて、収入の天井が決まってしまいます。なので、耕作放棄地などを耕したら増やせる路地野菜の栽培を広げていってるのです。現在は、なす、ほうれん草、菜花も栽培しています。Q,丸亀でアスパラ生産が盛んなのはなぜですか?→丸亀は土地が狭いため、北海道のような機械を使った大規模な農業ではなく、あえて機械化しにくい作物を栽培する形態を選んでいるんです。アスパラやナスは機械化がしにくい作物なので、細かい作業ができる私たちの手でそう言った作物を育てています。Q,しげさんのアスパラ農家までの道のりを教えてください→大学卒業後は、内定が決まっていた企業に行きましたが、三ヶ月の研修を終えた3日後には、合わないと考え、辞表を提出してしまいました。その後は派遣などをしていたのですが、25歳ごろからサラリーマンをやろうと考えて、30歳までは香川のいろいろな企業で働いてみますが、自分にあっているところが見つからず続きませんでした。 しかし、30歳で行ったJA香川の農業インターンで、アスパラ農家の師匠と出会ったことで、31歳から新規就農者として農業を始めるようになり、そこから現在まで農家を続けています。Q,今後の目標などは何か掲げられていますか?→今後の展望としては、そろそろ南半球に行こうと思っています。具体的には、日本で作物が育てにくい季節は、ニュージーランドに行き農業を行うというもので、季節に合わせた農業を行おうと考えています。現在海外では食品がどんどんと足りなくなっています。食料が溢れている国に住んでいる我々にできることはなんだろうかと考えた結果、自分たちのノウハウや技術を活かして農業を行うという考えに至りました。−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−しげさんからのメッセージ 今はナスも多く栽培していますが、栽培中に風が吹くと葉っぱが実に当たり、そこに傷がついてしまします。傷がついているナスを日本人は嫌がりますが、その傷が原因で食べられないことなんてことはありません。傷がついているナスも全く問題がないことを農家が発信していかなければなりません。 また、現在協力関係のある農家の仲間からニンニクの処理を頼まれていますが、特殊なハサミで根元を抉り取るということが農協から要求されています。その処理が不完全であったり、表面部分に傷があると売値が下がってしまうんです。ですが、そもそも使うのはニンニクの中身であって、根がついていても、皮に多少傷があっても問題はないはずです。良いものを作るのには手間がかかるのに、そういったものになかなか高値はつきません。 こういった昔からの慣習や高齢者の圧力が新規就農者にとって負荷になり、解決策が示されていないためやめる人が多くなっています。これは農業の大きな課題だと考えています。 根元を切り落とすための特殊なハサミ しげさん −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−〜おわりに〜今回掲載したお話以外にも、しげさんからは貴重なお話を本当にたくさんしていただきました。それも農業に限るものだけではなく、仕事に対する価値観や捉え方、どのように考えれば、仕事を楽しくできるようになるのかなど、様々なお話を聞かせていただき、インタビューを通すことで、私たち自身の成長を促せるような体験になりました。しげさんが作られている美味しいこだわりの野菜をどこかで見かけたらぜひ、家庭でも召し上がってみてください!