こんにちは。
いや、信じられない訃報が届きました、、、53歳。
自分よりも若く実績ある方が先に、、、信じられません。
「平成の三四郎」、柔道金メダリストの古賀稔彦さんががんで亡くなりました。
バルセロナの時の吉田選手との話、男気のある方だなと思っておりました。
心からご冥福をお祈りいたします。
今日の過去問は、令和2年度問33の問題を○×式でやりたいと思います。
A所有の甲土地をBに対して建物所有の目的で賃貸する旨の賃貸借契約(以下、「本件賃貸借契約」という。)が締結され、Bが甲土地上に乙建物を建築して建物所有権保存登記をした後、AがCに甲土地を売却した。
この場合に関する次の記述について、民法の規定及び判例に照らし、正誤判定をしてみましょう。
それでは、早速。
問題
本件賃貸借契約における賃貸人の地位は、別段の合意がない限り、AからCに移転する。
正解は?
○
今日は、賃貸借契約です。
5肢に共通の内容を確認しておきます。
「Aさん所有の甲土地をBさんに対して建物所有の目的で賃貸する旨の賃貸借契約が締結された。
Bさんが甲土地上に乙建物を建築して建物所有権保存登記をした後、AさんがCさんに甲土地を売却した。」
この前提で、1問目を考える訳ですね。
この問題は、「賃貸人の地位の移転」です。
賃貸借契約中にAさんがCさんに甲土地を売却していますので、、、
問題では、「別段の合意がない限り、AさんからCさんに移転する。」と言っています。
これ、旧法では規定が無かったものです。
これは、賃料云々ではなく、「賃貸人の地位」だけの話です。
早速、条文を確認してみます。
(不動産の賃貸人たる地位の移転)
第六百五条の二 前条、借地借家法第十条又は第三十一条その他の法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産(甲土地)が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人(Cさん)に移転する。
2~4 略。
前条=第六百五条(不動産賃貸借の対抗力)
借地借家法
第十条(借地権の対抗力)
第三十一条(建物賃貸借の対抗力)
「その他の」ですから、これらは、
「法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合」、
つまり、Bさんが甲土地上に乙建物を建築して建物所有権保存登記をした場合ってことです。
不動産(甲土地)が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、Aさんからその譲受人(Cさん)に移転するで、正しい記述です。
問題
Cは、甲土地について所有権移転登記を備えなければ、Bに対して、本件賃貸借契約に基づく賃料の支払を請求することができない。
正解は?
○
2問目は、この問題です。
1問目のその先、、、Cさんが、Bさんから賃料の支払いを受ける場合。
1問目で、「賃貸人たる地位」は、Aさんから譲受人であるCさんに移転しているんですが、、、
1問目に、「これは、賃料云々ではなく、「賃貸人の地位」だけの話です。」って書いたのは、これがあるからなんですね。
ようは、賃料云々言うのは、別の話ってことです。
(不動産の賃貸人たる地位の移転)
第六百五条の二
1、2 略。
3 第一項又は前項後段の規定による賃貸人たる地位の移転は、賃貸物である不動産(甲土地)について所有権の移転の登記(Cさん)をしなければ、賃借人(Bさん)に対抗することができない。
4 略。
所有権の移転の登記をしなければ、賃借人に対抗することができないってことは、譲受人であるCさんは、甲土地について所有権移転登記を備えなければ、賃借人であるBさんに対して賃料を請求することはできないってことです。
そのため、この肢は、正しい記述です。
問題
乙建物の所有権保存登記がBと同居する妻Dの名義であっても、Bは、Cに対して、甲土地の賃借権をもって対抗することができる。
正解は?
×
この問題は、甲土地上の乙建物の所有権保存登記が妻Dさんの名義だった場合。
問題では、
「Bさんは、Cさんに対して、甲土地の賃借権をもって対抗することができる。」と言っています。
夫婦で、同居していても、別人格ですよね。
これは、判例です。
昭和44(オ)881 建物収去土地明渡請求昭和47年6月22日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所
いつものごとく、当てはめてみます。
土地の賃借人(Bさん)がその賃借権を第三者(Cさん)に対抗しうるためには、
その賃借人(Bさん)が借地上に自己の名義で所有権保存登記等を経由した建物(乙建物)を所有していることが必要であつて、
その賃借人(Bさん)が他人の名義(妻Dさん)で所有権保存登記等を経由した建物を所有しているにすぎない場合には、その賃借権を第三者(Cさん)に対抗することができないものであり、
そして、この理はその他人が賃借人の妻であるときでも同様であると解すべきことは、当裁判所大法廷判決の趣旨に照らして明らかである。
賃借人Bさんは、自己名義の登記を持ち合わせてはいないので、賃貸人であるCさんに対して、「甲土地の賃借権を主張できない。」ということです。
この肢は、間違いです。
問題
本件賃貸借契約においてAからCに賃貸人の地位が移転した場合、Bが乙建物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、Bは、Cに対して、直ちにその償還を請求することができる。
正解は?
○
この問題は、必要費の支出。
幾度となく出題されているんですが、、、
賃貸人の地位がAさんからCさんに移転した場合には、どちらにってとこでしょうか
さきほど、賃料については登記をしないとCさんは、Bさんに請求できないってのを確認していますが、、、
これは、書かれていると言えば書かれていますね。
「AさんからCさんに賃貸人の地位が移転した場合」
と言うことは、賃貸人はCさんな訳ですから
「Bさんは、Cさんに対して、直ちにその償還を請求することができる。」ってのは、正しい記述。
ただ、必要費は、「直ちに、」でしたっけ
(賃借人による費用の償還請求)
第六百八条 賃借人(Bさん)は、賃借物(甲土地)について賃貸人(Cさん)の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人(Cさん)に対し、直ちにその償還を請求することができる。
2 略。
と言うことで、この肢は、正しい記述です。
必要費=直ちに
有益費=賃貸借の終了の時に
問題
本件賃貸借契約の締結にあたりBがAに対して敷金を交付していた場合において、本件賃貸借契約が期間満了によって終了したときは、Bは、甲土地を明け渡した後に、Cに対して、上記の敷金の返還を求めることができる。
正解は?
○
今日の最後の問題。
「敷金」
これも法改正で明確化されました。
敷金の定義・返還時期・返還の範囲
この問題は、「返還時期」です。
問題では、「Bさんは、賃貸借契約が満了し、甲土地を明け渡した後に、Cさんに対して、上記の敷金の返還を求めることができる」と言っています。
ん、そう言えば、「賃貸人たる地位が移転」しているんですが、、、
その辺を先に確認しておきます。
(不動産の賃貸人たる地位の移転)
第六百五条の二
1~3 略。
4 第一項又は第二項後段の規定により賃貸人たる地位が譲受人(Cさん)又はその承継人に移転したときは、第六百八条の規定による費用の償還に係る債務及び第六百二十二条の二第一項の規定による同項に規定する敷金の返還に係る債務は、譲受人(Cさん)又はその承継人が承継する。
敷金の返還は、Cさんが承継するので、問題にはならないですね。
とすると、あとは、問題で聞いてる時期。
第六百二十二条の二 賃貸人(Cさん)は、敷金を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人(Bさん)に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人(Bさん)の賃貸人(Cさん)に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。☚(返還の範囲)
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物(甲土地)の返還を受けたとき。
二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。
2 略。
敷金=いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭。
BさんがAさんに対して敷金を交付していた場合
↓
Cさんが承継する(敷金を受け取っている場合)
この問題は、1項一号、「賃貸借契約が期間満了によって終了、そして、甲土地を明け渡した後に、」敷金の返還を求めることができるですから、正しい記述です。
練習後や指導後に見せる笑顔。
試合中とは違うお茶目な部分。
そして、大怪我をした状態でも、金メダルをとる精神力。
まさしく柔道一直線。
すごく感動したものです。
強靭な肉体をもってしてもがんには勝てなかったと言うことか。。。
安らかにお休みください。。。
今日も最後までありがとうございました。
んでねぃ。
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