パリ、テキサス
Paris, Texas上映時間:2時間26分制作年:1984制作国:西ドイツ、フランス監督:ヴィム・ヴェンダースジャンル:ドラマ[STORY]W・ヴェンダースが、S・シェパードのシナリオを得て描いたロード・ムービー。テキサス州の町パリをめざす男。彼は失踪した妻を探し求めていた。男は、4年間置き去りにしていた幼い息子との間にも親子の情を取り戻す。そして、やがて巡り会った妻に、彼は愛するがゆえの苦悩を打ち明ける……。 (allcinema ONLINE)[CAST]トラヴィス:ハリー・ディーン・スタントンジェーン:ナターシャ・キンスキーハンター:ハンター・カーソンウォルト:ディーン・ストックウェルアン:オーロール・クレマン男は女を愛しすぎて、離れるのが辛くて、仕事を辞めてしまう。お金が底を尽くとまた、仕事につくが、また辞めてしまう。やがて女はお金がないことに心配する。男は女から離れている間、女が他の男と浮気しているんじゃないかと責める。男は夜遅くまで酒に飲んだくれて、女にそばにいないことを嫉妬してほしかった。嫉妬は男にとって愛の証だった。男は女が妊娠していると聞き、女の言うことはどんなことでも聞くようになる。女は子供を産み、自由が奪われたと男を責める。女はそんな現実から逃避する。家に火をつけ、男と息子を捨て姿をくらます。男はテキサスの荒野を4年間彷徨うことになる。男は弟に保護され、弟の家で育った息子と再会する。息子は男が去ったことを許し、男を父親だと理解してくれる。男は息子と女を探す旅に出る。男は女が毎月5日にヒューストンの銀行から息子の口座に送金していることを知り、息子とともにヒューストンの銀行へ車を走らせる。女を見つけ、車を追い、女がヒューストンののぞき屋で仕事をしていることをつきとめる。のぞき屋ではマッジックミラーを通して客側だけから、女を見ることができる。男と女を隔てる一枚の鏡越しに男は4年ぶりに女と再会し、男は心のうちを打ち明ける。男と女の距離感、擦れ違い、「愛」のように見えていたものを表現しきっているのぞき屋でのワンシーン。題名のパリ、テキサス、建築美の華やかな街と荒野が広がる大地として全く対照的な景色を想像できます。この映画を見たとき、それは女と男の相反する関係の中に本当の「愛」とはどんなものなのか考えさせられるような題名に思える。男が荒野を彷徨い続けて、息子と女と再会し出した結論は自分が去ること。テキサス州パリという地名がある限り、相反する中でも関係を保てるような本当の「愛」を感じるベストな選択ができるように思いたい。