鋼鉄村松「二手目8七飛車成り戦法」観劇!(2011.12.2)
鋼鉄村松「二手目8七飛車成り戦法」観てきました@ザムザ阿佐ヶ谷。
初見の劇団でしたし将棋のお話なので、正直、どうかなー楽しめるかなーと心配だったのですが。
いやいや、楽しかったです。人数多くて部分的にちょっと散漫に見えてしまうなとは思ったのですが、将棋の対戦のシーンの役者さんの真摯さに目を見張るものがあって。
後半、どんどんいい所が見えてきました。役者さんの力を存分に引き出す演出。お客さんを巻き込んで一体感を煽る演出。
これって、愛、ですよね。演劇に対する愛。人への愛。その愛に溢れた舞台を、沢山の人に見てほしいという気持ちがすごくよく伝わってきました。
アフタートークが、観劇層として有名なお客さんであるじべ。さんとりいちろさんだったのですが、お二人は劇団初見だとかで。ピンポイントで「観てください」と言ったと言うことでしょうし、それによって観劇層に注目してほしいと思ったのでしょうし。
やっぱり演劇は観客がいてこそ。「観てほしい」との気持ちが伝わってくる上に、楽しんでもらおうと沢山の主張を芝居に盛り込んできたところが素敵でした。
そして、対戦のシーンでは、40手以上ものやり取りを役者さんが指したり、実況したり。。棋士役の人も。記録係の一橋純平くんも。覚えて演技に乗せるために、かなり努力したのだろうなと思いました。
主演の後藤祐哉くんは、かなり緻密な神経の行き届いた演技で、すごい勢いで見入らせてくれました。虚構の劇団の大久保綾乃ちゃんや、Plat-formanceの安藤理樹さんを彷彿とさせる技術の持ち主。欲を言えば、もっと感情の乗った演技を観てみたいなぁ、と。しかし追々それは観られる予感がします。小劇場では売れっ子間違いなしですので。(多分すでにオファー来まくりかと。)
一橋くんは、なんだか見た目がイケメン化してきたぞ・・・(笑)いつのまにか華が出てきた。同じく売れっ子気味だし。良いことです。
あんかけフラミンゴの小山沙織さんもよかったです。こちらは感情先行の演技派。
うん。とっても楽しかったです♪
あ、そうだ。一つ爆笑したシーンがありました。小学生時代の主宰が、今の主宰に会いに行くというシーンで。
子供の頃は勉強が出来て優等生だったのに、演劇にはまって土方で生活費稼いでて、ヘルメット取ったら禿げてるという事実に小学生時代の主宰驚愕(笑)
自虐的なシーンだったけど、それで後悔なんてしてないよねボス。
(観た日:2011.12.2)
初見の劇団でしたし将棋のお話なので、正直、どうかなー楽しめるかなーと心配だったのですが。
いやいや、楽しかったです。人数多くて部分的にちょっと散漫に見えてしまうなとは思ったのですが、将棋の対戦のシーンの役者さんの真摯さに目を見張るものがあって。
後半、どんどんいい所が見えてきました。役者さんの力を存分に引き出す演出。お客さんを巻き込んで一体感を煽る演出。
これって、愛、ですよね。演劇に対する愛。人への愛。その愛に溢れた舞台を、沢山の人に見てほしいという気持ちがすごくよく伝わってきました。
アフタートークが、観劇層として有名なお客さんであるじべ。さんとりいちろさんだったのですが、お二人は劇団初見だとかで。ピンポイントで「観てください」と言ったと言うことでしょうし、それによって観劇層に注目してほしいと思ったのでしょうし。
やっぱり演劇は観客がいてこそ。「観てほしい」との気持ちが伝わってくる上に、楽しんでもらおうと沢山の主張を芝居に盛り込んできたところが素敵でした。
そして、対戦のシーンでは、40手以上ものやり取りを役者さんが指したり、実況したり。。棋士役の人も。記録係の一橋純平くんも。覚えて演技に乗せるために、かなり努力したのだろうなと思いました。
主演の後藤祐哉くんは、かなり緻密な神経の行き届いた演技で、すごい勢いで見入らせてくれました。虚構の劇団の大久保綾乃ちゃんや、Plat-formanceの安藤理樹さんを彷彿とさせる技術の持ち主。欲を言えば、もっと感情の乗った演技を観てみたいなぁ、と。しかし追々それは観られる予感がします。小劇場では売れっ子間違いなしですので。(多分すでにオファー来まくりかと。)
一橋くんは、なんだか見た目がイケメン化してきたぞ・・・(笑)いつのまにか華が出てきた。同じく売れっ子気味だし。良いことです。
あんかけフラミンゴの小山沙織さんもよかったです。こちらは感情先行の演技派。
うん。とっても楽しかったです♪
あ、そうだ。一つ爆笑したシーンがありました。小学生時代の主宰が、今の主宰に会いに行くというシーンで。
子供の頃は勉強が出来て優等生だったのに、演劇にはまって土方で生活費稼いでて、ヘルメット取ったら禿げてるという事実に小学生時代の主宰驚愕(笑)
自虐的なシーンだったけど、それで後悔なんてしてないよねボス。
(観た日:2011.12.2)
海賊ハイジャック「B4 paper books2」観劇!(2011.11.1,2)
海賊ハイジャック「B4 paper books2」赤の章と黒の章。
二日連続で見てきました@サンモールスタジオ。
・・・めちゃくちゃ面白かった!!相変わらずのエログロなのだけど。どこを切っても脚演出の宇野正玖さんの美学に溢れてて。
哲学的で。攻撃的で。うわぁ、この人すげー変態だ、と思わされます(笑)
そのフェティッシュな世界観に共感して舞台に上がる役者さん達を観ていると、いい劇団だなぁ、劇団はこうあるべきだなと思います。素敵。
では、演目ごとに感想を。
【赤の章】
「dogma」
不名誉には屈辱の死を。名誉には栄光の死を。その学校では校長の記した経典に従い、厳しい教育を生徒達に強いた。しかし一人の女教師は、自分の生徒達に「生きる」ことを教える。どんなに無様でも、生きろ、と。
この作品が「赤」のメイン。
ラストに、校長の経典の真実を語る、川添美和(みわちゅう)さんの鬼気迫る長台詞に。彼女の確かな実力と魅力をこれほどかと言うまでに感じました。
凄い女優さんだな、と。心底惚れ込みました。
「テッドとリチャード」
連続殺人犯として逮捕されたリチャード。その雄弁さと容姿は愚昧な聴衆を熱狂させた。真犯人と称してテッドが処刑されたそのとき、ロックアーチストとしてもてはやされたリチャードに虚無が訪れる。
堀口武弘くん主演。
テッド役の平良和義さんもだけど、容姿は満点。ビジュアルにとことんこだわるところに宇野さんの美学を感じます。
「シュルレアリスム宣言」
海賊ハイジャックの遊び心のコーナー(笑) アンドレ・ブルトンの言葉を暗誦するのだけど、今回は劇団員のひろしさんの葬式という設定(爆)
ひろしさん何で今回いないのかは知らないけれど、絵面で爆笑。「主よ、人の望みの喜びよ」が流れる中、暗誦。そして遺影の前で役者さんが一人一言ずつ、今回のお芝居のセリフを言って、それを黒板に書き連ねて行くのだけど。「まだ処女」「糞尿を投げつけられた」「ピカチュウよりも」「この穴」「メランコリック」「プサイクなババァ」・・・どんな芝居だ(爆)
どんなにエログロな公演でも、最後に笑わせてホッとさせてくれるところが海賊ハイジャックのいいところ。ああ私、海賊ハイジャック大好きかも。
【黒の章】
「ジャック・ザ・リッパー」
40代の醜い娼婦ばかりを殺した切り裂きジャックが、その美学を語るために他人に殺人シーンを演じさせる。
あ、これ、面白かった(笑) 怖い中にも笑い。ちなみに宇野さんの作品は、実在した犯罪者を描いてはいるけれどエピソードはかなり美化されていて全くのフィクションとなってます。
「きこりと木の精」
木を愛し、慈しむきこり。木を愛しむあまり、森の木々で自分の住む家を作るに至る。切り株の上には赤い靴を履いた女性の足。連続猟奇事件を追って森に入る刑事達。
・・・グロい(爆)擬人化された木なのか、木人化した人なのか。木を模した顔も見えない全身タイツは血と土に塗れていて。アートだけど怖かったです。
「黒髪と魚の足とプレシオサウルス」
そのサーカスは、人体切断マジックが売りとなっていた。事故で白痴となった男が切断した恋人の女の足を医者が即時に縫い合わせ、痛みを紛らわせるために麻薬漬けにする。女には目的があった。男の記憶を取り戻すこと。男には忘れていた夢があった。それは、美しい人魚を作ること。
白痴の青年を橋本慎司くんが演じていたのだけど、凄い勢いで殴られっぱなし。・・・ご苦労。その恋人を体当たりで演じるみわちゅうさんの魅力がまた全開。その兄である医者を演じるひょいのさんもまた狂ってる。すごく暴力的で怖い話だけれど、ひょいのさんの演技で笑いっぱなし。これ、傑作だなぁ。ちなみに青年の名前は「サガワカズマサ」。多分全然実際の話とは違うのでしょうね。
で、今回。みわちゅうさんが心底素敵で、まるで宝物のようだと思いました。実力とフェティッシュさを持ち合わせていて。攻撃的で。
ろりえの梅舟惟永さんもだけど、こういう女優さんがいる劇団は強い。いい役者さんがいるからこそできるハチャメチャっぷりというのは観ていてとても清清しいし、楽しいと思えます。
いい劇団だなぁ、と。海賊ハイジャック、なんだかとっても好きになりました。
(観た日:2011.11.1,2)
二日連続で見てきました@サンモールスタジオ。
・・・めちゃくちゃ面白かった!!相変わらずのエログロなのだけど。どこを切っても脚演出の宇野正玖さんの美学に溢れてて。
哲学的で。攻撃的で。うわぁ、この人すげー変態だ、と思わされます(笑)
そのフェティッシュな世界観に共感して舞台に上がる役者さん達を観ていると、いい劇団だなぁ、劇団はこうあるべきだなと思います。素敵。
では、演目ごとに感想を。
【赤の章】
「dogma」
不名誉には屈辱の死を。名誉には栄光の死を。その学校では校長の記した経典に従い、厳しい教育を生徒達に強いた。しかし一人の女教師は、自分の生徒達に「生きる」ことを教える。どんなに無様でも、生きろ、と。
この作品が「赤」のメイン。
ラストに、校長の経典の真実を語る、川添美和(みわちゅう)さんの鬼気迫る長台詞に。彼女の確かな実力と魅力をこれほどかと言うまでに感じました。
凄い女優さんだな、と。心底惚れ込みました。
「テッドとリチャード」
連続殺人犯として逮捕されたリチャード。その雄弁さと容姿は愚昧な聴衆を熱狂させた。真犯人と称してテッドが処刑されたそのとき、ロックアーチストとしてもてはやされたリチャードに虚無が訪れる。
堀口武弘くん主演。
テッド役の平良和義さんもだけど、容姿は満点。ビジュアルにとことんこだわるところに宇野さんの美学を感じます。
「シュルレアリスム宣言」
海賊ハイジャックの遊び心のコーナー(笑) アンドレ・ブルトンの言葉を暗誦するのだけど、今回は劇団員のひろしさんの葬式という設定(爆)
ひろしさん何で今回いないのかは知らないけれど、絵面で爆笑。「主よ、人の望みの喜びよ」が流れる中、暗誦。そして遺影の前で役者さんが一人一言ずつ、今回のお芝居のセリフを言って、それを黒板に書き連ねて行くのだけど。「まだ処女」「糞尿を投げつけられた」「ピカチュウよりも」「この穴」「メランコリック」「プサイクなババァ」・・・どんな芝居だ(爆)
どんなにエログロな公演でも、最後に笑わせてホッとさせてくれるところが海賊ハイジャックのいいところ。ああ私、海賊ハイジャック大好きかも。
【黒の章】
「ジャック・ザ・リッパー」
40代の醜い娼婦ばかりを殺した切り裂きジャックが、その美学を語るために他人に殺人シーンを演じさせる。
あ、これ、面白かった(笑) 怖い中にも笑い。ちなみに宇野さんの作品は、実在した犯罪者を描いてはいるけれどエピソードはかなり美化されていて全くのフィクションとなってます。
「きこりと木の精」
木を愛し、慈しむきこり。木を愛しむあまり、森の木々で自分の住む家を作るに至る。切り株の上には赤い靴を履いた女性の足。連続猟奇事件を追って森に入る刑事達。
・・・グロい(爆)擬人化された木なのか、木人化した人なのか。木を模した顔も見えない全身タイツは血と土に塗れていて。アートだけど怖かったです。
「黒髪と魚の足とプレシオサウルス」
そのサーカスは、人体切断マジックが売りとなっていた。事故で白痴となった男が切断した恋人の女の足を医者が即時に縫い合わせ、痛みを紛らわせるために麻薬漬けにする。女には目的があった。男の記憶を取り戻すこと。男には忘れていた夢があった。それは、美しい人魚を作ること。
白痴の青年を橋本慎司くんが演じていたのだけど、凄い勢いで殴られっぱなし。・・・ご苦労。その恋人を体当たりで演じるみわちゅうさんの魅力がまた全開。その兄である医者を演じるひょいのさんもまた狂ってる。すごく暴力的で怖い話だけれど、ひょいのさんの演技で笑いっぱなし。これ、傑作だなぁ。ちなみに青年の名前は「サガワカズマサ」。多分全然実際の話とは違うのでしょうね。
で、今回。みわちゅうさんが心底素敵で、まるで宝物のようだと思いました。実力とフェティッシュさを持ち合わせていて。攻撃的で。
ろりえの梅舟惟永さんもだけど、こういう女優さんがいる劇団は強い。いい役者さんがいるからこそできるハチャメチャっぷりというのは観ていてとても清清しいし、楽しいと思えます。
いい劇団だなぁ、と。海賊ハイジャック、なんだかとっても好きになりました。
(観た日:2011.11.1,2)
やなぎみわ演劇プロジェクト「1924 海戦」観劇!(2011.11.5)
やなぎみわ演劇プロジェクト「1924 海戦」観てきました@神奈川芸術劇場(KAAT)。
注目役者さんである、さいたまネクストシアターの川口覚くんの演技を11ヶ月ぶりで観られる&虚構の劇団の大久保綾乃ちゃんが出演とあって、神奈川まではちょっと遠いけどとても楽しみにしていました。
【ストーリー】(公式頁より)
1924年6月、土方与志と小山内薫が指揮を執る築地小劇場は混乱の坩堝にあった。旗揚げ公演は何と三作品、小山内薫演出「白鳥の歌」「休みの日」そして土方与志演出「海戦」。ドイツ戯曲R.ゲーリングの「海戰」は、前代未聞の設計と舞台構造を持つ小劇場で上演され、聞き取れないほどの早い台詞、絶叫と轟音のリアリティで人々を驚かせた。
全編のほとんどが、洋上に浮かぶ戦艦の内部で繰り広げられる「海戦」の稽古と、築地小劇場の船出。2隻の「船」の行く末が重なる。「偉大な明治」と「激動の昭和」のはざま、大正デモクラシーの時代を背景に、モボ、モガが闊歩し、多様で未分化な芸術運動が花開いた大正期。明治以来の近代国家体制が瓦解した帝都の混沌の中で誕生した、歴史的舞台をめぐる劇中劇。
要するに、土方与志の演出家としての生涯を描いたもので。彼のアヴァンギャルドな演出や、ゲーリングの分かり難い台詞回しがそのまま舞台の上に載ってくるので、当時の彼への批判である「貴族の感覚は大衆に即していない」や「芸術はなんのために存在するのか」「誰のための芸術なのか」という疑問がそのまま観客である私の心に棲み付いてしまいました。その受けとめ方は演出の意図だとは思うのだけれど、それを踏まえた上でこの演劇を「面白い」と思えればよかったなぁ、と。身体の動き(ビオメハニカというらしい)や、滾る様な台詞回しはとても芸術的だとは思うし、役者さんの力を感じさせられて素敵だったのですけれどね。
で、演出面で素敵な所が多々ありました。会場に入ると、すでに役者さんが舞台の上にいて。築地小劇場での演目を稽古しているという設定でお芝居をしていて。それを説明しているのがナビゲーターの赤い制服をきた二人の女優さん。(一人は綾乃ちゃん)。その制服が大正のモダンファッションでとても可愛かったです。
そして、後から入っきてきた観客は舞台を通って「見学」をしていて。いいなあ、私も通りたかった(笑)
お話の中でも、土方が演出をしているときは実際に客席の中央付近の席に座って演技をしていたり。舞台の転換や大道具のセットを役者さん自身がしていたり。なんだかその部分は楽しかった。働いてるなぁ、って。
あと、小山内と土方が連絡を取る場面は携帯のTV電話で話していたり、関東大震災後の混乱を表現する部分ではツイッターのTLが流れていたり。まるで東日本大震災後の現在と同じ状況だよな、なんて考えさせられて混沌を観客にリアルに感じさせるあたりはさすがだなと思いました。
で。川口くんはやっぱり凄い・・・!!基礎が非常にしっかりしていて、その演技から目が離せません。声がまたいいのですよね。清涼な中にもそこはかとなく色気があります。水兵役ということで、日焼けした肌色で精悍な表情。なんだか大人になったなぁ(笑)
綾乃ちゃんも、虚構の劇団の時とは全く違う、動くお人形のような美しい発声で魅了。鴻上尚史さんの演出以外で観るのは初めてだったのでとても新鮮でした。神奈川は遠かったけど、来て良かったなぁと思ったのでした。
(観た日:2011.11.5)
注目役者さんである、さいたまネクストシアターの川口覚くんの演技を11ヶ月ぶりで観られる&虚構の劇団の大久保綾乃ちゃんが出演とあって、神奈川まではちょっと遠いけどとても楽しみにしていました。
【ストーリー】(公式頁より)
1924年6月、土方与志と小山内薫が指揮を執る築地小劇場は混乱の坩堝にあった。旗揚げ公演は何と三作品、小山内薫演出「白鳥の歌」「休みの日」そして土方与志演出「海戦」。ドイツ戯曲R.ゲーリングの「海戰」は、前代未聞の設計と舞台構造を持つ小劇場で上演され、聞き取れないほどの早い台詞、絶叫と轟音のリアリティで人々を驚かせた。
全編のほとんどが、洋上に浮かぶ戦艦の内部で繰り広げられる「海戦」の稽古と、築地小劇場の船出。2隻の「船」の行く末が重なる。「偉大な明治」と「激動の昭和」のはざま、大正デモクラシーの時代を背景に、モボ、モガが闊歩し、多様で未分化な芸術運動が花開いた大正期。明治以来の近代国家体制が瓦解した帝都の混沌の中で誕生した、歴史的舞台をめぐる劇中劇。
要するに、土方与志の演出家としての生涯を描いたもので。彼のアヴァンギャルドな演出や、ゲーリングの分かり難い台詞回しがそのまま舞台の上に載ってくるので、当時の彼への批判である「貴族の感覚は大衆に即していない」や「芸術はなんのために存在するのか」「誰のための芸術なのか」という疑問がそのまま観客である私の心に棲み付いてしまいました。その受けとめ方は演出の意図だとは思うのだけれど、それを踏まえた上でこの演劇を「面白い」と思えればよかったなぁ、と。身体の動き(ビオメハニカというらしい)や、滾る様な台詞回しはとても芸術的だとは思うし、役者さんの力を感じさせられて素敵だったのですけれどね。
で、演出面で素敵な所が多々ありました。会場に入ると、すでに役者さんが舞台の上にいて。築地小劇場での演目を稽古しているという設定でお芝居をしていて。それを説明しているのがナビゲーターの赤い制服をきた二人の女優さん。(一人は綾乃ちゃん)。その制服が大正のモダンファッションでとても可愛かったです。
そして、後から入っきてきた観客は舞台を通って「見学」をしていて。いいなあ、私も通りたかった(笑)
お話の中でも、土方が演出をしているときは実際に客席の中央付近の席に座って演技をしていたり。舞台の転換や大道具のセットを役者さん自身がしていたり。なんだかその部分は楽しかった。働いてるなぁ、って。
あと、小山内と土方が連絡を取る場面は携帯のTV電話で話していたり、関東大震災後の混乱を表現する部分ではツイッターのTLが流れていたり。まるで東日本大震災後の現在と同じ状況だよな、なんて考えさせられて混沌を観客にリアルに感じさせるあたりはさすがだなと思いました。
で。川口くんはやっぱり凄い・・・!!基礎が非常にしっかりしていて、その演技から目が離せません。声がまたいいのですよね。清涼な中にもそこはかとなく色気があります。水兵役ということで、日焼けした肌色で精悍な表情。なんだか大人になったなぁ(笑)
綾乃ちゃんも、虚構の劇団の時とは全く違う、動くお人形のような美しい発声で魅了。鴻上尚史さんの演出以外で観るのは初めてだったのでとても新鮮でした。神奈川は遠かったけど、来て良かったなぁと思ったのでした。
(観た日:2011.11.5)