毎日何十時間も費やすコンピューター作業。世界中何億人ものユーザーがありとあらゆる情報をコンピューター上に投稿し、日々数えきらないほどのビジネス・新アイディアの提示・コミュニケーションが行われます。世界は狭くなり技術革命による生活の向上の最たる例です。しかし、その作業のほとんどがキーボードを通して行われ、これら莫大な情報がこの万国共通”タイプする”という単純な動作から行われます。そこに更なるこの近代テクノロジーの向上は見られるでしょうか?マイケル・ルーペニアンさんは、この情報入力活動とキーボードの間にある距離を、キーボードの触感を向上させることにより、更に縮小します。
本来出版作業とは、鉛筆やペンを使い紙上に書いて行うものでした。鉛筆・シャープペン・ペンも、ひとりひとりの手に合った感触を求められるほどその種類は莫大なものがあり、そしてその使用方法にも、書道という芸術があるほど奥の深いものであります。”書く”という動作は私たち人間の思考能力と直結しているといっても過言ではありません。その手と活動の関係を分析すれば、動かし方、力の加減、などに加えて、触感も非常に大切なものであることがわかります。ピアノ、バイオリン、車のハンドル、ゴルフのグリップ、などなどこの手の感触を追求したことによる技の追求・向上の例は歴史が示すとおりです。そう考えると、現代に入り爆発的に進歩を遂げたコンピューターにかけているものが浮き彫りになってきます。今私たちが使っているキーボードは、そのほとんどがプラスチックで手に馴染むものを選ぶとしても、それは形状くらいなものです。そこに目をつけたのが、この触感/タクティル・キーボードです。いい方向性を持っていると思います。
マイケルさんは、なにやら各キーにいろいろな部材を取り付けたりして、数々の実験を行っている模様です。いろいろな触感を試しているのがわかります。フエルトや砂利やファイバーなどなどが各キーに取り付けたりされています。各指ごとに違った素材を使うことを考えたりするのも面白いですね。まあタイプするときは、ほとんどがキーボードを見ないで行うことが多いでしょうから、覚えるのにもいいと思います。
木の木目をそのまま表面に露出したキーボードなどを作成しています。木を手で触るって、感触以上に何かスピリチュアルなものを感じたりすることもあるものです。自然の素材には、人間との相性がよく、そして進化してきた太古からの友である木には遺伝子的にも何か深いリンクがあるのでは。私たちも昔は木の上でモンキーとして生活してきたのですからね。木製のキーボードは以前にも紹介しましたが(自然タッチな道具)、この触感を更に追求したマイケルさんの試みも新たな方向性かと思います。キーボードには、まだまだ発展の余地があるようですね。
参照:coroflot.com
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