半月(短編 小説)
憎らしいくらいに美しい。
私の月はいつも半月。
私の力の源は月。けれど、私の月は半月以上にはならないの。私の力が弱く、月の全てを呼び出せないから。
「エリオス、まだ月を見ているのか?」
「旦那様…」
私の最愛の旦那様。旦那様は魔王。なのに…私のように力の弱い者を妻になされた。
「…せめて、せめて旦那様から見えるくらいの力が欲しいのです…」
「エリオス…俺は力など気にしていない。」
「…私は旦那様の隣に居たいのです。」
「居ればよい。エリオス、俺の名を呼べ。」
私は静かに首を降りました。旦那様の名前を呼ぶなど…
妻が憂えている。力の無さを気にしているようだ。
そんなものは関係ないのに。俺は彼女自身に惚れ込んで妻に娶ったというのに。
「エリオス…」
妻の…エリオスの月は美しく映える。エリオス自身には、半月に映るのだと。
あんなに美しい満月は見たことはないのに。
愛していると…伝えていいのだろうか。
旦那様は優しい。私の月が満月に見えるのだと。
「半月…ッ…」
優しく抱きしめて下さる。
…愛していますと、お伝えしていいのでしょうか…
「エリオス、お前の瞳は、力を拒否しているのではないか?」
「拒否…?だん…」
「名を呼べ。俺の力でお前の瞳を解放してやろう。だから…呼べ。」
旦那様は私を抱きしめて下さいました。…愛していると、言って下さいました。
「…アシュラ様ッ…!」
私の瞳に映った月は、綺麗な満月でした。
アシュラ様の腕に抱かれながら…私は幸せで、優しい時間を…
憎らしい月は…私の結晶になりました…
END
私の月はいつも半月。
私の力の源は月。けれど、私の月は半月以上にはならないの。私の力が弱く、月の全てを呼び出せないから。
「エリオス、まだ月を見ているのか?」
「旦那様…」
私の最愛の旦那様。旦那様は魔王。なのに…私のように力の弱い者を妻になされた。
「…せめて、せめて旦那様から見えるくらいの力が欲しいのです…」
「エリオス…俺は力など気にしていない。」
「…私は旦那様の隣に居たいのです。」
「居ればよい。エリオス、俺の名を呼べ。」
私は静かに首を降りました。旦那様の名前を呼ぶなど…
妻が憂えている。力の無さを気にしているようだ。
そんなものは関係ないのに。俺は彼女自身に惚れ込んで妻に娶ったというのに。
「エリオス…」
妻の…エリオスの月は美しく映える。エリオス自身には、半月に映るのだと。
あんなに美しい満月は見たことはないのに。
愛していると…伝えていいのだろうか。
旦那様は優しい。私の月が満月に見えるのだと。
「半月…ッ…」
優しく抱きしめて下さる。
…愛していますと、お伝えしていいのでしょうか…
「エリオス、お前の瞳は、力を拒否しているのではないか?」
「拒否…?だん…」
「名を呼べ。俺の力でお前の瞳を解放してやろう。だから…呼べ。」
旦那様は私を抱きしめて下さいました。…愛していると、言って下さいました。
「…アシュラ様ッ…!」
私の瞳に映った月は、綺麗な満月でした。
アシュラ様の腕に抱かれながら…私は幸せで、優しい時間を…
憎らしい月は…私の結晶になりました…
END
殺人の想像?(短編小説)
先日、人を殺したのです。
目の前の紳士然とした人はあっさりと言った。
は?と俺は聞き直す。
は、ではなく、人を殺したのですよ。
ついに、ついに、おかしくなってしまったのだろうか。育て方を間違った!?いや、俺、混乱しちゃってるーーーー!?!?!?
落ち着きなさい、貴方に育てられた覚えなんてありませんよ。
だだだだ、だってーー!人を殺したって…!!
ああ、その話。だから殺したのですよ。
えぇー!?
最後まで聞きなさい。殺したのは、小説の中です。
うぇ~驚いた…コレットさん、最初に言って下さいよ。
ああ、失礼。新作の小説を書いていたのです。それで、殺人事件を扱ってみたのですよ。
なるほど…コレットさん、珍しいですね、そういう話を書くなんて。
…幼なじみのノイズが、書いてみたらとうるさいのですよ。
あ~ノイズさん、かぁ。
えぇ、まぁノイズのお陰で新境地を見たのですが。
コレットさんは作家だ。俺は、彼が住んでいるアパートメントの大家。
ノイズさんはコレットさんの幼なじみで、同居してる。
ちなみに…編集者と、作家さんが同居しているという。
アスム、コレット見なかった?
あ、ノイズさん。コレットさんなら部屋に…
あぁ!?部屋…部屋…!!…アスム、鍵よこせ…
(閉め出されたんだ…)…開けて貰って下さい。
…そうだな。おいコレットぉぉぉ…!!
お願い、壊さないで…!!
とにかく、僕の日常はこんな感じに過ぎていきます…
END
目の前の紳士然とした人はあっさりと言った。
は?と俺は聞き直す。
は、ではなく、人を殺したのですよ。
ついに、ついに、おかしくなってしまったのだろうか。育て方を間違った!?いや、俺、混乱しちゃってるーーーー!?!?!?
落ち着きなさい、貴方に育てられた覚えなんてありませんよ。
だだだだ、だってーー!人を殺したって…!!
ああ、その話。だから殺したのですよ。
えぇー!?
最後まで聞きなさい。殺したのは、小説の中です。
うぇ~驚いた…コレットさん、最初に言って下さいよ。
ああ、失礼。新作の小説を書いていたのです。それで、殺人事件を扱ってみたのですよ。
なるほど…コレットさん、珍しいですね、そういう話を書くなんて。
…幼なじみのノイズが、書いてみたらとうるさいのですよ。
あ~ノイズさん、かぁ。
えぇ、まぁノイズのお陰で新境地を見たのですが。
コレットさんは作家だ。俺は、彼が住んでいるアパートメントの大家。
ノイズさんはコレットさんの幼なじみで、同居してる。
ちなみに…編集者と、作家さんが同居しているという。
アスム、コレット見なかった?
あ、ノイズさん。コレットさんなら部屋に…
あぁ!?部屋…部屋…!!…アスム、鍵よこせ…
(閉め出されたんだ…)…開けて貰って下さい。
…そうだな。おいコレットぉぉぉ…!!
お願い、壊さないで…!!
とにかく、僕の日常はこんな感じに過ぎていきます…
END
色鉛筆(短編小説)
一番短くなったのは、やっぱり君の瞳の色。
不思議な緑の目をした君の瞳。希少価値が高すぎて、君は捕われて実験道具にされてしまったね。
遺伝子だけを遺され、君は姿を変えてしまった。冷たい液体の中に、君はバラバラになって入れられてしまったね。
僕はね、君の瞳を取り戻したいんだ。バラバラの体を繋ぎ合わせても、君の心は戻らない。体を離れてしまったから。
僕は変わらずに絵を描いているんだよ。
君の瞳の色を覚えている数少ない者だからね。何色も、何色も重ねたって…君の瞳の色なんて出せやしない。記憶は徐々に褪せて、あやふやになってしまっているんだ。
哀しいがね。
気の触れた者がいました。私たちの研究所に忍び込み、瞳のサンプルを盗もうとしたのです。
実に愚かしい事です。サンプルなんて何万種、何億種と存在するのですから。けれどその者は他の物には目も暮れず、最奥を目指したのです。
私たちの「ガイア」がいる神聖な場所へ。
ガイアの全ては、クローン研究の素。ですが、ガイアはその者を受け入れたのです。
外部を受け入れる事など無かったガイアは、その者を自分の中へと取り込んだのです!
おお、マザーガイアよ!
緑色の色鉛筆は減ったのかい?やっと僕にたどり着いてくれたね…待っていたよ、君を。
僕の体は亡くなってしまったけれど…心は此処にある。この世界の秩序など放棄してしまうよ。
君の絵が見たい。
一色だけ擦り減った色鉛筆と、君の絵と。
END
不思議な緑の目をした君の瞳。希少価値が高すぎて、君は捕われて実験道具にされてしまったね。
遺伝子だけを遺され、君は姿を変えてしまった。冷たい液体の中に、君はバラバラになって入れられてしまったね。
僕はね、君の瞳を取り戻したいんだ。バラバラの体を繋ぎ合わせても、君の心は戻らない。体を離れてしまったから。
僕は変わらずに絵を描いているんだよ。
君の瞳の色を覚えている数少ない者だからね。何色も、何色も重ねたって…君の瞳の色なんて出せやしない。記憶は徐々に褪せて、あやふやになってしまっているんだ。
哀しいがね。
気の触れた者がいました。私たちの研究所に忍び込み、瞳のサンプルを盗もうとしたのです。
実に愚かしい事です。サンプルなんて何万種、何億種と存在するのですから。けれどその者は他の物には目も暮れず、最奥を目指したのです。
私たちの「ガイア」がいる神聖な場所へ。
ガイアの全ては、クローン研究の素。ですが、ガイアはその者を受け入れたのです。
外部を受け入れる事など無かったガイアは、その者を自分の中へと取り込んだのです!
おお、マザーガイアよ!
緑色の色鉛筆は減ったのかい?やっと僕にたどり着いてくれたね…待っていたよ、君を。
僕の体は亡くなってしまったけれど…心は此処にある。この世界の秩序など放棄してしまうよ。
君の絵が見たい。
一色だけ擦り減った色鉛筆と、君の絵と。
END