風の鼓動(短編小説)
たなびく木々。
舞う木葉。
舞い散る雨。
ドウドウと風が唸る。
僕はその音を聞く。
また今夜も眠れそうにない。
僕の心が、魂が、風を呼んでいるからだ。
外は全くの無風。
遠くで犬の鳴く声や、ヒソヒソとした人の気配、車の音が聞こえる程に静まりかえっている。
けれど、僕の中には風が吹き荒れているのだ。
だから僕は眠れない。
たまには風に身を任せ、思うがままに乱れてみても良いかもしれないけれど。
こんなに強い風だと、僕もろとも無くなってしまう気がしてならないのだ。
外界への意識を遮断して、僕は風に意識を集中させた。
嗚呼、またこんな夜がきた。
風に身を任せ、僕はまた、死出の旅に出るのだ。
END
舞う木葉。
舞い散る雨。
ドウドウと風が唸る。
僕はその音を聞く。
また今夜も眠れそうにない。
僕の心が、魂が、風を呼んでいるからだ。
外は全くの無風。
遠くで犬の鳴く声や、ヒソヒソとした人の気配、車の音が聞こえる程に静まりかえっている。
けれど、僕の中には風が吹き荒れているのだ。
だから僕は眠れない。
たまには風に身を任せ、思うがままに乱れてみても良いかもしれないけれど。
こんなに強い風だと、僕もろとも無くなってしまう気がしてならないのだ。
外界への意識を遮断して、僕は風に意識を集中させた。
嗚呼、またこんな夜がきた。
風に身を任せ、僕はまた、死出の旅に出るのだ。
END
曇天の先に(短編小説)
空が一気に黒くなった。
黒い雲が押し寄せて、青空を飲み込んでしまったから。
よくある風景なのに、都会の人たちは大騒ぎする。
「不気味な黒い雲」とか、「異常気象の象徴か!?」だって。
笑っちゃうよな、ホント。
田舎にとっては惠の雨。
晴天で干からびちゃいそうな陽射しの後の雨。
緑の海になった田には、雨が必要なんだ。
しかも、少しだけ暑さが和らぐ気がする。これも結構貴重。
雲が過ぎたら、またすぐに陽は照る。眩しいくらいの青空に、真っ白な雲、緑の広がる田、蝉の声・・・
キャンパスに描かれた画みたいにくっきりとした風景。
俺、夏は嫌いだけど、この瞬間は結構好きかも。
曇天の先イコール眩しい夏。
そんな方式に気付いた、夏の風景。
END
