僕の領域(短編小説)
どうしようもなく、あらがいようもなく、好きな空間ってあるよね?
僕は図書館が好き。
図書館だけじゃなくって、図書室も好き。
あの静かな空気、古書の存在感、古書の匂い、新書のみずみずしさ…何を取っても、あの空気が好き。
また今日も僕は図書館へ。
友達と遊ぶのも好きだよ、不思議な発見もあるし。
だけど…図書館にはなにもかもが詰まってる。夢も…絶望も。
僕は図書館の一番奥にいた。
日の光が一筋だけ差し込む、どこよりも静かな空間。
優しくも、不気味で…そんな本が僕を見ている。
僕もそんな本たちを見ている。
僕の好きな空間。
図書館。
夢も、絶望も…
僕のモノ。
END
僕は図書館が好き。
図書館だけじゃなくって、図書室も好き。
あの静かな空気、古書の存在感、古書の匂い、新書のみずみずしさ…何を取っても、あの空気が好き。
また今日も僕は図書館へ。
友達と遊ぶのも好きだよ、不思議な発見もあるし。
だけど…図書館にはなにもかもが詰まってる。夢も…絶望も。
僕は図書館の一番奥にいた。
日の光が一筋だけ差し込む、どこよりも静かな空間。
優しくも、不気味で…そんな本が僕を見ている。
僕もそんな本たちを見ている。
僕の好きな空間。
図書館。
夢も、絶望も…
僕のモノ。
END
曇天の先に(短編小説)
空が一気に黒くなった。
黒い雲が押し寄せて、青空を飲み込んでしまったから。
よくある風景なのに、都会の人たちは大騒ぎする。
「不気味な黒い雲」とか、「異常気象の象徴か!?」だって。
笑っち ゃうよな、ホント。
田舎にとっては惠の雨。
晴天で干からびちゃいそうな陽射しの後の雨。
緑の海になった田には、雨が必要なんだ。
しかも、少しだけ暑さが和らぐ気がする。これも結構貴重。
雲が過ぎたら、またすぐに陽は照る。眩しいくらいの青空に、真っ白な雲、緑の広がる田、蝉の声……
キャンパスに描かれた画みたいにくっきりとした風景。
俺、夏は嫌いだけど、この瞬間は結構好きかも。
曇天の先イコール眩しい夏。
そんな方式に気付いた、夏の風景。
END
好きなんだって言える、明日(短編小説)
言えない。
先輩は卒業しちゃうのに、どうしても言えない。
先輩との野球がすき、だって。
先輩の野球してる姿がすき、だなんて。
恥ずかしいし、気持ち悪がられたら立ち直れないし。
男の俺に言われても、ねぇ。
夏の大会、甲子園の常連校である俺の学校は、一回戦負けをしてしまった。
嘘だと思いながらも、先輩たちの涙を見てたら、あぁ現実なんだって思った。
俺は一年生でレギュラー貰って、先輩達に特別可愛がって貰って…なのにそれが終わってしまう。
先輩達の夏は終わったんだ。
最近、練習サボり気味らしいな。と先輩が聞いてきた。
だって、先輩達居ないなら練習なんてする気にならないっす、と俺が言うと、先輩は笑った。
俺達との野球は終わったけど、お前自身の野球は終わってないよ、俺達の野球は、ずっとお前らに受け継がれていくんだから。
先輩、先輩はそうやって悲しかったのに笑ったの。
俺、先輩の野球が好きだよ。
泣き始めた俺に、先輩は馬鹿だなぁ、なんで泣くんだよって言って頭を撫でてくれた。その手は少し震えていたけど。
先輩の野球を受け継ぐために、俺はまた野球をしてる。
先輩達の思いを持って、きっと甲子園に行くんだ。
先輩、卒業おめでとうございます!
お~ありがとな。あんまり嬉しくはねぇけどな。
?なんでですか?受験勉強からも開放されて、大学に行って‥楽しい事ばっかりじゃないですか。
…でもさ、お前がいないじゃん。
………え?
お前がいないし、お前と野球できない。後一年だけでも遅く生まれりゃよかったな。
せ、んぱい?
好きだよ、俺。お前とお前の野球。お前は?
お、れ…は。。。俺も、好きです、よ?
なんで疑問系なんだよ。
先輩は笑って、また泣き始めた俺の頭を撫でてくれた。
なんか男同士で好きって…
変なの。
でもいいや。
今度は先輩の手は震えてなかったから。
また明日、と約束をした。
先輩とまた会える。
また明日。
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