読書な日々、日々。 -3ページ目

風の色、魂の色(短編小説)

たなびく木々。
舞う木葉。
舞い散る雨。



ドウドウと風が唸る。
僕はその音を聞く。
また今夜も眠れそうにない。
僕の心が、魂が、風を呼んでいるからだ。


外は全くの無風。
遠くで犬の鳴く声や、ヒソヒソとした人の気配、車の音が聞こえる程に静まりかえっている。

けれど、僕の中には風が吹き荒れているのだ。
だから僕は眠れない。
たまには風に身を任せ、思うがままに乱れてみても良いかもしれないけれど。
こんなに強い風だと、僕もろとも無くなってしまう気がしてならないのだ。



外界への意識を遮断して、僕は風に意識を集中させた。
嗚呼、またこんな夜がきた。






風に身を任せ、僕はまた、死出の旅に出るのだ。




END

死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい

2008/09/24

おかしなトラックだった。
牛や豚を輸送するトラックなのだ、見た目は。
でも、乗っているのは人間。
全員が疲れ果てた顔をし、腕には手錠、そして鎖で繋がれているようだ。
人身売買かと思ったが、あんな堂々とした輸送は無いだろう。


気になったので近寄って聞いてみた。
「あのゥ、あなた方はどうしてトラックになぞ載っているのですか?」
くたびれて座り込んでいた女が濁った目をこちらに向けた。
生気はない。
「あのゥ・・・」
「・・・・・・・・にいさん、早くお逃げよ。」
「はァ?」
ジャラッと鎖を引きずる音がした。
女が動いたのだ。
「早くお逃げ。・・・・・捕まっちまうヨ。」

女の手が、僕を追い払うように動いた。

「捕まる………?アンタ方と同じようにかい?」
気だるげに女が頷いた。
「そうサ。早くお逃げ。」

………分からない。分からないが、逃げよう。








「あァ、にいさんがグズグズしてるからさァ・・・」



後頭部に鈍器が振り下ろされた。
僕は、自分の頭が潰れる音を聞いた―――――――













人間輸送。
増えすぎてどうしようもない人間を…片っ端から捕獲する。
大統領も、政治家も、王ですら関係ない。
殺してもいいのだ。
数さえ減ればいいのだから…



お逃げって言ったじゃあないカ。
折角助けてやろうとしたのにさァ。
ねェ、にいさん。


薄く笑った女の隣に…頭の潰れた屍が、、、、、一体。




END