負けてごめんなさい
ブッシュ再選の余波がまださめやらぬ中、アメリカ軍のファルージャ侵攻が再開された。今現在、アメリカ軍はファルージャにいる「武装勢力」1,000人以上を殺したと、その戦火を大々的に発表しているが、この戦果報告、戦前日本の「大本営発表」によく似ていると思う。アメリカ軍は「民間人に被害はない」ことを強調しているが、市内はかなり破壊されているらしく、民間人にも相当数の被害が出ているのではないかという報道もある。
そんな中「負けてごめんなさい」というタイトルのHPが設置された。このHPは、ブッシュ再選に落胆した反ブッシュ派を中心とした民主党支持者が、世界中に向けて謝罪の意志を示すために設置したものだそうだ。
「ブッシュが、あなたの国を侵攻したらごめんなさい」
「アメリカ国民の49%を代表して世界に謝罪します」
「フロリダの高齢者からもごめんなさい」
このサイトには、敗北を嘆く手書きのメッセージを手に持ち、すまなそうな表情の反ブッシュ派の有権者の写真が投稿されている。すでに投稿数は700を越えた。それに対する全世界中からの反応も日を追って増えているという。「あなたたちのせいじゃない」「これからも一緒に闘おう」というめっせーじがドイツ、フランス、カナダからも寄せられているそうだ。日本からは寄せられないのだろうか。HP管理者は、アメリカにも政府の行動に反対する人々がいることを、世界に知ってもらう必要がある」と話している。
日本にいる反ブッシュ派アメリカ人の嘆きも相当なもので、あるアメリカ人留学生は、「ブッシュに税金を払って我々がもらうものは、爆弾・戦争・石油・汚れた空気・多くの戦死者・各国の敵意」と嘆き、教養のないアメリカのキリスト教徒は「妊娠中絶を拒否すること」「同性愛の結婚を禁止すること」の2点でブッシュに投票したのだ途、彼らの投票行動を糾弾していた。
その留学生の友人が大統領選挙直前に、オハイオ州でケリーの応援演説をした。オハイオ州は失業率が高く、イラクに派遣されている人が多いからだ。オハイオ州の住民の大部分はケリーの意見を指示し、ブッシュの行動を非難していた。それでもブッシュに投票した人間が多かったのは、ケリーが妊娠中絶を認めていたから。その一点に尽きる。ブッシュ陣営が保守的なキリスト教徒の習性を理解して、現実と関係ない<現実>を、希望のない人たちに売ったという寸法だそうだ。自分たちの道徳にこだわるあまり、彼らは取り返しのつかないことをした。これは後世の人々から、厳しく指弾されるだろう。「あなた達は、なんでこんなことをやったのですか」ってね。
この間ブッシュ支持者のBlog(当然日本語。このBlogは、ブッシュ支持の日本人が書いたものだ)を読んだが、この人物は、オハイオ州でケリー陣営が得票数を確認しようとした行動を「『リベラル』を標榜している連中は、いざとなると駄々っ子になるのはどこでも一緒だ」と書いていたが、得票数がおかしいのはオハイオ州だけでなく、どこでも起こっていると言うことをこのBlog作家は知らないようだ。あるいは、知っていても知らんふりをきめこんでいるのか。ケリーは駄々っ子なのではなく「おかしいものはおかしい」といっているだけなのだが。
そんな中「負けてごめんなさい」というタイトルのHPが設置された。このHPは、ブッシュ再選に落胆した反ブッシュ派を中心とした民主党支持者が、世界中に向けて謝罪の意志を示すために設置したものだそうだ。
「ブッシュが、あなたの国を侵攻したらごめんなさい」
「アメリカ国民の49%を代表して世界に謝罪します」
「フロリダの高齢者からもごめんなさい」
このサイトには、敗北を嘆く手書きのメッセージを手に持ち、すまなそうな表情の反ブッシュ派の有権者の写真が投稿されている。すでに投稿数は700を越えた。それに対する全世界中からの反応も日を追って増えているという。「あなたたちのせいじゃない」「これからも一緒に闘おう」というめっせーじがドイツ、フランス、カナダからも寄せられているそうだ。日本からは寄せられないのだろうか。HP管理者は、アメリカにも政府の行動に反対する人々がいることを、世界に知ってもらう必要がある」と話している。
日本にいる反ブッシュ派アメリカ人の嘆きも相当なもので、あるアメリカ人留学生は、「ブッシュに税金を払って我々がもらうものは、爆弾・戦争・石油・汚れた空気・多くの戦死者・各国の敵意」と嘆き、教養のないアメリカのキリスト教徒は「妊娠中絶を拒否すること」「同性愛の結婚を禁止すること」の2点でブッシュに投票したのだ途、彼らの投票行動を糾弾していた。
その留学生の友人が大統領選挙直前に、オハイオ州でケリーの応援演説をした。オハイオ州は失業率が高く、イラクに派遣されている人が多いからだ。オハイオ州の住民の大部分はケリーの意見を指示し、ブッシュの行動を非難していた。それでもブッシュに投票した人間が多かったのは、ケリーが妊娠中絶を認めていたから。その一点に尽きる。ブッシュ陣営が保守的なキリスト教徒の習性を理解して、現実と関係ない<現実>を、希望のない人たちに売ったという寸法だそうだ。自分たちの道徳にこだわるあまり、彼らは取り返しのつかないことをした。これは後世の人々から、厳しく指弾されるだろう。「あなた達は、なんでこんなことをやったのですか」ってね。
この間ブッシュ支持者のBlog(当然日本語。このBlogは、ブッシュ支持の日本人が書いたものだ)を読んだが、この人物は、オハイオ州でケリー陣営が得票数を確認しようとした行動を「『リベラル』を標榜している連中は、いざとなると駄々っ子になるのはどこでも一緒だ」と書いていたが、得票数がおかしいのはオハイオ州だけでなく、どこでも起こっていると言うことをこのBlog作家は知らないようだ。あるいは、知っていても知らんふりをきめこんでいるのか。ケリーは駄々っ子なのではなく「おかしいものはおかしい」といっているだけなのだが。
カウボーイの暴走が止まらない
ワシントン在住の「カウボーイ」野郎の暴走が止まらない。大統領に再選されて「イラク政策の正しさが証明された」と思ったのか、選挙が終わると同時にアメリカ軍はファルージャでの戦闘を再開した。この戦闘には、10,000~15,000人のアメリカ軍が加わっているという。イラクの武装勢力側は、約3,000人と見られている。ラムズフェルド国防長官は「イラクを自由で平和な社会にするためには、テロリストやフセイン政権の残党の支配地域を残すことはありえない」と述べ、来年1月に予定される国民議会選挙に向けた作戦であることを強調し、「ファルージャで成功すれば、イラク国内のテロリストに打撃となる」と述べ、この戦闘がイラクの治安全体に影響する見方を提示した。
戦闘は現地時間の夜間に始まり、住民は「米軍はここを焼きつくそうとしている」と述べ、この戦闘に対する恐怖心を露わにした。懸念されている民間人の被害について、ラムズフェルド国防長官は「民間人犠牲者については、米軍が市街戦に備えて十分な訓練を受けていることや、精密誘導兵器を使うことで最少に抑えられる」と述べたが、現在ファルージャ市内にいる民間人の数は「わからない」と明確な返答を避けた。アラブ諸国の反発を買った、今年4月の攻撃での民間人に対する彼我は避けたいという思惑は見て取れたらしいが、これはあくまでも記者の主観であり、彼のホンネは別のところにあるだろう。別の会見では「戦いは次世代にわたるだろう」と答え、そう簡単に解決しないことをほのめかしているからだ。
小泉「ポチ以下」総理は今回のファルージャ攻撃について記者団の質問に「成功させなきゃいけない。治安改善がイラク復興のかぎですから。テロリストグループが混乱させようと動いてますからね」と答え、この攻撃に対する支持を表明した。細田官房長官は、定例会見で「基本的に米政府の考えをこれまでも支持してきている」と答えたものの、攻撃の賛否については明言を避けた。反戦勢力はアメリカ大使館前に集結し、ファルージャ攻撃に抗議する集会を開いているし、ネット上では反戦活動の情報が活発に流れている。
ブッシュを当選させたことに、アメリカ国内に悔悟の念が広がっているという。ブッシュ当選の一報が入って以来、アメリカ国内のリベラル派はカナダへの移民を切に希望しているという。その数、11万あまり。さらに「9・11」の現場になった「グラウンド・ゼロ」では、アメリカの将来を悲観した技師が、散弾銃で自殺した。だが、これらのニュースはNYやワシントンの東海岸、ロサンジェルスなどの西海岸、ボストンなどの文教地区では報道されても、ブッシュ再選の原動力になった中西部や南部の住民には報道されないだろう。彼らは海外どころか、州の外にも出たことがないという人間が大半なのだから。アメリカのホンネは海岸部ではなく、中西部や南部にあると指摘した評論家がいたが、これは本当だと思う。
戦闘は現地時間の夜間に始まり、住民は「米軍はここを焼きつくそうとしている」と述べ、この戦闘に対する恐怖心を露わにした。懸念されている民間人の被害について、ラムズフェルド国防長官は「民間人犠牲者については、米軍が市街戦に備えて十分な訓練を受けていることや、精密誘導兵器を使うことで最少に抑えられる」と述べたが、現在ファルージャ市内にいる民間人の数は「わからない」と明確な返答を避けた。アラブ諸国の反発を買った、今年4月の攻撃での民間人に対する彼我は避けたいという思惑は見て取れたらしいが、これはあくまでも記者の主観であり、彼のホンネは別のところにあるだろう。別の会見では「戦いは次世代にわたるだろう」と答え、そう簡単に解決しないことをほのめかしているからだ。
小泉「ポチ以下」総理は今回のファルージャ攻撃について記者団の質問に「成功させなきゃいけない。治安改善がイラク復興のかぎですから。テロリストグループが混乱させようと動いてますからね」と答え、この攻撃に対する支持を表明した。細田官房長官は、定例会見で「基本的に米政府の考えをこれまでも支持してきている」と答えたものの、攻撃の賛否については明言を避けた。反戦勢力はアメリカ大使館前に集結し、ファルージャ攻撃に抗議する集会を開いているし、ネット上では反戦活動の情報が活発に流れている。
ブッシュを当選させたことに、アメリカ国内に悔悟の念が広がっているという。ブッシュ当選の一報が入って以来、アメリカ国内のリベラル派はカナダへの移民を切に希望しているという。その数、11万あまり。さらに「9・11」の現場になった「グラウンド・ゼロ」では、アメリカの将来を悲観した技師が、散弾銃で自殺した。だが、これらのニュースはNYやワシントンの東海岸、ロサンジェルスなどの西海岸、ボストンなどの文教地区では報道されても、ブッシュ再選の原動力になった中西部や南部の住民には報道されないだろう。彼らは海外どころか、州の外にも出たことがないという人間が大半なのだから。アメリカのホンネは海岸部ではなく、中西部や南部にあると指摘した評論家がいたが、これは本当だと思う。
アメリカ大統領選挙・裏話
今日、知人の記者が主宰するトークショーに参加し、いろいろ有益な情報をもらってきた。今回のアメリカ大統領選挙がテーマだったのだが、場所を変えて開催された飲み会でも有益な意見が出てきたので、とりあえずご紹介する。
その記者に言わせれば、ケリーが負けたのは作戦ミスが重なったからだそうだ。まず選挙参謀。彼が参謀に指名した人間は、過去7回の大統領選挙に出て、全て負けたという人間。それに対しブッシュ陣営の選挙参謀は、無名だったブッシュをテキサス州知事にさせる立役者になった辣腕参謀。この選挙参謀はCMとネガティブキャンペーンを巧みに使い、ブッシュ陣営を勝利に導いた。それに対し、ケリー陣営はネガティブキャンペーンに対し、何ら有益な対抗措置をとれなかった。
今の大統領選挙では、莫大な資金を使った方が勝ちというのが今のシステムになっている。ブッシュもケリーも、今回の選挙で莫大な借金を抱えたらしい。ブッシュは石油で莫大な財を築き、ケリーの奥さんは世界有数のケチャップメーカー、ハインツ一族の未亡人だ。それだけの大金持ちでも、かなりの借金をする今の選挙制度ってなんだろうと思う。そのため、選挙では貧乏人向けの公約を掲げていても、実際には財閥など大金持ちの利害関係優先になってしまうため、今回の選挙ではケリーが勝っても、ブッシュが勝っても似たようなことになったのではないかという意見が出た。
前副大統領のゴアが出馬しなかったのは、前回の選挙で一生かかっても返せないほどの借財を抱えたからだ、といわれている。選挙資金だけでメチャクチャかかったのに、裁判費用関連の出費が予想以上だったため、選挙に出たくても出られる状態ではなかったのだそうだ。前大統領のクリントンも相当な借財を抱えているらしい。回顧録を書いたのはそのせいだ。彼クラスになれば、出版契約金だけで相当なものになるが、印税と契約金をもらっても返済にはほど遠いほどの借財って、どのくらいなのだろう。そういえばヒラリーも回顧録を書いたな。ちなみに大統領の年俸は5,000万円で、やめてからも3,000万円の年金がもらえる。クリントンは働き者で、毎日深夜1時、2時まで働いたそうだ。 ブッシュは朝8時に執務室にはいるが、その後はチンタラチンタラといった感じなんだとか。クリントンの夏休みは20日にも満たなかったが、ブッシュのそれは3ヶ月に近い。もっとも、それ以上に休みを取った大統領がいる。父ブッシュがそれで、彼は4ヶ月近く休暇を取ったとか。
ブッシュ政権はどこにいくのか?イヤな意味での「サプライズ人事」になるのは間違いない。政権内で唯一の穏健派だったパウエルの交代は既定路線になりつつある。本人がやめたがっているからだが、あんなバカと仕事なんかやっていられるかというのがホンネだろう。そうなると、政権内でブレーキをかける人間がいない。ブッシュを陰で捜査しているのは、副大統領のチェニーである。実務家としても、ブッシュより数段上だ。なにしろブッシュはチェニー(とゼネコン)の振付どおりにしか動かないと揶揄されているくらいだからね。ライスはイエスマン。そうなると、ゼネコン一派のやりたい放題はますますひどくなるだろう。考えるだけ恐ろしい。フランスのマスコミは今回の当選劇を「二日酔いのようだ」とボロクソに貶していた。これからの4年間、いったいどうなるのかと思うと空恐ろしい。飲み会では、いっそのことブッシュには、好き放題休暇を取って欲しいという意見が出た。世界平和のためには、ブッシュには好き放題休暇を取ってもらおう……。
その記者に言わせれば、ケリーが負けたのは作戦ミスが重なったからだそうだ。まず選挙参謀。彼が参謀に指名した人間は、過去7回の大統領選挙に出て、全て負けたという人間。それに対しブッシュ陣営の選挙参謀は、無名だったブッシュをテキサス州知事にさせる立役者になった辣腕参謀。この選挙参謀はCMとネガティブキャンペーンを巧みに使い、ブッシュ陣営を勝利に導いた。それに対し、ケリー陣営はネガティブキャンペーンに対し、何ら有益な対抗措置をとれなかった。
今の大統領選挙では、莫大な資金を使った方が勝ちというのが今のシステムになっている。ブッシュもケリーも、今回の選挙で莫大な借金を抱えたらしい。ブッシュは石油で莫大な財を築き、ケリーの奥さんは世界有数のケチャップメーカー、ハインツ一族の未亡人だ。それだけの大金持ちでも、かなりの借金をする今の選挙制度ってなんだろうと思う。そのため、選挙では貧乏人向けの公約を掲げていても、実際には財閥など大金持ちの利害関係優先になってしまうため、今回の選挙ではケリーが勝っても、ブッシュが勝っても似たようなことになったのではないかという意見が出た。
前副大統領のゴアが出馬しなかったのは、前回の選挙で一生かかっても返せないほどの借財を抱えたからだ、といわれている。選挙資金だけでメチャクチャかかったのに、裁判費用関連の出費が予想以上だったため、選挙に出たくても出られる状態ではなかったのだそうだ。前大統領のクリントンも相当な借財を抱えているらしい。回顧録を書いたのはそのせいだ。彼クラスになれば、出版契約金だけで相当なものになるが、印税と契約金をもらっても返済にはほど遠いほどの借財って、どのくらいなのだろう。そういえばヒラリーも回顧録を書いたな。ちなみに大統領の年俸は5,000万円で、やめてからも3,000万円の年金がもらえる。クリントンは働き者で、毎日深夜1時、2時まで働いたそうだ。 ブッシュは朝8時に執務室にはいるが、その後はチンタラチンタラといった感じなんだとか。クリントンの夏休みは20日にも満たなかったが、ブッシュのそれは3ヶ月に近い。もっとも、それ以上に休みを取った大統領がいる。父ブッシュがそれで、彼は4ヶ月近く休暇を取ったとか。
ブッシュ政権はどこにいくのか?イヤな意味での「サプライズ人事」になるのは間違いない。政権内で唯一の穏健派だったパウエルの交代は既定路線になりつつある。本人がやめたがっているからだが、あんなバカと仕事なんかやっていられるかというのがホンネだろう。そうなると、政権内でブレーキをかける人間がいない。ブッシュを陰で捜査しているのは、副大統領のチェニーである。実務家としても、ブッシュより数段上だ。なにしろブッシュはチェニー(とゼネコン)の振付どおりにしか動かないと揶揄されているくらいだからね。ライスはイエスマン。そうなると、ゼネコン一派のやりたい放題はますますひどくなるだろう。考えるだけ恐ろしい。フランスのマスコミは今回の当選劇を「二日酔いのようだ」とボロクソに貶していた。これからの4年間、いったいどうなるのかと思うと空恐ろしい。飲み会では、いっそのことブッシュには、好き放題休暇を取って欲しいという意見が出た。世界平和のためには、ブッシュには好き放題休暇を取ってもらおう……。
リベラリズムの残り火
新潟中越地震で苦しむ被災者を、天皇・皇后両陛下が訪問して励ました。この訪問は両陛下の意思に基づかれているのか、政府・宮内庁の指示によるものかはわからない。しかし前者だったら、被災者はうれしがるだろうと勝手に思っている。少なくても、ヘタな政治家が被災地にやってくるよりはありがたいだろう。私は別に皇室賛美論者ではないが、彼らみたいな階層のお歴々がこうやって一般庶民を励ますのはいいことだと思っている。 彼ら皇族だって人間だ。それ以上に、彼らはいきたいところにいけないし、絶えずお付きの者がつきまとうなど、日常生活においても窮屈な思いをしている。昨今騒がせている、雅子皇太子妃の問題も、彼女の行動を宮内庁があれこれ制限しているのがそもそもの発端だ。双方とも現段階ではおとなしくしているが、いずれまた問題が勃発するだろう。
テレビでほほえましい光景を見た。皇后が被災者に話しかけている時、幼子が皇后の背中をポンポンと叩いたのである。皇后はそれを見て、にっこりと微笑んだ。これが戦前だったら、大変な大騒ぎになっていただろう。幼子の両親は「不敬罪」の咎で罰せられ、主張は弾劾・罷免されるだろう。時代は変わったものだが、現天皇のモットーにあからさまに異を唱える勢力は、必死になって復古政策を推し進めている。そのいい例が、東京都教育委員会によって推し進められている入学式・卒業式における「日の丸・君が代」に忠誠を誓わせる政策である。これに異を唱える教師は片っ端から研修を受けさせられ、研修の違法性を訴える教師は裁判に訴えている。
しかし、彼らは大いなる誤解をしている。なぜなら今の天皇は、幼少時に家庭教師によってリベラリズムをたたき込まれた人間である。そのため、保守反動派の鎌倉節・元警視庁警視総監が宮内庁長官だった時代、現天皇はことあるごとに鎌倉と対立を繰り返したという。「君が代・日の丸」強制政策を推し進めているのは、東京都教育委員会の教育委員を務めている米長邦雄棋士である。彼は最近開かれた園遊会に出席し、天皇に「日本中の学校で国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが仕事です」と得意げに話したところ、天皇は「やはり、強制でないことが望ましいですね」と答えたのが話題になった。面目を失った格好の米長はうろたえた表情で「それはもちろんでございます」と答えるのが精一杯。政府もこの天皇の発言を矮小化しようと動き回った。今の憲法において、天皇は国民の象徴であり、政治的発言は禁忌である。しかし天皇が園遊会においてこのような発言をする背景には、若かりし頃に受けたリベラリズムの影響があるのかもしれない。
かつての自民党には、保守リベラリズムを代表する政治家が沢山いた。石橋湛山、三木武夫、河野兼三、田川誠一、宇都宮徳馬、鯨岡兵輔。だが今の自民党に、保守リベラリズムの薫りがする政治家は河野洋平だけになってしまった。その河野だって、自民党内では「一丁上がり」扱い。ずいぶん舐められたものである。
先の大統領選挙でも、アメリカ国内リベラリズム退潮を止めることはできなかった。真の意味でリベラリズムの香りを漂わせているのが、政治的な発言を憲法で禁止されている天皇だけとは、情けない限りである。
テレビでほほえましい光景を見た。皇后が被災者に話しかけている時、幼子が皇后の背中をポンポンと叩いたのである。皇后はそれを見て、にっこりと微笑んだ。これが戦前だったら、大変な大騒ぎになっていただろう。幼子の両親は「不敬罪」の咎で罰せられ、主張は弾劾・罷免されるだろう。時代は変わったものだが、現天皇のモットーにあからさまに異を唱える勢力は、必死になって復古政策を推し進めている。そのいい例が、東京都教育委員会によって推し進められている入学式・卒業式における「日の丸・君が代」に忠誠を誓わせる政策である。これに異を唱える教師は片っ端から研修を受けさせられ、研修の違法性を訴える教師は裁判に訴えている。
しかし、彼らは大いなる誤解をしている。なぜなら今の天皇は、幼少時に家庭教師によってリベラリズムをたたき込まれた人間である。そのため、保守反動派の鎌倉節・元警視庁警視総監が宮内庁長官だった時代、現天皇はことあるごとに鎌倉と対立を繰り返したという。「君が代・日の丸」強制政策を推し進めているのは、東京都教育委員会の教育委員を務めている米長邦雄棋士である。彼は最近開かれた園遊会に出席し、天皇に「日本中の学校で国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが仕事です」と得意げに話したところ、天皇は「やはり、強制でないことが望ましいですね」と答えたのが話題になった。面目を失った格好の米長はうろたえた表情で「それはもちろんでございます」と答えるのが精一杯。政府もこの天皇の発言を矮小化しようと動き回った。今の憲法において、天皇は国民の象徴であり、政治的発言は禁忌である。しかし天皇が園遊会においてこのような発言をする背景には、若かりし頃に受けたリベラリズムの影響があるのかもしれない。
かつての自民党には、保守リベラリズムを代表する政治家が沢山いた。石橋湛山、三木武夫、河野兼三、田川誠一、宇都宮徳馬、鯨岡兵輔。だが今の自民党に、保守リベラリズムの薫りがする政治家は河野洋平だけになってしまった。その河野だって、自民党内では「一丁上がり」扱い。ずいぶん舐められたものである。
先の大統領選挙でも、アメリカ国内リベラリズム退潮を止めることはできなかった。真の意味でリベラリズムの香りを漂わせているのが、政治的な発言を憲法で禁止されている天皇だけとは、情けない限りである。
神様がくれた残酷なプレゼント
それにしても、神様は全世界中の平和を求める市民に、ブッシュ再選という残酷なプレゼントを与えてくれた。悪い冗談とはこのことだ。夢なら醒めて欲しいと思うのだが、いい夢はすぐに醒めて、あっという間に通り過ぎていくのに、悪夢はいつまでも我々にまとわりつく。ブッシュという悪魔は、どこまでも我々市民勢力に抗うつもりのようだ。
今のアメリカは、ブッシュというペテン師に率いられるカルト国家である。彼の支持者は、キリスト教右派の宗教勢力。厄介なことに、彼らのほとんどは国際情勢にこれっぽちも関心がない。彼らが感心があるのは、中絶反対、同性愛反対、宗教道徳を学校で学ばせるというのが最大の関心事。異文化理解とか、他者に対する寛容という概念を、彼らは持ち合わせず、地球を救うのは我々だ、我々が信奉していうる宗教以外は邪教だ、異教徒は滅びよというのが考えに凝り固まっていて、将来地球上で天変地異があった時、助かるのは「ノアの方舟」に乗った我々だけだと信じているからタチが悪い。その思いこみの激しさは、自分たちが一番優秀な民族だと信じて疑わないユダヤ人ですら「彼らの考えにはとてもついて行けない。恐ろしい連中だ」といっているほどだ。アメリカ経済を牛耳るユダヤ社会の中にも、パレスチナ情勢や今の世界情勢に危機感を覚える人間は沢山いる。だが残念なことに、彼らの生の声を伝えてくれる良識派のマスコミは、アメリカには存在しない。ノーム・チョムスキーは新著の中で「今のマスコミは広告代理店産業の支配下におかれている」と嘆いているとおり、資本者にとって都合の悪いことは一切取り上げられない。チョムスキーでなくても、今のマスコミはとことん腐っている。今や役に立つ情報は、インターネットが頼りである。
カルト国家はアメリカだけではない。日本だって、小泉が唱える「構造改革」が全くのペテンであるということは、この3年間で全て明らかになったのに、これだけ国民生活を痛めつけられているのに、まだ「小泉が何とかしてくれるだろう」と思っている人間が多い。日本は昔から「お上のいうことが絶対」という思考をする人間が多いが、ここ数年は文部科学省の教育政策の影響か、自分で物事を考えなかったり、上っ面でしか物事を考えない人間がいかに多い。北朝鮮もこの期に及んで「将軍様マンセー」である。もっとも日本・アメリカと北朝鮮ではおかれている条件は違うが、やっていることはいっしょである。我々はとんでもない時代に、とんでもない指導者を持ってしまった。
今のアメリカは、ブッシュというペテン師に率いられるカルト国家である。彼の支持者は、キリスト教右派の宗教勢力。厄介なことに、彼らのほとんどは国際情勢にこれっぽちも関心がない。彼らが感心があるのは、中絶反対、同性愛反対、宗教道徳を学校で学ばせるというのが最大の関心事。異文化理解とか、他者に対する寛容という概念を、彼らは持ち合わせず、地球を救うのは我々だ、我々が信奉していうる宗教以外は邪教だ、異教徒は滅びよというのが考えに凝り固まっていて、将来地球上で天変地異があった時、助かるのは「ノアの方舟」に乗った我々だけだと信じているからタチが悪い。その思いこみの激しさは、自分たちが一番優秀な民族だと信じて疑わないユダヤ人ですら「彼らの考えにはとてもついて行けない。恐ろしい連中だ」といっているほどだ。アメリカ経済を牛耳るユダヤ社会の中にも、パレスチナ情勢や今の世界情勢に危機感を覚える人間は沢山いる。だが残念なことに、彼らの生の声を伝えてくれる良識派のマスコミは、アメリカには存在しない。ノーム・チョムスキーは新著の中で「今のマスコミは広告代理店産業の支配下におかれている」と嘆いているとおり、資本者にとって都合の悪いことは一切取り上げられない。チョムスキーでなくても、今のマスコミはとことん腐っている。今や役に立つ情報は、インターネットが頼りである。
カルト国家はアメリカだけではない。日本だって、小泉が唱える「構造改革」が全くのペテンであるということは、この3年間で全て明らかになったのに、これだけ国民生活を痛めつけられているのに、まだ「小泉が何とかしてくれるだろう」と思っている人間が多い。日本は昔から「お上のいうことが絶対」という思考をする人間が多いが、ここ数年は文部科学省の教育政策の影響か、自分で物事を考えなかったり、上っ面でしか物事を考えない人間がいかに多い。北朝鮮もこの期に及んで「将軍様マンセー」である。もっとも日本・アメリカと北朝鮮ではおかれている条件は違うが、やっていることはいっしょである。我々はとんでもない時代に、とんでもない指導者を持ってしまった。
そして悪夢は続く……(後半)
(前編からの続き)
だがブッシュ再選を果たしたのはそれだけではない。先ほども書いたとおり、ブッシュが勝った内陸部の住民は酪農・農業従事者が多いが、彼らのほとんどは国際情勢にはこれっぽちも関心がなく、根拠もなく「アメリカが一番だ」「アメリカが世界を引っ張るのは当然」という独善的考えの人が大多数に昇る地域。有り体に言えば「世間知らずの田舎者」である。こんな連中がブッシュを支持し、アメリカの世界戦略を決めるのかと思うと恐ろしいといったのは、日本在住のアメリカ人ジャーナリストである。内陸部は「宗教右派」と呼ばれるキリスト教右派の連中の牙城でもあるが、ブッシュは彼ら向けの政策として中絶反対、同性同士の結婚反対などの政策を打ち出し、彼らの支持を固めることに成功した。だから今のアメリカは、カルト集団が乗っ取った政府であると言っても過言ではない。世界市民にとって、史上最凶の恐ろしい政府が今ここに誕生した。
安全保障面もマイナスだ。今の日米安保条約は「日本と極東の防衛」に限定しているが、ゆくゆくは中東・アフリカまで範囲に入れようというのがブッシュの計画である。自分たちを棚に上げて、北朝鮮のことをこれからも「ならず者」と挑発するだろうから、北朝鮮も対抗手段をとるのは明か。イラクで活動する「テロリスト」にとっては、ブッシュ再選は「してやったり」である。ケリーはイラク情勢について「従来の単独行動主義を転換して、国際社会と協調して民主的にイラクを統治する」ことを公約していたから、彼らにとって何とかの一つみたいに「テロ撲滅」しかいわないブッシュはかえって好都合。サマワ近郊に駐在している自衛隊も、いつまで無事でいられるかわからない。兵器の習熟度では、テロリストにかなわないからだ。
経済もどうなるかわからない。日本財界は「世界経済の持続的発展的成長の実現を」なんてノーテンキなコメントを出しているが、日本車が全米市場で攻勢をかければ自動車摩擦問題が巻き起こるし、原油価格だって上昇する。360兆円の郵貯マネーを狙って、アメリカの保険会社参入を認めろと強硬にプッシュして来るのは確実だ。
アメリカ経済も問題を抱えている。イラクにカネをぶち込みすぎたために、財政・貿易という「双子の赤字」はふくらむ一方。それを防ぐには歳出削減、減税打ち切り、ドル切り下げをしてくるだろうが、ドル切り下げは円高を意味し、日本の輸出業者が四苦八苦するのが目に見えている。ブッシュは経済音痴だから、選挙が終わったら「経済はどうでもいい」のがホンネ。日米経済には上がり目がないという専門家もいるほどだ。
「戦争屋ブッシュ」のおかげで、世界中がテロと戦争の不安でヘトヘト。4年間ずっとストレスがたまっているのに、向こう4年間もその不安が続くのかと思うとやりきれない。ヨーロッパの世論の7割は「ブッシュNO!」だし、アメリカ以外の人間が投票したら、間違いなくブッシュは完敗だ。ところが彼はキリスト教右派やゼネコンなどが指示したおかげで、彼は生き残ってしまった。ブッシュの支持者は国際常識が通じない、罪深い人間というのは知識層のホンネ。彼ら知識層・心ある市民は今回の大統領選の結果に呆れ、失望を通り越して怒りすら感じる。これから先、世界はどうなるのかと思うとゾッとする。いっそのこと、こんな大統領は土去年の勢力の手によって暗殺されてくれないかな、とマジに祈っている自分がいる。3年前の「アフガン報復爆撃」の最中、私はあるMLに「アメリカは原発の2、3個くらい落とさないと目が覚めない」と書いたが、今となっては2、3個どころか、2~30発落としてもわからないのではないかと本気で考えている自分がここにいる。
罵っても罵ってもまだ罵り足りない、なんとも後味の悪い今回の大統領選だった……。
だがブッシュ再選を果たしたのはそれだけではない。先ほども書いたとおり、ブッシュが勝った内陸部の住民は酪農・農業従事者が多いが、彼らのほとんどは国際情勢にはこれっぽちも関心がなく、根拠もなく「アメリカが一番だ」「アメリカが世界を引っ張るのは当然」という独善的考えの人が大多数に昇る地域。有り体に言えば「世間知らずの田舎者」である。こんな連中がブッシュを支持し、アメリカの世界戦略を決めるのかと思うと恐ろしいといったのは、日本在住のアメリカ人ジャーナリストである。内陸部は「宗教右派」と呼ばれるキリスト教右派の連中の牙城でもあるが、ブッシュは彼ら向けの政策として中絶反対、同性同士の結婚反対などの政策を打ち出し、彼らの支持を固めることに成功した。だから今のアメリカは、カルト集団が乗っ取った政府であると言っても過言ではない。世界市民にとって、史上最凶の恐ろしい政府が今ここに誕生した。
安全保障面もマイナスだ。今の日米安保条約は「日本と極東の防衛」に限定しているが、ゆくゆくは中東・アフリカまで範囲に入れようというのがブッシュの計画である。自分たちを棚に上げて、北朝鮮のことをこれからも「ならず者」と挑発するだろうから、北朝鮮も対抗手段をとるのは明か。イラクで活動する「テロリスト」にとっては、ブッシュ再選は「してやったり」である。ケリーはイラク情勢について「従来の単独行動主義を転換して、国際社会と協調して民主的にイラクを統治する」ことを公約していたから、彼らにとって何とかの一つみたいに「テロ撲滅」しかいわないブッシュはかえって好都合。サマワ近郊に駐在している自衛隊も、いつまで無事でいられるかわからない。兵器の習熟度では、テロリストにかなわないからだ。
経済もどうなるかわからない。日本財界は「世界経済の持続的発展的成長の実現を」なんてノーテンキなコメントを出しているが、日本車が全米市場で攻勢をかければ自動車摩擦問題が巻き起こるし、原油価格だって上昇する。360兆円の郵貯マネーを狙って、アメリカの保険会社参入を認めろと強硬にプッシュして来るのは確実だ。
アメリカ経済も問題を抱えている。イラクにカネをぶち込みすぎたために、財政・貿易という「双子の赤字」はふくらむ一方。それを防ぐには歳出削減、減税打ち切り、ドル切り下げをしてくるだろうが、ドル切り下げは円高を意味し、日本の輸出業者が四苦八苦するのが目に見えている。ブッシュは経済音痴だから、選挙が終わったら「経済はどうでもいい」のがホンネ。日米経済には上がり目がないという専門家もいるほどだ。
「戦争屋ブッシュ」のおかげで、世界中がテロと戦争の不安でヘトヘト。4年間ずっとストレスがたまっているのに、向こう4年間もその不安が続くのかと思うとやりきれない。ヨーロッパの世論の7割は「ブッシュNO!」だし、アメリカ以外の人間が投票したら、間違いなくブッシュは完敗だ。ところが彼はキリスト教右派やゼネコンなどが指示したおかげで、彼は生き残ってしまった。ブッシュの支持者は国際常識が通じない、罪深い人間というのは知識層のホンネ。彼ら知識層・心ある市民は今回の大統領選の結果に呆れ、失望を通り越して怒りすら感じる。これから先、世界はどうなるのかと思うとゾッとする。いっそのこと、こんな大統領は土去年の勢力の手によって暗殺されてくれないかな、とマジに祈っている自分がいる。3年前の「アフガン報復爆撃」の最中、私はあるMLに「アメリカは原発の2、3個くらい落とさないと目が覚めない」と書いたが、今となっては2、3個どころか、2~30発落としてもわからないのではないかと本気で考えている自分がここにいる。
罵っても罵ってもまだ罵り足りない、なんとも後味の悪い今回の大統領選だった……。
そして悪夢は続く……(前編)
アメリカ大統領選挙が終わった。
ブッシュの「一国唯我独尊」路線を継続するのか、はたまたケリーが「国際協調路線」に舵を戻すのか、全世界中が固唾をのんで見守っていたのだが……
ブッシュ大統領 29州 選挙人274人 約5,911万票
(得票率51%)
ケリー候補 19州と首都ワシントン 選挙人252人 約5,555万票
(得票率48%)
ご覧の通り、ブッシュがケリーに約360万票の差をつけて再選を果たした。世界中の反戦派にとっては、非常に残念な結果になってしまった。そして、今回の選挙ではアメリカの国論は完全に亀裂が入った。これほど真っ二つに割れた選挙はなかっただろうし、ヘタをすれば2度と埋まらないだろう。ブッシュが獲得した州はユタ、ネバダ、ルイジアナ、テキサス、魅しピッピーなど内陸部なのに対し、ケリーが獲得したのはカルフォルニア、オレゴン、ワシントン、ワシントン特別州、ニューヨーク、マサチューセッツなど海岸部、インテリが多く集まるところに集中していた。海岸部は海外の情報が比較的入りやすく、アメリカが海外でどう見られているか理解しやすいのに対し、内陸部の住民は外国のことにはほとんどといっていいほど関心を示さない。彼らにとっての「世界」とは、国内のことが全てである。この地域の住民を「世界一の田舎者」とすら蔑んだ夕刊紙もあったくらいである。
過去半世紀で現職大統領が落選したケースは3回しかない。アメリカの主要メディアはこぞって「反ブッシュ」に回り、ネット上では「ケリーに投票しよう」という運動が活発に行われていた。3回開かれた討論会では、ブッシュは満足に受け答えできなかったばかりか、背中に受信機をつけて登壇していたのではないかという「疑惑」まで出てきた。それでもブッシュは勝ち、ケリーは負けた。
いくつかの出来事が、ブッシュの勝因としてあげられている。その一つが、「ビンラディン」のビデオが世界中で放映されたこと。「ビンラディン」はそのビデオの中で、3年前の9・11は自分たちの仕業であると告白したが、このビデオに出てくる「ビンラディン」自体が非常に怪しい。フランスのマスコミは「音声解析機関に解析してもらった結果、このビデオに出てくる人物は、95%の確率で『ビンラディンのニセモノ』だ」と断じていた。仮に本物だとしても、この時期に出されるのは意図的なものと思われてもしょうがない。そうして「テロの恐怖」を煽り、ブッシュ得票率にこぎ着けたのだろう。あまりに露骨なやり方である。
ブッシュは選挙に勝つためには、それこそありとあらゆることを使ってきた。2年前に電子投票システムを導入したが、そのシステムを導入した業者はブッシュの支援者だったとか、そのシステムにはブッシュのスイッチを押せば1回で3票はいるように細工し、反対にケリーのスイッチには3回で1票にするようにセットしたとか、激戦区の選挙管理人と司法長官に共和党支持者を起用したり、電話を使っての詐偽投票、サブリミナル効果満点のコマーシャル、数々のネガティブキャンペーン、はては民主党支持者の多い地域に投票用紙を送りつけないなど、噂になったことをあげればキリがない。はては「ケリー夫人の脱税スキャンダルをブッシュ陣営が握り、これをケリー陣営にぶつけて揺すった」など、いろんな事が言われている。本命視されたゴア前副大統領、ヒラリー・クリントン上院議員が出馬しなかったことも、ブッシュ陣営には幸いした。ゴアかヒラリーが出馬していたら、ブッシュはひとたまりもなかっただろう。大統領の座を守るためにこれだけの権謀術数を使った人間は、有史にはいないだろう。
(後半に続く)
ブッシュの「一国唯我独尊」路線を継続するのか、はたまたケリーが「国際協調路線」に舵を戻すのか、全世界中が固唾をのんで見守っていたのだが……
ブッシュ大統領 29州 選挙人274人 約5,911万票
(得票率51%)
ケリー候補 19州と首都ワシントン 選挙人252人 約5,555万票
(得票率48%)
ご覧の通り、ブッシュがケリーに約360万票の差をつけて再選を果たした。世界中の反戦派にとっては、非常に残念な結果になってしまった。そして、今回の選挙ではアメリカの国論は完全に亀裂が入った。これほど真っ二つに割れた選挙はなかっただろうし、ヘタをすれば2度と埋まらないだろう。ブッシュが獲得した州はユタ、ネバダ、ルイジアナ、テキサス、魅しピッピーなど内陸部なのに対し、ケリーが獲得したのはカルフォルニア、オレゴン、ワシントン、ワシントン特別州、ニューヨーク、マサチューセッツなど海岸部、インテリが多く集まるところに集中していた。海岸部は海外の情報が比較的入りやすく、アメリカが海外でどう見られているか理解しやすいのに対し、内陸部の住民は外国のことにはほとんどといっていいほど関心を示さない。彼らにとっての「世界」とは、国内のことが全てである。この地域の住民を「世界一の田舎者」とすら蔑んだ夕刊紙もあったくらいである。
過去半世紀で現職大統領が落選したケースは3回しかない。アメリカの主要メディアはこぞって「反ブッシュ」に回り、ネット上では「ケリーに投票しよう」という運動が活発に行われていた。3回開かれた討論会では、ブッシュは満足に受け答えできなかったばかりか、背中に受信機をつけて登壇していたのではないかという「疑惑」まで出てきた。それでもブッシュは勝ち、ケリーは負けた。
いくつかの出来事が、ブッシュの勝因としてあげられている。その一つが、「ビンラディン」のビデオが世界中で放映されたこと。「ビンラディン」はそのビデオの中で、3年前の9・11は自分たちの仕業であると告白したが、このビデオに出てくる「ビンラディン」自体が非常に怪しい。フランスのマスコミは「音声解析機関に解析してもらった結果、このビデオに出てくる人物は、95%の確率で『ビンラディンのニセモノ』だ」と断じていた。仮に本物だとしても、この時期に出されるのは意図的なものと思われてもしょうがない。そうして「テロの恐怖」を煽り、ブッシュ得票率にこぎ着けたのだろう。あまりに露骨なやり方である。
ブッシュは選挙に勝つためには、それこそありとあらゆることを使ってきた。2年前に電子投票システムを導入したが、そのシステムを導入した業者はブッシュの支援者だったとか、そのシステムにはブッシュのスイッチを押せば1回で3票はいるように細工し、反対にケリーのスイッチには3回で1票にするようにセットしたとか、激戦区の選挙管理人と司法長官に共和党支持者を起用したり、電話を使っての詐偽投票、サブリミナル効果満点のコマーシャル、数々のネガティブキャンペーン、はては民主党支持者の多い地域に投票用紙を送りつけないなど、噂になったことをあげればキリがない。はては「ケリー夫人の脱税スキャンダルをブッシュ陣営が握り、これをケリー陣営にぶつけて揺すった」など、いろんな事が言われている。本命視されたゴア前副大統領、ヒラリー・クリントン上院議員が出馬しなかったことも、ブッシュ陣営には幸いした。ゴアかヒラリーが出馬していたら、ブッシュはひとたまりもなかっただろう。大統領の座を守るためにこれだけの権謀術数を使った人間は、有史にはいないだろう。
(後半に続く)