読んだり観たり聴いたりしたもの -77ページ目

「IT断食」のすすめ/遠藤功/山本孝昭

1年の計は元旦にありと言うが、個人的には、あまりそういう節目や時節には拘らない方だ。正月は毎年妻の実家に年始に行くが、それ以外は普通に連休として過ごす。いわゆる大掃除もしないし(やるなら夏だろう。わざわざ寒風辛い季節に掃除する意味がない)、おせちも作らないし(冷蔵庫があるのに昔の慣習的な保存食を作る意味がない)、紅白など特番テレビも観ない(文字通り意味がない)。
帳簿ソフトのデータを新年用にコピーするのと、カレンダーを掛け替えるぐらいが、正月らしい作業で、あとは普段通りの休みとして普通に過ごす。

そんなわたしでも、いよいよ今年は40代、不惑を迎えるという年初には、多少の感慨があるようだ。

今年は世相も大きく変わるだろう。そんな中、家族で生き抜いてゆく基盤を、もう一歩固めたいと思う。その柱の一つはやはり経済であるが、大きく稼いで贅沢をしようという気はあまり無い。自営業であるので身を粉にして倍働けば稼ぎは倍になるし、3倍働けば3倍だ。しかし、収入より、時間が惜しい。
収入は増えなくて良い。むしろ、支出を減らしたい。支出の内、最も大きい項目はやはり家賃だ。そこで今年は、家賃交渉をして値下げを頼むか、むしろ、ずっと借りてきたこの古家をいっそ買い取ろうかと考えている。いずれにしても万が一大きくインフレに転じてからでは後の祭りなので、動くなら早い内が良いだろう。

もうひとつ、売上をあまり減らさずに、作業時間を減らしたいと思う。これは昨年10月から取り組んで、ある一定の成果を見た。しかし、もとから無駄な作業、時流の変化で無意味になった作業、自己満足の過剰品質な作業などは、まだまだあると思う。そうした点をコツコツ潰して、毎日30分ひねり出したら、これは結構凄い。漫画なら毎日1冊ずつ読める訳である。山と積まれた漫画もどんどん消化されるだろう。

そうした意味でも、この本は興味深いものだった。

内容を一言で言うと、90年代のIT革命以降、ITが日本の企業に生み出したものは、一部の劇的な超効率化と、日常に蔓延した非効率である、というものだ。私も勤め人時代を思い出して首肯するシーンに事欠かなかった。
本書のポイントは2つ。まず諸悪の根元はメール。メールの持つ特性である、あまりにも簡単に送れてしまう点、その長所でもある非同期性、同報メールなどによる非指向性などが、組織のコミュニケーションツールとして決定的なデメリットを発揮する。
例えば、担当と合って話せば3分で済んで、すぐにその場で次の対応を決める、というシーン。これをITで非効率になった職場ではどう対応するのか。
まず状況を整理してメールを書くのに小一時間もかかる。ようやく送られたメールはCCばかりで、受け取った者は誰も自分に振られた話とは思わず、やっかい事を進んで担当しようと言う者は少ない。どうにか担当が決まったとしても、彼が席に戻るまでメールは見られず、ようやく見たメールの些細な不明点を質問したメールは、今度はとっくに退社した発信者が見ていない。
各プロセスに自信がないので、顧客とのやり取りをすべてCCで上司にも転送。こんなゴミメールであふれかえった上司は、メールの整理だけで1日が終わり、危機を知らせるメールは埋もれ、対応は遅れ、そもそもメールの文面では危機感や緊急性が全く伝わらない。

もう一つのポイントは、資料作成。ITの発達で、誰でも見栄え良い資料を作れるようになった為、莫大な労力を掛けて誰も読まない資料を延々と作り続けているという。
口頭で説明すれば1分で済むところを、残業して十数ページの資料を作成する。責任をかわす証拠とするために、いちいち資料化してメールするよう要求する上司もいるという。
資料作成そのものも問題だ。どんな問題だろうと、webで検索して、コピペ。同業他社の事例、世相など、webで検索すれば出てくる程度の情報を、コピペして綺麗にまとめるだけで、立派な資料をつくったと思い込む。なぜなら膨大な時間を掛けて見た目が素晴らしい資料になっているからだ。
しかし、そこには自分の目と足で掴んだ情報は無いし、本当に必要な、その分析、そして対応が、すっぽりと抜け落ちているのだ。何日も掛け、データやグラフを満載した数十ページの資料。その内容は一言で言うと、「このところ我が社の売上は減少傾向である」。そんなことは最初から誰もが分かっている事だ。
こんな資料を基に会議をしても、長大な資料を朗読するだけで時間を浪費し、疲れ切ったメンバーの結論は、「もう少し調べてみよう」「しばらく様子を見よう」といった事なかれ主義で終わるという。

本当にこうしたIT弊害が蔓延しているのなら、日本企業の低迷もさもありなん。

そして、こうしたITの弊害、IT中毒は今後、むしろ個人の生活習慣上の問題として、だんだんとクロースアップされてゆくだろうと思う。

タバコやアルコールと一緒で、パソコンやスマホを使ってweb・メールをチェック、という行為は悪習化しやすい。何時以降は見ない、とか、電源を切る、といったかなり強制力のある手段を決意を持って実行しないと、普通の人の弱き自制心ではなかなか自律しきれないだろう。ましてや子供には難しいだろう。難しい時代である。AIによる個人秘書が一般化するまで、人類は人生をドブに捨て続けなければならない宿命なのだろうか。

遠藤功/山本孝昭
「IT断食」のすすめ

2012ベストテン

今年も色々と観たり読んだり聴いたり(以下鑑賞という)したが、特に良かったものをメモ。
感想については各エントリを参照の事(まだ書いてない作品もある)。

選抜基準や注意点として、
・2012年にその作品の一部なりとも鑑賞したこと
・2012年にその作品を初めて鑑賞したこと、もしくはその作品を主に鑑賞した期間が2012年であること
・作品の発表時期・制作時期は問わない
・同じぐらいのランクであれば、出来るだけ多様な作者・メーカー、ジャンルとなる方を優先する
・書籍と文芸の部門を分ける(本=書籍≠フィクションという個人的ポリシーから)
・映像作品や音楽の部門も作りたかったが、鑑賞した作品点数が少ないためベスト10の意味が無く断念


●書籍の部

錯覚の科学 /クリストファー・チャブリス,ダニエル・シモンズ,木村博江
知性の限界 不可測性・不確実性・不可知性 /高橋昌一郎
経済成長とモラル /B・フリードマン/佐々木豊 重富公生 地主敏樹訳
不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生 /レベッカ・スクルート/中里京子
極限の科学 /伊達宗行
見学しよう工事現場シリーズ タワー/トンネル/ダム/橋 /溝渕利明
文明を変えた植物たち コロンブスが遺した種子 /酒井伸雄
ピンチさんのハッピーホースマンシップ 馬と仲良くなれる本 /D・H・ピンチ/牧浦千晶訳
〈起業〉という幻想 アメリカン・ドリームの現実 /S・スコット/谷口功一他訳
テクノロジーとイノベーション 進化/生成の理論 /W・ブライアン・アーサー


●文芸の部

部屋 /E・ドナヒュー/土屋京子
青い星まで飛んでいけ /小川一水
これはペンです /円城塔
バンビ -森の、ある一生の物語 /F・ザルテン/上田真而子
いまファンタジーにできること /U・K・ル=グウィン/谷垣暁美
不全世界の創造手(アーキテクト) /小川一水
百年の誤読 /岡野宏文 豊崎由美
本当はちがうんだ日記 /穂村弘
逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録 /市橋達也
マンガはなぜ面白いのか その表現と文法 /夏目房之介


●漫画の部

カラクリオデット /鈴木ジュリエッタ
スクールランブル /小林尽
大阪ハムレット /森下裕美
日出処の天子 /山岸涼子
ちはやふる /末次由紀
海月姫 /東村アキコ
夏のあらし! /小林尽
鉄子の旅 /菊池直恵/横見浩彦
先生! /河原和音
スラムダンク /井上雄彦


●ゲームの部

Wii/斬撃のレギンレイヴ /任天堂
Xbox360/地球防衛軍3 /D3
3DS/カルドセプト /任天堂
PS/ファイナルファンタジーIX /スクウェア
Wii/ゼルダの伝説 スカイウォードソード /任天堂
PS2/ファイナルファンタジーXII /スクウェア・エニックス
3DS/新・光神話 パルテナの鏡 /任天堂
3DS/川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング /任天堂
WiiU/Nintendo Land /任天堂
Xbox/クリムゾンスカイ High Road to Revenge /マイクロソフト


2013年も、たくさんの素晴らしい作品に出会い、そして妻と共にそれらを心ゆくまで楽しめる、そんな年になる事を願っている。

先週読んだ漫画 12/12/23-12/29

●スクールランブル 9-22巻/小林尽


それほどあれこれ読んでいる方ではないけど、それでも久々に、寝る間を惜しんで、という読ませ方をするほど面白い漫画だった。暇だった訳ではないが、あっと言う間に全巻読み切ってしまった。2012年の締めくくりを飾るにふさわしい漫画だったろう。基本的には、ギャグ漫画(エンドも含めて)と認識している。表層的にはラブコメ群像劇なのだが、なんと言ってもキャラ造形とプロットが出色かと。著者特有の、頑固なほどに疾走する表現の芯は、ついて行ける者と行けない者とに極端に読者を分けるだろう。現在、ゆっくりと2周目を読んでいるので、また稿を改めて感想を書きたい。

国家は破綻する 金融危機の800年/C・ラインハート/村井章子

最近読んだ本。

国家単位での金融危機について、世界における古くからの記録を丹念に調査し、その普遍性を立証する。
サブプライムに端を発する近年の、グローバルな金融危機、欧州危機など、これらは現代特有の社会病理ではなく、通貨制国家群にはしばしば訪れる厄災であるのだ。変わらぬ人間の本性までを含めての通貨制経済システムとみなすのであれば、それはこのシステムが背負う原罪なのかも知れない。

大部の書だが、手っ取り早く、現在の世界的危機の、理由、経過、そして展望を知りたい、と言う向きは、第五部だけ読めば十分に手応えが得られるよう配慮されて書かれている。その論拠については前部をご覧下さいという訳だ。

本書の結論から言うと、金融危機はいつの時代、どこの国々でも起こってきた、と言う事である。なぜ金融危機が起きるかというと、過去から学ばず、未来を考えず、欲に溺れて目が眩むからである。

金融工学が発達し、情報化社会となった現代。
この素晴らしい現代では、大昔の経済危機の話など通用しない。前提が違う。条件が違う。人間の英知が違う。多くの一般人、そして金融人がそう思っていた。
そうして、その結果は、何も変わっていないという事を、嫌という程思い知った訳である。

個人的に、ずっとお金に興味がある。守銭奴という意味ではなく、システムとしての通貨を理解したいと思っているのだ。
しかし、ここ10年程ボーっと考えていても、未だにお金という物が一体なんなのか、スッキリ理解する事は出来ない。毎日当たり前のようにそれを使っていながらである。色々と書物を読んでも、分からない。経済学の通説的な定義や解説は、お金の本質を捉えていないと思う。経済学が発展しても金融工学が勃興しても、未だに経済が暴れ馬である事がその証左ではないか。お金という物を本当に理解している人は、きっと誰もいないのだろうと思う。これまで浅学ながらあたった書物の中では、岩井克人の貨幣論に若干心ときめいたぐらいである。

個人的にぼんやり考えている事に、コンピュータのバグとよく似ているのではないか、という事がある。
おおざっぱに言うと、コンピュータとは、演算器とレジスタと記憶装置で構成される。演算器は電卓、レジスタは数字を一つだけ書けるメモ帳、記憶装置は罫線の引かれた無限に長いノートだと思えばよい。ノートのとある欄を見て数字を電卓に打ち込み、別の欄の数字と足し合わせ、新たな欄に合計を書き込む。誰でもしょっちゅうやっている事だろう。ところが、実はこのコンピュータのメモには、数字にルールが決めてあるのだ。例えば、ある欄をみてそこに書かれている数字が「10」だった場合、それは、「次の欄の数字とメモ帳の数字を足して、合計の数字でメモ帳を書き換え、次の次の欄を見ろ」という意味である。この作業が終わったら、命令通り次の次の欄の数字を見て、そのルールを解釈し、実行する。ルールには他に、「15」が「次の欄の数字の数だけ先に進んだ欄を見ろ」を意味していたり「23」が「計算を終了しろ」を意味していたりと、いろいろな種類があるのだ。この単純な計算とメモ書きをルールに従って信じられない速度で延々と繰り返しているのがコンピュータの正体なのである。
ここでミソとなるのが、ルールは数字で表されているので、「ある数字を計算した結果が、何かのルールを表している」という不思議な性質である。言い直すと、データと命令がごちゃ混ぜに書いてあって、どのデータも命令として読めるし、どの命令もデータとして使える、ということだ。ある数字が命令なのかデータなのかを区別する方法はない。これがコンピュータの発展の原動力であり、同時に悲劇なのである。
例えば、ある数字を計算した結果がたまたま23で、それをプログラム(=予め構成した命令の集まり)の作成ミスで「間違った場所」に書き込んでしまったとしよう。その後いろんな欄を参照しながら計算が進み、23が書かれた欄を見た瞬間にプログラムは停止する。「23」はそういう命令だからだ。
しかし、これは実は大変筋の良いバグである。被害も少ないし見つけやすいからだ。
悲惨なのは、書き込んだのが、「15」だった場合である。間違った場所に書かれた「15」命令に従い、次の欄に書かれた数字を元に、想定外の欄へ飛んでしまう。その欄にどの数字が書かれているのか、それを解釈した結果、どうなっていくのかは、もはや神のみぞ知るである。ちなみに、これを計画して意図的に行わせ、飛んだ先の欄に自身のコピーを始め悪事の命令群を記載した改変プログラムの事を、一般的に「コンピュータウィルス」と呼ぶ。
じゃあ、命令とデータを分ければいいじゃないか、と誰しも思うだろう。その通りである。しかし、この命令とデータが同一というシステムは簡素で柔軟性に富んでいるので、なかなか強力なのである。例えば生命のDNAシステムも、同じようにデータと命令が同じ塩基を用いて並んで構成されている。

ながながと関係のない話をしてしまった。
話を戻すと、貨幣経済にも、アナロジーとまでは行かないが、同じようなニュアンスを感じるのである。
貨幣の重要な機能の一つが、物事の価値を計る事である。計った価値はタダの数字であり、データであるはずだ。しかし、このデータ(=貨幣)自体の価値を、さらに計れてしまう、という所が問題だろうと思う。
物事の価値を表した物が通貨だった筈なのに、通貨自体の価値を計ろうとせんがために、物事の価値が逆に変わってきてしまうのだ。
個人的には、この強引すぎる貨幣の価値変換の万能性を封ずるべきだと思う。
そもそも貨幣は価値を換算した便宜的なデータに過ぎないのであるから、貨幣ではなく、元来の価値自体を本位とすべきであろう。貨幣はタダの数字でありスカラーである。一方で、価値というものには、「いつどこで誰にとっての価値か」、と言う観点が必ずある。誰しも知っているように人によって価値は様々なのである。これを無理にスカラーと断じてしまった点に貨幣経済の原理的な弱点があるのではないか。市場の見えざる手こそが、豊に多様性に富んだ「価値」からその本来の意味を剥ぎ取る諸悪の根元なのだ。価値とは本来、ベクトル、もっと一般的には多次元のテンソルで表現すべき状態である。

とまあ、自分で書いておいて具体的にテンソル貨幣経済というものをイメージするのは難しいし、実際問題としてその経済取引を人間の頭で日常的に処理するのは多分不可能だろう。
しかし、ITが発達した現代なら、もしくは近しい未来であれば、個人用の携帯端末を用いて、それは十分に可能であると思う。
そして少なくとも、SF小説の題材としてはかなり面白いのではないかと思うがどうだろうか。

C・ラインハート/村井章子
国家は破綻する 金融危機の800年

物理学史への道/辻哲夫

最近読んだ本。簡単にメモだけ。

科学史の中でも特に物理学史に絞ったという面白い本で、著者の雑文をいくつかのカテゴリにまとめてある。

中でも面白かったのは、仁科芳雄の評伝。クライン仁科の公式とか、理研と言えば仁科先生とか、名前は誰でも知っているが、その生涯や人となりはこの本を読んで初めて知った。その命を削り、体を張った仕事は、確かに日本の現代物理学の父と呼ばれるにふさわしいものであった。

寺田寅彦があのブラッグの公式と同じ結果を自力で突き止めていたという話も寡聞にして知らなかった。日本という科学の僻地であったが為に、寺田がその成果をまとめ公表するのに手間取っている内に、ブラッグの論文が先に世に出てしまったという。わずか数ヶ月の差であった。そしてブラッグはノーベル賞を受賞し、寺田はすっぱりとX線結晶学から身を引いたという。その胸中は如何ばかりか。こんな僻地ではダメだ、というのは、当時の科学者の共通の思いだったろう。長岡半太郎の檄文にしてもそうだし、仁科芳雄にも繋がって行く思いである。

その他にも、アインシュタイン考、初期量子力学の勃興、日本の近代物理学の夜明け、等々、興味深い話が多かった。

著者の、もう少しまとまった書籍も読んでみたいと思う。

辻哲夫
物理学史への道

ソーシャルメディアの経済物理学 ウェブから読み解く人間行動/高安美佐子

先の衆院選でも話題になったソーシャルメディアの分析技術。
経済物理学の手法を用いたその技法を、実務に即して分かり易く解説する技術書である。

今後、社会での存在感がいや増し、大幅な発展が見込まれるこの分野について、これから学びたいと思う初学者には最適かと。
ただし、しっかりと読みこなすには確率過程など統計の数学知識は必須である。またソーシャルメディアの利用実態はもちろんだが、それを支えるIT技術についてもある程度の背景知識がないと、なぜそんなことをやってるの?というのが理解しづらいかも。
逆に言えば、それだけ細かい事を解説してあるという事である。

「Twitterやブログの分析によると、○○という世論が圧倒」というような言説があった時、それは何を意味するのか?そこでは、誰が何をどのように分析したというのか?

「統計は嘘を付く」という事実はよく知られているだろう。分析者の意図しない間違った分析結果、もしくは、「意図して導いたゆがめた分析結果」に惑わされないためにも、実際の分析の現場では、何をどうしているのか概要なりとも知っておく事は、IT社会での自己防衛のためにも重要な事ではないだろうか。

高校数学程度の下知識があれば、ざっと雰囲気を掴む事は難しくない。一覧しておいて損はない本である。

高安美佐子
ソーシャルメディアの経済物理学 ウェブから読み解く人間行動

先週読んだ漫画 12/12/16-12/22

●絶対可憐チルドレン 5巻/椎名高志

最近コツコツ読んでいる。バベルとパンドラとの対立が一層深まる。兵部率いるパンドラは悪の組織という訳ではなく、確かに手段は選ばないが、無能者に虐げられる超能力者のために立ち上がる組織を標榜。皆本やチルドレンの描写にも厚みが蓄積され、今後の展開にも期待できそう。

●本屋の森のあかり 2巻/磯谷友紀

2巻になって、結構面白くなってきてしまった。妻とも話したのだが、あかりのキャラ、この描写はどこかで見たな、と。 思い出せないが、確かにこの絵は見た事がある、という気がする。支店のオープニングとか万引きとかテーマも興味が湧いてくる。ドリトル先生という本は面白いらしいので妻も薦めていた。読んでみようかな。

●スクールランブル 6-8巻/小林尽

今一番面白い。キャラと背景が確立し、脂がのってきた。まあ、作画が落ちてきたのはご愛敬。いずこも届かぬ想いが飛び交う複雑怪奇な人間模様がいよいよ縺れまくってきた。ところで最近烏丸君見ないんだけど。後付け伏線や、後出しエピソードも、このギャグマンガの雰囲気なら何となく自然に感じる。

おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ/正垣泰彦

かなり面白かった。

最初、かかってこいや!と言わんばかりの挑発的なタイトルだな~、と感じたのだが、それは間違いで、自分の店の料理を常に真摯に問い直す自戒の言葉であった。

この著者であるサイゼリヤ創業者の経営も、割合科学的手法に基づく効率主義で、その説明は本書に詳しいが、読んでいて大変腑に落ちる思いだった。

曰く、店の売り上げはメニューと商圏で完全に決まる。よって、店長に売り上げ目標は課さない。その代わり、人件費を始め、経費の目標を達成させる。なぜなら、利益=売上-経費であり、どれだけ経費を削減できるか効率的な仕事が出来るかを考える事こそ、生き残りの道だからだ。人件費を減らすと言うのは、給料を減らすのではない。むしろ給料は業界最高クラスに維持したい。それが出来るよう、無駄を排すのだ。

曰く、料理の味は80%が素材で決まる。だから自社農場を持って種から開発するなど、原材料にはこだわり抜き、絶対に妥協しない。値引き要求もしない。調理するコックによって味に差が出る事を防ぐため、出来るだけ店で調理させない。半完成品を盛るだけの誰でも間違いなく出来る作業に効率化しているので、スタッフに固有の役割という物はない。スタッフは皆調理もホールもやる。だから少ない人員で回る。

色々と面白い事をやっているので、読み出があって楽しい。

もちろん、いわゆる成功本といものの例に漏れず、他の人が読んでも、楽しいという以外に実際にすぐに役に立つ事はないだろう。本を読んだぐらいで実戦できるものなら、今頃世の中は松下幸之助だらけになっているはずだ。経営というものには正解はない。極論すれば、成功者というのは、たまたま、まだ失敗の地雷を踏んでいない者、というだけの意味でしなかい。著者の正垣さんでさえ、もう一回いちから同じ事をやれと言われても、同じように成功したかどうかは分からないだろう。

それでも読者自身の経営観の試金石としては、非常に有用な本であると思う。
なにより以前より割合好きだったサイゼリヤにますます興味が湧いた。

ところで、本文中に、ハレの日に行く高級レストランでの豪奢な料理の濃い味付けと違い、サイゼリヤは日常で毎日食べてもらいたい料理だから、それに合わせた廉価な価格と、毎日でも食べられる薄い味付けに設定してある、と書いてある。
いやいや、サイゼリヤの味付けは結構濃いだろう。今の半分ぐらいの濃さでないと、さすがに毎日は食べられない。まあ、外食予算を切りつめている我が家ではサイゼリヤも十分にハレの日レストランであるから問題無いのだが。


正垣泰彦
おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ

カタツムリのごちそうはブロック塀!? 身近な生き物のサイエンス/稲垣栄洋

野草や昆虫、小動物など、身の回りの生き物についての雑学エッセイ。
春夏秋冬の4部に分かれ、1つの話題は見開きにまとめられ非常に読みやすい構成である。
口当たり良く、品性を感じる文章は読んでいて非常に安心感がある。

ライターが右から左に聞き書きしたような凡百の類似書とは全く異なり、著者の長き経験に裏打ちされた該博な知識がさりげなくちりばめられており、非常に読み出がある。


稲垣栄洋
カタツムリのごちそうはブロック塀!? 身近な生き物のサイエンス

Wii/みんなで投票チャンネル 投票1000回記念/任天堂

Wii黎明期よりサービスが提供されていた「みんなで投票チャンネル 」。
我が家でも毎回楽しんでおり、多分、これまでの全ての投票に参加している。
その結果、先週末時点での投票回数が1000回を突破したので、記念してメモ。

投票回数 1002回 予想的中 657回 はずれ 341回 集計待 4回 的中率 65.8%
世の中分かってる度 422 世の中とのギャップ 39m

妻の成績は、

投票回数 1002回 予想的中 673回 はずれ 325回 集計待 4回 的中率 67.4%
世の中分かってる度 432 世の中とのギャップ 15m

何と、的中数で16差を付けられてしまっている。一時は二十数差あったので、これでも縮めた方であるが、今後の巻き返しに注力したい。

そうそう、バグを発見した。
発見といっても我が家と同じように投票を欠かさず楽しんでいたら誰でも目にするものである。
なんと、投票回数の数字は、上から3桁までしか表示できず、1002回と表示すべき所が「100回」となってしまうのだ。

国内アンケートの投票が週3回、ワールドアンケートが月2回で、年180回。1000回って言ったら6年ですよ~?6年もWiiやサービスの寿命もつんすか?だいたい、それ全部参加する暇人なんていませんよ(笑)
という仕様策定だったのだろうか。でなければこんな大きな表示バグ見逃すとは信じられない。

まあ、今更、Wiiチャンネルの修正更新は無いであろう。
それよりとっととWiiU版を配信すべきだろう。Miiverseとの相乗効果で、爆発的に盛り上がるコンテンツになるのは絶対に間違いないのであるから。