読んだり観たり聴いたりしたもの -65ページ目

任天堂前社長の山内溥相談役死去

訃報を聞いてびっくり。
もちろんお会いした事は無い訳だが、彼の言説は色々見聞きしてきたので寂寥の念を禁じ得ない。

ゲームはおもちゃであると娯楽屋に徹し、本人はまったくゲームを遊ばないのに、ゲームビジネス、娯楽ビジネスの経営では第一人者だったろう。ゲームは知っていてもゲームビジネスは分からない、さらにはゲームについても分からない多数の業界人の中では、これだけの炯眼を持った人は他にないだろう。

一言で言うとカリスマである。その魅力の源泉は、デジタルコンテンツであるゲームの浮ついた表層ではなく、その芯にある「遊び」のもつ泥臭い人間性をしっかりと掴んでいるところだろう。ハイテクで作り上げるデジタルアートのクリエーター作品というような虚像を追わず、市井の人々を驚かす目新しいおもちゃでの商売に徹す地に足のついた方針は、半世紀にわたる経営指揮の中で、ファミコンのヒットから連なる晩年の僅かな飛躍までの間に、散々に失敗をし辛酸を舐めつくした長き雌伏の経験が培ったものであるのだ。そういう経験に裏打ちされた言葉だから沁みる。

山内語録 としてサイトをまとめている人がいるので、興味があれば見てみると良いだろう。

任天堂のゲームビジネスについても書籍が多数出ているが、大半は何も分かっていないゲーム素人のビジネスライターが書いたゴミ本である。

昔読んだ中では、この本が面白かったな。

David Sheff/篠原慎
ゲーム・オーバー 任天堂帝国を築いた男たち

スーファミが出た辺りまでの話だったと思うのでやや古いが、アタリショックから話を初めてテレビゲームという産業を「立ち直らせた」NESの秘密、と言う観点で非常に興味深い内容だった。米国での話も多数。

WiiU/レゴシティ アンダーカバー/任天堂

と言う事で、少し前になるが達成率100%でクリアした。
総プレイ時間は90時間。
普通のペースでプレイして、ストーリークリアが大体30時間で達成率30%そこそこだったと思うので、ストーリークリア後の方が倍ぐらい長い計算か。
非常に楽しめたゲームである。
ストーリークリアまでの印象は、前エントリで書いた通り、アメリカンな映画風のポップでコミカルな展開の連続でとても楽しめた。先が気になってハラハラ、というモノではないし、副題のアンダーカバー=潜入捜査の通り、ギャングに潜り込んでのミッションばかりなので、警察官のクセにする事と言ったら盗みの使いっ走りばっかりというのもどうかなあとは思ったが、まあ、それほど気にせず楽しめるだろう。

前エントリ でも書いたが、町並み・世界の雰囲気はスバラシイの一言。ストーリーを軽くプレイするだけでも十二分に元が取れるし、達成率を目指せば、かなりの時間をこの世界で遊べるだろう。

とくに乗り物系はそのこだわりの操作感で乗るだけで楽しい。また細部の異常とも言える表現に感心した。例えば、このゲームでの車の操作は、小さな子でもすぐ理解できるようにと、アナログスティック左右+アクセル+ブレーキの4入力と簡潔だ。しかし、こんな簡易な操作系にかかわらず、レゴシティの自動車は、ちゃんと挙動が作り込まれているのだ。例えば、アクセルボタンを押してすぐハンドルを切ると動輪が空転したり、またアクセルワンボタンにも関わらず、ちゃんとシフトアップしたりする。しかも、単なる音データのパターンと言うだけではなく速度も合わせて変化するし、なにより驚いたのは、上り坂ではシフトアップせずセカンドで頑張ったりもすることだ。エンジン音が車種で違うなんてのは言うまでもないだろう。

ただ、残念な点もある。
それは、ストーリークリア後のレゴシティは、非常に静かだ、と言う事。前述のように、この世界では、住民相互のコミュニケーションがない。だから、ストーリー上の進展に伴って発生するムービーや台詞によるガイドがクリアによって発生しなくなると、街から「会話」が消えてしまうのだ。それはこのレゴシティの世界にとっては、愛すべき静謐さとも言える長所でもあるが、同時に味気なさを感じる短所ともなってしまう。

静かに感じる理由はもう一つあって、それは遊べるギミックがどんどん減っていく事。一旦クリアしたストーリー上のミッションは、一部はフリーミッションとして何度も遊べるものもあるが、全てではなく、多くのミッションは一度クリアしたらセーブデータを新しくしないと二度は遊べない。これは残念だ。

また、レゴシティにおける冒険は、ほぼ全てが、アスレチックアクションによるアイテム回収か、乗り物の運転、この2タイプのみとなる。もうすこしバラエティがあってもよかっただろう。そして、こちらも、一回クリアしたらもう二度と遊べないのだ。アイテム回収はともかく、チャレンジ系ミッションは、何度も遊べたら良かったのにと非常に残念だ。またその際にはベストタイムを記録してくれれば何度も挑戦するモチベーションとなるだろう。こうしたゲーマー向けの誘導が潔く何もない、という点も、このゲームの特色と言えるかも知れない。

最後に、オープンワールドとは言え、このゲームのそれは完全ではない。リバティ島は別としても、見えてはいるがデータ構造上到達する事ができない場所が結構あって残念だった。また、アスレチックギミックの隠蔽のため、という理由でやむをえない事であるが、視点変更がかなり制限されるシチュエーションが多く、やや閉塞感を感じて気になった。

さて、こうして100%達成してしまうと、上記のような理由もあり、もはやドライブぐらいしかする事がない。
しかし、これだけの労力を注ぎ込んだワールドである。もっと楽しめたらいいのに、と切望する。
そこで、DLCとして追加で遊べる仕様を考えてみたので、妄想を垂れ流して筆を置こう。

・レゴシティでクレイジータクシー

イエローキャブに乗った時には、誰しも思った事だろう。お客を乗せて、お客の指定の場所へ走りたい、と。ほとんどクレタクのようなぶっ飛び仕様でも良いし、キチンと交通ルールを守るストイックタイプでも面白そうだ。これまでに乗せた客、というカウントデータを一つ作ってくれればかなり遊べそうである。レゴの世界では、こうした遊びは妄想力を駆使して行え、という事なのかも知れないが、すくなくとも客が自分のタクシーに乗ってくれないと、私程度の貧困な妄想力ではキビシイものがあるのだ。
同様パターンとして、バス運転手や鉄道運転手が考えられる。派生パターンとしては、指定場所へ荷物を運ぶトラック運転手、郵便配達バイク、デリバリーバイクなど。

・各職業の日常業務

消防士になって消防署でスタンバイし、日々発生する火災の現場へ急行し消火する、というルーティンを淡々とやりたい。これも消火履歴をカウントしてくれたら最高。このように、返送できる7つの職業の日常業務を淡々とやりたい。泥棒は十分やったのでもう良いだろう。意外と警察官のルーティンはやってないので、これも楽しそうだ。ネズミ取りを張って逃げた違反者を追跡したりしたい。また、写真を手がかりに市内を駆けずり回って家出少年を捜す、というようなのも楽しそうだ。鉱夫、ファーマー、現場作業員などはあまり本編でのアクションと変化がつけにくそうだが、本格農園経営などがあっても面白いかも。


先週読んだ漫画 13/9/8-9/14

先々週は記録無しだったが、例によって読めなかったと言う事で…。

●極楽 青春ホッケー部 11巻/森永あい

ようやく続き入手。相変わらず内容がない。良い意味で。今巻は泉が振り回される話が多い。糸魚川の悪意のない黒さが沁みる。ちょっとタッチが変わってきてないか?!完結まであと3巻。

●紅茶王子 1巻/山田南平

「まなびや三人吉三」がすごく良かったので、作者の代表作を。実は妻は以前に図書館で借りて読んだらしい。特にどうと言うことなく、ということで自分は読まず続刊もなく、と言う事だったらしい。で、今回改めて読んでみると、まあまあかな、と言う感じ。呼び出してしまった紅茶の精である紅茶王子と主人公達紅茶同好会の個性的なメンツが活躍の学園ファンタジー物、という印象。紅茶王子の存在がナチュラルに浸透している日常にややギャップを感じるが、そこを飲み込めばまあ何とか。展開は80年代風でややオールドファッション。そこが長所かも。そめこがちょっと薄いな。次巻に期待。


●パタリロ! 18巻/魔夜峰央

キーンとバンコランの対決、中編。マライヒとエトランジュの愛憎劇など見所多数。ディズニー初登場。相変わらず面白い。次巻決着か。一時に比べて時事ネタパロディが減ったような印象。

●ナルト 40巻/岸本斉史

サスケとデイダラの死闘完結。意外に早いサスケとイタチの対峙。暁を追う自来也などなど。内容的には、まずまずか。自来也と綱手のシーンなど、こういうのをもっと入れたいんだろうな。

●課長バカ一代 子供用/野中英次

職場で拾って妻が読んでいた。ギャグマンガだが、未来町内会の時も感じたが、この著者はあまり嗜好が合わないな…。クロマティ高校もこんな感じなんだろうか。空手バカ一代のパロディなのかも知れないが、ネタ元を知らない無いので何とも言えない。どの辺が子供用だったのかはよく分からなかった。

3DS/川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング/任天堂

同色整列「ものすごく難しい」 2桁 10勝達成!

意外と早く達成できた。
「ものすごく難しい」が駄目そうな時は「すごく難しい」にレベルを落としてクリアしてストレス発散、みたいな事もしていたので、「すごく難しい」もつられて47勝まで増えた。

ネットで検索する限りでは、同色整列の「ものすごく難しい」 をやり込んでいる人はあまり居ないようである。
100勝を達成したとブログに書いていた文字通り桁違いの人が一人見つかるだけで、その下に続くような位置付けの成績の人は見つからない。見つかるのは、ようやく1勝、とか何度やってもクリアできない、という記事ばかりである。多分、最初に1勝するまでの壁がかなり高くて負荷が強いので、2勝目を目指すモチベーションが湧きにくく、あまり取り組んでいる人は居ないのだろう。
海外版を意識して「Brain Age Concentration Training solitaire very hard mode win」などの単語を組み合わせて検索してみたが、こちらも勝利数自慢は全く見あたらない。

すれ違った160人以上の鬼トレ仲間の成績を調べても、同色整列「ものすごく難しい」 の勝利数は、3勝が1人、1勝が僅か4人、他は全て0勝だった。

こうしたデータから判断して、多分、10勝というのは、国内でもかなりの上位と位置づけても良いのではないだろうか。下手をすると国内2位の可能性もうっすらある。
非常に満足である。

さて、今後である。ここしばらく集中して取り組んでいたため、現在さらに腕が上がって、1日約1時間のプレイで3,4日で1勝のペースだ。だから、このペースを1年ほど続けると上記の100勝を抜けるだろう。
だが、それは目指さない。ここまでにしようと思う。
やはり、「ものすごく難しい」は、リソースの消費が激しすぎる。とくに脳力の消費と、何より時間の浪費が厳しい。いくらレゴシティやEDF4のロード待ち時間を活用しているとは言え、100勝に注ぎ込む時間で他のゲームが何本できるねん、という事だ。
気晴らしに、ちょこっと「すごく難しい」をプレイしてさくっとクリアして満足、ぐらいが自分には丁度良いようだ。

ちょっとだけコツを書いておこう。

・とにかく、札が1枚もない列を作れ!
自分は列に穴を開けると呼んでいる。初心者はとにかくスートを揃える事に気が行きがちだが、それは二の次で良い。穴さえあいていれば、揃える事はいつでもできる。多少無理をしてでも、疑問に思っても、取り敢えず穴を開ける方向へ進むこと。

・できるだけ積み上げろ!
スート不一致など気にしない。重なる札の数字が読めなくなる程に、これでもか、というぐらいに積み上げてやる。すると他の列の札は減る。列の札が少なければ少ないほど穴はあきやすい。

・穴を開けるためなら、折角スートを揃えた札並びをバラバラにする事も厭うな!
揃えた状態で底部に置いておくよりも、分割して他の列に積み上げ、その列の札を減らしておく方が良い。特に、異スートが重なって一度では移動不可の列があったら、札を降らせる前に分割して別の列に積み上げ、ワンステップですぐ穴にできる状態にしておく事が重要。この、どれだけ上手に分割を使えるかが上級者への鍵だと思われる。

・一旦開いた穴は死守!
穴が1つ増えれば桁違いに揃えるのが楽になる。逆に、穴が一つ減れば手詰まりへまっしぐら。ただでさえ札を降らせれば穴は埋まる。一旦開いた穴は絶対に埋め戻す様な操作はしてはいけない。つまり、前後で穴の数が変わらないような動かし方しかしてはいけない、と言う事。とくにK(13)は、一旦置いたら動かせない死の札なので、絶対に列から下ろしてはいけない。Kが出たらすぐ降ろす、という様な記述をよく見かけるがこれは間違い。Kは絶対に積んだままにすること。Kを降ろして良いのは穴の数が変わらない時だけだ。

・最後は運!
コツはあっても、結局このゲームは、「運」である。札の配置が全てを決める。3回札を降らせるまでに2列穴があけば、「すごく」で8割、「ものすごく」で5割は勝てる。逆にそういう状態にならなかったらさっさと諦めて新しいゲームを始める方が良い。すごく簡単に解けそうな配置になるまでやり直す。実はこれが勝利への最大のコツかも。

ところで、鬼トレを始め、ほかのトレーニングは、予想通り停滞中である。
賞状もあるし、そろそろ進めていかないとな…。

そうそう、以前、あんなに苦労して鬼トレ仲間系の賞状を集めた訳だが、任天堂がすれちがい通信中継所のサービスを開始したので、鬼トレもどんどんすれ違うようになった。とくに大阪市営地下鉄は中継所天国とも言われるほどで、ホームに端末がある駅も多く、車両に乗っているだけで駅を通過する度、どんどんすれ違うのだ。対決勝利数がぐっと伸びたのはこのような理由である。


出席日数 351日
鬼トレグレード AA
鬼トレ対決 102勝 → 136勝
賞状 83/106

記録(初週 → 前回 → 今回。脳トレは初週略)
○印は前回から伸びたところ。▲は上限終了
末尾のカッコ書きはすれ違った鬼トレ仲間のランキングトップ。★は自分の記録がトップ

●集中時間 測定
46秒 → 5分5秒 → 5分5秒 (10分00秒)

●鬼トレ
鬼計算 3バック → 6バック → 6バック (35バック)
鬼めくり レベル9 → レベル11 → レベル11 (レベル19)
鬼ネズミ 4匹 → 速い5匹 → 速い5匹 (7匹)
鬼朗読 レベル4 → レベル5 → レベル7 (レベル8)
鬼記号 速い2バック → 速い4バック → 速い4バック (速い9バック)
鬼ブロック レベル5 → レベル9 → レベル9 (レベル13)
鬼カップ 5カップ → 7カップ → 7カップ (速い8カップ)
鬼耳算 2バック →3バック → 3バック (速い6バック)

●鬼トレ補助
計算20 40秒 → 16秒 → 16秒 (10秒)
漢字破壊 2分07秒 → 1分1秒 → 1分1秒 (48秒)
倍数探し 54秒 → 39秒 → 39秒 (29秒)
加算格闘 109点 → 245点 → 245点 (610点)
漢字宇宙 222点 → 254点 → 254点 (925点)
釣銭渡し 1分38秒 → 41秒 → 41秒 (18秒)
計算100 2分13秒 → 1分46秒 → 1分46秒 (56秒)
加算破壊 1分8秒 → 1分3秒 → 1分3秒 (33秒)
時計計測 1分36秒 → 1分17秒 → 1分17秒 (26秒)

●脳トレ
▲陣取対局 60面
○赤黒赤黒 普通 88勝 → 94勝 (220勝)
赤黒赤黒 難しい 54勝 (288勝)
名曲演奏 99点 (100点)
○同色整列 簡単 58勝 → 72勝 (220勝)
○同色整列 普通 32勝 → 34勝 (★)
○同色整列 難しい 37勝 → 40勝 (285勝)
○同色整列 すごく難しい 23勝 → 47勝 (★)
○同色整列 ものすごく難しい 3勝 → 10勝 (★)
▲飛石課題 60面
▲聖徳太子 100点
札番増減 普通 97勝 (278勝)
札番増減 難しい 4勝 (★)
▲ 漢字書取 100点
○二角消去 普通 90勝 → 93勝 (220勝)
二角消去 難しい 49勝 (261勝)

●リラックス
脂肪爆発 簡単 2189点 → 2189点 → 2189点 (13171点)
脂肪爆発 普通 1432点 → 1804点 → 1804点 (8110点)
脂肪爆発 難しい 1170点 → 1170点 → 1170点 (4537点)
細菌撲滅 簡単 82点 → 616点 → 616点 (1208点)
細菌撲滅 普通 183点 → 183点 → 183点 (895点)
細菌撲滅 難しい 249点 → 249点 → 249点 (1033点)

賞状残り23

★6 500日出席
★★★17 集中時間測定で10分記録
★★★18 ???(多分集中時間測定15分)
★38 1日で鬼トレを5つ
★★★52 鬼計算で7バック記録
★★★★53 ???(多分鬼計算)
★★★★54 ???(多分鬼計算)
★★★★56 鬼めくりでレベル13記録
★★★58 鬼ネズミで6匹記録
★★★★62 鬼記号で7バック記録
★★★★68 鬼耳算で5バック記録
★★★70 計算20でロケット級
★★★72 漢字破壊でロケット級
★★★74 倍数探しでロケット級
★★★75 加算格闘で新幹線級以上
★★★★76 ???(多分加算格闘ロケット級)
★★★77 漢字宇宙で新幹線級以上
★★★★78 ???(多分漢字宇宙ロケット級)
★★★80 釣銭渡しでロケット級
★★★81 計算100で新幹線級以上
★★★★82 ???(多分計算100ロケット級)
★★★84 加算破壊でロケット級
★★★86 時間計測でロケット級


鬼トレの過去エントリ

先週読んだ漫画 13/8/25-8/31

●極楽 青春ホッケー部 1-9巻/森永あい

職場でゲットして積んでいた物。最近妻が読んで、まあそこそこ、という評だったので読んでみた。
あ、これはかなり好みだわ。
設定は一言で言うと、桜蘭高校ホスト部のパクリ。つまり、ハイソな高校に潜り込み入学した庶民の少女が、無理矢理奇妙なクラブ活動に引き込まれ、部長である理事長の坊ちゃんに当人無自覚のまま内心見初められてちょっかいを掛けられ、彼の腹心のメガネ冷徹男や双子などの部員とともにドタバタと学園生活を送るスクールコメディ、ということである。
ホスト部のハルヒがクールな知能派なのに対し、この漫画のヒロイン鈴木ハナは、組成の90%が食欲と睡眠欲という実に見上げたキャラクターである。無論恋愛のレの字もない。ホッケー部と言いつつも、その実体は旅行部で、試合にかこつけてハイソ集団が全国の美味珍味を食べ歩き、普段は部室でゴロゴロとおやつ三昧、という体たらく。身の丈に合わない上流高にハナが入学した理由も、1分一秒でも惰眠を貪るべく、自宅から目と鼻の先にある徒歩3分の校舎に通うため、である。作中に描かれる苦悩と言えば、早く帰って昼寝がしたいが、今日のおやつは美味しそうなので部室に顔を出すべきか否か、というレベル。
ホッケーはしない、ライバルも居ない、部員同士の確執もない、校内でのトラブルもない、もちろん恋愛のドロドロもない。この、何も起こらない、何も起こさない、全く張り切らない志の低さが素晴らしい。実にだらだらとした気分になれる漫画なのである。最後に特筆すべき点。エロの表現が実に自然で驚いた。結構あからさまなネタがあるがバランスが素晴らしいため、うわずってないし下品でもない。また、ギャグと展開が、かなり特異で見応えがある。
14巻完結らしいのでぜひ続きも買って読もうと思う。この内容の無さでどれだけ楽しませてくれるのか期待したい。個人的には、ホスト部より断然好きだな。

ポケモン言えるかな?BW/つるの剛士

職場で拾ったCD。
最近ずっと聴いている。実に素晴らしい楽曲である。

名曲揃いのポケモン楽曲の中でも、言えるかなは特に素晴らしいものが多い。
言えるかな、とは、その名の通り、ひたすらポケモンの名前を早口言葉のようにラップのように歌い継いでいく構成をメインとした楽曲のことである。
「♪ラララ、言えるかな?♪ミジュマル・クルミル・ダルマッカ、ダブラン・マメパト・エンブオー・ゾロアーク…」
とメロディにのせてひたすら歌っていく訳だ。

はっきり言ってポケモンを知らない人には何のこっちゃ、という感じの歌だろう。
自分もかつてはそうだったが、今は違う。
WiiUのポケモンスクランブルUでかなり鍛えたため、ポケモンの名前をかなり覚えたからである。
例えば「…シャンデラ…」と一瞬名前を聞いた瞬間、パッと脳裏にシャンデラのイメージが浮かぶ訳である。こういう認知された状態のポケモンが、歌詞中の1割ぐらいあれば、かなり歌自体に親近感を持てると思う。
そして、あとは認知できるポケモンが増えれば増えるほど、どんどんと聴くのが楽しくなっていくだろう。時には一緒に口ずさむ事もある。

言えるかな、と言えばイマクニとかだったが、このBWベースの新曲は、つるの剛士という人が歌っている。よくは知らないが、特撮系の人気俳優のようである。で、この人の歌が、実に上手いのである。
この人の素質なのか、音響監督の指導が素晴らしいのかは分からないが、メリハリのきいた、グルーブ感に溢れた、素晴らしい歌唱である。そしてポケモンの名前に込めた想いが、実によく伝わってくるのだ。
プロの歌手を連れてきて、楽譜と歌詞を渡して「これはゲームに出てくるモンスターの名前です」と歌わせても、絶対に彼のようには歌えないだろう。一つ一つのポケモンの名前を、そのポケモンを知り抜いて、愛着を持って発声しないと、絶対にこうした雰囲気を持った響きにはならないと思われるのだ。



つるの剛士
ポケモン言えるかな?BW

魚は痛みを感じるか?/V・ブレイスウェイト/高橋洋

先日、「動物が幸せを感じるとき」を読んで、人間を含めた動物の情動についての理解を深めた訳だが、情動という複雑な精神活動を生み出すには、もちろん、それを支える神経組織の存在無しには考えられない。とすると、どこまで簡素で原始的な「脳」でも情動は発生しうるのか?という方向への疑問が生じるだろう。上記の書籍でも、著者は動物を残虐に扱う事はやめよう、という文脈において、例えば、昆虫は痛覚を持たないし恐れの情動も無いので、動物に昆虫を生き餌として与える事は残虐な行為には当たらない、という言説を述べている。

じゃあ、どこで線が引けるの?例えば、魚はどうなの?

と言うのが本書の内容である。
虎の檻に子羊を生き餌として与えるのは残虐な行為であると上記の本では説く。虎は楽しいだろうが、一方で子羊が受ける苦痛と恐怖の情動は凄まじい、そしてそれを見ている私も精神的苦痛を受ける、という訳だ。上記の著者はこのような理由から、動物園では、餌として安楽死させた魚を使用するように薦める。つまり、魚には、痛みを感じる能力も、情動、つまりそれを苦しむ能力もある、という判断なのである。
それは本当か?その根拠は?という点を、表題のこの書籍は丁寧に追って行く。動物行動学の地味な論説にもかかわらず、英国での発表当初、いちやく世間の耳目を集めたという背景には、魚が痛みを感じるかどうか、という点についての世間的な先入観との大きなギャップが存在するのだろう。
それは、魚類というものに対しての生殺与奪を通じた関与が、一般的には、他の動物に比べて濃厚であるという事が関係していると思う。
私は、牛や豚や犬猫を殺した事はないが、魚を殺した回数は数え切れない。それも、水槽の金魚が全滅、というような間接的な関与ではなく、手に持った刃物などで、ずばっと直接に行った行為の事である。水産資源の豊富なこの国の住民には、とくに珍しくもない事だろう。さて、私は魚の傷みについてどう考えていたのだろうか。ここ十数年はあまり魚を殺していない、ということもあり、思い返してみると、ぼんやりとしか分からないが、確かにあまり意識していなかったように思う。
改めて思い返すと色々と興味深い。
例えば、今、活きのよいアジを渡されて、さあ、シメて捌いて、と言われたら、上手い下手は別にすれば、問題無く行えるだろうし、アジは今痛いか?苦しいか?とは意識しないだろう。そして、同じ事を、渡された鶏に対して行え、と言われた時に感じるだろう躊躇は、対象物をシメた経験の有無による物ばかりではないだろう。
今の今まで元気に活きていた生物が、目の前で殺され、切り刻まれていく様を見る時であっても、その生物が例えば、「鯛」だったとしたら、その感想は、美味しそう、に尽きるだろう。生きたまま鍋に入れられて赤く茹だってゆく海老、口を開く貝、などなど同様である。
無理矢理水没させられたハトがもがいて溺れ死んでいく様を、ボーっと暢気な気分で見ていられる人は少ないだろうが、釣り上げられた魚が、岡や船の甲板で、口をパクパクさせながら、同じように「窒息」して行く様には、特に何も感じない、という人は多いだろう。
このように、明らかに我々の社会通念は、魚介類の受ける苦痛、という配慮からは遠いところにあると言えよう。

魚が痛みを感じるか、という問いにはいろんな側面がある。
感覚神経系の有無という、解剖学的な事実。
痛覚、つまり痛いという自覚の有無という、認知学的な仮説。
魚、つまり他者の痛みの存在、という哲学的な想像。
痛みを感じうるものへの配慮という、社会福祉的な課題。
魚の苦痛からの解放と防衛という、行政的な実践。
痛みを知るものとしての魚、に対峙する文化的態度。

これらが混沌と混じり合ってカオスの形相を呈している。著者はもちろん科学者としての事実追求に留まってはいるが、しかし、その科学者としての無邪気な問いの源泉や、結果解釈の補助として、上記の様々な階層の意識がかいま見えて興味深い。

この書籍では、魚が痛覚を持つ事、そしてそれを苦悩することが可能な脳機能をもつ、と推定するにやぶさかでない研究成果の数々が披瀝され実に興味深い。
ここまでは科学的な話だが、これから以降は社会的文化的な話になってしまうので、読む人によって文脈がずれ、違和感を感じる人も出てくるだろう。

影響が大きいところを平たく言えば、例えば、釣りって残虐なスポーツじゃないの?とか、漁業の技法にはもう少し魚の福祉に対する配慮が必要じゃないの?とか、魚が苦しまない調理法をすべきじゃ?とか、水族館で魚が受ける苦しみをどうすべきか?実験動物としての魚の扱いは?というような問題があるらしい。で、これらが行政や科学的研究の原因となったり結果となったり境界条件となったりと色々難しいのである。
一例を挙げると、カナダでは釣りのキャッチアンドリリースは法律で禁止されたらしい。痛みを感じる能力のある魚に対し、逃がすために釣る、という行為は残虐だから、というのが理由だ。釣った魚は、必ず殺さなくてはならない、という法律なのである。それが最新の科学知識に基づく最新の行政理論なのである。

厳密に言えば、痛み、という感覚や意識は、存在の証明ができない。魚どころか、目の前の他人ですら、本当にその人が痛みを感じているという事実を科学的に立証するのは不可能だ。これは哲学の問題である。だから、そこから派生する全ての問題はこの曖昧さという原罪を背負い続ける。例えば、畜産の残虐な殺し方はしてはいけない、と法律が言う時、残虐の定義が曖昧だ。苦痛や恐怖を感じることなく、という言い換えは何も明確になっていないのである。だって可哀想じゃないか、というのは認識論であり、文化論である。

私個人的には、以下のように考える。
・ある生き物を食料とするかどうかは、その生き物が痛みを感じるかどうかや脳の機能とは「無関係に」決めるべきだ。ただし、人間を本人の同意なしに食べてはいけない。
・殺処分の前後で、他の方法に比べて、対象生物の生理的パラメータが著しく悪化したり、処分場の環境維持に著しい困難が生じたり、処分作業者の精神衛生に著しい悪影響がみられる処分方法を、残虐な処分方法と定義し、そうした処分方法は可能な限り排除するべきだ。

残虐な方法で屠蓄すると、恐怖がもたらす生理反応・物理的ダメージで肉質が落ち、暴れる動物が処分場を破損したり飛び散るホコリや糞尿などで食料に汚染が発生し、またこれらを押さえ込まざるを得ない従業員の肉体的精神的疲労が凄まじい。これは「動物が幸せを感じるとき」に書いてあった話だ。残虐でない処分方法を行う事で、これらを改善すべきだ、と私も思う。そしてそれは、動物のためにではなく、人間のために、である。それをエゴだというなら、そもそも他の命を殺して生きる動物はすべて生まれついてのエゴイストだろう。
しかし、自分の命のために他の命を殺す、という非常にプリミティブなエゴは、むしろすがすがしいと思う。
そこに見栄や自尊、自己満足など、エゴを隠すような虚飾をごてごてと付け加える方が不健康ではないだろうか。

最後に、本書では全く触れていないポイントを述べておく。
それは、哺乳類や鳥類に比べ、魚の痛覚が全く人間の注目を集めてこなかった背景には、魚は鳴かない、という理由が非常に大きいのではないかという事だ。
人は痛ければ、苦悶の喘ぎを漏らし、泣き、叫ぶ。鳥や獣も同様である。悲痛な断末魔の絶叫、というものもある。誰がそこに痛みの存在を疑うものが居ようか。
一方で、魚は無言である。何も鳴かず叫ばずなので、空気中に引き揚げた魚が窒息して苦しんでいる、という事にも気づかない程だ。包丁を突き刺しても同様だ。そこに痛みがあるとは想像しづらいのではないか。
ところが、元陸上動物であった哺乳類のイルカ鯨は鳴く。動物愛護団体のターゲットとしてのウェイトの著しい違いの幾分かは、この「声」にあるのではないか。
魚の無音性が痛みの想像に影響を与えているのではないか。また同様に昆虫や無脊椎動物についてもそうした側面があるのではないか。日本人が鳴く虫を愛でるのはその裏返しでは。
こうした実験についてデータがあれば知りたい物だ。


V・ブレイスウェイト/高橋洋
魚は痛みを感じるか?

WiiU/ザ・ワンダフル ワン・オー・ワン/任天堂

例によって発売日の12時過ぎにDL。

閑話だけど、今後、ゲームはDL版しか買わないだろう。一回ディスクレスの便利さを体感してしまうともう戻れない。DL版のデメリットと言えば、貸せない、売れない、という点だけだろう。もともとコレクターなので、「買ったゲームを売る」という行為は基本しないので問題無い。ただ、コレクターとしては、現物がないというのは全く意味がない訳だが、遊びとコレクションでは、遊びの方が比重が高いので、そこは目をつぶるしかない。結局、発売時にDL版で遊び倒したあと、数年後にパッケージを廉価で入手して棚に並べる、という2段階作戦になるだろう。
だから、パッケージからディスクレスインストールできるというXboxOneのアクティべーション方式には若干期待するところもあったが、件の方式は結局世の流れに逆らえずポシャってしまった。まあ、発売十数年後、認証サーバの死に絶えた時に単体オフプレイさえできないのでは困るのでアクティべーション方式は嫌というユーザーの反応もやむなしだろう。他に何か良い方法はないものだろうか。ちなみにXboxOneのアクティべーション方式は、DL版の中古流通に道を拓くという意味でも注目だったのだが…。
あと、DL版がどんどん増えてきて、WiiUのメニューアイコンが狭くて扱いにくい。3DSの様にフォルダが欲しい所だ、今秋の更新に期待しよう。

閑話休題。
さて、まだ数時間しかプレイしてないが、ファーストインプレッションだけ。
一言で言うと、素晴らしいゲームだ。

バリバリの硬派アクションである。我が家レベルの腕では、ノーマルだと若干キツイ。ミッションクリアに十数回のトライが必須、という感じ。死んで死んで、何度も死んで、操作はもちろん、敵のパターンやモーション、ステージギミック、そして命のタイミングを体で覚えろ、というタイプだ。トライアンドエラーで立ち向かうアクションは別に嫌いじゃないし、実際突破した時の達成感は素晴らしいものがあるが、妻がついてこれない。なので、ノーマルで開始したが、イージーでやり直した。

その時、若干トラブルがあったので書いておく。
このゲームでは、いつでも難易度を変えられるのが売りなのだが、社長訊くでもそう説明していたし、DL版の内蔵マニュアルを見てもそう書いてあるが、いくら探してもそのメニュー項目を探し当てられないのだ。やむなくデータを消して、イージーで開始し直した。が、その後、ふとした時に難易度変更メニューを発見した。
必死でTV画面を凝視していたので発見できなかったのだ。なんと、難易度変更メニューはゲームパッドの画面にデカデカと表示されていた。マニュアルの実に素っ気ない説明は、「これを見落とす奴はいないだろう」という事なのだろう。が、実際ここにいた。まさに灯台もと暗しだ。WiiUでは、メニュー項目の一部がゲームパッドの画面に分割表示される場合がある、というのは肝に銘じておく必要があるだろう。マニュアルも、一言、「ゲームパッドの画面で」と書き添えればすぐに分かったろうに。ということで、難易度調節はどうやってやるのかと、ネット検索までした我らの立場が無いので、他にいるはずの同様の困難者に向けてここに記載しておく。

と言う事で話を戻して、このゲームは、アクションの手触りが素晴らしい。技を駆使、というプレイに酔える。ごり押しでは勝てないゲームだ。特にノーマルは無理だろう。
また、意外と謎解き要素もフィールドにちりばめられており、ノーヒント(実際にはヒントはあるが慌てると見えてない)で攻略を考えたり試行したりと、楽しめる。謎解きと言っても、基本アクション対応なので、分かっていれば瞬時に対応できるし、繰り返しプレイでも作業感はあまりでないだろう。
初見殺しも多数あり、幾度と無く死ぬが、基本その場コンティニューなので割合親切だ。

パッと見でも分かる通り、フィールドに100人の仲間と敵が入り交じる画面構成は、視覚による情報収集が大変だ。敵の位置把握やモーション判断などはもちろん、敵味方の区別や、主人公位置の失認さえも注意しないと発生する。だから、最初プレイすると、ごちゃごちゃして何が起こっているのか分からない、何をして良いのか分からない、ボタン連打していたら知らないうちに死んでいた、という繰り返しだろう。
ここで憤慨して投げる人もいるかも知れない。
が、焦らず、じっくりと、まず画面を見る事から慣れていくと良い。慣れてくると、何が起こっているのか見えてくる。見えてくると、どう反応して良いか思いつけるようになる。が、反応しても、タイミングをミスったり、反応方法を間違えたりで、やっぱり何度もやられる。この、見えたあとの、繰り返しの間が、実に丁寧に作ってあり、難しくて死ぬのだが、ミスに納得感があって、再挑戦の気力を削がない。ここがこのゲームのキモだろうと思う。

戦隊もの風のキャラや設定、コミカルなストーリーも、驚くほど作り込んであって実に楽しい。
全体丁寧に作り込まれており、名作の予感だ。まだオペレーション2だが、先が楽しみである。
すでにWiiU買って良かったゲームに認定。

メニューに若干クセがあるのと、フィールドでのアクションやアクション謎解きは、かなりストイックにノーヒントで「まず死ね」、というタイプなので、そこに面食らうかも知れないが、多分すぐ慣れるだろう。

遊び込んだらまたレポートしたい。

任天堂
ザ・ワンダフル ワン・オー・ワン

先週読んだ漫画 13/8/18-8/24

しまったまたさぼりがちで1冊のみ…。

●こちら葛飾区亀有公園前派出所 125巻/秋本治

職場で拾ったので試しに読んでみた。もちろんこち亀は知ってはいるが、実はあまり読んでない。小中学生の時に近所の友達がハマっていて、そいつの家で2、30巻ぐらいまでの所をつまみ食いして読んだ程度だろう。30年以上前の話である。ちなみに学校の木工の授業で、その友達はこち亀が100冊入る本箱を作っていたと思うが結局溢れた訳だ。なおその時自分はベーマガが50冊ぐらい入る本箱を作ったと思う。当時から、なんて長い漫画なんだ、これより長いのはゴルゴと三国志しか知らないぞ、と思っていたが、さても125巻である。ちなみにこの巻が出たのはすでに12年前。調べてみると最新刊は186巻とのことで、もはや絶句するほかない。そして、上記のように、初期の作品は読んでいるので、ベース設定は知ってはいるものの、この巻での登場人物は、派出所メンバーぐらいしか分からず半分は初めて見る顔だ。が、それでも、読んだらすぐ関係も設定も取れるし、驚く事に、すごく面白いのである。この敷居の低さ、取っつきやすさが長寿の秘訣なのだろう。たまたま久しぶりに読んだジャンプでも、知らない連載陣に混じっているこち亀を探して読めば、やっぱり面白いね、と。じゃあ、来週も、コミックスも、となる訳だろう。で、内容なのだが、両津が鮨屋でバイトしてそこのメンバーと懇意にしている設定の話がメイン。女将の孫で4才の女の子だが味覚は天才という檸檬と、彼女の兄が修行している京都の料亭を訪ねる旅行記が出色か。とくに、この檸檬のキャラが素晴らしい。しかし、それからもう12年。彼女も最新刊では16才と大きくなった事だろう。その他、戦車ものとかトレカとか、相変わらずの両さんは年を経ても遊びに余念がない。展開やテンポ感は昔からの相変わらずでワンパターンだが、それが良いのだろう。しかしなんと言ってもこの漫画はキャラの魅力表現力が屋台骨だ言う事がよく分かった。それがちゃんとあるから、娯楽系雑学のストーリーも活きるのだろう。機会があればまた読みたいものだ。

先週読んだ漫画 13/8/11-8/17

●オトメン(乙男) 1-6巻/菅野文

職場でゲットしていた積み漫画。妻が面白く読んでいたので、どれどれと。作風であろうギャグの固さと、文武両道で男の鑑ながら心は乙女の主人公飛鳥のぎこちなさが良くマッチしている。ギャップコメディなんだろうけど、全18巻をどう持たせるのだろうと若干興味がある。剣道部主将の飛鳥→乙女趣味、飛鳥が心を寄せる女子りょう→警官の父に逞しく育てられ心は男子、二人を見守る友人充太→二人をモデルに作品を描く売れっ子少女漫画家、飛鳥の剣道のライバル→メイク命、飛鳥を慕う後輩→漢を目指すが見た目は女子、学友新メンバー→花命、学外新メンバー→DMCのクラウザーもどき、とキャラは皆内外のギャップに悩む。
ベースは飛鳥ではなくて、りょうだと思う。彼女の淡々としたペースで進んでいくんだろうな。次巻機会があれば。


●イキガミ 1-2巻/間瀬元朗

鼻息粗い副題の惹句にどれどれと職場で拾った漫画。架空現代物。国家繁栄維持法の元、強権政府が国民の命を弄ぶ社会。児童へのワクチンに1/1000の確率で忍ばせたナノマシンが、成人前後の指定日時に若者の命を奪う。限りある命、を国民に自覚させるための仕組みという。主人公は、死亡予定時刻の24時間前に、当人に死亡予告証を配達する公務員。彼の視点で強制的に摘み取られる若い命の煌めきを描く。
まず残念なのは、絵にまったく魅力がない事。これに尽きる。決して下手ではないのだが、表情やポーズに説得力がない。キャラに感情移入できない。魅力がない。まあ、こういうタイプの絵を描く漫画家は掃いて捨てるほどいるけどね。要は思い入れの差だと思う。あと、あからさまに、非業の死、という泣かせネタ漫画で、本当にそれをそのまま描いているので、逆に感動のしようがない。北風と太陽。泣け泣けと迫られて泣けるか。そういう物事をストレートに表現する素描には、最高の技量が必要となるものだ、と言う事。と言う訳で、頑張って2巻も読んだら食傷した。


●まなびや三人吉三 1-3巻/山田南平

これも積み漫画消化。よく知らないのだが歌舞伎に題を得ているような説明があり、三人吉三とは、ねずみ小僧みたいな義賊モノの定番らしい。で、高校に現れる、現代の義賊。生徒の切ない願いの投げ文を読み、夜な夜な現れては、失せモノを探し出したり、悪徳教師に鉄槌を下したりと八面六臂の三人吉三は生徒から絶大な信頼を受ける謎の三人組であった。関西弁の主人公の八百屋七々子、通称やぁやは、転勤族の両親にオーストラリアまではついていけず、高校入学と同時に幼なじみの従兄弟宅に居候。引っ込み思案で友人ができない事にコンプレックスのやぁやだったが、突然三代目「お嬢吉三」に指名され…、といったドタバタ学園コメディ。この作品は、人を分ける。特異なキャラ造形と煩雑な設定、奇妙で無理矢理な展開にゾッコンな人と、そして全く趣味が合わない人。つまり作品のテイストが無駄に濃い。当然前者だったので非常に堪能した。もちろんそうでない人の方が多いようで、次巻4巻で終了らしい。残念な事である。漫画家が自分の趣味に走りすぎるとしばしばこうなるものだ、という典型か。何とか機会を見て読みたい。また、著者の代表作、紅茶王子にも非常に興味が湧いたのでこれも機会があれば。